日本中國學會

The Sinological Society of Japan

『日本中国学会便り』2008年第2号

『日本中国学会便り』2008年第2号

2008年(平成20年)12月20日発行

彙報
再び理事長職を拝命して ――上海師大中哲創新団体との連携の経過報告――
理事長 池田 知久
古代文字資料館
愛知県立大学 吉池孝一・竹越孝・中村雅之(非常勤)
関西大学グローバルCOE「文化交渉学教育研究拠点」(ICIS)
関西大学 吾妻 重二
減少する人文学の大学教員数
広島大学 富永 一登
各種委員会報告
[大会委員会]竹村 則行


[論文審査委員会]土田 健次郎


[出版委員会]川合 康三


[選挙管理委員会]神塚 淑子


[研究推進・国際交流委員会]藤井 省三


[ホームページ特別委員会]渡邉 義浩




平成20年度学会員動向
新役員一覧
平成20年度新入会員一覧
学会基金についての補足説明
第60回大会の記念写真について


再び理事長職を拝命して
――上海師大中哲創新団体との連携の経過報告――

理事長 池田 知久

理事長就任のご挨拶
2008年8月に行われた役員選挙で、図らずも再び理事長の大任を仰せつかり、甚だ困惑しているところである。10月の京都大学大会時における新理事長としてのご挨拶の中で、今日の中国研究の逆境に向かって、会員のみなさんと一致協力して何とか対処していきたいという趣旨のお話を申しあげた。
その時、実行可能な具体的テーマとして挙げたものは、次の3点であった。――(1)電子化をさらに推進することなどによって、学会本部と会員諸氏との間を結ぶ諸媒体(『日本中国学会報』・『日本中国学会便り』・ホームページ)をより親近なものにすること。(2)学部学生・院生・助教などの次世代あるいは若手研究者のエネルギーと意欲を汲み出し、それをバネにして日本の中国研究の一層の活性化を計ること。(3)近年の日本の中国研究はかつて有していた国際的影響力を失いつつあるが、過去のそれの回復を通じて世界の中国研究のレベルアップに貢献すること。
大風呂敷を拡げすぎた嫌いがあるが、ここでは(3)に関連して、現在、本学会が進めつつある上海師範大学中国哲学創新団体(責任者は方旭東教授)との連携による、『日本中国学会賞受賞論文集』(仮称)の出版計画の途中経過をご報告したい。

上海師範大学中国哲学創新団体との連携
さて、今年3月28日のことであるが、上海師範大学哲学系内の「上海師範大学中国哲学創新団体」責任者、方旭東教授(主な専攻は宋明理学と聞いている)より池田のところに、同教授が主宰する同大学の公的研究プロジェクト「海外中国哲学論叢」の一環として、「海外中国哲学論叢系列論文集」を出版したいという申し入れがあった。この目的のために同プロジェクトは、すでにアメリカの『東西哲学』(Philosophy of East and West)と連携して、中国語に翻訳した論文集1冊を上海で出版する計画(学術顧問はハワイ大学のロジャー・エイムズ教授)が進行中であり、他にアメリカでは、『中国哲学年報』(Journal of Chinese Philosophy)と『比較哲学雑誌』(Dao:Journal of Comparative Philosophy)とも連携の交渉中である、ということであった。
日本では、池田を通じて『東方学』と『日本中国学会報』にこの話があった。『東方学』のことはさておいて、本学会に対して具体的には、『学会報』掲載の中国哲学に関する研究論文の中から、近10年ぐらいの代表的な高水準の論文を10余篇精選して、それらを同プロジェクトのメンバーが中国語に翻訳し、同プロジェクトの資金で1冊の論文集に編んで中国で出版するという計画であった。中国語の総字数は25万字を超えないものにしたいという条件が付いている。

本学会理事会の決定と交渉の経緯
本年度第1回理事会(2008年5月17日)で審議した結果、本学会はこの申し入れを受けて同プロジェクトと連携することになった。そして、『学会報』の学会賞受賞論文の内、中国哲学部門の第2回(1971年。第1回は1970年であるが該当者なし)より最近回(2007年)までの全論文を、本学会における中国哲学の研究を代表する高水準の論文として掲載するよう推薦する、という結論に達した。交渉役は池田に委ねられた。
翌5月18日、私はこの理事会決定を方旭東教授に伝えると同時に、本学会側の希望として、中国哲学の受賞論文は合計27篇であるが、物故者が3名いるのでそれを除いて、残る24篇を推薦したい、この内、著者が承諾するものを全て掲載してほしい、と提案した。6月2日、方教授より返報があり、基本的に日本中国学会側の提案どおりでよいが、あらかじめ全論文題目に目を通したいという要請が寄せられた。そこで、ホームページ委員会の渡邉義浩委員長と仙石知子委員を煩わせて、物故者3名の論文を含む合計27篇の題目一覧表を作成していただき、6月16日に方教授に送った。
6月24日、方教授より、24篇の内、3篇は内容が中国哲学ではないので除外して、残りの21篇を掲載したい、と伝えてきた。これに対して、6月26日、私は、この3篇も哲学に関係があるので、除外しない方がよい。また24篇の著者全員が掲載を承諾するわけではなく、不承諾の著者も出ると予想されるので、取りあえずこの24篇全部を翻訳・掲載の候補論文としてもらいたい、と要求した。その後、7月1日、方教授は最終的に、池田の提案に賛成して、本学会側の承諾論文の到着を待つ、ということになった。

