[研究推進・国際交流委員会]

(『日本中国学会便り』2009年第2号より)

藤井 省三

 今期の研究推進国際交流委員会は、以下の委員・幹事により構成されています。な お( )内に新任・留任・専攻・所属などを記しました。
 藤井省三 委員長(留任、文学、東京大学)
 吾妻重二 副委員長(留任、哲学、関西大学)
 福山泰男 委員(新任、文学、山形大学)
 古屋昭弘 委員(留任、語学、早稲田大学)
 松村茂樹 委員(留任、文学・芸術、大妻女子大学)
 王俊文  幹事(留任、文学、東京大学大学院生)

 本誌前号でご報告しましたように、本委員会は前年度に理事会に対して提言(一) 「若手会員研究発表活性化のための小部会制および分科会方式の試行」および提言 (二)「中国学関係学科入学者増加のための大学受験生に対する広報活動:啓蒙的中 国学講演の講師を予備校に派遣する案」を提案しました。
 しかし慎重審議の結果、提言(一)は小部会制および分科会方式による一部の報告 の時間延長は、学会会員の平等の原則に反する懸念がある、という理由で見送りとな りました。また提言(二)は予備校への講師派遣は、たとえ啓蒙的中国学講演のため であっても、学会会員勤務先の大学等が許可しないであろう、という理由でやはり見 送りとなりました。
 そのため本委員会は今年度に入って、これまでEメール会議を数回、大会時の本会 議を一回開きまして、新たに以下のような提言をまとめました。
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 近年日本中国学会会員数は減少傾向にある。その背景には会費負担、大会での発表 機会の不足による大学院生ら若手研究者の未入会、発表テーマの制限などによる隣接 分野の研究者の未入会等が考えられる。
 またそもそも各大学における中国人文学関係学科への入学者数が横ばいである。こ れは中国人文学関係学科の廃止の背景となっており、さらには院生数の横ばいあるい は減少の原因となっている可能性もある。
 そこで本委員会は10月10日の会議で協議した結果、理事会に以下(1)~(4)の4点の 改革案を提案申しあげたい。

(1)院生会費の引き下げ
 7000円の年会費は院生にとっては少なからぬ負担であるため、院生会費を3000~ 4000円に引き下げることにより、院生会員の増加を目指す。またこれにより、隣接分 野の学会所属の院生研究者は、本学会への入会が容易になることであろう。

(2)新たな「第X部会 日本漢詩文」など新部会の設置
 日本漢詩文研究は国文学の分野に属しているが、日本比較文学研究という視点から 考えると、中国文学研究の一領域とも言えよう。そこで大会に新たに「第X部会 日 本漢詩文」を設置し、二、三年は本学会会員の発表に加えて、本学会外部の研究者を 発表者、司会などに招聘して協力を仰いではいかがであろうか。その場合には、外部 研究者に旅費・謝礼を提供する必要があるだろう。
 また「第X部会 日本漢詩文」に続けて、哲学・思想、語学などの分野でも隣接分 野「第Y部会、第Z部会」の新設を検討できよう。
 これら新部会設置により隣接分野との研究交流を強化し、また隣接分野研究者の本 学会への新規入会を促進する。

(3)大会における外国人訪問学者等の招聘発表および講演
 現在、日本国内には常時、多くの中国学を専攻する高水準の外国人研究者が訪問学 人などとして滞在しており、優秀な外国人若手研究者・院生も多く日本で学んでい る。新たに「第Y部会、世界の中国学研究の現在」を新設して、哲学・思想、文学、 語学各一名に各30~40分(さらに討論20~30分)で、中国・香港・台湾・韓国・欧米 など各地域での当該研究者の研究領域に関する研究状況を紹介していただいてはいか がであろうか。その場合には、旅費・謝礼を提供する必要があるだろう。
 ただし新たに「第Y部会」を設置することなく、講演会をこれに充当することも検 討に値するであろう。

(4)中国学関係学科受験者増加のための特定高校における広報活動
 日本には江戸時代の藩校の漢学伝統を受け継ぐ名門高校が各地にあり、「藩校サ ミット」という交流組織ができているという。また中国語教育や中国・台湾への研修 旅行などに力を入れている高校も多い。
 このような高校を対象に本学会より講師を派遣し、啓蒙活動を行い、中哲、中文、 中国語学科などへの進学を促進する。この場合、全国漢文教育学会と協力することも 考えられよう。
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 以上の提言はすでに理事会に報告書として提出しまして、三月の理事会でご審議い ただく予定です。会員のみなさまからもご意見を頂戴できれば幸いです。


