日本中國學會

The Sinological Society of Japan

日本中國學會報 論文目録

| 第一集 | 第二集 | 第三集 | 第四集 | 第五集
| 第六集 | 第七集 | 第八集 | 第九集 | 第十集
| 第十一集 | 第十二集 | 第十三集 | 第十四集 | 第十五集
| 第十六集 | 第十七集 | 第十八集 | 第十九集 | 第二十集
| 第二十一集 | 第二十二集 | 第二十三集 | 第二十四集 | 第二十五集
| 第二十六集 | 第二十七集 | 第二十八集 | 第二十九集 | 第三十集
| 第三十一集 | 第三十二集 | 第三十三集 | 第三十四集 | 第三十五集
| 第三十六集 | 第三十七集 | 第三十八集 | 第三十九集 | 第四十集
| 第四十一集 | 第四十二集 | 第四十三集 | 第四十四集 | 第四十五集
| 第四十六集 | 第四十七集 | 第四十八集 | 第四十九集 | 第五十集
| 第五十一集 | 第五十二集 | 第五十三集 | 第五十四集 | 第五十五集
| 第五十六集 | 第五十七集 | 第五十八集 | 第五十九集 | 第六十集
| 第六十一集 | 第六十二集 | 第六十三集 | 第六十四集 | 第六十五集
| 第六十六集 | 第六十七集 | 第六十八集 | 第六十九集 | 第七十集
| 第七十一集 | 第七十二集 | 第七十三集 | 第七十四集 | 第七十五集


第一集 1949年

倉石 武四郎  新文學運動とその工具問題
わたなべたかし 戰國時代における「客」の生態 ―「戰國的儒家の生活構造」第三章―
本田  濟   春秋會盟考
今井 宇三郎  伊川易傳自序考
荒木 見悟   朱子の實踐論
山田 勝美   論語釋文逸文一條の發見に就いて
藤堂 明保   中古漢語の音韻論的對立


第二集 1950年

加藤 常賢   呉許呂姜姓考
池田 末利   釋死
竹内 照夫   紳士の説
賴  惟勤   聲調變化について
斯波 六郎   李善文選注引文義例考
網  祐次   賦中心より詩中心へ
目加田 誠   初唐宮廷詩人の群
荒木 見悟   本來性と現實性 ―中庸と華嚴經に依る解明―
田中 謙二   「西廂記」諸本の信憑性
福井 康順   聖徳太子の傳記についてのシナ學的考察
太田 兵三郎  六朝詩論と古今集序


第三集 1951年

木村 英一   古典の復原に關する若干の問題 ―『老子道徳經』のテキストについて―
大濱  晧   名と實 ―墨經と莊子の場合―
赤塚  忠   古代に於ける歌舞の詩の系譜
山田 勝美   螭鬽罔兩考
岡村  繁   沈約郊居賦雷張同箋補正
重澤 俊郎   柳宗元に見える唐代の合理主義
中澤 希男   國秀集攷
麓  保孝   宋の范祖禹の帝學に就いて
市川 安司   朱子哲學に於ける物の意義
小川 環樹   水滸傳の作者について
八木澤 元   陳與郊傳


第四集 1952年

藤堂 明保   上古漢語に於ける指示詞の機能
吉川 幸次郎  老子に於ける對偶の句法について
佐藤 一郎   中國人の飜譯論 ―釋道安の五失三不易論を中心として―
高木 正一   六朝における律詩の形式
今井 宇三郎  「無極而太極」について
後藤 俊瑞   朱子に於ける絶對自由我の自覺
楠本 正繼   全體大用の思想
近藤 光男   清朝經師に於ける科學意識 ―戴震の北極璿璣四游解を中心として―
湯淺 幸孫   清代における婦人解放論 ―禮教と人間的自然―


第五集 1953年

竹田  復   詩經と楚歌
水上 靜夫   酸果傳説起原攷
山下 靜雄   十翼の成立に關する研究
金谷  治   『莊子』内篇について
佐藤 匡玄   王充の大漢思想
内田 道夫   中世中國語の疑問文 ―その二三の特色について―
大槻 信良   四書集註章句に現れたる朱子の態度
岩城 秀夫   南戲に於ける呉語の機能
濱  一衞   春柳社の黒奴籲天録について


第六集 1954年

池田 末利   屋漏・中霤同源考 ―詩・禮所見の前宗廟形態―
天野 鎭雄   莊子の世界 ―内篇に於ける莊子特有の逆説に基いて―
關  正郎   六朝神滅論の背景
内田 道夫   志怪小説の成立について
入矢 義高   北宋の演藝(續完)
荒木 見悟   朱子格物論の周邊
小川 環樹   變文と講史 ―中國白話小説の形式の起源―
藤堂 明保   中國語の史的音韻論


第七集 1955年

穴澤 辰雄   老子の生成論に關する一考察
小野澤 精一  左傳に見える「主」の意味と春秋社會の構造
中島 千秋   離騷の表現樣式について
今井 宇三郎  六家七宗論の成立
船津 富彦   今本詩式についての疑
木南 卓一   陸象山の主張と朱子の立場 ―自由と規範―
内田 道夫   中國語の反語について
松下  忠   徂徠學派の詩文論
濱  一衛   臉譜と隈取


第八集 1956年

赤塚  忠   呂氏春秋の思想史的意義
山下 靜雄   文言傳の新研究
常盤 井賢十  大小戴禮記成立考
金谷  治   孔孟の「命」について ―人間性とその限界―
藤川 正數   魏晉時代における喪服禮説に關する一考察
杉浦 豐治   蓬左文庫所藏論語集解考 ―中原家の學統本をめぐって―
山下 龍二   王龍溪論
八木澤 元   李開先とその戲曲
川口 久雄   敦煌變文の素材と日本文學 ―目蓮變文・降魔變文―
近藤 光男   屈原賦注について


第九集 1957年

内野 熊一郎   民國初・中期の經學觀
谷田 孝之   古代服喪者の頭髮處理について
山田  琢   公羊・穀梁兩傳の文體とその傳文構造について
中島 千秋   阮籍の「論」と「賦」とについて
新美 保秀   我國古傳論語諸古寫本に書入レられた論語釋文の性格と價値
木南 卓一   孟子古義研究 ―仁齋學の根柢と宋學の立場―
原田 種成   本邦傳來の貞觀政要古寫本の研究
松下  忠   江戸時代初期に於ける性靈説
伊藤 正文   盛唐の詩にあらわれた文學論の性格
毛塚 榮五郎  袁中郎に於ける矛盾


第十集 1958年

星川 清孝   楚辭の傳統
前野 直彬   明清の小説論における二つの極點
佐藤 一郎   論語子張篇研究 ―論語の原典批判 その一―
小野澤 精一  左傳に見える「室」の意味と春秋時代の財産
山田  琢   穀梁傳の成立について
關  正郎   王弼の無について
中村 璋八   五行大義鈔本・版本の傳流とその資料的價値
本田  濟   王禹偁 ―宋代思想史の一環として―
山根 三芳   朱子の倫理思想に於ける權の意義
山下 龍二   王陽明の思想の變遷について
佐藤 震二   康有爲哲學序説


第十一集 1959年

加藤 常賢   允格考附顓頊
池田 末利   廟制考 ―制限廟數の問題―
福井 康順   老子道徳經序訣の形成
江頭  廣   「字」について
内野 熊一郎  戰國時東西二土文字分立説摘録
天野 鎭雄   列子書の性格 ―重複文の檢討―
戸田 豐三郎  周易・彖繫兩傳の成立
内山 俊彦   前漢の儒學と神秘思想 ―特に陰陽五行説を中心として―
宇野 精一   南北朝禮學の一斑
藤堂 明保   呉音と漢音
吉川 幸次郎  錢謙益と東林 ―政客としての錢謙益―
王  育德   文學革命の臺灣に及ぼせる影響


第十二集 1960年

日原 利國   春秋公羊學の漢代的展開
藤原 高男   江南義疏家の二派に關する一考察
原田 種成   貞觀政要菅家本における宋刊本の竄入
中野 美代子  岑參の塞外詩 ―その發想の一類型―
友枝龍太郎   朱子格物論の構造 ―禪學よりの脱却と知的立場の確立―
鈴木修次・一海知義  馮惟訥とその詩紀
荒木 見悟   菅東溟 ―明末における一儒佛調和論者の思惟構造―
山井  湧   孟子字義疏證の性格
小野忍・尾上兼英・丸山昇  雜誌「新潮」の足跡
平山 久雄   中古入聲と北京語聲調の對應通則
中村 璋八   日本に殘存せる緯書佚文の新資料


第十三集 1961年

水上 靜夫   桑樹信仰論
栗原 圭介   虞祭の儀禮的意義
安居 香山   緯書に於ける生成論の考察
木村 英一   寒山詩について
李  獻璋   媽祖信仰の發生・傳播とその影響
松下  忠   王世貞の文學論に於ける調劑の思想
尾上 兼英   魯迅とニーチェ
飯田 吉郎   蒋光慈文學における「咆哮了的土地」の位置について
藤堂 明保   古代語の意味と古典の解讀
山口 角鷹   本邦上代漢文體記録と和訓
阿部 吉雄   江戸時代儒者の出身と社會的地位について


第十四集 1962年

御手洗 勝   崑崙傳承と永劫回歸 ―中國古代思想の民族學的考察―
野村 茂夫   禹貢小論
天野 鎭雄   莊子齊物論本文整理私案
日原 利國   白虎通義研究緒論 ―とくに禮制を中心として―
小西  昇   七盤舞に關する諸説について
藤川 正數   魏晉時代、國相が國王のためにする喪服制について
林田愼之助   顏之推の生活と文學觀
鈴木 修次   初唐詩における反復的表現の技巧について
村上 哲見   霓裳羽衣曲考
田森  襄   元代士人の「樂府」に對する態度
平山 久雄   切韻系韻書の例外的反切の理解について ―「爲、薳支反」をめぐって


第十五集 1963年

山田 勝美   釋小鮮
谷田 孝之   儀禮喪服を中心として觀た相續の次序について
緒形 暢夫   春秋時代における「强死」の諸相
町田 三郎   管子輕重篇について
竹治 貞夫   楚辭の「兮」について ―その本文批判的考察―
内山 俊彦   漢代の思想における自然と人閒 ―權力と思想との關連に觸れて―
小西  昇   漢代樂府詩と遊俠の世界 ―南朝 文學放蕩論の發生―
岡村  繁   清談の系譜と意義
木全 德雄   顏延之の生涯と思想
友枝 龍太郎  朱子語類の成立
戸田 豊三郎  呉斗南の古周易について
毛塚 榮五郎  方回に對する人物評についての疑義
香坂 順一   「九命奇寃」の成立
太田 辰夫   清代文學に見える滿洲語
山口 角鷹   小學篇と漢語抄


第十六集 1964年

池田 末利   中國に於る至上神儀禮の成立 ―宗教史的考察―
三上  順   文獻上の宮室制度と殷墟基址
赤塚  忠   大雅文王篇・思齊篇の製作年代について
天野 鎭雄   公孫龍子通變論本文整理私案
藤川 正數   漢代における大臣奪服の制について
吉岡 義豐   六朝道教の種民思想
片岡 政雄   流水に託する譬喩の基本構造の設定竝びにこれに據る詩情の考察 ―自然觀變質の一措定―
小守 郁子   陶淵明の思想
西野 貞治   蘇東坡詩の源流について ―とくに白樂天詩との關係をめぐって―
前野 直彬   明代古文辭派の文學論
岩城 秀夫   明代戲曲の特質
藤堂 明保   明代言語の一側面 ―言語からみた小説の成立年代―