受賞論文翻訳・出版の「同意書」の集約
その後、7月1日を過ぎたころ、ホームページ委員会の渡邉委員長にお願いし、上記の趣旨に合致する「同意書」の様式を、法律家と相談して作成していただいた。その様式は、10月5日、受賞者(哲学部門)会員のみなさんの手元に、理事長名の「受賞論文の中国語訳と中国での出版に関するお願い」とともに送り届けられた。なお、9月7日、ご本人の承諾を得て、三浦國雄会員の「資治通鑑考」(『学会報』第23集掲載、1972年の受賞論文)1篇を、見本として方旭東教授に送った。
この「お願い」に対して10月31日までに、物故者を除く24名の受賞者の内、22名の方から「同意書」が寄せられた。その「備考」欄には受賞者のさまざまのご要望・ご意見が記されており、ここでは一々紹介はしないが、以下に述べる中国側との直接交渉の際に議題に上せて大いに役に立った。
以上の3月28日~10月9日の経過は、10月の京都大学大会の理事会・評議員会・総会における理事長報告の中で、簡単にご報告したところである。

「協約」書の合意内容
22通の「同意書」のコピーを携えて、池田は11月5日~7日の3日間、上海師範大学に赴き、責任者の方旭東教授を始めとする哲学系主任の馬徳隣教授、校務委員会副主任の陳衛平教授などといった、幹部の先生方と会見して同大学や哲学系の姿勢・意向を確かめた。そして、特に方教授とは、合計4回に渡り「協約」書の作成について、中国文の条文を一々検討しながら直接交渉を行った。交渉は順調に進んたが、11月26日現在、正確な表現が細かいところまでまだ確定していないので、「協約」書の締結は完了していない。しかし、基本的に大きな問題はないものと考えられる。
余談になるが、方教授は交渉の中で、ご自身、本学会に入会したいとの意思を示された。この時、入会申込書を持っていかなかったのは、私としたことが何とも迂闊であった。また、創立60年CD版『日本中国学会資料(1949年~2008年)』も入手したい、『学会報』のバックナンバーも全てほしい、と求められた。これらの件は、11月12日に帰国した後、15日までに本学会事務局と相談して要求に応えることになった。
また、帰国後、方教授とメールでやり取りしている内に、こちらから優秀な日本語翻訳者を紹介した方がよいということになった。そこで、かねてから知り合いの曹峰氏(清華大学教授)・柳悦氏(首都大学東京博士課程)・王啓発氏(中国社会科学院研究員)・劉岳兵氏(南開大学副教授)、その他日本人2氏を紹介したが、方教授と彼らとの折衝がまだ続いている(11月26日現在)ために、「協約」書の締結がまだ完了しないという状況になっているようである(次の4を参照)。
以下に、この交渉の過程で合意を見ている諸項をご報告する。(これらは「協約」書に書きこまれるものもあれば、書きこまれないものもある。また、書きこまれたとしても、実際の文章はより簡潔な表現になると思われる。この点はご了解いただきたい。)

  1. 両者の連携による今回の出版の目的は、あくまで学術的なものであり、政治的・宗教的・営利的なものではない。
  2. 『日本中国学会賞受賞論文集』(仮称)の冒頭に、池田理事長が中国の読者に対して、日本中国学会の紹介と学会賞に関する紹介を簡単に書くこととする。
  3. 本書の出版は2009年12月までに行いたい。出版社は今のところ、華東師範大学出版社を考えている(変更の可能性もある)。出版部数は未定で、出版社が決めることになるが、2000部前後になる模様である。
  4. 受賞者による著者校正を1回だけ行う。2009年5月までに校正ゲラを出したい。その2か月後の7月までに、校正モドシを済ませていただきたい。(ただし、方教授と日本語翻訳者との折衝によっては、日程がそれぞれ二三ヶ月遅れる可能性もある。)
  5. 著者に印税・原稿料は支払われない。抜刷を作ることは中国の習慣にはないが、1論文につき20部の無料抜刷を方教授から出版社に要求してみる。出版社が同意しない場合は、1著者につき2冊、日本中国学会に2冊、『論文集』を贈呈する。それ以上必要な著者には購入していただく(著者割引がある予定)。
  6. 元論文の内容修正は行わない。ただし、簡単なミスプリ訂正などは構わない。また、著者が希望する場合は、論文の末尾に、著者による「後記」を書き入れることができる。その長さは1篇につき日本語で400字を越えないものとする。
  7. 中国側が翻訳論文を他に転載する場合には、著者に告知するものとする。
  8. 受賞論文の中で、すでに中国語に翻訳されているものがあれば、全訳・部分訳を問わず、中国側に知らせてもらいたい。かつ、その翻訳版の論文を中国側に送ってもらいたい。

その後、池田は、11月14日、受賞者(哲学部門)会員のみなさんに、「受賞論文に関する報告とお願い――既翻訳版についての調査」なる書簡を送って、上記8点の諸項をご報告した。

終わりに
『日本中国学会賞受賞論文集』(仮称)の中国語訳と中国出版のあらましは、以上のとおりである。これが首尾よく運ぶか否かはまだ未知数であるが、どちらに転んでも日本の中国研究者には緊張や刺激をもたらすことだと思う。私としては、それが日本の研究と中国・世界の研究の、双方にプラス方向に働いてくれることを心から願っている。
かつて、本学会の歴史上、代表的な研究書を日本学術会議(文学哲学史学学会連合)に推薦して、英文の「研究論文集、研究論文抄録誌」に掲載したことがある。その年度と著者・書名は以下のとおり(本学会『日本中国学会五十年史』、1998年10月発行、による)。

昭和二十六年度
青木正児『清代文学評論史』
宇野精一『中国古典学の展開』
昭和二十八年度
福井康順『道教の基礎的研究』
吉川幸次郎・入矢義高・田中謙二共著『元曲選釈 第一集』
昭和三十一年度
加藤常賢『支那古代の宗教と思想』
白川静『楚辞発攷』
昭和三十二年度
重沢俊郎『中国古代に於ける合理的思惟の展開』
前野直彬『明七子の先声――楊維木貞の文学観――』
昭和三十三年度
藤堂明保『中国語音韻論』
松本雅明『詩経諸篇成立に関する研究』
昭和三十四年度
今井宇三郎『宋代易学の研究』
島邦男『殷墟甲骨の研究』
昭和三十六年度
白川静『詩経の研究』
星川清孝『楚辞の研究』