(『日本中国学会便り』2008年第2号より)

藤井 省三

 今期の研究推進国際交流委員会は、以下の委員・幹事により構成されています。なお( )内に新任・留任・専攻・所属などを記しました。
  金文京 副委員長(委員留任、文学、京都大学)
  吾妻重二 委員(留任、哲学、関西大学)
  古屋昭弘 委員(留任、語学、早稲田大学)
  松村茂樹 委員(留任、文学・芸術、大妻女子大学)
  王俊文  幹事(留任、文学・芸術、東京大学大学院生)

 本委員会はこれまでEメール会議を数回、大会時の本会議を一回開きまして、主に二つの課題に取り組んできました。

課題(一)若手会員研究発表活性化のための小部会制および分科会方式の試行
(1)若手研究者会員の増加と大会研究発表の改革
 日本中国学会会員数は本年度は上昇に転じたとはいえ、長期的には微減の趨勢にある。斯学の振興のためには、研究意欲に富む優れた若手研究者の学会入会およびその後の学会活動活性化を促進する必要があろう。そのための一つの方法として、大会を若手研究者にとってより魅力的なものへと改革することが考えられ、その改革の一案として大会研究発表制度の改革を提案申しあげたい。

(2)現行大部会制の長所と短所
 現行の研究発表は第一部会(哲学・思想)、第二部会(文学・語学)、および大会によっては第三部会(近現代文学)という大部会制で行われている。この大部会制は二日間で各分野の日本における研究の動向を理解できるという長所を有しており、実際に各部会は毎年一〇〇人から三〇〇人近くの会員の参加を得て盛況である。
 しかしながら若手研究者育成という視点から考えたばあい、現行の大部会制は必ずしも最上の条件を備えてはおらず、二つの問題点を指摘できよう。

  1. 若手研究者にとって二、三百人もの多数の会員を前に行う発表は、精神的負担が大きい。
  2. 若手研究者が周到な発表準備を行い、時に多額の旅費を自己負担して発表している割には討論の時間が短く、時に極端な批判的意見を浴びるに終始してしまうばあいも散見される。
 以上二点の問題点を改善するために、本委員会は以下のような大会発表制度改革案を提起したい。

(3)小部会制の復活とその問題点
 現行の二大部会制(または三大部会制)に替わる制度として、小部会制が考えられよう。数個の小部会を並行して開催することにより、同じ二日間の日程で二、三倍の時空を創出することが可能であり、これによって各発表により多くの時間を配分できるため、コメンテーター起用も可能となり、質量的により豊かな討論が可能となるであろう。
 小部会制はかつて二〇〇〇年大会(東京大学)において「先秦~魏晋セクション」から「清末・当代セクション」までの時代別セクションおよび「総合セクション」と合わせて六セクションで四〇件の発表を行ったことがあり、その際には報告20分、コメント10分、討論20分、合計50分を配分して十分な討論を行い好評であった。
 このような時代別小部会制は二〇〇一年大会(福岡大学)にも引き継がれ、第一部会(六朝以前)以下、唐宋・元明清・近現代の四部会が実施され、四〇件の発表を行っている。このような時代別による小部会制を復活するのはいかがであろうか。
 そのいっぽうで、小部会制導入には以下のような困難が予想される。  

  1. より多くの教室と係員の確保が必要とされる。ただし40人程度の分科会であれば、マイク等の設備は不要である。
  2.  
  3. 投入時間が現行の30分から50分へと増大するに伴い、それに見合った発表討論の質的充実が求められるため、可能なかぎりより良質な発表を揃える必要がある。そのためには発表希望者に対しより長文の(例えば1600字程度)発表計画書提出を求めるなど、より厳格な審査体制を敷く必要がある。
  4.  
  5. 司会者およびコメンテーターを委嘱する会員数が数倍増する。
 このような予想される困難に伴い大会開催校の負担増も憂慮され、これをできる最小限に抑えるためには、理事会による援助体制の整備も必要であろう。