第十七集 1965年

野村 茂夫   先秦における尚書の流傳についての若干の考察
澤田 多喜男  先秦の養生説試論 ―その思想と系譜―
内野 熊一郎  後漢畫像石類資料に現われた人間理想像
増田 清秀   漢魏及び晉初における鼓吹曲の演奏
林田 愼之助  魏晉南朝文學に占める張華の座標
石川 忠久   陶淵明の隱逸について
吉川 幸次郎  漢宮秋雜劇の文學性
佐野 公治   明夷待訪録における易姓革命思想
田仲 一成   清代初期の地方劇について
坂出 祥伸   清末に於ける西歐論理學の受容について
許  常安   飲冰室詩話に見える晩清「詩界革命」の主張
波多野 太郎  再論指示詞“這” ―陳氏治文「近指指示詞“這”的来源」讀后―
藤堂 明保   羌族の歴史とその言語 ―シナチベット語の源流―


第十八集 1966年

島  邦男   卜辭上の殷暦 ―殷暦譜批判―
水上 靜夫   「樂」字攷
谷田 孝之   中國古代親等に關する一考察
木村 英一   孔子の天下遊説について
新田 大作   古代中國數學の數論における「老子」の「一・二・三」
岡村  繁   楚辭と屈原 ―ヒーローと作者の分離について―
大室 幹雄   「荀子」における論理學的思考 ―その構造と本質と機能―
佐藤 匡玄   論衡における理想的人間像
目加田 誠   中國文藝思想における自然ということ ―特に六朝詩論を中心として―
戸川 芳郎   郭象の政治思想とその「莊子注」
竹治 貞夫   楚辭釋文の撰者について
内山 知也   許堯佐とその小説
佐藤  仁   李默本朱子年譜について ―明學の展開と連關して
荒木 見悟   明末における儒佛調和論の性格
奥野 信太郎  水と炎の傳承 ―西遊記成立の一側面―
松下  忠   中島棕隱の詩論と袁枚 ―性靈説の系譜の一例―


第十九集 1967年

加藤 常賢   玉燭と爻肘史と玉衡 ―堯典、在璇機玉衡以齊七政―
池田 末利   周初の天に對する不信觀について ―その宗教思想史的意義―
赤塚  忠   后稷と列子
木村 英一   論語の學而篇について
廣畑 輔雄   武梁祠畫像石「伏羲・女媧圖」に關する一考察 ―その日本神話との關係について―
江頭  廣   金文中の家族制度に關する二三の問題
田中 利明   儀禮の「記」の問題 ―武威漢簡をめぐって―
穴澤 辰雄   莊子における自然(無爲)的天の觀念
中島 千秋   向秀の「思舊の賦」について
林田 愼之助  「文心雕龍」文學原理論の諸問題 ―劉勰における美の理念をめぐって―
山根 三芳   張横渠の天人合一思想
内山 俊彦   王安石思想初探
松川 健二   方孝孺試論
仁枝  忠   錦繡段について ―附 芭蕉に與へた影響―
波多 野太郎  評論晩清短篇社會小説「小額」 ―中國小説戯曲史研究―
藤堂 明保   「ふたつ」を意味するコトバ


第二十集 1968年

谷田 孝之   左傳に現われた祖孫相續について
赤塚  忠   『莊子』中における『管子』心術篇系統の説
千葉  仁   墨子原初思想試探 ―兼愛論と非攻篇―
新田 大作   中國古代における計算術發達の一要因について ―兵法と計算術―
安居 香山   感生帝説の展開と緯書思想
小尾 郊一   謝靈運の山水詩
福井 文雅   清談の概念とその解釋とについて
森野 繁夫   梁の文學集團 ―太子綱の集團を中心として―
林田 愼之助  裴子野「雕蟲論」考證 ―六朝における復古文學論の構造―
平山 久雄   中古音における舌頭音・舌上音の對立語例の成因について
上尾 龍介   杜荀鶴の詩 ―その社會性について―
田中 謙二   院本考 ―その演劇理念の志向するもの―
阿部 吉雄   江戸期の儒書に引用された李退溪「自省録」
白木 直也   和刻本水滸傳の研究 ―所謂無窮會本との關係―
佐藤 震二   康有爲思想の形成
橋本 高勝   章炳麟の儒行論


第二十一集 1969年

御手洗 勝   帝堯の傳説について
鈴木 喜一   孔子傳の諸問題
根本  誠   中國古典における對應の思想
藤原  尚   「西征の賦」における人間觀
森野 繁夫   梁の文學集團と個人(二) ―呉均について―
坂井 健一   論語釋文の「書キ入レ」音について ―清原家相傳論語抄本を中心とせる―
黒川 洋一   杜甫の佛教的側面
金谷  治   劉禹錫の「天論」
王  育德   福建の開發と福建語の成立
中野 美代子  耶律鑄の雙溪醉隱集について ―父と子―
中鉢 雅量   水滸傳の對異民族意識について ―水滸起義の性格についての一試論―
志賀 一朗   王陽明と湛甘泉
岩城 秀夫   劇作家沈璟 ―湯顯祖との論爭を中心として―
船津 富彦   王船山の文學思想について
君島 久子   中國の羽衣説話 ―その布分と系譜―
白木 直也   諸本研究の立場より見たる瀧澤馬琴の水滸觀 ―水滸畫傳校定原本を中心として―


第二十二集 1970年

鈴木 喜一   孔子の知識論
竹治 貞夫   古書に見える楚辭引文の考察 ―逸文の存否と逸書について―
尾崎 雄二郎  切韻系韻書における韻の排列について
川口 久雄   敦煌本類林と我が國の文學
山根 三芳   張子禮説考
今井宇三郎   乾坤の二用について
田仲 一成   南宋時代の福建地方劇について
山井  湧   〈心即理〉〈知行合一〉〈致良知〉の意味 ―陽明學の一性格―
中鉢 雅量   水滸傳の後半部について ―その歴史性と文學性―
橋本  堯   韓信の失脚 ―全相續前漢書平話から西漢通俗演義まで―
後藤 延子   李大釗における過渡期の思想 ―「物心兩面の改造」について―


第二十三集 1971年

谷田 孝之    左傳に現われた相續者指定
岡村 貞雄    蔡琰の作品の眞僞
鈴木 修次    秦州時代の杜甫詩
内山 俊彦    劉知幾の史學思想
山口 角鷹    蒋魴切韻とその逸文集録
中津濱 渉    呉兢の『樂府古題要解』について
村上 哲見    「詞」に對する認識とその名稱の變遷
三浦 國雄    資治通鑑考
佐野 公治    王心齋論
荒木 見悟    聶雙江の思想 ―陽明學の後退―
白木 直也    鍾伯敬批評四知館刊本の研究 ―水滸傳諸本の研究―
後藤 延子    經學と西洋近代文明の受容 ―調和より破綻へ―


第二十四集 1972年

日原 利國    春秋公羊傳における俠氣の禮贊 ―所引の説話をめぐって―
久富木成大    春秋時代における法および法思想の展開
河崎 孝治    墨子尚賢論の成立期について
兒玉 六郎    荀子における天養の概念
木村 英一    孔門の若き秀才たち ―子游・子夏・子張・曾子について―
中嶋 隆藏    張湛の思想について
古田 敬一    謝朓の對句表現 ―その自然描寫における抒情性―
興膳 宏     豔詩の形成と沈約
小南 一郎    「西京雜記」の傳承者たち
太田 辰夫    『西遊記』成立史の諸問題
阿部 兼也    水滸傳の文學性への一考察 ―登場人物の階層性と現實性―
八木澤 元    明代藩王劇作家朱憲〔シツ〕について
許 常安     清議報第四册譯載の「佳人奇遇」について
遠藤 光正    校勘資料としての平安時代における金言集 ―特に經子部の校勘について―
高橋 正和    三浦梅園と明清の自然科學


第二十五集 1973年

谷田 孝之    古代伯仲叔季に關する一考察 ―結婚階級組織との關係をめぐって―
田上 泰昭    春秋左氏傳における歴史敍述の特質 ―魯公十八夫人をめぐって―
砂山 稔     曇曜と淨度三昧經 ―東アジア佛教理解の一環として―
小尾 郊一    嚴鐵橋全齊梁文補遺
岡村 貞雄    梁の武帝と樂府詩
高島 俊男    初唐期における五言律詩の形成 ―特にその平仄配置について―
内山 知也    朝野僉載考
齋藤 翠     「正末」「正旦」考
白木 直也    一百二十囘水滸全傳の研究 ―發凡を通じて試みた―
後藤 延子    康有爲と孔教 ―その思想史的意義―
竹内 弘行    康有爲の大同三世説 ―漢代公羊學説の繼承を中心として―
鐵井 慶紀    ヒルコ神話・ヒノカグツチ神話と中國
廣畑 輔雄    皇祖神タカミムスビの成立に關する一考察 ―その中國思想との關聯において―
松下 忠     祇園南海の生卒と一夜百首考


第二十六集 1974年

島 邦男     十二支排列の意義 ―文字學的考察―
鈴木 隆一    井田考 ―周禮における雙分組織の特徴としての―
兒玉 六郎    荀子・性朴説の提起 ―性僞之分に關する考察から―
日原 利國    復讐の論理と倫理
伊藤 計     月令論 ―月令形式について―
田中麻紗巳    漢代の自然觀について ―董仲舒の説を中心として―
白木 直也    一百二十囘水滸全傳の研究 ―其の「李卓吾評」をめぐって―
佐野 公治    明代前半期の思想動向
小川 昭一    唐詩における政治批判の態度
太田 辰夫    『兒女英雄傳』の言語
後藤 延子    初期李大釗の思想 ―中國における民主主義思想の發展―
洪 順隆     謝朓の作品に現われた「危懼感」
小川 睛久    方孔炤、方以智の「通幾」哲學の二重性 ―十七世紀の實學研究と易學連關の一ケース―


第二十七集 1975年

谷田 孝之    中國古代母方クロスカズン婚についての一考察
栗原 圭介    同姓不婚の禮規範化
家井 眞     『詩經』に於ける魚の「興」詞とその展開に就いて
田上 泰昭    春秋左氏傳の方法とその思想 ―主として〈初〉から〈始〉へ―
關口 順     春秋時代の「戰」とその殘像
池田 知久    『莊子』齊物論篇の知識論 ―齧缺・王倪問答と瞿鵲子・長梧子問答―
河崎 孝治    戰國時代後半に於る墨家の展開
藤井 守     謝靈運の樂府詩
大島 晃     張横渠の「太虚即氣」論について
岩城 秀夫    南戲の〈せりふ〉の駢體化について
吉田 公平    李見羅の思想
近藤 光男    戴震の經學について
小林 武     清末變法派の行動と存在の原理 ―康有爲・譚嗣同について―
廣畑 輔雄    國生み神話 ―中國思想の役割―
仁枝 忠     圓機活法について ―特に編者と俳文學への影響―
藤川 正數    「法言」注釋史上における増註(桃白鹿著)の地位について