真に壮観である。残念ながらこれらの英文版を見ていないから、推測でものを言うしかないが、当時の英語文化圏の研究者がたとえ「抄録誌」であってもこれらに眼を通したとしたら、彼らは日本の中国研究に深い尊敬の念を抱いたにちがいない。そして、何よりも大事だと思われることは、半世紀前の日本の中国研究の隆盛が、本学会の目的意識的な世界発信を伴っていたということである。

(2008年11月26日)

古代文字資料館

愛知県立大学 吉池孝一・竹越孝・中村雅之(非常勤)

古代文字資料館は愛知県立大学のE511研究室にある。これは大学の組織ではない。数名の有志により2003年に設立されたもので、①古代文字資料の公開展示、②機関誌と図書の発行、③ウェブサイトでの情報発信を柱として運営している。この三つの柱につき、それぞれの語り口で紹介をさせていただく。

①古代文字資料の公開展示
漢字と中国周辺の文字を中心に、楔形文字からマヤ文字まで約200点の文字資料を公開展示する。ほぼ半年毎にテーマを設け、空き研究室にショーケースを並べて展示するのであるが、案内の看板もなく、ポスターを数枚貼りだしてあるだけなので県大の学生でもその存在を知るものは少ない。それでもポツリポツリと学生や地域の皆さんがやってくる。ときおり、他大学の研究者も調査にくる。印章・貨幣・粘土板・羊皮紙・拓本など比較的小型の資料を中心としたささやかな展示であるが、過日(平成20年7月28日)、朝日新聞の全国版朝刊の「お宝発見」というコーナーで当館が紹介されるという珍事があった。
これまでに開催した資料展を紹介すると次の通り。「メソポタミア・エジプト・ギリシアの文字」「アルファベットの世界」「古代シルクロードの文字」「中国の民族古文字」「モンゴル時代の民族古文字」「五つの古代文明の文字」。2008年10月現在、「シルクロードの文字―ソグド文字とその末裔―」という展示を行なっている。これらのタイトルからも想像できるように、多種多様な古代文字の資料が一堂に会しているところに本資料館の特徴がある。その中でも、古代シルクロードの貨幣や印章などの文字資料(カローシュティー文字・ソグド系文字・西夏文字・パスパ文字など)が比較的豊富である。とくに、パスパ文字の資料(大小の印章・銅製のおもり・碑文の拓本・貨幣など)は日本屈指(?)のコレクションとなっている。
最後に一言。実物は、複製から得られない思いがけない事実を示してくれることは言うまでもないが、何よりも学問への情熱を呼び起こしてくれる。その意味で、実物資料の公開展示は、学問を志す学生のためであり私自身のためでもある。これらの資料は当館の基盤であるが、次に紹介する②と③にこそ古代文字資料館の面目がある。

(以上吉池)

②機関誌と図書の発行
古代文字資料館では2002年の11月より『KOTONOHA』という研究誌を月刊のペースで発行しており、2008年10月現在で70号を数えるに至っている。毎号の表紙には「‘言語に関わる考察の切れ端’を集めた雑文集」という一文が掲げられ、その下に印章や貨幣といった文字資料が写真で紹介される慣例である。内容は毎号3篇程度の研究ノートやエッセーなどで、両面印刷したB5紙をホッチキスで綴じただけの小冊子とはいえ、日本における言語学関係の月刊誌は現在のところ大修館書店の『言語』と本誌だけであろうと自負している。第1号から第11号までは愛知県立大学E511研究室の発行という形であったが、2003年11月の古代文字資料館設立に伴い、第12号からはその機関誌という位置づけになった。
創刊当時は吉池氏とともに愛知県立大学外国語学部中国学科の学部生が執筆の主体であったが、現在ほぼ毎号執筆しているのは中村・吉池・竹越の3名であり、まれに学生や卒業生の論考が加わるという陣容である。3名の主な執筆領域は次の通り。中村氏は世界の文字・音韻全般を扱い、短いながらも該博な知識と卓越した推理力に裏打ちされたエッセーを数多く執筆している。吉池氏は中国と中国周辺の古代文字に関する論考を多く発表し、特にそのパスパ文字に関する研究は高い評価を得ている。竹越は朝鮮資料と満洲語資料を主な対象として、校訂・翻訳・索引といった資料を多く掲載している。なお、これまでに遠藤光暁(青山学院大学)、竹越美奈子(愛知東邦大学)、呉英喆(内蒙古大学)といった学外の諸氏からも論考が寄せられたことがある。
『KOTONOHA』に発表された文章は、原則として翌月にPDF形式でホームページ上に公開されることになっており、ネット環境さえあれば誰でもダウンロードして読むことが可能である。この点、本誌は極めて開かれた存在であり、掲載された論考や資料が海外の文献に引用されたことも一再ではない。
また、これに付随した活動として、モノグラフ・シリーズである『KOTONOHA単刊』の発行がある。2005年以来、ホームページ上で竹越による満洲語文法書の翻訳、及び中村氏による『音韻学入門』をPDF形式で公開してきたが、紙媒体の図書として出版しようという機運の高まりに応じ、これまでNo.1として竹越孝編訳『清代満洲語文法書三種』(96頁,2007年8月)、No.2として中村雅之著『中古音のはなし―概説と論考』(104頁,2007年10月)を刊行した。間もなくNo.3として、『KOTONOHA』の母体ともいえる同人誌『語学漫歩』のアンソロジー、『語学漫歩選』が刊行される予定である。

