今年度および来年度の学会展望の「文学」分野は、大東文化大学文学部中国学科の門脇広文が、三枝秀子非常勤講師および大学院生の秋谷幸治君の協力をえて担当する。分類などについては出版委員会で定められた方式に従い、作成の基準はおおよそ以下の通りである。
- 目録に掲載した資料は、会員からのメールによる「自己申告」を基本とし、それに加えて担当者が、さまざまな方法で調査し補充した。
- 収録の対象となる発行資料は、二〇〇四年一月から十二月までに刊行されたものとする。
- 収録の対象となる刊行物は、日本国内発行のものとするが、発表言語は日本語に限定しない。
- 分類は、まず大きく単行本と論文に分け、それぞれを従来の十二分類に収録し、内容的に複数の分野を対象とするものは、それぞれの分野に重複して収録する。
- 各分野における配列の順序は、著者・編者・評者等の氏名の五十音順とする。
本年度は、「自己申告」はメールにのみとしたため、会員各位からの「自己申告」は、メールによるものがほとんどであった。しかし、その数は必ずしも多くはなく、わずかに二十名弱に過ぎなかった。これらの方々には、心より感謝申し上げたい。
この目録の作成にあたっては遺漏や校正ミスのないようにつとめたが、時間的かつ人的な制約によりなお遺漏や校正ミスなどが多く残されているものと思う。お気づきの点は、担当者、大東文化大学文学部中国学科門脇広文(電話:03―5399―7360 FAX:03―5399―7361)までお知らせ頂きたい。なお、本目録には、発行年月の期限外のもの、収録基準の範囲内にないと判断した場合には、収録を控えさせていただいた。ご了解いただければ幸いである。
単 行 本
一、総 記
飯倉 照平 中国民話集(岩波文庫) 岩波書店
石川 忠久 漢詩への誘い―歴史と風土(成都の巻) NHK出版
石川 忠久 漢詩への誘い―歴史と風土(杭州の巻) NHK出版
石川忠久・中西 進 石川忠久中西進の漢詩歓談 大修館書店
一海知義編 一海知義の漢詩道場 岩波書店
井波 律子 故事成句でたどる楽しい中国史(岩波ジュニア新書) 岩波書店
大上 正美 言志と縁情私の中国古典文学 創文社
世峰・張菊香主編 中国文学の昨日と今日―日中両国語 中国書店
加藤 徹 漢文力 中央公論社
河内 利治 書法美学の研究 汲古書院
関西中国女性史研究会編 ジェンダーからみた中国の家と女 東方書店
串田久治・諸田竜美 ゆっくり楽に生きる 漢詩の知恵 学習研究社
高 峰 科挙と女性大学教育出版
小林日出夫 100の古典、100のことば 明徳出版社
大東文化大学人文科学研究所中国美学研究班 成復旺主編・中国人民大学出版社『中国美学範疇辞典』訳注第二冊(大東文化大学人文科学研究所報告書) 大東文化大学人文科学研究所
大東文化大学創立八十周年記念シンポジウム 中国における形と心 汲古書院
高島 俊男 お言葉ですが…8百年のことば… 文芸春秋
高島 俊男 本と中国と日本人と*『独断! 中国関係名著案内』文庫化 筑摩書房
斌杰著福井佳夫訳 中国の文章 ジャンルによる文学史(汲古選書39) 汲古書院
土屋英明編訳 房中悦あり―中国性奇談 徳間書店
土屋英明編訳 房中秘記―中国古典性奇談 徳間書店
日外アソシエーツ 中国古典文学案内 日外アソシエーツ
新田 大作 漢詩の作り方 新装版(作法叢書) 明治書院
百田弥生子 中国神話の構造 三弥井書店