第二十八集 1976年

栗原 圭介    春秋時代における祭祀觀念の形成
淺野 裕一    惠施像の再構成 ―辯者と魏相との接點―
兒玉 六郎    荀況の性命觀
町田 三郎    「劉向」覺書
岡村 繁     蔡邕をめぐる後漢末期の文學の趨勢
鄭 正浩     嵆康の音樂思想における「和」について
楠山 春樹    老子節解考
森瀬 壽三    李賀における道教的側面
太田 次男    御物本白氏新樂府本文について
大塚 秀高    話本と「通俗類書」 ―宋代小説話本へのアプローチ―
岩城 秀夫    温州雜劇傳存考 ―宋代演劇へのアプローチ―
中鉢 雅量    神仙道化劇の成立
荒木 見悟    屠隆と管志道
須藤 洋一    戴名世 ―公・私の矛盾とその展開―
竹内 弘行    梁啓超と史界革命 ―「新史學」の背景をめぐって―


第二十九集 1977年

栗原 圭介    禮樂思想形成における相關關係と禮的機能
内山 俊彦    孟子における天と人 ―自然觀と政治思想との關連に觸れて―
池田 秀三    『法言』の思想
吉田 公平    王一菴の思想 ―誠意説をめぐって―
佐野 公治    晩明四書解における四書評の位置
植木 久行    六朝文人の別集の一形態 ―陸雲集の書誌學的考察―
森野繁夫・富永一登    文選集注所引「鈔」について
林田愼之助    唐代古文運動の形成過程
野口 一雄    柳永における覊旅の詞 ―頻用語を通しての一考察―
太田 辰夫    『天咫偶聞』とその著書
三寶 政美    魯迅「出關」について
村田 俊裕    周作人の殘した小説創作の軌跡とその意義 ―「社會小説江村夜話」の問題を中心として―
花登 正宏    古今韻會擧要考 ―古今韻會擧要における三等重紐諸韻―
遠藤 光正    類書の傳來と軍記物語
藤川 正數    梁啓雄の荀子約注と邦儒の荀子説との關係 ―主として資料的考察―
松下 忠     古賀侗菴の中國散文論
中鉢 雅量    異類婚説話の變容 ―中國戀愛文學史素描の試み―


第三十集 1978年

谷田 孝之    中國古代婚姻と親族組織に關する綜合的考察 ―特に今文九族説的親族組織の形成過程―
栗原 圭介    初期中國思想の展開における主知主義的構造論
加納 喜光    パラディグム變換詩の構造 ―詩經國風の基本詩形―
川原 秀城    『太玄』の構造的把握
田中麻紗巳    鄭玄「發墨守」等三篇の特色
中嶋 隆藏    蕭子良の精神生活
田中 利明    韓愈・李翺の「論語筆解」についての考察
菅野 禮行    白居易の詩における「雪月花」の表現の成立について
太田 次男    臺灣國立中央圖書館所藏本白氏諷諫明刊本について
岩城 秀夫    梅花と返魂 ―蘇軾における再起の悲願―
大塚 秀高    『緑窗新話』と『新話摭粹』 ―萬暦時代の『緑窗新話』―
濱口富士雄    方東樹の漢學批判について
竹村 則行    『己亥雜詩』に現れた龔自珍の「落花」意識
本田 濟     曾國藩の哲學 ―日記を中心に―
南雲 智     魯迅と「地底旅行」
小林 祥浩    『八犬傳』の白話をめぐって ―『八犬傳』の一つの讀みかた―


第三十一集 1979年

田上 泰昭    春秋左氏傳における説話成熟の原型 ─十三魯公女記事をめぐって─
木村 英一    中國哲學における中庸思想
河崎 孝治    呂氏春秋節喪篇と安死篇とについて
向井 哲夫    『淮南子』と墨家思想
宇佐美一博    董仲舒の政治思想 ─君主權の強化と抑制をめぐって─
堀池 信夫    京房の六十律 ─兩漢經學の展開と律暦學─
松浦 崇     袁淑の『誹諧文』について
神塚 淑子    沈約の隱逸思想
興膳 宏     詩品と書畫論
森野 繁夫    文選李善注について ─集注本李注と板本李注との關係─
増田 清秀    後蜀の花蕊夫人の「宮詞」
岡本不二明    言語と身體 ─朱熹の文學論─
磯部 彰     西遊記における猪八戒像の形成
山岸 共     唐詩選の實態と僞書説批判
杉山 寛行    朱彝尊『經義考』について ─主にその諸本について─
橋本 高勝    孟子字義疏證の體系的概念規定と戴震の訓詁學
小林 俊雄    清家本孟子テキスト考


第三十二集 1980年

中鉢 雅量    死と再生 ─中國古代祭祀の一側面─
森田傳一郎    扁鵲考
室谷 邦行    莊子における道の觀念
三浦 吉明    荀子における對天の思想
片倉 望     「性僞之分」と性惡説 ─荀子思想の分裂と統一─
岩本 憲司    『公羊三世説の成立過程』
高橋 忠彦    『三禮注』より見た鄭玄の禮思想
佐竹 保子    任昉の文章 ─その形成過程と晩年の文體變化─
安東 諒     「文心雕龍」神思篇の周邊
砂山 稔     「成玄英の思想について」 ―重玄と無爲を中心として―
加藤 國安    杜甫の「拗格七律」
長谷川滋成    「文選鈔」の引書
市來津由彦    呂大臨の思想
小川 陽一    三言二拍と善書
藤井 良雄    顧炎武の詩における孤高の形象
濱 久雄     莊存與の公羊思想
藤井 省三    近代中國におけるバイロン受容をめぐって ―章炳麟・魯迅・蘇曼殊の場合―
三寶 政美    魯迅「傷逝」試論 ―そのモチーフをめぐって―


第三十三集 1981年

谷田 孝之    中國古代昭穆制度發生に關する一考察
川上 義三    防風氏と封嵎の山
石田 秀實    中國古代における精神疾病觀 ─中國古代における非「理性」の問題─
北村 良和    前漢末の改禮について
島   一    韓愈と「論語」
土田 健次郎   楊時の立場
福島  仁    朱子心性論の成立過程
近藤 正則    『讀余隱之尊孟辯』に見える朱子の孟子不尊周への對應
佐野 公治    明代における記誦 ─中國人と經書─
小川 睛久    實學概念について
加納 喜光    詩經における類型表現の機能
福井 佳夫    「詔」の文體について ─漢魏を中心に─
吉田 隆英    仙人子安のこと
宮澤 正順    陶淵明と劉柴桑
慶谷 壽信    「字母」という名稱をめぐって
新免 惠子    岑參の詩について ─同一表現の多用─
下定 雅弘    柳宗元柳州詩 ─葛藤の鎭靜とその由來─
阿辻 哲次    北京圖書館藏段玉裁『説文解字讀』初探
南雲  智    茅盾と短篇集『野薔薇』


第三十四集 1982年

鈴木 喜一    春秋時代の君臣倫理
淺野 裕一    墨家集團の質的變化 ─説話類の意味するもの─
向井 哲夫    『淮南子』と陰陽五行家思想 ─覽冥訓と本經訓を中心に─
花崎隆一郎    荀爽の卦變説について
田中麻紗巳    何休の夷狄觀について ─「進」を中心として─
大上 正美    阮籍の「爲鄭沖勸晉王牋」について
矢嶋美都子    庾信の「蒙賜酒」詩について
末岡 實     中唐期における性説の展開と役割 ─歐陽詹「自明誠論」・皇甫湜「孟荀言性論」を中心として─
神鷹 徳治    慶安三年刊本『新樂府』について
吉田 隆英    唐宋拜月考
野口 善敬    明代前期禪門の一斷面 ─毒峯本善と空谷景隆を巡って─
鷲野 正明    歸有光の壽序 ─民間習俗に參加する古文─
合山 究     歸莊における看花への執念 ─「尋花日記」制作の經緯─
佐藤 豐     『國粹學報』誌上に於ける「國粹」主義と「國學」の成立
藤井 省三    魯迅における「詩人」像の崩壞 ─〈野草〉中の《復讐・希望》諸章の形成をめぐって─


第三十五集 1983年

栗原 圭介    古代中國の儀禮的慣行と原始心性 ─セム族宗教との比較を通して─
石川三佐男    『詩經』における捕兔の興詞と婚宴の座興演舞について ─兔を對象とする呪儀的行爲とその展開─
藤山 和子    『詩經』摽有梅における婚姻の正時 ─戴震の「詩摽有梅解」を通じて─
室谷 邦行    『老子』の循環思想と「大」の論理
鬼丸 紀     『管子』四篇における養生説について
飯山 正雄    周代における簡策の形態とその書法について
鈴木 喜一    戰國時代の君臣倫理 ─儒家を主として─
近藤 則之    左傳の成立に關する新視點 ─禮理論の再評價を通じて─
福井 佳夫    「上奏文」の文體について ─鄒陽の「獄中上書自明」を中心に─
宇佐美一博    董仲舒小論 ─匈奴と復讎をめぐって─
藤川 正數    社稷祀について ─後漢末期の禮論爭を中心に─
遊佐 昇     葉法善と葉淨能 ─唐代道教の一側面─
上田 正     慧琳音論考
太田 辰夫    元刊本『調風月』考
澤田 雅弘    明中期呉中文苑考 ─名士育成を通して─
西村 秀人    袁中郎の性靈説と李卓吾の思想
大谷 通順    魯迅譯『月界旅行』と『地底旅行』 ─そこに表われた牢獄脱出のイメージについて─
尾崎 文昭    陳獨秀と別れるに至った周作人 ─一九二二年非基督教運動の中での衝突を中心に─
菅野 禮行    『菅家後集』における「自詠」の詩の一考察
佐藤 昭     正齒音二等字の音韻變化と二、三の問題


第三十六集 1984年

清水 茂     「行」の本義
柴田 清繼    『管子』四篇における神と道
湯淺 邦弘    秦の法と法思想 ─雲夢秦簡を中心として─
淺野 裕一    黄老道の政治思想 ─法術思想との對比─
内山 俊彦    仲長統 ─後漢末一知識人の思想と行動─
原田 二郎    太平經の生命觀・長生説について
沼口 勝     阮籍の「東平賦」について
衣川 賢次    謝靈運山水詩論 ─山水のなかの體驗と詩─
下定 雅弘    柳宗元詩における詩體の問題 ─元和一〇年を境とする古體から近體への變化について─
近藤 正則    王安石における孟子尊崇の特色 ─元豐の孟子配享と孟子聖人論を中心として─
朴 洋子     朱子の「知言疑義」について
末木 恭彦    陰符經考異の思想
吾妻 重二    朱熹『周易參同契考異』について
伊藤 漱平    李漁の小説の版本とその流傳 ─『無聲戲』を中心として─
吉田 健舟    王夫之の思想 ─その基調をなすもの─
濱口富士雄    段玉裁の考據について ─『詩經』「匏有苦葉」第二章の軌字の考據から─
藤村 浩一    龔自珍論 ─「愛根」と「童心」について─
廣畑 輔雄    『日本書紀』神武傳説と周武王故事