(以上竹越)

③ウェブサイトでの情報発信
古代文字資料館が物理的な形で(つまり固定の場所を確保して)設立されたのは2003年11月のことであるが、翌2004年7月からウェブサイトを開設して、インターネット上での情報発信を始めた。最初は当館の管理する資料をデジタル画像で紹介するのみであったが、やがてウェブサイトの特性を生かしたいろいろな情報発信をおこなうようになった。サイトの内容は次のとおり。(1)文字資料の画像提供と解説、(2)機関誌『KOTONOHA』のPDFファイルによる公開、(3)「文字を知る」、(4)その他、である。(1)は本ウェブサイトの中核であり、当館の管理する種々の文字資料を解説付きで公開している。例えばトップページの文字索引から「パスパ文字」をクリックすると、約30点の見本小画像が現れる。次にそれぞれの画像をクリックすると、より大きく鮮明な画像と解説を見ることができる。(2)は上に述べたように、毎月前号の『KOTONOHA』をアップしており、自由に読むことができる。(3)は個々の文字の解説をあらゆる角度からおこなうことを目指しており、将来的にはこのコーナーがデジタル版古代文字資料館の柱になるはずである。高校生や大学生が読んで分かるように説明することを心がけている。現在「パスパ文字を知る」と「満洲文字を知る」が公開されており、間もなく「漢字関連文字を知る」がアップされる予定。以上のほかに「『語学漫歩』総目録」「いろいろな概説」「古書」「いろいろな話」などのコーナーがある。
最後に、古代文字資料館の沿革と展望について簡単に述べておきたい。1994年から2003年まで「対音対訳資料研究会」という小さな集まりが開かれていた。参加者は毎回5名程度であったが、全19回にわたって開催され、アジアの文字資料を対象とした研究発表と熱心な討論がおこなわれた。その研究会の初期には東京・富山・鹿児島に分散していた主要メンバー三人が2004年にはなぜか皆、愛知の地にあった。そこで、2002年以降吉池氏の構想に始まった雑誌『KOTONOHA』の発行と古代文字資料館の運営に、竹越・中村の二人も同乗することになったのである。幸い、『KOTONOHA』は多くの読者に好意的に迎えられ、サイトの各種コンテンツも反響が大きい。今後は更なるコンテンツの充実によって若い学生や研究者の興味を掘り起こしつつ、文字研究・言語接触研究の情報拠点として機能することを目指したい。インターネットを利用できる方は、ぜひ一度当館のウェブサイトを訪れてみて下さい。各種検索ソフトで「古代文字資料館」を検索すればすぐに見つかります。

(以上中村)

関西大学グローバルCOE「文化交渉学教育研究拠点」(ICIS)

関西大学 吾妻 重二

関西大学における「東アジア文化交渉学の教育研究拠点形成」プロジェクトが平成19年度(2007年)、人文科学分野のグローバルCOEに採択された。周知のように、グローバルCOEは、文部科学省が、「我が国の大学院の教育研究機能を一層充実・強化し、世界最高水準の研究基盤の下で世界をリードする創造的な人材育成を図るため、国際的に卓越した教育研究拠点の形成を重点的に支援」することを目的に公募した大型プロジェクトである。採択後、関西大学ではただちに「文化交渉学教育研究拠点」(Institute for Cultural Interaction Studies, 略称ICIS,アイシス)を設立して活動を開始した。当拠点は中国を含む東アジアの歴史的領域において採択された全国唯一のグローバルCOEであり、ここにそのあらましを紹介したい。

概要
関西大学はこれまで東西学術研究所、学術フロンティアとしてのアジア文化交流研究センター、大学院の中国文学専修・史学専修などを通して中国学、日中交流史、アジア史研究の伝統を持つが、これらの実績を踏まえつつ、新しい学問分野としての「文化交渉学」を構想するとともに、その手法を身につけた若手研究者の育成を目指している。
ICISの活動目的は、以下の3点に集約される。

  1. 東アジア世界を多対多関係の織りなす文化的複合体として捉える複眼的視座を共有し、国際的発進力を持つ自立した若手研究者を育成する。
  2. 従来の二国間関係あるいは学問分野別の文化交流研究を越えて、新たな学問分野としての「文化交渉学」を創出し、その理論と方法、具体的研究事例をする。
  3. 各国で個別に行われている文化交流研究・対外関係史研究などを国際的ネットワークで結びつけ、東アジア各地域の文化研究をリードし、固有の「国際学会」を有する研究ハブを構築する。

これには若干説明が必要であろう。とりわけ重要なのは「東アジア世界を多対多関係の織りなす文化的複合体として捉える」という視点である。すなわち、文化は孤立して固定的に存在しているのではなく、他の文化とのたえざる接触を通じて影響しあい変容しながら再生産され、展開していく。これは純粋な「中国文化」なるものも、純粋な「日本文化」なるものも実体としては存在せず、実はさまざまな他文化との接触、交渉のもとに形づくられるという見方であり、文化を「複合体」として見る捉え方でもある。言い換えれば、中国学や日本学、韓国・朝鮮学、歴史、思想、文学、語学といった「従来の二国間関係あるいは学問分野別」の枠組を超えようとする構想であり、上記において、新たな学問分野としての「文化交渉学」というのもそのような意味である。
したがってこの場合、たとえば儒教の研究は先秦時代のみでは完結せず、東アジア地域への伝播や変容、あるいは他地域の儒教との比較という視点のもとに捉えなければならないことになる。そのことによって儒教の持つ外延と内包、すなわち儒教とは何かが、いっそう明確化されるであろう。そして、そのことによってまた、相互の共通点と相違点、すなわち各地域・国家の文化の特色をより正しく測定することが可能になるはずである。これは他の文化事象についても同様である。