藤井 莫雲 三十一文字の漢詩中国詩に見る寂寞の心想 海鳥社
丸山 昇 上海物語―国際都市上海と日中文化人 講談社
村山 吉広 書を学ぶ人のための漢詩漢文入門 二玄社
森 博行 セン・ブォシン氏の夕日と虎をめぐる不思議な話 続・中国古典雑記(ソフィア叢書No.13) 竹林館
守屋 浩 完本中国古典の人間学 プレジデント社
渡邉 義浩 エピソードで楽しくわかる「故事成語」 PHP研究所
家井 真 『詩経』の原義的研究 研文出版
加地 伸行 論語(ビギナーズ・クラシックス中国の古典) 角川書店
中田 昭栄 詩経 新編 中 日々の祖霊と王郁朋社
百田弥生子 中国神話の構造 三弥井書店
吹野 安 楚辞集注全注釈一 離騒 明徳出版社
星川 清孝 新書漢文大系23楚辞 明治書院
渡邉 義浩 図解中国史がすぐわかる! 故事成語〈春秋戦国篇〉歴史群像リシーズ 学習研究社
三、漢魏晋南北朝
青木 五郎 新釈漢文大系91史記十一(列伝四) 明治書院
一海 知義 陶淵明虚構の詩人(再販) 岩波書店
大上 正美 言志と縁情私の中国古典文学 創文社
大室 幹雄 囲碁の民話学(岩波現岩波書店代文庫)
加藤 国安 越境する信その軌跡と詩的表象(全2冊)研文出版
釜谷 武志陶淵明 角川書店
干宝著竹田晃訳 捜神記(ワイド版東洋文庫10)平凡社
稀代麻也子 『宋書』のなかの沈約―生きるということ― 汲古書院
斯波 六郎 六朝文学への思索(東洋学叢書) 創文社
先坊幸子・森野繁夫 干宝捜神記 白帝社
高橋 忠彦 新書漢文大系26文選 明治書院
田部井文雄 陶淵明のことば(MY古典) 斯文会
松浦 友久 陶淵明・白居易論抒情と説理(松浦友久著作選Ⅱ) 研文出版
水野 祐 評釈魏志倭人伝 雄山閣
渡邉 義浩 三国政権の構造と「名士」 汲古書院
渡邉義浩・田中靖彦 世界歴史の旅三国志の舞台 山川出版社
四、隋唐五代
赤井 益久 中唐詩壇の研究(東洋学叢書60) 創文社
石川 忠久 漢詩をよむ杜牧100選(NHKライブラリー) NHK出版社
井上 靖 楊貴妃伝 講談社
漆山又四郎訳註 杜詩上下 (名著/古典籍文庫岩波文庫復刻版) 一穂社
大上 正美 言志と縁情私の中国古典文学 創文社
大室 幹雄 囲碁の民話学(岩波現代文庫) 岩波書店
岡村 繁 白氏文集5(新釈漢文大系101) 明治書院
小野忍・千田九一訳 金瓶梅(全十巻)(岩波文庫) 岩波書店
筧 久美子 李白(ビギナーズ・クラシックス中国の古典) 角川書店
岸田 知子 空海と中国文化(あじあブックス055) 大修館書店
高 峰 科挙と女性 大学教育出版
柴格朗訳注 劉白唱和集(全) 勉誠出版
大東文化大学東洋研究所編 藝文類聚(巻14)訓読付き索引 大東文化大学東洋研究所
高木 重俊 張説 玄宗とともに翔た文人宰相(あじあブックス056) 大修館書店
長沢 和俊 三蔵法師の歩いた道 巡歴の地図をたどる旅(プレイブックスインテリジェンス) 青春出版社
松浦 友久 陶淵明・白居易論抒情と説理(松浦友久著作選Ⅱ) 研文出版
松浦友久・植木久行編訳 杜牧詩選 岩波文庫
源世昭編田口暢穂解説 白詩選(漢文テキスト) 研文社
向嶋成美・高橋明郎 新釈漢文大系74唐宋八大家読本五 明治書院
五、宋
阿部 泰記 包公伝説の形成と展開 汲古書院
石川 忠久 漢詩をよむ 陸游100選(NHKライブラリー) 研文出版
一海知義編 一海知義の漢詩道場 岩波書店