第三十七集 1985年

北村 良和    昭穆制構造試論 ─世代ランクと父子カテゴリー─
小林 茂     春秋侵伐書法考
吉永愼二郎    孟軻の不動心の思想史的意味
石田 秀實    『管子』四篇と『荀子』正名論とにおける「ことば」の問題
間嶋 潤一    鄭玄の『魯禮禘祫義』の構造とその意義
佐藤 利行    二陸の文章觀
野間 文史    五經正義所引定本考
矢嶋美都子    樓上の思婦 ─閨怨詩のモチーフの展開─
加藤 國安    成都期の杜詩と庾信文學
鈴木 修次    唐代における擬魏晉六朝詩の風潮
川合 康三    戲れの文學─韓愈の「戲」をめぐって─
詹 滿江     甘露の變と詩人たち ─李商隱を中心として─
松尾 肇子    『詞源』と『樂府指迷』
高橋 文治    元好問「論詩三十首」とその周邊
武田 時昌    黄宗羲の圖書先天の學批判 ─易學史の展開のなかで─
三浦 秀一    若き日の顏元 ─清初士大夫の思想形成に關する一考察─
荒木 見悟    崎門學者鈴木貞齊について ─一朱子學者の苦惱と轉進─


第三十八集 1986年

谷中 信一    『逸周書』の思想と成立について ─齊學術の一側面の考察─
倉田 信靖    『孟子』の「春秋 天子之事也」に就いて
林  克      騶子五行説考
玉木 尚之    「樂」と文化意識 ─儒家樂論の成立をめぐって─
齋木 哲郎    秦儒の活動素描 ─『尚書』「堯典」の改訂と『禮記』大學篇の成立をめぐって─
薄井 俊二    古代中國の治水論の思想的考察 ─漢武の宣房の治水事業をめぐって─
田中 順子    阮籍「獼猴賦」試論
沼口 勝     阮籍の四言「詠懷詩」について ─その修辭的手法を中心として─
高橋 均     敦煌本論語疏について ─經文を中心として─
岡村 繁     『文選』編纂の實態と編纂當初の『文選』評價
高橋 明郎    歐陽脩の散文文體の特色 ─韓愈の散文との差の成因─
花崎隆一郎    「李圖」攷
佐藤錬太郎    李贄の經世論 ─『藏書』の精神─
大平 桂一    揚州時代の王漁洋 ─汪懋麟の作品を手がかりとして─
竹村 則行    西廂記、還魂記と紅樓夢をめぐる夢の發展 ─現實の中の夢から夢の中の現實へ─
宮尾 正樹    新文化運動における張厚載と胡適 ─舊劇改良論爭を中心に─
楠原 俊代    聞一多の「律詩底研究」について


第三十九集 1987年

小瀧 敬道    投壺禮の起源と儀禮的意義づけ
玉木 尚之    賢者としての樂人の終焉
吉田 篤志    穀梁傳の君主觀 ─君權強化の論理と背景─
有馬 卓也    『淮南子』原道訓の位置 ─「因盾」思想をめぐって─
湯淺 邦弘    鹽鐵論爭に見る管子と董仲舒の思想
武田 時昌    『易緯坤靈圖』象數考
宮野 直也    王逸『楚辭章句』の注釋態度について
安藤 信廣    陶淵明「形影神三首」の内包する問題 ─佛教と〈贈答詩〉─
戸倉 英美    別れの詩の時間と空間
西上 勝     韓愈の墓誌銘について
黒田眞美子    唐代小説『乾𦠆子』に就いて ─温庭筠との關わり─
岡崎 由美    『拜月亭』傳奇流傳考
阿部 泰記    明代公案小説の編纂
本間 次彦    王船山の詩論をめぐって
松岡 純子    「商人婦」論 ─Tagore, “On the Calcutta road”との關連を中心として─
岩見 輝彦    三浦梅園の聲主論


第四十集 1988年

吉永愼二郎    孟子の仁 ―その理念的性格について―
室谷 邦行    「自然」概念の成立について
藪 敏裕     『毛序』成立考 ―古文學との比較を中心として―
坂本 具償    『漢書』五行志の災異説 ―董仲舒説と劉向説の資料分析―
古川 末喜    建安、三國文學思想の新動向
下定 雅弘    韓愈の詩作 ―その古體の優勢から近體の優勢への變化について―
東 英壽     「太學體」考 ―その北宋古文運動に於ける一考察―
近藤 正則    張九成の『孟子傳』について
日下 翠     「齣」字考
丸山 浩明    水滸傳簡本淺探 ―劉興我本・藜光堂本をめぐって―
吉田 純     『尚書古文疏證』とその時代
手代木有兒    清末における「自由」 ―その受容と變容―
遊佐 徹     「西學」と「新學」 ―中國近代における西洋文化輸入の論理について―
長堀 祐造    魯迅革命文學論に於けるトロツキー文藝理論
丸山 昇     中國知識人の選擇 ―蕭乾の場合―
大西 克也    上古中國語の否定詞「弗」「不」の使い分けについて ―批判説の再檢討―
遠藤 光曉    三つの内外轉


第四十一集 1989年

吉永愼二郎    『論語』里仁篇首章の讀み換えと孟子の論理
後藤 秋正    哀辭考
龜山 朗     建安詩人による送別の贈答詩について
高野 淳一    王弼の「分」の思想について ―郭象との對比を通して―
佐藤 正光    宣城時代の謝朓
高橋 均     舊抄本論語義疏について ―刑昺の論語正義の竄入を中心として―
中筋 健吉    宮體詩と『玉臺新詠』 ―宮體詩豔詩説への疑問
松本 肇     柳宗元の「非國語」について
名畑 嘉則    司馬光『潛虚』について
宮澤 正順    僧一行の『天眞皇人九仙經』と曾慥の『道樞』九仙篇について
水野 實     明代における『古本大學』顯彰の基盤 ―その正當化の方法と後學の状況―
根ヶ山 徹    『還魂記』における柳夢梅像の設定
石田 和夫    清儒李穆堂 ―その心學の性格をめぐって―
村山 吉廣    方玉潤の詩經學 ―『詩經原始』の特質―
伊藤 虎丸    初期魯迅の宗教觀 ―科學と「 信」―
福田 哲之    『蒼頡篇』の内容と構造 ―阜陽漢簡『蒼頡篇』を中心として―
遠藤 光曉    『切韻』反切の諸來源 ―反切下字による識別―


第四十二集 1990年

玉木 尚之    「晉語」の文公物語の解讀 ―新王の即位と社會の淨め―
湯淺 邦弘    孔子と夢と天命と ―『論語』甚矣吾衰章解釋と儒家の夢觀―
三浦 吉明    管子幼官篇について ―三十節氣を中心に―
加地 伸行    『孝經』の漢代における思想的位置 ―宗敎性から禮敎性へ
上田 武     陶淵明の生活理念
前田 繁樹    『老子西昇經』考 ―その成立に関する一試論―
市川 桃子    古典詩の中のはす ―荷衰へ芙蓉死す―
山田 俊     隋唐期に於ける「道性」思想の展開
鈴木 敏雄    韋應物の雜擬詩について ―模倣の樣式とその意味―
坂内 榮夫    唐代後半に見える儒道一致思想について ―羅隱『兩同書』をめぐって―
内山 知也    鶯鶯傳の構造と主題について
宇野 直人    柳永の詞風と北宋都市生活
宇佐美文理    蘇東坡の繪畫論と『東坡易傳』
芳村 弘道    元版『分類補註李太白詩』と蕭士贇
福滿 正博    元雜劇中の度脱劇試論
小川 利康    五四時期の周作人の文學觀 ―W・ブレイク、L・トルストイの受容を中心に―
牧 陽一     キリスト教的悲劇としての曹禺の『雷雨』『日出』『原野』について
遠藤 光曉    臻櫛韻の分韻過程と莊組の分布


第四十三集 1991年

山邊 進     『墨子』尚同三篇の統治機構とその論理
菅本 大二    荀子における法家思想の受容 ―「禮」の構造に即して―
佐藤 明     漢初における容の思想 ―『新書』容經篇を中心にして―
戸川 芳郎    「淮南子」所引の詩句について
野村 茂夫    『古文尚書』の僞作についての若干の考察 ―『帝王世紀』との關連を中心に―
矢嶋美都子    漢詩に於ける杏花のイメージの變遷
大地 武雄    陶淵明の死生觀について
向島 成美    鮑照の對句表現をめぐる一考察
加藤 敏     元結の詩文における水石への志向について
靜永 健     元稹「和李校書新題樂府十二首」の創作意圖
村上 哲見    姜白石詞序説
明木 茂夫    詞學に於ける記譜法の構造
濱口富士雄    清代考據學における解釋理念の展開
末岡 宏     章炳麟の經學に關する思想的考察 ―春秋學を中心として―
伊藤 徳也    白話歐化論議中の三つの類型的理想像 ― 一九三二年の視點より―
杉野 元子    老舎と學校紛爭 ―『趙子曰』を基軸として―
遠藤 光曉    『切韻』における唇音の開合について


第四十四集 1992年

石川三佐男    「楚辭」九章の思美人篇における「美人」の實體について ―九歌と鏡銘における「美人」の實體解明を糸口として―
齋木 哲郎    董仲舒と『春秋穀梁傳』 ―西漢穀梁學の一斷面―
南澤 良彦    『帝王世紀』の成立とその意義
佐藤 利行    入洛後の二陸について
中島 隆藏    重玄派小考 ―『道德眞經廣聖義』所説の檢討―
福井 文雅    道教文獻に見える頌の機能
松浦 友久    「客寓」の詩想 ―李白の認識の基調として―
淺見 洋二    中晩唐詩における風景と繪畫
内山 精也    蘇軾次韻詞考 ―詩詞間に見られる次韻の異同を中心として―
花崎隆一郎    「『易本義』卦變圖」攷
江口 尚純    鄭樵の經書觀 ―特に詩經學・春秋學をめぐって―
中川 諭     『三國志演義』版本の研究 ―建陽刊「花關索」系諸本の相互關係―
笠井 直美    隱蔽されたもう一つの「忠義」 ―『水滸傳』の「忠義」をめぐる論議に關する一視點―
野村 鮎子    錢謙益の歸有光評價をめぐる諸問題
宮内 保     山水描写の手法 ―王漁洋「神韻詩」の場合―
種村 和史    戴震の詩經學 ―『杲溪詩經補注』の立場と方法―
清水賢一郎    明治の『みずうみ』、民國の『茵夢湖』 ―日中兩國におけるシュトルムの受容
尾崎雄二郎    韻學備忘(重紐反切非類化論)


第四十五集 1993年

今鷹 眞     『墨子』の押韻について
福田 哲之    許愼に於ける「古文」理解の特色
間嶋 潤一    『尚書中候』における太平神話と太平國家
林 香奈     漢魏六朝の誄について ―墓碑との關連を中心に―
下見 隆雄    中國女性史研究への視點 ―『晉書』列女傳の場合―
詹 滿江     李義山詩に詠われた司馬相如 ―隱喩としての自畫像―
加固 理一郎   李商隱の駢文における典故の技法について
三浦 國雄    氣質變化考
角田 達朗    朱熹格物致知説の再檢討
早坂 俊廣    陳亮の道學 ―「西銘説」を中心にして―
荒木 見悟    明代における李通玄
尾上 兼英    虚構の中の「王昭君」
中村 聰     康有爲における經濟政策論
瀬戸 宏     上海戲劇協社『若奥樣の扇』(《少奶奶的扇子》)上演をめぐって
邵 迎建     『傳奇』の世界 ―アイデンティティ危機の文學―
鄭 麗芸     池大雅の「竹石圖」題畫詩をめぐって ―漢詩の日本的受容―