組織
組織としては、本学専任教員15名を事業推進担当者として配置している。このほか、助教1名、特別研究員2名、COE-DAC1名、PD3名、博士課程後期課程の院生8名をRAとして任用している。RAを除くメンバー構成は以下のとおりである(写真参照)。

    拠点リーダー

       陶 徳民 日本漢学史・東アジア国際関係史

    拠点サブリーダー

      内田慶市 中国語学・近代東西言語接触研究
      藤田高夫 中国古代史・西北辺境史・近代学術史

    事業推進担当者

       吾妻重二 中国思想史・儒教儀礼・東アジア思想研究
      藪田 貫 日本近世史・女性史
      原田正俊 日本中世史・仏教史
      増田周子 日本近現代文学・比較文学
      二階堂善弘 中国宗教史・道教・東アジアの民間信仰
      松浦 章 近世東アジア海域交渉史・アジア海上交通史
      野間晴雄 人文地理学・アジア稲作社会論
      熊野 建 文化人類学・東南アジア地域研究
      高橋誠一 歴史地理学・東アジア世界と日本
      伏見英俊 チベット文化研究
      小田淑子 宗教学・イスラーム思想
      沈 国威 中国語学・近代漢語語彙交流史

    助教

       西村昌也 東南アジア考古学・ベトナム地域研究

    特別研究員

       佐藤 実 中国思想史・近世中国のイスラーム思想
      篠原啓方 朝鮮史・新羅文化研究

    DAC(デジタル・アーカイブズ・キュレーター)

       氷野善寛 言語コーパスおよび文献データベース

    PD

       木村 自 文化人類学・東アジアのイスラーム文化
      岡本弘道 中国史学・海域アジア交流史
      于  臣 日本学・日本経済思想史
      孫  青 中国近現代学術史

このようにICISのメンバーは、地域としては中国、西アジア、日本、韓国・朝鮮、ベトナム、東南アジア、学問領域としては歴史、思想、宗教、文学、言語、外交史、文化人類学、地理学、考古学など東アジアの人文学領域をカバーしている。ほかに客員教授制度があり、これまで京都大学人文科学研究所の高田時雄教授、浙江工商大学の王勇教授、ヨーク大学のジョシュア・フォーゲル教授、シンガポールの南洋理工大学の王貞平准教授、東京大学の平野健一郎名誉教授を招聘し、文化交渉にかかわるテーマで講演および授業を担当していただいた。
大学院新専攻と若手研究者の育成 さて、グローバルCOEに求められるのは研究面のほか、教育面すなわち若手研究者の人材育成である。そのため2008年度、本学大学院文学研究科に「文化交渉学専攻・東アジア文化交渉学専修」を開設した。2008年度時点で前期課程13名、後期課程5名であり、日本、中国、韓国、台湾、ベトナム籍の学生が在籍している。
文化交渉学専攻における教育の特徴としては3つ挙げることができる。すなわち、語学力の習得、フィールドワークの実施、若手研究者による国際学術フォーラムの開催である。
まず、語学としては英語に加えて2種類のアジア言語(中国語、韓国語、日本語)をアカデミック情報発信のための言語とし、その学習を必須としている。
次に、フィールドワークを博士課程後期課程の必須科目「周縁プロジェクト」として毎年行うこととしている。2008年度は8月末から9月末にかけてベトナム・フエ郊外のタインハー地区においてこれを実施し、筆者も参加した。
若手研究者による次世代学術フォーラムも毎年開催の予定で、助教、特別研究員、COE-DAC、PD、博士課程後期課程院生たちを中心に、海外の同世代研究者を招いて実施する。これは若手研究者の中に国際的ネットワークを形成するとともに、リーダーシップを発揮できる能力を養うためである。2008年度は12月13日・14日に「境界面における文化の再生産──東アジアにおけるテクスト、外交、他者イメージ、茶文化の視点から」を開催した。
このような若手研究者育成は、先にも述べたように、従来の人文学の学問分野を超える学際的性格をもつ。しかしこれは対象を限りなく拡散し、焦点をぼかしてつまみ食いしたり、単なる寄せ集めに終始したりすることではない。ここが大切なところであって、各自のコアとなる研究領域をまず確立し、そのうえで当の研究領域を相対化する視点と方法を身につけることが求められるのである。いわば専門的アプローチに加えて複眼的アプローチを期待するわけで、もちろんこのことは院生のみならず、事業推進担当者である我々教員についてもいえる。
なお、院生に対しては充実した奨学金制度を設けており、志ある学生には当専攻入学を薦めていただければ幸いである。

渋沢記念講座
渋沢栄一記念財団の協力により、文化交渉学専攻・東アジア文化交渉学専修の大学院生を対象とした公開講座を開催している。これは秋学期における15回の連続講義であり、2008年度は「東アジアの過去、現在と未来」というテーマのもとに、入江昭・ハーバード大学名誉教授、渋沢雅英・渋沢記念財団理事長、京都大学・山室真一教授、五百旗頭真・防衛大学校校長教授、朱建栄・東洋学園大学教授、コルカット・プリンストン大学教授、河田悌一・本学学長のほか、陶徳民、二階堂善弘お二人のICISメンバーらにご担当いただいた。2009年度は思想と宗教、2010年度は漢文や芸術や音楽などの学芸をテーマに開催する予定である。
海外連絡事務所・窓口の開設と学術交流協定 ICISでは海外との学術交流を推進するために研究諸機関と協定を結んでいる。とりわけ文化交渉学に関するプログラムを協力して推進し、双方が協力して事業を行うために、北京、上海、台北、ソウルの4ヵ所にICISの連絡事務所・窓口を開設した。北京外国語大学(海外漢学研究中心)、復旦大学(文史研究院・歴史学系・歴史地理研究所)、国立台湾大学(文学院)、韓国の高麗大学校(日本研究センター)がそれである。このほか、中国の中国浙江工商大学(日本文化研究所)、韓国の高麗大学校(中国学研究所)および国立慶尚大学校(慶南文化研究院)、国立全北大学校・人文韓国(Humanities Korea)「米と生活・文明研究団」、安東市の国学振興院とも学術協定を結び、国際学術交流を積極的に展開している。
研究活動と成果 これまでに行ってきた主な研究活動および成果には次のものがある。