ウー・ホン著 中野美代子・中島健訳 屏風のなかの壺中天 デザインエクスチェンジ
河上肇著 一海知義校訂 陸放翁鑑賞 岩波書店
木村秀海監修 堤保仁編 訳注太平広記鬼部三 やまと崑崙企画
高 峰 科挙と女性 大学教育出版
塩卓悟・河村晃太郎編 訳注太平広記婦人部 汲古書院
詞源研究会編著 宋代の詞論 張炎『詞源』 中国書店
銭鍾書著 宋代詩文研究会訳注 宋詩選注1(東洋文庫722) 平凡社
銭鍾書著 宋代詩文研究会訳注 宋詩選注2(東洋文庫722) 平凡社
銭鍾書著 宋代詩文研究会訳注 宋詩選注3(東洋文庫722) 平凡社
向嶋成美・高橋明郎 新釈漢文大系75唐宋八大家読本五 明治書院
村越貴代美 北宋末の詞と雅楽 慶応義塾大学出版会
六、金・元・明
阿部 泰記 包公伝説の形成と展開 汲古書院
井波 律子 『三国志』を読む(岩波セミナーブックス91) 岩波書店
ウー・ホン著 中野美代子・中島健訳 屏風のなかの壺中天 デザインエクスチェンジ
王陽明大伝(岡田武彦全集4) 明徳出版社
辛島驍・多久弘一 十八史略詳解上・下新装版 明治書院
菊池 道人 周瑜「赤壁の戦い」を勝利に導いた呉の知将 PHP研究所
北方 謙三 NHK人間講座 2004年2月~3月期三国志の英雄たち NHK出版
高 峰 科挙と女性 大学教育出版
小林 晶子 三国志のことがマンガで3時間でわかる本(ASUKABUSINESS) 明日香出版社
酒井忠夫監修 中国日用類書集成14 妙錦万宝全書 汲古書院
笑笑生著 坂戸みの虫編訳 原文併載 金瓶梅詞話 淫の世界 第3巻 太平書屋
城谷 武男 翻訳集瞥見沈従文 サッポロ堂書店
田中芳樹編訳 隋唐演義1 群雄雌伏ノ巻 中央公論新社
田中芳樹編訳 隋唐演義2 隋の煬帝ノ巻(中公文庫) 中央公論新社
宮 紀子 NHKスペシャル文明の道⑤モンゴル帝国 NHK出版社
森田 憲司 元代知識人と地域社会(汲古叢書53) 汲古書院
渡邉義浩・田中靖彦 世界歴史の旅三国志の舞台 山川出版社
七、清
阿部 泰記 包公伝説の形成と展開 汲古書院
井波 律子 中国ミステリー探訪―千年の事件簿から NHK出版
ウー・ホン著中野美代子・中島健訳 屏風のなかの壺中天 デザインエクスチェンジ
洪昇著 岩城秀夫訳 長生殿玄宗・楊貴妃の恋愛譚(東洋文庫) 平凡社
高 峰 科挙と女性 大学教育出版
樽本照雄編 中国近現代通俗文学史索引(清末小説資料叢書7) 清末小説研究会
樽本照雄編 老残遊記資料(清末小説資料叢書6) 清末小説研究会
東田 雅博 纏足の発見―ある英国女性と清末の中国 大修館書店
蒲松齢著 志村有弘訳 聊斎志異の怪(角川ソフィア文庫) 角川書店
蒲松齢著 柴田天馬訳 愛蔵版ザ・聊斎志異全訳全一冊 第三書館
八、近現代
愛知大学現代中国学会編 中国21Vol.20特集:中国演劇におけるジェンダー 風媒社
阿部 泰記 包公伝説の形成と展開 汲古書院
阿来著 西海枝裕美・西海枝美和訳 塵埃落定 士司制度の終焉 近代文芸社
井波 律子 中国ミステリー探訪―千年の事件簿から NHK出版
井上 泰山 中国近世戯曲小説論集 関西大学出版部
入谷仙介他校注 漢詩文集(新日本古典文学大系) 岩波書店
岩佐 昌 文革期の文学 花書院
岩佐 昌 文革期文学雑誌目録(1) 花書院
榎本 泰子 君よ弦外の音を聴け(『傅雷家書』より) 樹花舎・星雲社販売