第四十六集 1994年

福本 郁子    『詩經』に於ける「草木伐採」の興詞に就いて
白杉 悦雄    九宮八風圖の成立と河圖・洛書傳承 ―漢代學術世界の中の醫學―
中野 達     張湛「列子注」における玄學諸説
上田 武     陶淵明の若き友人たち ―その贈答詩の世界―
筧 文生     李白と高適
吾妻 重二    太極圖の形成 ―儒佛道三敎をめぐる再檢討―
藤井 京美    王安石伯夷論考
小林 徹行    元の閨秀鄭允端の文學
岡村眞壽美   『秦併六國平話』と胡曾の詠史詩 ―講史小説の発展過程に關する一考察―
水野 實     王守仁の『大學古本傍釋』の考察
上田 望     清代英雄傳奇小説成立の背景 ―貴州安順地戲よりの展望―
手代木有兒    「群」と「民徳」 ―嚴復における西洋體驗と「群學」の形成―
中里見 敬    魯迅「傷逝」に至る回想形式の軌跡 ―獨白と自由間接話法を中心に―
丸尾 常喜    復讐と埋葬 ―魯迅「鑄劍」について―
大槻 幸代    凌叔華と「新月社サロン」 ―戀愛結婚・核家族制度およびマンスフィールドの受容をめぐって―


第四十七集 1995年

湯淺 邦弘    秦帝國の吏觀念 ―雲夢秦簡「語書」「爲吏之道」の思想史的意義―
谷口 洋     『淮南子』の文辭について ―漢初における諸學の統合と漢賦の成立―
大上 正美    嵆康卜疑試論
佐竹 保子    西晉の出處論 ―皇甫謐に續く夏侯湛と束皙の「設論」―
小南 一郎    元白文學集團の小説創作 ―「鶯鶯傳」を中心にして―
副島 一郎    『通典』の史學と柳宗元
丸山 茂     回顧録としての『白氏文集』
野間 文史    廣島大學藏舊鈔本『周易正義』について
垣内 景子    朱熹の「敬」についての一考察
福田 殖     陽明學派における聶雙江・羅念庵の位置
佐藤錬太郎    『李氏説書』考 ―林兆恩『四書正義纂』との比較―
根ヶ山 徹    清代における『還魂記』の演變
竹村 則行    梅妃から見た『長生殿』の楊貴妃像
趙 京華     周作人と柳田國男 ―固有信仰を中心とする民俗學―
内藤 正子    R・モリソンとJ・マーシュマンの中國文法書


第四十八集 1996年

福島 吉彦   老子河上公章句用韻考
釜谷 武志   賦に難解な字が多いのはなぜか ―前漢における賦の讀まれかた―
岩本 憲司   「屬辭比事」とその背景
永井 弥人   前漢末期の明堂建設に於ける王莽の意圖
石合  香   暦法からみた漢火徳説の再檢討
南澤 良彦   張衡の巧思と「應閒」 ―東漢中期における技術と禮敎社會―
阿部 順子   陳壽の『諸葛氏集』編纂について
垣内 智之   竺道生における理の概念と悟り
黒田 眞美子  六朝・唐代における幽婚譚の登場人物 ―神婚譚との比較―
高野 淳一   吉藏の「佛性」思想について ―特に「中道」觀を柱として―
市川 清志   郎士元について ―劉晏及び安史の亂直後の會稽詩人集團との關聯に於いて―
松木 きか   北宋の醫書校訂について
池澤 滋子   蘇軾と「きん
三野 豐浩   成都における陸游と范成大の交流
清水  茂   『水滸傳』の地理知識
井川 義次   十七世紀イエズス會士の『易』解釋 ―『中國の哲學者孔子』の「謙」卦をめぐる有神論性の主張―
船越 達志   紅樓夢戀愛譚考
錢   鷗    青年時代の王國維と明治學術文化 ―『敎育世界』雜誌をめぐって―


第四十九集 1997年

野田 雄史   押韻法から檢討した『楚辭』離騷篇の成立事情 ―奇數句末韻・句中韻を手掛かりに―
佐川 繭子   中國古代に於ける郷飲酒の概念形成について ―『儀禮』『禮記』の關係を中心に―
佐竹 保子   張華の文學に見られる『老子』の影
福井 佳夫   六朝四言詩の衰微をめぐって ―美文との關連―
佐藤 大志   六朝樂府詩の展開と樂府題
矢嶋 美都子  豐作を言祝ぐ詩 ―「喜雨」詩から「喜雪」詩へ―
諸田 龍美   「歐陽詹」事件から見た「鶯鶯傳」の新解釋 ―中唐の「尤物論」を巡って―
小路口 聡   朱熹の曾點觀 ―陸象山批判の一視座―
氏岡 眞士   平話の基づいた史書 ―平話の作り手についての試論―
三浦 秀一   許衡試論 ―金元の際における程朱學の受容者として―
根ヶ山 徹   『還魂記』版本試探
新井 洋子   『蘇長公文集』の編纂にみる張溥と呉偉業の文章觀の一端
大西 克巳   王船山「郡縣/封建」論をめぐって ―その歴史理論と政治思想―
水上 雅晴   臧琳『經義雜記』とその時代的意義
根岸宗一郎   周作人におけるハント、テーヌの受容と文學觀の形成
北岡 正子   雷石楡『沙漠の歌』 ―中國詩人の日本語詩集―
和田 英信   「古と今」の文學史 ―中國の文學史的思考―
町田 三郎   海保漁村覺書


第五十集 1998年

谷口  洋   『國語』『論語』における「語」について
石川 三佐男  『楚辭』學術史論考
近藤 則之    董仲舒思想における「元」の意義について
池平 紀子   形神論の中國佛教的展開について ―東晉・劉宋期における在俗佛教者の形神論―
沼口  勝   「飲酒」(二十首)〈其十七〉の詩の寓意について ―陶淵明から見た劉裕と韓延之―
龜田 勝見   『上清後聖道君列紀』における種民思想について ―『太平經鈔』甲部との關係を交えて―
松木 きか   歴代史志書目における醫書の範疇と評價
淺見 洋二   「詩中有畫」と「著壁成繪」 ―中國における詩と繪畫―
宇佐見 文理  宋代繪畫理論における「形象」の問題
池澤 滋子   丁謂と『西崑酬唱集』
黄  冬柏   西廂故事の流傳と「傳奇」 ―「傳奇」という名稱の變遷をめぐって―
表野 和江   明末呉興凌氏刻書活動考 ―凌濛初と出版―
山口 久和   中國における近代的學問知の成立 ―閻若璩と章學誠を事例として―
李  惠京   天下觀の崩壞による人間觀の動搖 ―梁啓超の「變法通議」から「德育鑑」まで―
是永  駿   中國新時期の詩的言語の特性について ―戈麥詩論―
成澤  勝   朝鮮における集千家註系杜詩について ―『杜詩諺解』における杜詩解釋の系統研究序説―
町 泉壽郎   山脇東洋と徂徠學派 ―『外臺秘要方』翻刻をめぐって―


第五十一集 1999年

小林 徹行   『儀禮』士冠禮篇にみえる女禮
南部 英彦   前漢後期の宗廟制論議等を通して見たる儒教國教化 ―その親親・尊尊主義の分析を軸として―
清水 凱夫   『隋書』經籍志の位相と改訂復元法
東  英壽   北宋初期における古文家と行卷 ―科擧の事前運動より見た古文復興の展開について―
保苅 佳昭   蘇軾の超然臺の詩詞 ―煕寧九年に起こった詩禍事件―
柴田  篤   「顏子沒而聖學亡」の意味するもの ―宋明思想史における顏囘―
溝本 章治   朱子哲學に見る論理構造 ―形而上下と體用の關係―
大山  潔   『詩法源流』僞書説新考 ―五山版『詩法源流』と朝鮮本『木天禁語』に基づく考察―
田仲 一成   南戲『殺狗記』脚本の分化と流傳
合山  究   「選秀女」と明清の戲曲小説
廖  肇亨   金堡『徧行堂集』による明末清初江南文人の精神樣式の再檢討
白水 紀子   中國現代文學にみる民國時期の蓄妾制
山内 一惠   魯迅と高長虹
關根  謙   阿壠の四十年代における特異性に關する考察
松尾 幸忠   中國における「詩跡」形成についての試論 ―日本の「歌枕」との比較考察から―
長尾 直茂   江戸時代の漢詩文に見る關羽像 ―『三國志演義』との關連に於いて―
白石 眞子   徂徠學「文論」に於ける韓愈・柳宗元
直井 文子   頼山陽の女性觀と「十二媛絶句」
吉田 公平   大鹽中齋と林良齋


第五十二集 2000年

橋本 昭典   『莊子』天地篇「漢陰丈人説話」に見る解釋の變容 ―比喩と驚きをめぐって―
佐川 繭子   郭店楚簡『茲衣』と『禮記』緇衣篇の關係に就いて ―先秦儒家文獻の成立に關する一考察―
辛   賢   『太玄』の「首」と「贊」について
渡部 東一郎  後漢「寛政」の思想的背景について
樋口 泰裕   北魏孝文帝弔比干文考
高橋  均   舊抄本論語義疏と敦煌本論語疏
溝部 良惠   傳奇勃興以前の唐代小説における虚構について ―「淮南獵者」(『紀聞』)と「安南獵者」(『廣異記』)の比較分析を中心として―
川合 康三   古文家と揚雄
山田  俊   林疑獨『莊子』註の思想について ―理・性・命を中心に―
木下 鐵矢   朱熹の思索、その面差しと可能性
小松  謙   『脈望館鈔古今雜劇』考
根ヶ山 徹   馮夢龍『墨憨齋重定三會親風流夢傳奇』における『牡丹亭還魂記』の變改
廣澤 裕介   『喩世明言』四十卷本考
表野 和江   呉興凌氏刻『世説新語』四種について
鶴成 久章   明代科擧における專經について
船越 達志   『紅樓夢』女性描寫における二つの世界 ―晴雯の死の問題を中心にして―
秋吉  收   魯迅『野草』における芥川龍之介
鄧   捷   「愛國」と「文藝」のはざまで ―聞一多と淸華圈の詩人たち―
古屋 昭弘   『齊民要術』に見る使成フレーズVt+令+Vi


第五十三集 2001年

森   和    『山海經』五藏山經における山岳神祭祀
坂出 祥伸   「治國」と「治身」への思想的道程 ―天人相關説と「氣」の修煉―
内山 直樹   漢代における序文の體例 ―『説文解字』敍「敍曰」の解釋を中心に―
佐野 大介   『古文孝經孔安國傳』の法治觀
大上 正美   擾されず逼られず ―嵆康「難自然好學論」―
吉村  誠   玄奘の事跡にみる唐初期の佛敎と國家の交渉
谷口 眞由實   杜甫の社會批判詩と房琯事件
屋敷 信晴   唐代小説と『眞誥』
桐島 薫子   孟光故事の變容 ―白居易の妻と北條政子―
西上  勝   古文と母 ―歐陽脩「瀧岡阡表」考―
阿部 順子   『古文苑』の成書年代とその出處
宮  紀子   モンゴル朝廷と『三國志』
竹内 眞彦   『三國志演義』における關羽の呼稱 ―『演義』成立をめぐって―
馬淵 昌也   劉宗周から陳確へ ―宋明理學から清代儒教への轉換の一樣相―
淺井 邦昭   方苞の「義法」と八股文批評
吉田  純   翁方綱の經學 ―「乾嘉の學」における「宋學」と「漢學」―
小川 陽一   肖像畫の明淸小説
中野 知洋   吳淞における沈從文
伊原 大策   結果補語構造「V見」の發生とその變遷
金  培懿   龜井南冥『論語語由』の日本漢學史上における意義