    1.国際シンポジウム

       これまで2回開催した。第1回国際シンポジウムは「文化交渉学の可能性を考える──新しい東アジア文化像を目指して」と題して2007年10月4日・5日に開催した。ICISの開設を記念して行ったもので、プリンストン大学の余英時名誉教授をはじめ、中国、台湾、シンガポール、ヨーロッパ、日本など国内外の学界をリードする研究者に発表していただいた。
      続く第2回国際シンポジウムは2008年10月24日・25日、「文化交渉学の構築Ⅰ──‘西学東漸’と東アジアにおける近代学術の形成」と題して開催した。

    2.研究集会

       研究集会はこれまで3回開催している。第1回は「東アジアにおける書院研究」と題して2008年1月29日に、第2回は「内藤湖南への新しいアプローチ」として2008年6月28日に開催し、さらに第3回は「周縁から見た中国文化」として2009年1月24日に開催した。

    3.創生部会

       創生部会は従来のディシプリンを超える視点と方法論を構築するための、ICISスタッフ全員による発表である。これまで14回開催し、各自の研究領域における実績と方法、展望などを説明するとともに、それを「文化交渉学」のテーマに昇華させるための問題提起と検討をたえず行っている。

    4.紀要

       ICISの研究紀要としては『東アジア文化交渉研究』を毎年1回刊行している。ほかに、国際シンポジウムや研究集会の開催に際して、そのつど報告論文集を紀要「別冊」として刊行しており、これまで「文化交渉学の可能性を考える──新しい東アジア文化像をめざして」、「東アジアにおける書院研究」、「内藤湖南への新しいアプローチ──文化交渉学の視点から」の3冊を刊行している。

    5.ニューズレター

       ICISの研究活動を内外に広く周知するために、ニューズレターを毎年2回刊行している。東アジアへの発信と相互協力が不可欠なため、スタッフの協力を得て日本語版、中国語版、韓国語版、英語版の4ヵ国版を作成している。

    6.データベース

       これまで、内田慶市教授、沈国威教授、氷野善寛研究員を中心に、「近代漢語文献データベース」、「現代中国語コーパス」、「漢字文化圏近代漢語研究データベース」を作成し、Webで公開している。

国際学会の設立
このほか、各国で個別に行われている関連研究を国際的ネットワークで結びつけるために学会「東アジア文化交渉学会」(仮称)を設立する予定である。現在、2009年6月の発足を目指して準備中であり、中国、台湾、韓国、アメリカ、ヨーロッパなどの大学・研究機関および研究者たちを結んで構成する。機関誌の掲載論文はすべて英語によるものとし、そのための翻訳者もすでに手配済である。これは東アジア各地域の文化研究をリードするハブを作り、国際的発信力をより強化するためのものである。

以上、グローバルCOE拠点であるICISについてざっと紹介した。この新たなプロジェクトは、一言でいえば「挑戦」である。これまでの手慣れた研究手法、研究領域から一歩踏み出さなければならず、国際シンポジウム、研究集会、創生部会をはじめとする研究会の開催は目白押しであり、論文その他の成果も迅速かつ着実に挙げていかなければならない。教員、若手研究者、院生いずれも多忙きわまりないが、上述した「文化交渉学」の構想は今後の中国学や東アジア学の発展のために避けて通ることのできない路と考えている。大方のご支援とご協力をお願いするとともに、日本中国学会の未来に何がしかの示唆となれば幸いである。
なおICISについて、より詳しくはホームページ(http://www.icis.kansai-u.ac.jp/index.html)をご覧いただきたい。


減少する人文学の大学教員数

広島大学 富永 一登

最近の雇用状況からして、大学教員の減少だけを問題にしても、解決策は見いだせないのだが、長期的な研究基盤の安定が必要な人文学関係のポスト減は、教育研究活動に深刻な影響を与えかねない。文部科学省研究振興局振興企画課学術企画室でも、人文学の振興について委員会を設置して検討中である。今、そのデータ(学校教員統計調査報告書)を掲載して、人文学分野の大学教員数の実態を会員にお知らせしておきたい。なお、人文学分野というのは、哲学・文学・言語学・史学・人文地理学・文化人類学であり、社会学・心理学は、社会科学に含まれる。
大学院重点化・部局化によって、人文学分野の博士課程後期の学生数は、平成16年には7,600人(国立3,678、公立405、私立3517)で、10年間で倍増した。しかし、その主な就職先である大学教員の数は、以下のとおり減少している。

〔人文学分野年齢区分別教員数比較表〕(単位:人)

○本務教員

平成10年 平成16年 増 減
25歳以上 8 1 -7
25歳以上30歳未満 143 60 -83
30歳以上35歳未満 574 371 -203
35歳以上40歳未満 939 685 -254
40歳以上45歳未満 1,067 935 -132
45歳以上50歳未満 1,031 1,028 -3
50歳以上55歳未満 1,035 931 -104
55歳以上60歳未満 783 1,045 262
60歳以上65歳未満 575 564 -11
65歳以上 38 28 -10
6,193 5,648 -545