岡崎 郁子 黄霊芝物語 ある日文台湾作家の軌跡 研文出版
岸 陽子 中国知識人の百年 文学の視座から 早稲田大学出版
金庸著岡崎由美・小島早依訳 鹿鼎記4 二人の皇太后 徳間書店
金庸著岡崎由美・小島瑞紀訳 鹿鼎記5 経典争奪 徳間書店
金庸著岡崎由美・小島瑞紀訳 鹿鼎記6 クレムリンの女帝 徳間書店
金庸著岡崎由美・小島瑞紀訳 鹿鼎記7 故郷再び 徳間書店
金庸著岡崎由美・小島瑞紀訳 鹿鼎記8 栄光の彼方*全巻完結 徳間書店
斎藤 敏康 現代中国文学研究三十年の軌跡 東方書店
阪口 直樹 中国現代文学の系譜―革命と通俗をめぐって― 東方書店
周而復著竹内実監修 逆流と暗流下(長城万里図3) 晃洋書房
杉本 達夫 日中戦期 老舎と文芸界統一戦線 大後方の政治の渦の中の非政治 東方書店
杉山太郎著瀬戸宏編 中国の芝居の見方中国演劇論集 好文出版
中国女性史研究会編 中国女性の一〇〇年 史料にみる歩み 青木書店
池莉著市川宏・池上貞子・久米井敦子訳 ションヤンの酒屋(みせ) 小学館
沈従文著城谷武男訳 翻訳集瞥見沈従文 サッポロ堂書店
陳 舜臣 青山一髪 上 孫文起つ 中央公論新社
陳 舜臣 青山一髪 下 辛亥への道 中央公論新社
丁 文江 梁啓超年譜長編 第5巻 岩波書店
鉄凝著池沢実芳訳 綿積み 近代文芸社
田原編竹内新訳 中国新世代詩人アンソロジー 詩学社
董宏猷著家野四郎訳 長江の童話 文芸社
徳田 武 近世近代小説と中国白話文学 汲古書院
徳田 武 近世日中文人交流史の研究 研文出版
中島 利郎 日本統治期台湾文学研究序説 緑蔭書房
長津 晴子 最後の恋、初めての恋 竹書房
中野 淳子 中国農村児童文学選立夏のたまご 冬至書房
中村ふじゑ他訳・下村作次郎・孫大川等編 台湾原住民文学選3 永遠の山地 ワリス・ノカン集 草風館
虹の図書室 中国当代児童文学選No.19ユーモア・ナンセンス特集 日中児童文学芸術交流センター
沼野 誠介 魯迅と日本 文芸社
野田 正彰 陳真 戦争と平和の旅路 岩波書店
莫言著井口晃訳 赤い高梁(岩波現代文庫) 岩波書店
林水福・是永駿編松浦恒雄・上田哲二・島田順子訳 シリーズ台湾現代詩Ⅱ 陳義芝・焦桐・許悔之 国書刊行会
林水福・是永駿編松浦恒雄・上田哲二・島田順子訳 シリーズ台湾現代詩Ⅲ楊牧・余光中・鄭愁予・白萩) 国書刊行会
国書刊行会
菱沼彬晃・飯塚容訳 高行建戯曲集 晩成書房
丸山 昇 魯迅・文学・歴史 汲古書院
柳本通彦他編訳・解説 台湾原住民文学選4 海よ山よ 十一民族作品集 草風館
山口 淑子 「李香蘭」を生きて 私の履歴書 日本経済新聞社
山田 敬三 境外の文化―環太平洋圏の華人文学 汲古書院
ユイ・チェン著酒井紀子編訳 再見〔ツァイチャエン〕また逢う日まで 竹書房
葉広著・顧大玉著 郭春貴・郭久美子訳 娘とわたしの戦争 白帝社
雷石楡著内山加代訳 八年詩選集 潮流出版社
欒 殿武 漱石と魯迅における伝統と近代 勉誠出版社
李昂著藤井省三訳 自伝の小説(新しい台湾の文学7) 国書刊行会
魯迅著竹内好訳 故事新編(再版) 岩波書店
魯迅・東北大学留学百周年史編集委員会 東北大学留学百周年 魯迅と仙台 東北大学出版会
話劇人社中国現代戯曲集編集委員会 中国現代戯曲集5 晩成社
九、民間文学・習俗
百田弥生子 中国神話の構造 三弥井書店
十、日本漢文学
加藤 国安 伊予の陶淵明 近藤篤山 研文出版