第五十四集 2002年

庄   兵   『孝經』の成立を巡って
池田 秀三   消えた左氏説の謎 ―後漢左氏學の形成と特質―
馬場 英雄   嵆康「管蔡論」考
狩野  雄   西晉宮廷における相和歌辭の一側面 ―「晉樂所奏」の相和歌辭をめぐって―
河野 貴美子  『搜神記』所収の再生記事に關する考察 ―五行志的記事の展開と變容―
佐野 誠子   雜傳書としての志怪書
佐伯 雅宣   梁代の「侍宴詩」について ―建安文學との關わりを中心に―
諸田 龍美   好色の風流 ―「長恨歌」をささえた中唐の美意識―
松本  肇   唐詩に見る桃花源 ―非充足の快樂―
岡本 不二明  唐參軍戲脚色考
會谷 佳光   『崇文總目』の抄本と輯佚書について
近藤 正則   「聖人學んで至る可し」の根底にあるもの ―程伊川の思惟樣式における「對」の特質―
望月 眞澄   『龍龕手鏡』の音韻背景
松本 武晃   胡安國『春秋傳』の復讐論
梁   音   二十四孝の孝 ―老萊子孝行説話の場合―
内田 健太   袁宏道晩年の「學問」とその射程
佐藤 錬太郎   陽明學派の禪的思想とその評價
河井 陽子   明末清初における小説と戲曲の關わりについて ―馮夢龍「三言」を中心に―
蕭  燕婉   袁枚の女弟子屈秉筠と蕊宮花史圖について
近藤 龍哉   胡風と「文藝講話」 一九四五年重慶―― 一九四八香港
太田  亨   杜詩注釋書『心華臆斷』について ―日本禪林における杜詩解釋の樣相―


第五十五集 2003年

竹田 健二   郭店楚簡『性自命出』と上海博物館藏『性情論』との關係
渡邉 義浩   三國時代における「公」と「私」
佐竹 保子   陸機「演連珠」五十首について ―その多元性と敍情性―
大平 幸代   靈妙なる長江 ―郭璞「江賦」の表現と世界認識―
猪股 宣泰   『論語義疏』に見える郭象説と皇侃
薄井 俊二   「天台山記」の流傳
内田 誠一   靜嘉堂本『王右丞文集』刊刻年代考
西脇 常記   佛教徒の遺言 ―唐代を中心に―
鍋島亞朱華   李見羅の「修身」と「知止」の思想
野村 鮎子   歸有光「先妣事略」の系譜 ―母を語る古文體の生成と發展―
小塚 由博   『板橋雜記』成立小考 ―晩年の余懷の交遊關係を中心に―
大木  康   宣爐因縁 ―方拱乾と冒襄―
小川 恆男   黄遵憲詩の「饒舌」について ―類型化と敍述性―
小林  武   章炳麟『訄書』と明治思潮 ―西洋近代思想との關連で―
杉野 元子   柳雨生と日本 ―太平洋戰爭時期上海における「親日」派文人の足跡―
靜永  健   東京國立博物館藏古筆殘巻「白氏文集六十六」の本文について
太田  亨   日本禪林における中國の杜詩注釋書受容 ―『集千家註分類杜工部詩』から『集千家註批點杜工部詩集』へ―
淸水  徹   伊藤仁齋の詩論における『詩人玉屑』の影響
伊藤 倫厚   伊藤東崖の『周易』十翼批判
相原  茂   日中翻譯ルールをめぐって


第五十六集 2004年

城山 陽宣   賈誼『新書』の成立
工藤 卓司   『賈誼新書』の諸侯王國對策
土屋 聰    鮑照の文學とその立場 ―行旅詩を中心に―
安藤 信廣   北周趙王の文學と庾信の影響 ―聖武天皇宸翰『雜集』所收「周趙王集」に基づいて―
長谷部 剛   杜甫『兵車行』と古樂府
谷口 高志   唐詩の音樂描寫 ―その類型と白居易「琵琶引」―
高橋 未來   杜牧の邊塞を詠じる詩について ―その作品集の編纂、及び「河湟」の詠法を手がかりに―
井澤 耕一   王安石學派の興隆と衰退 ―蔡卞と秦檜―
三澤 三知夫  楊簡の解經法 ―『楊氏易傳』を中心として―
伊藤 晋太郎  關羽と貂蝉
竹内 眞彦   諸葛亮と籌筆驛 ―英雄傳説とその舞臺―
土屋 育子   元雜劇テキストの明代以降における継承について
川島 優子   『金瓶梅』の構想 ―『水滸傳』からの誕生―
松村  昂   祝子、怪を語る ―『語怪』から『罪知録』へ―
王  毓雯   蒋士銓の戯曲制作と文字獄
中里見 敬   「内面」を創出する ―文體論的アプローチ―
萩野 脩二   謝冰心の作家魂 ―一片の氷心―
孫   猛   唐佚籍十二種考 ―『日本國見在書目録』著録書を中心に―
川原 秀城   星湖心學 ―朝鮮王朝の四端七情理氣の辨とアリストテレスの心論―


第五十七集 2005年

矢田 尚子   楚辭「離騒」の「求女」をめぐる一考察
狩野  雄   舞臺の上の曹丕樂府 ―曹丕樂府に見える樂舞表現をめぐって―
北島 大悟   謝靈運にみる道教的思惟の受容
大村 和人   ”巫”から”小婦”へ ―樂府『三婦豔』の小婦について
中木  愛   白居易の「枕」 ―生理的感覺に基づく充足感の詠出―
小島  毅   二つの心 ―朱熹の批判、朱熹への批判―
田中 智行   『金瓶梅』の感情觀 ―感情を動かすものへの認識とその表現―
本多 道隆   紫柏眞可の覺範慧洪顯彰とその周邊 ―明末知識人社會への一石―
中嶋 隆藏   嘉興大藏經刻印の初期事情
江尻 徹誠   陳啓源『毛詩稽古編』における詩序論について
石田 志穂   修煉される性 ―劉一明の思想―
水上 雅睛   『全上古三代秦漢三國六朝文』の編纂について ―清代幕府の學術機能の一端―
北澤 紘一   康有爲の華夷觀
永井 英美   魯迅作品「離婚」論
楊  曉文   豐子愷と厨川白村 ―『苦悶の象徴』の受容をめぐって―
王  京鈺   五山句題詩の特徴 ―杜甫詩を出典とする句題を手がかりに―
湯城 吉信   中井履軒の宇宙觀 ―その天文關係圖を讀む
佐藤 睛彦   國家圖書館藏『水滸傳』殘卷について ―”嘉靖”本か?―


第五十八集 2006年

石田 秀實   身體である私と他者 ─『荘子』と「他なるもの」─
宮崎 順子   傳郭璞『葬書』の成立と變容
内田 誠一   「蕭和尚靈塔銘」の碑文について ─王維・王縉兄弟との交流を物語る石刻資料の復元─
蘇  明明   唐代の喫茶文化史における詩僧皎然の茶詩
山口 若菜   蘇軾のいびきの詩について
白井  順   『朱子訓蒙絶句』は如何に讀まれたか ─朱子學の普及と傳播の一側面─
土肥 克己   歌への志向と宋元時代のジャンル論
土屋 育子   戲曲テキストの讀み物化に關する一考察 ─汲古閣本『白兎記』を中心として─
大場 一央   王陽明の「立志」について ─衝動に集約される修養─
荒木龍太郎   良知現成論者の考察 ─渾一と一貫の視點から─
小川 睛久   人閒への嚴しくも温かい眼差し ─王船山の『尚書引義』と『詩廣傳』の世界─
佐藤 浩一   仇兆鰲『杜詩詳註』の音注について ─一萬を超す音注が意味するもの─
有木 大輔   曹寅の奏摺から見た御定『全唐詩』の成書過程
田村  將   雍正二年の文廟從祀改革とその時代的背景 ─主導した人物の特定とその影響力を中心として─
川路 祥代   大正デモクラシー思潮下の臺灣における儒學思想について
大東 和重   魯迅『吶喊』と近代的作家論の登場 ─一九二〇年代前半の中國における讀書行爲と『吶喊』「自序」
子安 加余子  周作人と歌謠 ─中國知識人と民俗学に關する考察─
岡崎 由美   四川唐門考 ─武侠小説と評書『雍正劍侠圖』『三侠劍』
中安 眞理   傳鈔本『日本國見在書目録』の系統について
平田 昌司   黄公紹傳考


第五十九集 2007年

草野 友子   上海楚簡『競建内之』『鮑叔牙與隰朋之諫』の關係とその思想
頴川  智   上海楚簡『亙先』の宇宙生成論 ──馬王堆漢墓帛書『道原』との關連を通して──
田中 靖彦   『世新新語』の三國描寫と劉義慶
成田 健太郎  書體を詠う韻文ジャンル「勢」とその周邊
吉田 文子   敦煌民歌に見られる雜言體の構造について ──三言句を中心に──
富永 一登   『文選』李善注の傳承  ──唐鈔本から尤本へ──
志野 好伸   筆法と筆意 ──張旭の位置づけをめぐって──
陳   翀   友の亡妻に代わって詩を賦す白居易 ──元稹の妻韋叢の死とその悼亡唱和詩──
三上 英司   唐代「輕薄」考
藤原 祐子   『草堂詩餘』と書會
和泉 ひとみ  元雜劇における尉遲敬德像の形成について
林  桂如   余象斗の『列國前編十二朝』について
竹内 真彦   『三國志演義』における身長は如何に解釋されるべきか ──中國歴史敍述における身長表現に關する考察・序説──
齋藤 正高   『東西均』の反因説と水循環論
仙石 知子   族譜からみた明清戲曲小説の女兒像
赤松 美和子  戒嚴令期の臺灣における「文學場」への一考察 ──救國團の文藝活動と編集者瘂弦──
飯塚  容   魯迅作品の舞臺化について
竹内 弘行   朱謙之の大同共産思想
池田 昌廣   『日本書紀』と六朝の類書
松村  巧   華岡青洲の醫學思想


第六十集 2008年

村田  進   『老子』三十九章「萬物得一以生」句をめぐって
高芝 麻子   暑さへの恐怖 ──『楚辭』「招魂」及び漢魏の詩賦に見える暑さと涼しさ──
須藤 洋一   〈虚〉の西王母 ――その子はわたしだ――
髙橋 康浩   韋昭「呉鼓吹曲」について ――孫呉正統論をめぐって――
傍島 史奈   唐代詩僧と六朝僧
谷口 高志   音樂の映像 ──韓愈「聽穎師彈琴」と李賀「李憑箜篌引」を中心に──
陣内 孝文   王維詩「惆悵」考 ──輞川莊における理想と現實──
好川  聰   韓愈の長編回想詩をめぐって  ──杜甫との比較から──
橘   英範   中唐唱和文學の展開 ――『劉白唱和集』への道――
中西 久味   契嵩の護法思想
中尾 健一郎  司馬光の洛陽退居生活とその文學活動
石  立善   朝鮮古寫徽州本『朱子語類』について ――兼ねて語類體の形成を論ずる――
松野 敏之   王夫之の修養論に關する一考察 ──「一以貫之」解釋を中心にして──
松﨑 哲之   浙東の禮學 ――萬斯大『學禮質疑』の世界像――
白井 澄世   一九三〇年代における瞿秋白の知識人アイデンティティの變容
山口  守   巴金『家』のテクスト變容 ──小説・戲曲・映畫をめぐって
橋本 陽介   高行健の『靈山』における語る聲の流動と「言葉の流れ」
阿部 光麿   伊藤仁齋の「天道」論
白石 眞子   太宰春臺の思想における詩文論の意義