平成10年 平成16年 増 減
25歳以上
25歳以上30歳未満 10 3 -7
30歳以上35歳未満 95 63 -32
35歳以上40歳未満 190 142 -48
40歳以上45歳未満 217 206 -11
45歳以上50歳未満 230 242 12
50歳以上55歳未満 211 245 34
55歳以上60歳未満 152 250 98
60歳以上65歳未満 141 157 16
65歳以上 29 27 -2
1,275 1,335 60

平成10年 平成16年 増 減
25歳以上 19 18 -1
25歳以上30歳未満 202 177 -25
30歳以上35歳未満 814 794 -20
35歳以上40歳未満 1,471 1,396 -75
40歳以上45歳未満 1,873 2,028 155
45歳以上50歳未満 2,302 2,346 44
50歳以上55歳未満 2,344 2,553 209
55歳以上60歳未満 1,787 2,780 993
60歳以上65歳未満 1,938 2,413 205
65歳以上 2,746 2,182 -564
15,476 16,417 921

○兼務教員

平成10年 平成16年 増 減
25歳以上 9 10 1
25歳以上30歳未満 180 122 -58
30歳以上35歳未満 774 627 -147
35歳以上40歳未満 1,116 969 -147
40歳以上45歳未満 1,414 1,209 -205
45歳以上50歳未満 1,281 1,297 16
50歳以上55歳未満 1,096 1,110 14
55歳以上60歳未満 769 926 157
60歳以上65歳未満 514 515 1
65歳以上 434 393 -41
7,587 7,178 -409

平成10年 平成16年 増 減
25歳以上 1 -1
25歳以上30歳未満 37 48 11
30歳以上35歳未満 228 189 -39
35歳以上40歳未満 324 228 -96
40歳以上45歳未満 359 330 -29
45歳以上50歳未満 321 375 54
50歳以上55歳未満 293 280 -13
55歳以上60歳未満 175 257 82
60歳以上65歳未満 153 177 24
65歳以上 160 139 -21
2,051 2,023 -28

平成10年 平成16年 増 減
25歳以上 15 20 5
25歳以上30歳未満 880 856 -24
30歳以上35歳未満 3,594 4,071 477
35歳以上40歳未満 5,483 5,644 161
40歳以上45歳未満 6,117 6,612 495
45歳以上50歳未満 6,032 6,658 626
50歳以上55歳未満 5,246 6,146 900
55歳以上60歳未満 3,186 5,337 2,151
60歳以上65歳未満 2,967 3,313 346
65歳以上 4,088 3,977 -111
37,608 42,634 5,026

国立大学法人化が始まった平成16年までのデータであるが、いずれも若年から中年の人数が減少していることがよくわかる。現在のデータはないが、増加している世代が退職した後の補充が順調とは言えないので、減少傾向は更に進んでいるであろう。博士課程で研鑽を積んでいる若手研究者にとっては、前途多難な数値である。当面は、わずかに増加傾向にある私学の兼務教員すなわち非常勤講師に望みを託すしかない。この状況が続くと、伝統的研究方法の継承が重要な学問の基礎となる人文学研究の将来は危うくなってくる。
一方、社会学・心理学などを含む社会科学分野の教員数は、同じ平成10年から16年の間に、本務教員が国立434人、公立120人、私立3,263人、兼務教員が国立473人、公立154人、私立6,485人とすべて増加、若年と中年もわずかな減少にとどまり、むしろ増加している年齢層もある。人文学分野とは違い、社会的要請が強い分野は、当然ながら教員数も増加しているのである。
各大学の分野別の教員ポストの配分については、文部科学省は各大学に任せるという方針である。限られた大学教員数の中で、人文学分野の教員数の減少を防ぐには、現職教員が何らかの形で大学内において活躍し、人文学の必要性をアピールするしかないであろう。


平成20年度会員動向

●会員動向(平成20年11月1日現在)
総会員数1,941名、準会員数65機関、賛助会員9社

●本年度『学会便り』第1号発行以来判明した、11月1日現在の物故会員は以下の通りです。(敬称略)

北海道地区
丸尾 常喜
関東地区
宇野 精一  鎌田  正  熊谷 尚夫
櫻庭 和典  芝田  稔  壺井 義正
深津 胤房  村松  暎
中部地区
谷田 孝之
近畿地区
清水  茂
九州地区
菰口  治

●退会会員
○退会申出会員 35名
赤羽 義之   綾部 武彦   伊藤  円
林  泰弘   遠藤 光暁   王  文亮
大方 高典   岡田 祥子   尾崎理恵子
加藤  慧   木内 芳樹   項   青
小酒井淑恵   小谷喜一郎   坂下由香里
鈴木 健之   田中 紀子   張  明輝
陳  洪傑   中川 直美   中川 裕三
中村 嘉弘   西牟田明徳   橋本 高勝
橋本  堯   長谷川滋成   浜政 博司
平木 康平   松村 久子   宮本  勝
棟方  德   森瀬 壽三   森野 繁夫
吉本 育代   渡辺  恵

○四年会費未納による退会会員    計22名

●住所不明会員         32名
荒木ラン子   韋  海英   武  宇林
植松 公彦   笈沼 恵一   王  京鈺
岡本 光生   小川 貴宏   後藤 淳一
小林 忠輝   佐伯 雅宣   佐藤 貢悦
島津 京淳   清水  篤   鈴木 康夫
角田 達朗   関  浩志   薛  羅軍
竹内 良雄   趙  立男   中山  歩
堀田 洋子   堀江 智子   槙  高志
宮内 四郎   山崎みどり   山島めぐみ
山田留美子   藍  惠子   李  彤
劉  柏林   和賀井 聡