小島 憲之 王朝漢詩選 岩波書店
杉下 元明 江戸漢詩影響と変容の系譜 ぺりかん社
松浦 友久 日本上代漢詩文論考(松浦友久著作選Ⅲ) 研文出版
兪 慰慈 五山文学の研究 汲古書院
欒 殿武 漱石と魯迅における伝統と近代 勉誠出版社
十一、比較文学
繁原 央 日中説話の比較研究 汲古書院
徳田 武 近世近代小説と中国白話文学 汲古書院
徳田 武 近世日中文人交流史の研究 研文出版
中西 進 日本文学と漢詩 外国文学の受容について 岩波書店
松浦 友久 日本上代漢詩文論考(松浦友久著作選Ⅲ) 研文出版
吉田とよ子 色は匂へど『源氏物語』と中国の情艶文学 上智大学
論 文
一、総 記
赤井 益久 川岸のながめ―川をめぐる城市と郊外(上)― 河川レビュー125(新公論社)
赤井 益久 不の舟―川をめぐる城市と郊外(中)― 河川レビュー126(新公論社)
赤井 益久 州の西澗―川をめぐる城市と郊外(下)― 河川レビュー127(新公論社)
赤井 益久 田を潤す川ー漢詩に見える処世観と川(上)― 河川レビュー128(新公論社)
赤井 益久 身体・小風景・宇宙―中国文学に見える道教的なものについて 筑波中国文化論叢23(筑波大学人文社会科学研究科文芸・言語専攻中国文学研究室)
赤羽 淑 書評:佐藤恒雄『藤原定家研究』 白居易研究年報5
安 平秋 古典文献研究の分野における二つの機構 中国古籍文化研究2
伊藤 徳也 書評:木山英雄「周作人『対日協力』の顛末―補注『北京苦住庵記』ならびに後日編」 中国文芸研究会会報277
岩城 秀夫(最終講義)中国人の美意識を探る―梅花粧と梅花落のうた― 中国言語文化研究4(仏教大学中国言語文化研究会)
袁 行霈著高芝麻子訳 (講演録)天趣 中国詩学の求めたもの 東京大学中国語中国文学研究室紀要7
王 笛 茶館・茶房・茶客 中国―社会と文化19(中国社会文化学会)
門脇 広文 書評:川合康三編『中国の文学史観』創文社二〇〇二年 大東文化大学漢学会誌43
川合 康三 (書評)松原朗著『中国離別詩の成立』 中国文学報67(京都大学文学部中国語学中国文学研究室)
河内 利治 中国における詩書画三位一体の文人書法の研究 大東書道研究12
魏 正申著上田 武訳 日本の二十世紀における陶淵明研究論評 六朝学術学会報5
草場比呂子 音読を重視した漢文の授業実践―『史記』晏子の御― 漢文教育29(広島漢文教育学会)
洪本健著会谷佳光訳 (書評)東英寿著『欧陽脩古文研究』 橄欖第12(宋代詩文研究会)
後藤 昭雄 (書評)佐藤道生著『平安後期日本漢文学の研究』を読んで 和漢比較文学33
後藤 祥子 (書評)新間一美著『源氏物語と白居易の文学』 和漢比較文学32
小松 秀生 漢詩歳時記(四) 漢文教育29(広島漢文教育学会)
紺野 達也 (書評)楊文生(編著)『王維詩集箋注』 中唐文学会報11
斎藤 茂 (書評)王小盾『従敦煌学到域外漢文学』 中唐文学会報11
斎藤 道彦 (書評)最近の日本における蒋介石関係の書籍3点 季刊中国77(季刊中国刊行委員会)
佐藤 大志 展転の系譜 中国中世文学研究45・46
沢井 律之 (書評)葉石濤著『台湾文学史綱』及びその史観について 境外の文化-環太平洋圏の華人文学
末葭 敏久 資料集:蘇軾詩全作品テキスト・注釈書・訳注等目次一覧 広島大学中国古典文学プロジェクト研究センター研究成果報告書Ⅱ中国古典文学研究2