第六十一集 2009年

洲脇 武志   漢の文帝遺詔と短喪制の行方 ──「以日易月」を中心に──
佐野 大介   孝行譚における血縁性の意味
高橋 睦美   『老子指歸』と王弼『老子』注における差異
狩野 充德   『文選音決』の音注と『文選』の解釋 ──「見・樂」二字を例として──
紺野 達也   王維『輞川集』と「輞川圖」の唐宋期における評價の變遷 ──文人による詩畫評價の視點から──
戸崎 哲彦   白居易「醉吟先生墓誌銘」の自撰と碑刻
益 西 拉 姆   賈島という詩人像 ──虚と實のあいだ──
遠藤 星希   李賀の詩にあらわれた時閒意識について ──神女の時閒、永遠の現在──
加納 留美子  夜雨對牀 ──蘇軾兄弟を繫いだもの──
藤井 倫明   「流行」する「理」 ──朱熹の「理」再考──
白井  順   東アジアにおける薛瑄『讀書錄』の刊行と變容
廖  肇亨   晩明文人の懺悔思想の再檢討 ──袁中道の「心律」を中心として──
齊藤 正高   『物理小識』の腦と心
蕭  涵珍   李漁の小説における同性愛 ──眞情と禮敎の角度から──
船越 達志   巧姐の「忽大忽小」と林黛玉の死 ──『紅樓夢』後四十回の構想考──
呉  紅華   周作人の李卓吾評價をめぐって
津守  陽   「郷土」をめぐる時閒形式 ──沈從文と「不變の静かな郷村」像──
渡邊 晴夫   孫犁の位置 ──その解放區作家としての特異性──
佐藤  進   「到處」小考


第六十二集 2010年

高戸  聰   「明神」の役割と性格に關する一考察
柳川 順子   漢代古詩と古樂府との關係
渡邉 義浩   陸機の「封建」論と貴族制
大渕 貴之   『藝文類聚』編纂考
神塚 淑子   『海空智藏經』續考 ──卷十「普記品」を中心に──
山田 和大   韋應物の蘇州刺史期について ──詩の繫年と吏隱意識──
好川  聰   劉禹錫の異文化認識
二宮 美那子  姚合における「小吏文學」 ──武功縣中作三十首を中心に──
伊崎 孝幸   司空圖の文學論 ──味外の旨とは何か──
橘  千早   講經文の上演に關する一考察 ──P.二四一八《佛説父母恩重經講經文》の分析を中心に──
中  純夫   本末格物説攷
甲斐 雄一   陸游と四川人士の交流 ──范成大の成都赴任と關連して──
奥野 新太郎  劉辰翁の評點と「情」
芳村 弘道   南宋選學書『選詩演義』考
陳  文輝   「竹葉舟」考
馬場 昭佳   『水滸傳』征遼故事の成立背景 ──「宋代忠義英雄譚」を核とする作品形成──
伊香賀 隆   王龍溪の「顏子」論
久米 晉平   李二曲の「反身實踐」思想 ──その四書解釋をめぐって──
小笠原 淳   王蒙小説に見られるソヴィエト文學的表現について
──オストロフスキー、ゴーリキー、アイトマートフ小説との比較を中心として──

白水 紀子   臺湾女性文學における郷土想像 ──陳雪『橋上的孩子』を中心に──


第六十三集 2011年

武田 時昌   刑德遊行の占術理論
池田 恭哉   『劉子』における劉晝の思想
加納 留美子  蘇軾詠梅詩考 ──梅花の「魂」──
原田  愛   蘇轍による蘇軾「和陶詩」の繼承
大岩本 幸次  『皇極經世解起數訣』「聲音韻譜」について
松浦 智子   楊家將の系譜と石碑 ──楊家將故事發展との關わりから──
氏岡 眞士   三十卷本『水滸傳』について
上原 究一   『李卓吾先生批評西遊記』の版本について
荒木  猛   『金瓶梅』における反復描寫について
播本 崇史   明末天主敎書における靈魂論
仙石 知子   毛宗崗本『三國志演義』における養子の表現
堀池 信夫   中國イスラーム哲學の第二世代 ──馬注とその思想──
小方 伴子   段玉裁『説文解字注』引『國語』考
尾崎 順一郎  焦循の「一貫」解をめぐって ──いわゆる「修己治人」觀の特色と意義──
竹村 則行   明清文學史から見た清・顧沅の『聖蹟圖』贊詩
岩田 和子   清末民初湖南における「私訪」故事説唱の流通
森  雅子   たいまつの照らすもの ──周作人と性科學──
中丸 貴史   漢文日記敍述と漢籍 ──攝關家の日記としての『後二條師通記』──
松井 眞希子  海保青陵『老子國字解』について ──徂徠學派における『老子』學の一展開


第六十四集 2012年

前原 あやの  張衡『靈憲』の天文理論と尚水思想
田中 郁也   李登・呂靜の用いた五音について
明神  洋   『肇論』における「空」と「無」の論理
野閒 文史   義疏學から五經正義へ ──問答體の行方──
種村 由季子  駱賓王「帝京篇」と則天武后の洛陽駐輦
佐々木 聰   『開元占經』の諸抄本と近世以降の傳來について
中  純子   唐代中晩期における蜀の音樂文化 ──長安との交流を軸として──
東  英壽   歐陽脩の書簡九十六篇の發見について
齋藤  茂   古人への唱和 ──蘇軾「和陶詩」を中心に
原田  信   『詩經』註釋史における「毛詩舉要圖」の意義
辻井 義輝   朱熹哲學における「主宰」論 ──關係性と主體的責任をめぐる問い──
内山 精也   宋末元初の文學言語 ──晩唐體の行方──
田村 彩子   醜女鍾離春の物語 ──雜劇「鍾離春智勇定齊」と鼓詞『英烈春秋』──
井口 千雪   『三國志演義』の執筆プロセスに關わる考察
荒木 達雄   ”嘉靖本”「水滸傳」と初期の「水滸傳」文繁本系統
喬  玉鈺   張令儀の家庭と文學 ──清代の桐城女性作家にみる「才女」と「賢婦」の葛藤
高  彩雯   郁達夫文學における「田園」 ──『西青散記』から不遇の方法學へ
裴   亮    文學團體の創出と嶺南現代文學の成立 ──文學研究會廣州分會の位相──
濱田 麻矢   女學生だったわたし ──張愛玲『同學少年都不賤』における回想の敍事──
関口  順   禮としての神祇祭祀の考察 ──日本における神祇祭祀と對比して──


第六十五集 2013年

吾妻 重二   儒敎の再考 ──儀禮・祭祀・神々・五經
浜村良久・水野實  『詩經』國風の構造分析
尾崎  勤   「歸去來兮辭」に定型句「已矣乎」について
遠藤 星希   李賀の詩にみる循環する時閒と神仙の死
長谷川 眞史  元稹「連昌宮詞」考
二宮 美那子  園林の「小空閒」 ──白居易詩文を中心として
福谷  彬   孔孟一致論の展開と朱子の位置 ──性論を中心として──
阿部  亘   李贄の死生觀 ──死へのおそれから死の選擇へ
小松  謙   『麒麟閣』について ──隋唐物語と演劇
連   凡   『宋元學案』における學案表と師承關係 ──その内容と學術的意味について──
志野 好伸   哲學から人生哲學へ ──李石岑を導きとして
山本 恭子   近世華北における「招魂」・「報廟」習俗の變容
花登 正宏   『字彙』の我が國字書史上に與えた影響
佐野 大介   本朝における親殺しの不孝の容認
南澤 良彦   日本に於ける『孔子家語』の受容 ──德川時代を中心として──
野村 英登   佐藤一齋の靜坐説における艮背の工夫について ──林兆恩との比較から


第六十六集 2014年

高戸  聰   「日書」に見える巫と狂の關係について
靑山 大介   清華簡「説命(傅説之命)」の主題について ──その「天」觀念および傅説説話を通して──
西山 尚志   秦焚書觀の變遷
栗山 雅央   左思「三都賦」と西晉武帝司馬炎
西尾 和子   南宋期における『太平廣記』受容の擴大要因について
藤田 拓海   「乾(カン)」「乹(ケン)」字考
陳  文輝   元曲における戀愛と戰い
櫻木 陽子   『梧桐雨』雜劇の晩秋の季節
西川 芳樹   元代に於ける立身出世を描く作品群について ──『薛仁貴征遼事略』を中心に──
佐藤 麻衣   張居正『孟子』解釋とヨーロッパにおける受容について
三浦 秀一   明朝の提學官王宗沐の思想活動と王門の高弟たち
平塚 順良   『呉騒三集』について
千賀 由佳   蘇庵主人『歸蓮夢』における「白蓮教」
小島 明子   清末雜誌『教育世界』と王國維 ──未詳記事の調査に基づく編集背景の考證──
池田 智惠   「東方のアルセーヌ・ルパン」魯平の變身 ──淪陷期上海の「嘘の世界」を舞臺に──
松崎 寛子   鄭清文短編小説「苦瓜」「清明時節」とその舞臺劇『清明時節』におけるテクスト變容について
松村 茂樹   長尾雨山が上海で參加した詩會について
藤井 省三   夏目漱石『坊つちやん』から魯迅『阿Q正傳』への展開
──牧卷次郎「滿州問題」・「夜の支那人」事件と「幻灯事件」との照合および「清」と「呉媽」という女性像の系譜──

※学会報第66集の論文掲載順に誤りがあったため、修正したものをここに載せています。


第六十七集 2015年

淺野 裕一   孤立する魂――楚辭「卜居」と「漁父」の屈原像――
鈴木 達明   『莊子』の寓話における演出的な敍述について
牧角 悦子   賈誼の賦をめぐって
嘉瀬 達男   『漢書』藝文志・詩賦略と前漢の辭賦
加藤 文彬   王績「山中獨坐自贈」「自答」詩考――否定的媒介としての陶淵明像
仙石 知子   中國小説における「女をさらう猿」の展開
陳  佑真   蘇軾に於ける經學の突破――『書傳』の經説の特性及びその意圖について――
潘   超   上海圖書館所藏明鈔本『夷堅志乙志』について――洪邁の改作經緯に着目して――
松葉 久美子  元朝治下の王應麟とその思想
王  俊鈞   繪畫養生論――董其昌の發言を手がかりとして
新田 元規   許三禮の海昌講會と黄宗羲「海昌五經講義」
田中 有紀   江永の十二平均律解釋と河圖・洛書の學
金  文京   十八・十九世紀朝鮮燕行使の清朝における交流――藤塚鄰博士遺品の紹介を通じて
今泉 秀人   沈從文の沈默と漂泊――日中交戰時期の中學國語教科書編纂事業について――
蔣  建偉   會澤正志齋の「國體」思想における「民命」