(4)第三部会における小部会制の試行と公募による分科会方式の導入
 大会全体を大部会制から小部会制へと急激に改革することが困難であるならば、一つの大部会で実験的に試行することも考えられよう。たとえば第三部会(近現代文学)は従来から第一、二両部会と比べて発表者、参加者共に少なく、現行においてすでに実質的小部会となっている。また発表者も減少傾向にあるため、第三部会参加者のあいだからは公募による分科会方式の試行を求める声が上がっている。
 分科会方式とは、発表・コメント・討論の2セットを一単位とするテーマ別分科会を公募するもので、日本台湾学会など隣接分野の学会ではすでに多年にわたる実績を積んでいる。その具体的な運営方法は以下の通りである。
 分科会申請者は「五・四新文学の再検討」「1950年代香港映画研究」「ポスト戒厳令期の台湾フェミニズム文学」などのテーマの元に、原則的に座長一名、発表者・コメンテーター各二名から構成される分科会を組織し、申請者を中心に約五名が協力しつつ分科会を準備し実行するというものである。
 このような分科会方式は各種の研究会・中小規模の学会・研究者グループなど学会横断的な組織を基盤として計画されることが多く、そのいっぽうで老壮青各世代の会員の縦断的関係を深める効果も期待できよう。
 ちなみに日本台湾学会では1999年の第1回大会以来、公募による分科会方式を主とし、自由研究発表(本学会現行の形式)を従として大会を運営しており、大きな成果を挙げている。
 来年度の文教大学大会、あるいは再来年度の広島大学大会における第三部会で試行してはいかがであろうか。

(5)分科会方式における外国居住者・非会員の招聘に対する助成金
 分科会方式が第一、二部会にも普及した暁には、各分科会申請者が座長・発表者・コメンテーターの一人として、外国居住の研究者を招聘する際、および国内の非会員を招聘する際に、一件に対し5万円から10万円ほどの旅費助成金を合計二、三件に支給することも検討に値しよう。これにより国際交流と他学会交流とを活性化できるのではあるまいか。

(6)現行の大部会制における老壮世代研究者への発表依頼およびその他
 なお新たに小部会制・分科会方式の試行を検討するほかに、現行の大部会制においても、老壮世代研究者への発表依頼を増加するなどして、各世代の大会へのより積極的参加を促進することも必要であろう。
 また発表者と会員とのより深く率直な研究交流を図るため、発表者の大会懇親会出席申し込みを義務づけてはいかがであろうか。

(7)なお本委員会内部には「小部会制、公募制については、分野ごとに事情も異なる。現代文学部会では強い要望があるとしても、その他の第一、二部会に対しても十分な意見聴取を行う必要がある」との意見もあった。

課題(二)中国学関係学科入学者増加のための大学受験生に対する広報活動
 日中関係は経済を中心として親密化の度合いを増しているが、残念ながら日本の高等教育機関における中国学関係学科への入学者には、顕著な増加傾向は見られない。
 その一方で、各大学では中国学関係学科の受験者数、合格者数、入進学者数等の減少を理由とする教員ポストや研究費の削減という憂慮すべき事態が発生している。
 このような状況に対し、各大学、学部学科では入進学者増を図って高校への出張講義などを行っており、それなりの効果を上げているという。
 日本中国学会も日本を代表する中国人文学分野の学会として、日本全国の大学受験生を対象とする中国学の魅力に関する広報活動を行ってはいかがであろうか。そこで具体的な活動として、大手予備校等と連携した次のような「日本中国学会おすすめの「大学で中国を学ぼう(仮題)」講演シリーズ」を提案したい。その具体的内容は以下の通りである。