※上記会員の連絡先をご存知の方は、お手数ですが、事務局までご一報ください。


新役員一覧

日本中国学会 平成21・22年度役員構成

(五十音順)
理 事 長
池田 知久
副理事長
川合 康三   竹下 悦子
理 事
吾妻 重二   神塚 淑子   佐藤錬太郎
竹村 則行   土田健次郎   富永 一登
花登 正宏   平田 昌司   藤井 省三
堀池 信夫   渡邉 義浩
監  事
安藤 信廣   大木  康   加藤  敏
評 議 員
赤井 益久  阿川 修三  浅野 裕一
吾妻 重二  安藤 信廣  池田 秀三
池田 知久  市川 桃子  市来津由彦
井波 律子  岩佐 昌暲  植木 久行
謡口  明  内山 精也  宇野 茂彦
大上 正美  大木  康  大島  晃
岡崎 由美  尾崎 文昭  垣内 景子
加藤 国安  加藤  敏  釜谷 武志
神塚 淑子  川合 康三  木津 祐子
金  文京  合山  究  小島  毅
後藤 秋正  小松 建男  小南 一郎
坂元ひろ子  佐竹 保子  佐藤錬太郎
柴田  篤  白水 紀子  杉山 寛行
高木 重俊  竹下 悦子  竹村 則行
土田健次郎  戸倉 英美  富永 一登
中嶋 隆藏  野間 文史  野村 鮎子
花登 正宏  平田 昌司  藤井 省三
古屋 昭弘  堀池 信夫  松原  朗
松本  肇  三浦 國雄  三浦 秀一
向嶋 成美  吉田 公平  渡邉 義浩
顧 問
荒木 見悟   石川 忠久   伊藤 漱平
今鷹  真   岡村  繁   加地 伸行
楠山 春樹   興膳  宏   戸川 芳郎
福井 文雅   本田  濟   町田 三郎
村山 吉廣   山下 龍二
幹 事
井川 義次   齋藤 希史
大会委員会幹事
諸田龍美 → 太田亨(2008年6月~)
日本中国学会評議員会 平成20年10月10日確定

平成20年度新入会員一覧

10月10日開催の評議員会で入会が承認されたのは、以下の通りです。

通常会員 20名
相原 里美   近畿   関西外国語大学
阿部  亘   関東   早稲田大学(院)
伊香賀 隆   関東   東洋大学(院)
潮田  央   関東   国学院大学(院)
尾川 明穂   関東   筑波大学(院)
奥野新太郎   九州   九州大学(院)
恩塚 貴子   国外   台湾大学(院)
下田 章平   関東   筑波大学(院)
蕭  涵珍   関東   東京大学(院)
蒋  垂東   関東   文教大学
叢  小榕   東北   いわき明星大学
高橋 佑太   関東   筑波大学(院)
高山 大毅   関東   東京大学(院)
常廣  徹   関東   国学院大学(院)
董  偉華   近畿   立命館大学(院)
播本 崇史   関東   東洋大学(院)
堀  史人   近畿   大阪大学(院)
丸井  憲   関東   早稲田大学(非)・専修大学(非)
最上 桃子   関東   二松学舎大学(院)
和久  希   関東   筑波大学(院)

尚、以下の6月入会者については、本年度の名簿に掲載されています。

●通常会員  25名

池田 智恵   池田 恭哉   石井  理
元  勇準   大戸 温子   加納 留美子
木村 亮太   キング ロバート 熊野 弘子
小島 明子   小林 瑞恵   三瓶 はるみ
臧  世俊   髙石 和典   田島 花野
橘  千早   鄧   芳   二ノ宮 聡
白  雲飛   葉山 恭江   松崎 寛子
山口 博子   山本  律   山脇 水園

林  雪雲

●賛助会員 1社
株式会社 内山書店


学会基金についての補足説明

今回の京都大会の評議員会(平成20年10月10日)において、学会基金の現状に関するご質問がありました。その時の説明が不十分でしたので、ここにお詫び申しあげ、かつ若干の補足説明させていただきます。

2008年10月25日 日本中国学会理事会

1968年、故奥野信太郎先生のご遺族から、学会に対して、故人の生前の意志として50万円が寄付されました。そのお金をどのように活用していくかを話し合う中で、利子のみを経常費に遣うことが決まりましたが、1970年10月、「日本中国学会賞」を設けることとなりました。その後、佐藤震二先生、池田末利先生、伊藤漱平先生からも寄付が寄せられ、そこに学会から300万円を拠出して、総額430万円となる学会賞のための基金ができあがりました。
先日の評議員会では、その430万円が今もあるのかとのご質問が出ましたが、学会基金430万円は、そのまま学会の資産として、定期預金や公社債、貸付信託という形で保有しております。決算書の中の、「信託収益金」とは、公社債と貸付信託からの1年の収益金の合計であり、「預金利息」とは、定期預金に対する利息と、それらの収益金を管理する普通預金口座の預金高に対して支払われる預金利息を合わせたものです。
当初の合意どおり、毎年の学会賞の賞金(年2件、1件8万円。該当者なしの年もある)は、基金のお金そのものは動かさずに、そこから得られる収益金から捻出しております。かつては配当金・預金利息が支出を上回っていましたが、昨今の低配当・低金利によってこれらの収益金だけで学会賞の賞金をまかなうのが難しくなり、2006年度には一般会計より80万円を充填いたしました。2007年度末(2008年3月)の残高は109万9,916 円です。


第60回大会の記念写真について

先般京都大学にて開催いたしました第六十回大会の記念写真をご希望の方は、メールで学会事務局までお申し込みください。(アドレス:ssj3@wwwsoc.nii.ac.jp)
ただしこのたびの写真は業者の撮影ではなく、学会事務局で撮影したものです。
写っている方の一部に陰が入り込んでいるなど、決してできばえのよい写真とはなっておりません。この点ご了承ください。

代金:500円(送料込み)
支払い方法:写真をお送りする際に、振り込み用紙を同封いたしますので、それをご利用ください。
締め切り:1月31日