第六十八集 2016年

堂薗 淑子   謝靈運の文學と『眞誥』 ──「有待」「無待」の語を中心に
石   碩   「李白と謝朓」再考 ──「澄江淨如練」句の受容と展開
好川  聰   唐詩變革 ──安史の亂前後に於ける李杜の詩から
諸田 龍美   白居易「自誨」詩製作の時空 ──元和十年、江州左遷の旅──
櫻木 陽子   『梧桐雨』雜劇における楊貴妃と嫦娥
大賀 晶子   明代文言小説における西廂故事受容のあり方について ──「鍾情麗集」の議論を中心に──
佐髙 春音   『水滸傳』の人物呼稱に見える待遇表現
岩崎 華奈子  『封神演義』に見える宿命と情義の衝突
金  東鎭   來知德の錯綜説と王夫之の乾坤竝建論
木津 祐子   「崎陽の學」と荻生徂徠 ──異言語理解の方法を巡って──
井川 義次   イエズス會士を仲介とする中國哲學情報のヨーロッパ流入とその反響
青山 大介   安井息軒『書説摘要』考 ──その考證學の特質──
菅原 慶乃   「理解する」娯楽 ──映畫説明成立史考


第六十九集 2017年

藤田  衞   『易緯』爻辰説の考察
永田 知之   詩序と書簡の閒 ――唐代以前の贈答詩と古代日本文學との比較を通して
宇賀神 秀一  陶淵明の讀書の軌跡 ――「集聖賢群輔錄」を中心として――
西川 ゆみ   庾信北朝期作品における華北・長安表現の獨自性
宇佐美 文理  杜甫詩における視覺の問題
梶田 祥嗣   黄裳の周禮思想 ――王安石『周禮義』の繼承を中心として――
東  英寿   范仲淹の神道碑銘をめぐる周必大と朱熹の論爭 ――歐陽脩新發見書簡に着目して――
廣澤 裕介   「全相平話」と繪解き藝能
上原 究一   もう一つの『李卓吾先生批評西游記』――「傳奇四十種」所收『楊東來先生批評西游記』及び『一笠【竹+奄】批評玉【竹+替】記』の書名改刻をめぐって――
笠見 彌生   許容された不義密通 ――凌濛初「二拍」を中心に
玉置 奈保子  『飛龍全傳』と武術描寫 ――白話小説と武藝書の交點――
本閒 次彦   「種」とは何か ――王廷相・朱子・戴震
尾﨑 順一郎  程瑤田の經學者としての評價とその手法
小田 健太   黄景仁と唐詩 ――李賀の受容を中心として――
堀川 貴司   五山文學における總集と別集 ――編成を中心に――
佐藤 由隆   懷德堂學派の知行論
樊  可人   遠山荷塘『諺解校注古本西廂記』の成立經緯について
加藤 國安   幕末の一儒の載道精神 ――伊豫松山藩儒・大原觀山舊藏書考
稻森 雅子   孫楷第の中國小説書目編纂と日中の學術交流
羽田 朝子   梅娘の描く「日本」 ――昭和モダニズムの光芒のなかで


第七十集 2018年

末永 高康   『儀禮』における禮の儀節の分岐について
早川  泉   『京氏易傳』八宮構造の繼承 ――『周易集解』を中心に
藤田  衞   『荀爽九家集注』の注釋と卦象
佐野 誠子   『天地瑞祥志』第十四神項所引志怪佚文について―八部將軍と四道王
山崎  藍   かんざしの喪失と破壞 ――先秦から唐代に至るかんざし詩の變遷と「長恨歌」の試み――
竹村 則行   中唐の「尤物」論と「長恨歌」の「恨」
𢎭  和順   邢昺『論語注疏』とその特色
蒙  顯鵬   黃庭堅の墨竹詩
望月 勇希   楊萬里「心學論」とその道學思想
福永 美佳   明刊「揚州夢」版本における「維揚風月」の意義 ――「楊升菴重訂」の視點から――
大塚 秀高   三國志物語の成長 『三國志平話』成立前後から毛宗崗本『三國志演義』まで
新田 元規   費密『弘道書』の「道統」「道脉」論
吉田  勉   廖平の今古學と『春秋穀梁傳』
松浦 恆雄   古風な臺灣モダニスト――楊雲萍
福長  悠   穆時英におけるモダン都市の性愛と堀口大學 ――「南北極」および「被當作消遣品的男子」を中心に――
武田 祐樹   藤原惺窩と林羅山の交涉再考 ――『知新日錄』受容を考慮に入れて
廖  海華   伊藤東涯の易學とその特色 ――『周易傳義考異』からみる
宮本 陽佳   澤田一齋の『水滸傳』講義をめぐって


第七十一集 2019年

釜谷 武志   獨創と模倣―漢魏六朝の文學論を中心に―
林  曉光   漢魏六朝時代における騷體賦の變貌
長谷川隆一   『潛夫論』に見える人閒觀
太田  齋   『玄應音義』反切と『切韻』反切―中古效攝所屬字の分析―
宮下 聖俊   李白詩の解釋の可能性―李白「望廬山瀑布二首」其二を例として―
井口 千雪   武定侯郭勛による『三國志演義』『水滸傳』私刻の意圖
中原 理惠   水滸傳百二十回本『忠義水滸全傳』について―諏訪市博物館藏鈔本を中心に
王  雯璐   マニラ刊行『無極天主正敎眞傳實錄』(一五九三)の硏究―同時代カトリック敎理書との關連を中心として
中塚  亮   地方劇における『封神演義』および聞仲像の展開
二階堂善弘   二十四諸天における佛道習合について
劉  斯倫   『守先閣藏書志』と陸心源の藏書目錄編纂について
林  文孝   孫海波の淸代學術思想硏究
韓  淑婷   佐久閒象山の『喪禮私說』について―幕末における『家禮』受容の一例―
下田 章平   中國書畫碑帖の日本流入に關する一考察―收藏家・菊池惺堂を起點として―


第七十二集 2020年

有馬 卓也   化の思想
關  俊史   王僧虔の書觀―「稱目」と書の生成
王孫 涵之   北宋初朞における「注疏の學」―邢昺『論語正義』の編纂をめぐって―
早川 太基   北宋文學における啄木鳥―寄託の深層化
東  英寿   吉州本『近體樂府』考
金  博男   「猫時計」說に見る中國人の時閒意識
表野 和江   『型世言』評者・陸雲龍の出版活動と復社
上田  望   明治時代における『三國志演義』の飜譯と出版
田中 雄大   廢名『談新詩』における作者の個性の重視―自己表現としての「夢」の發展的繼承
佐藤普美子   馮至の「異鄕」―散文集『山水』を中心に
小川 主稅   反響する「中國靑年」という聲―張愛玲「茉莉香片」における理想の破綻―
橋本 陽介   中國語「流水文」とその修辭的特徵について
大島繪莉香   西尾市岩瀨文庫藏五山版『山谷詩集注』書入れについて―黃山谷詩漢文抄との關わりから
高山 大毅   「明月璧」と高野蘭亭
黑田 秀敎   懷德堂の統治論―徂徠學との思想的接續―
富  嘉吟   松崎慊堂の陶淵明享受について―石經山房本『陶淵明文集』の刊行を中心に―


第七十三集 2021年

伊藤涼     王弼における「道」と理想的統治
加藤敏     陶淵明「飮酒二十首」小論―連作詩としての可能性―
金鑫      陳子昂詩の「復多變少」および「庾信體」との關係
盧旭      詩集十五卷から『白氏長慶集』の詩卷へ―白居易と元稹の編集理念の違い
大井さき    慶曆後期における梅堯臣の詩と詩作の場―韓維との應酬を中心に―
王歡      北宋繪畫論における「逸品」の變容
石川就彥    金聖嘆本『水滸傳』の會話場面―臨場感の追求と發話文の呼應を例に―
仙石知子    『列女傳演義』における節義について
菅野智明    淸末國粹派における「美術」と「金石書畫」―國學保存會、神州國光社の刊行物を手がかりに―
志野好伸    張東蓀の生命哲學批判
大久保洋子   一九二〇年代中期郁逹夫における文學論の構想と執筆―橫山有策『文學槪論』などを手がかりに
福長悠     張天翼「蜜蜂」における民衆運動と科學的言說の問題
丁乙      錢鍾書の「虛色」論の構造―東西思想の交涉―
陸穎瑤     『和漢朗詠集』 『新撰朗詠集』所收「曉賦」佚句考—東アジアに流傳した晚唐律賦—
廖嘉祈     豐田天功『精忠新錄』の編集過程―水戶學派の「振氣」戰略をめぐって―


第七十四集 2022年

近藤浩之    『戰國縱橫家書』蘇秦書信に關する再檢討
熊征      陶淵明の死生觀における楊朱思想の受容について
田村有見惠   王安石・王雱の道德性命の思想
水上雅晴    宋代の考證學に關する試論―淸朝考證學との關係について―
村田眞由    「溝壑を塡む」ということ―文天祥試論―
李家橋     『太和正音譜』所收の元雜劇テキストについての考察
建部良平    文字探究から社會秩序へ―段玉裁「說文饗字解」を讀む―
黃詩琦     「落花」の革新―一九三五年以前の吳宓の舊體詩―
林麗婷     ポスト五四を生きる靑年男女―張恨水『金粉世家』と『啼笑因緣』を中心に―
丁乙      二〇世紀前期中國の「氣韻生動」論
河本美紀    張愛玲による映畫脚本「香閨爭霸戰」の發見
陳路      中世五山禪林における朱子學の受容―桃源瑞仙の『史記抄』を中心に
湯書華     江戸期における中國戲曲の翻譯―嵐翠子『塡詞胡蝶夢』について―
張寶三     東方文化硏究所『尙書正義定本校勘記』と『讀尙書注疏記』における「以疏爲據」の校勘について
河野貴美子   北京人文科學硏究所における藏書形成と中國古典學


第七十五集 2023年

柿沼陽平    秦律令の地域性と「新地」の統治
仙石知子    歷史物語の形成―劉向『列女傳』卷七 孽嬖傳「周幽襃姒」を中心に
渡邉將智    後漢章帝の統治と宗室・外戚
古勝隆一    『講周易疏論家義記』に見える「義家」について
武茜      『續齊諧記』における「戀情」―神女說話の韻文を絲口に
金鑫      唐代の「仄韻律詩」について
吉岡佑馬    敦煌遺書佚名『老子道德經義疏』初探―華嚴敎學の影響および成立背景の檢討―
田中靖彥    呂祖謙「十論」の孫吳評價について
市來津由彥   人の學を爲す所以は心と理とのみ―朱熹『大學或問』における「理」の探究―
尾崎勤     『封神演義』の改作について
上原究一    明刊本小說『新刻彙正十八國鬪寳傳』の發見とその意義―伍子胥が主人公の「全相平話」が存在した可能性を視野に―
黃詩琦     吳宓と「文」の新理想―その言語・文體觀と二〇世紀初期歐米の言語文化―
宋新亞     「沈淪イズム」の實像―苦悶・同情・大正敎養主義―
小川主稅    愛欲と革命の大學敍事―茅盾『路』における二つの版本―
鄭洲      不徹底な女たち―廬隱『象牙戒指』が描く「灰城」北京
具惠珠     古代日本漢文學における音聲と書記の往還―〈訓讀〉の美と文字化について―
鈴置拓也    井上哲次郞「支那哲學史」に見る中國哲學硏究の方法とその意義―老子・莊子を例として
大西克也    上古中国語のモダリティ助詞「矣」について