  1. 大学受験生を対象として、中国の哲学・思想・文学・文化・言語の魅力を喚起することに熟達した啓蒙的中国学講演の講師を日本中国学会会員より地区別に選出し、講演題目・講師連絡先一覧を用意し、理事会名で同一覧を各地区大手予備校に提供する。
  2. 予備校は同一覧に基づき一名から数名の講師と直接交渉を行い、講師は要請に応じて出張講演を行う。
  3. 本シリーズ講演に際しては、理事会は各講演題目と関連する学習が可能な大学学部学科一覧、授業内容・シラバスなどの資料を作成して、HPに掲載する。
  4. 予備校では講演をDVD化して学生が随時閲覧できるような体制を取っているところが多く、講演後のDVDによる学生閲覧の便を考えて講演時間は30~50分程度を目安にすべきであろう。
  5. 初年度は理事会が評議員の中から各地区ごとの企画責任者を募集して当該地区の一覧(案)作成を依頼し、先に理事会の承認を得た数地区での実現を図る。次年度以後は全国七地区での実現を図る。
  6. 講師・題目一覧は最低一地区5項目、可能であれば10~20項目が望ましい。また本学会が中国学の総合学会であることに鑑みて、哲学・思想・文学・文化・言語の各分野を網羅することが望ましい。
  7. 原則的に予備校側には講師料・交通費の負担は求めない。それに代わって、パワーポイントなど視聴覚資料の準備費用を考慮し、日本中国学会が講師担当の会員に対し支度料(2万円程度か?)を支給する。初年度には仮に2地区で実施するとして各10講義合計20講義で40万円、次年度以後全国7地区すべてで実施したばあい、各5~10講義合計約50講義で100万円の新たな支出が必要とされる。
 これに関して予想される問題点およびそれに対する対策は以下の通りである。  講師選出に関しては理事会・専門委員会等で慎重審議していただくとして、講演題目にはたとえば次のようなものが候補として考えられよう。

日本中国学会おすすめの「大学で中国を学ぼう(仮題)」講演シリーズ講演題目一覧(案)

 課題(一)(二)はすでに理事会に報告書として提出しまして、三月の理事会でご審議いただく予定です。会員のみなさまからもご意見を頂戴できれば幸いです。
研究推進国際交流委員会委員長   藤井省三


(『日本中国学会便り』2007年第2号より)

藤井 省三

 今期の研究推進国際交流委員会は、以下の委員・幹事により構成されています。なお( )内に新任・留任・専攻・所属などを記しました。

 藤井省三 委員長(委員留任、文学、東京大学)
 金 文京 副委員長(委員留任、文学、京都大学)
 吾妻重二 委員(新任、哲学、関西大学)
 古屋昭弘 委員(新任、語学、早稲田大学)
 松村茂樹 委員(新任、文学・芸術、大妻女子大学)
 王 俊文 幹事(新任、文学・芸術、東京大学大学院生)

 本委員会はこれまでEメール会議を数回、大会時の本会議を一回開きまして、以下のような問題に取り組んできました。

(1)『日本中国学会報』バックナンバー滞貨問題の解決方法
 以前より、本委員会では『学会報』在庫問題に取り組み、海外研究機関への寄贈を行いました。これまで台湾、ドイツ等に4件の寄贈を行ったものの、この半年以上は寄贈の要請が全くありません。
 そこで以下のような提案を理事会に行う予定です。
 1.学会便りとホームページで期限を一年に限り、会員に一冊500円(送料込み、郵便切手による納入可)で頒布すると公告する。
 2.一年経過後に、資料・学会事務に必要な若干部数を除き、リサイクル処分を行う。
 なお本学会最大の知的財産である『学会報』を最大限活用するという観点から、寄贈の要請がなくても中国など数箇所の海外研究機関に送付するという意見が最後まで出されていた点を、付記しておきたい。

(2)「日本哲学系諸学会連合(JFPS)」への取り組み方
 2005年に「新体制」として始まった第20期日本学術会議には、30の「分野別委員会」が設置されており、人文学系の委員会には「哲学委員会」「言語・文学委員会」などがございます。その哲学委員会は哲学、宗教、思想系六学会(日本哲学会・日本倫理学会・美学会・日本印度学仏教学会・日本中国学会・日本宗教学会)に呼びかけ、学術会議との新たなパートナーシップの促進母体として「日本哲学系諸学会連合」(略称JFPS)を設立しました。同連合は公開シンポジウムの共同開催、およびFISP(哲学諸学会国際連合)への加盟・協力を目的としています。
 10月6日開催の本委員会では、日本学術会議連携会員であり同連合にも詳しい砂山稔会員にご出席頂き、同連合設立の経緯と今後の展望に関してお話しをうかがいました。その上で、中国に関する人文学振興、中国学の成果の日本国民・地球市民への還元、そして日本学術会議への関与強化の一環として、「日本哲学系諸学会連合」に中国学会も積極的に関与するという答申をまとめ、翌日の理事会で報告しました。


ISO/IEC JTC1/SC2/WG2/IRG 第17回国際会議 報告

ISO/IEC JTC1/SC2/WG2/IRG 第20回国際会議 報告   

松岡榮志


(『日本中国学会会報』2001年第2号より)

筧 文生

4 月2 9 日(東京)、9 月1 5 日(京都)、10 月6 日 (福岡)の3 回開催。

  1. 学会ホームページの開設
  2.  興膳理事長の「学会ホームページの開設をできるだけ早い時期に実現したい」との意向を受けて、 当委員会としては、学会ホームページの立ち上げを今年度の最重点課題に位置づけて、その実現に努力し、福岡大学で開催された第5 3 回大会でβ 版(試作品)の公開にこぎつけた。理事会や評議 員会、β 版を見ていただいた会員諸氏のご意見も参考にしながら改良につとめ、1 2 月初旬には国立 情報学研究所の学協会情報発信サービスのサーバ ーにアップし、仮運用する予定。そして来秋の大 会までに正式公開できるように準備する。

     このHP は、日本語版のほか、英語版・中国語 簡体字版および繁体字版を用意する。

     URL  http://wwwsoc.nii.ac.jp/ssj3/index.html

     英語版は、末尾がindex .e.html 中国語版は、 末尾がindex .c.html となる。

     なお、現在までのHP の内容は、以下の通り。

    1. 理事長挨拶
    2. 日本中国学会の紹介
    3. 第53 回大会の案内
    4. 「日本中国学会報」第1 集~第5 2 集掲載論文目録
    5. 学界展望
    6. 「日本中国学会報」掲載論文執筆要項
    7. 「日本中国学会会報」20 0 1 年第1 号
    8. 会則
    9. 理事・評議員・各種委員会委員名簿
    10. 理事会報告
    11. 各種委員会報告
    12. 国内学会消息
    13. 事務局からの案内(各種お知らせ・入会案内・その他)

       このうち5「学 界展望」は、『中国 文学研究文献要覧 ―戦後編』1 9 4 5 ~ 7 7 年(1 9 7 9 年日外 アソシエーツ)が あるので、7 8 年以 降のものを5 年分づつ第5 2 集からさかのぼり、5年計画で入力する計画である。また12 国内学会消息は、将来的には今後の予定も掲載したいと考えているが、事務局の体制が整うまでは、この他の 事項も含めて、当面発信のみで受信は行なわない。 「掲示板」なども、先送りする。 またHP のためのワーキンググループをつくる に際しては、将来計画特別委員会とも相談しながら進める予定である。 来秋の本格的な稼動までには、メンテナンス管理やセキュリテイの問題など、早急に取り組むべき課題がまだ多く残っている。会員諸氏の積極的な提言を期待する所以である。

  3. その他
  4.  6 月に香港で開催されるIRG 国際会議(情報 技術に関する国際標準化機構と国際電気標準会議)に松岡榮志委員を派遣し、旅費の一部を学会が補助する件について、帰国後、学会に報告することを条件に了承。 2 0 0 2 年7 月に愛知県立大学で開催される国際漢語学会への後援問題について意見交換。今後、日本で開催される国際学会への学会としての対応の原則を取り決めておく必要などが議論された。

    以上


ISO/IEC JTC1/SC2/WG2/IRG 第17回国際会議 報告

2001.06.24   
松岡榮志(東京学芸大学)

  1. 世界中の文字や記号にコードを付し、コンピュータやインターネットでの利用に供するための“UCS (Universal Character Set)”である国際規格ISO/IEC 10646の第17回国際会議が香港で開かれた。松岡は、日本国代表の一人として会議に参加し、“Extension B”に含まれる漢字42,711字の字形の決定に対して、積極的な貢献をした。概要は、以下のようである。
  2. 日時: 2001年6月18-22日
    場所:香港会議展覧センター(HKCEC)
    ホスト:香港特別行区政府資訊科技署(Information Technology Services Department)
    参加者:9カ国・地域 45名(中国10,香港HKSAR6,台湾7,韓国5,北朝鮮4,日本4,ベトナム2,マカオ5,米国1,ユニコード1)
  3. 主な議題とその結果
    1. “Extension B”――これまでにISO/IEC 10646-1では、20,902字の漢字にコードを付し、さらに“Extension A”として、6,692字を追加してきた。今回は、さらに42,711字を“Extension B”としてPlane2(0000-A6D6)に追加するとともに、1カラム(欄)に収めるために、各国・地域から提案された字形のうち、『康煕字典』にできるだけ近い字形を選んだ。これは、極めて難しい選択であったが、ともかくこの秋のリリースに向けて、最終作業を行った。この結果 、総計70,205字にコードが振られ、中国の『康煕字典』、『漢語大字典』、我が国の『大漢和辞典』などのすべての文字にコードが振られ、学術的利用に十分耐えうるものとなった。今後、フォントが各国・地域のメーカーによって用意されれば、わたくしたちの机上でも容易に利用することができよう。
    2. “Extension C”――今後さらに漢字を追加するための話し合いがスタートした。ただ、今回は意見交換を中心に行い、具体的な討議、作業には入らなかった。
    3. 次回は、本年12月に東京で開催の予定。
  4. ニュース
    1. 今回は、マカオ特別区政府(Macau SAR)がはじめて参加した。昨年の北朝鮮に続き、今後の参加に積極的な姿勢を見せている。この国際規格が、アジアにおける漢字使用国・地域にとって、極めて重要な意味を持つことがようやく理解され始めた感がある。
    2. 香港は、1999年に『香港増補字符集』を制定し、香港特有の文字を集めるとともに、国際規格への提案を行っている。詳しくは、以下へ。
      http://www.digital21.gov.hk/eng/hksls/index.html http://www.info.gov.hk/digital21/chi/structure/struct_stand.html
  5. IRGの情報については、http://www.cse.cuhk.edu.hk/~irg を参照。   (以上)

ISO/IEC JTC1/SC2/WG2/IRG 第20回国際会議 報告

2002.12.01   
松岡榮志(東京学芸大学)

  1. 会期  2002年11月18-22日

  2. 場所  ベトナム、ハノイ、ホテル日航ハノイ 2F会議室

  3. 参加者  中国13,日本4,台湾4,香港3,マカオ4,韓国4,北朝鮮2,USA2、シンガポール1,ベトナム2(ホスト),計39名

  4. 経過 会議は、主催者の挨拶、参加者の自己紹介の後、大きく二つのグループに分かれて、検討と作業が進められた。
    #1 ExtensionC1 の修正
    #2 International SubsetのWG2への回答案の作成

      #1については、C1集合の候補として、2万字あまりが提案されたが、その大部分は韓国の『高麗大蔵経』中に見られる字形であり、異体字というより、書写 や版刻、印刷の際に生み出された「変形字」であると考えられ、コード化の対象として疑問が出された。そこで、他の提案字形も含め、いったん持ち帰って検討の後、必要であれば典拠や用法などを付して、再度要求することとなった。次回の会議において、最終的な検討ができるよう、スケジュールを作り直した。
     #2については、日本の提案と中国・台湾・香港・マカオ4地域合同の提案をもとに全体会議で検討し、各国、地域の基本的な文字セットを基礎に、1万字以内の国際的な基本文字セットを作ることがはじめて合意され、12月のWG2に提案されることとなった。
     これは、拡張につぐ拡張に終始してきたIRG会議の歴史の中で、画期的とも言える決定である。今後、10ヶ月をめどに、各国、地域の基本的な規格(文字セット)を持ち寄り、頻度、機能度などを参考に、入れ替えを行い、最終的な原案をまとめる予定である。このセットの使用目的は、日常生活における効率的な漢字情報の利用にあり、メール、携帯電話、家電製品などでの利用が期待されている。さらに、こうした約1万字の文字表をもとに、より小さなセット(minimum set)を作るべしという日本からの提案に対しては、今回は全体会議では取り上げられなかったが、前向きの支持や意見も聞かれた。
     さらに、マカオから編集作業用に筆順を示す場合のガイドラインを作りたいという要求があり、検討の結果 、原案を作成した。

  5. 次回以降の予定
      第21回 2003年4月7-11日、中国(北京or 廈門)
      第22回 2003年秋   未定
      第23回 2004年春  台湾orアメリカ
      第24回 2004年秋  韓国