鈴木 利一 (書評)佐藤美智子著『萬葉集と中国文学受容の世界』 大谷女子大国文34
田口 一郎 漢詩を鑑賞させるには アジア遊学65
谷口 匡 小学校における漢詩の音読 教育実践研究紀要4(京都教育大学附属教育実践総合センター)
鄭 高詠 犬のイメージに関する一考察―中国のことばと文化 言語と文化10(愛知大学語学教育研究室)
鄭 高詠 猿のイメージに関する一考察―中国のことばと文化 言語と文化11(愛知大学語学教育研究室)
程毅中著溝部良恵訳 (講演録)中国古典小説の文献研究 東京大学中国語中国文学研究室紀要7
富永 一登 資料集 『文選』李善注引陸機・潘岳詩文 広島大学中国古典文学プロジェクト研究センター研究成果報告書Ⅱ中国古典文学研究2
中里見 敬 「内面」を創出する―文体論的アプローチ― 日本中国学会報56
中谷 征充 「離合詩」攷究 高野山大学大学院紀要8
許山 秀樹 『続校注 唐詩解釈辞典 〔付〕歴代詩』語釈語句索引 中国詩文論叢23
畑村 学 漢詩を素材としたプレゼンテーション授業の実践 漢文教育29(広島漢文教育学会)
日向 一雅 (書評)新間一美著『平安朝文学と漢詩文』 和漢比較文学32
松本 肇 レトリックから見た中国文学 文芸言語研究・文芸篇46
丸尾 常喜 書評 中国20世紀文学を学ぶ人のために 季刊中国77(季刊中国刊行委員会)
村田 忠禧 人文・社会科学研究における漢字、語彙の計量分析の有効性について 中国―社会と文化19(中国社会文化学会)
村田 正博 (書評)佐藤美知子著『万葉集と中国文学受容の世界』 和漢比較文学33
屋敷 信晴 古小説研究とデータベース ―「電子類書」編纂に向けて― 広島大学中国古典文学プロジェクト研究センター研究成果報告書Ⅱ中国古典文学研究2
安永 孝子 漢文入門期の故事成語―複数の故事成語を使った授業の展開― 漢文教育29(広島漢文教育学会)
山田 敬三 (書評)岡崎郁子『黄霊芝物語』 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
山田 敬三 (書評)尾崎秀樹『旧植民地文学の研究』―中訳本への解題 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
駱玉明著竹之内美樹香訳 (書評)竹村則行著『楊貴妃文学史研究』 中国文学報67(京都大学文学部中国語学中国文学研究室)
李 祥林 女神話と華夏劇曲 中国2120(愛知大学現代中国学会)
渡辺 信和 (書評)藏中しのぶ著『奈良朝漢詩文の比較文学的研究』 和漢比較文学33
二、先 秦
市川 桃子 『詩経』「桃夭篇」の解釈―通説への反論― 応用言語学研究6(明海大学大学院応用言語学研究科紀要)
尾崎 保子 左伝における婦女観(十)「妾」について 学苑762(昭和女子大学)
尾崎 保子 左伝における婦女観(十一)喪葬の記録 母は子を以て貴し① 学苑768(昭和女子大学)
尾崎 保子 左伝における婦女観(十二)―喪葬の記録 母は子を以て貴し② 学苑769(昭和女子大学)
郭 莉莉 儒家思想と道家思想に見られる文芸への肯定的見解と否定的見解に関する考察 外国語外国文化研究14(国士舘大学外国語外国文化研究会)
黒須 重彦 「屈原賦」が翻訳文学であることの傍証―〈こえ〉から文字へ― 東洋文化93(無窮会)
坂出 祥伸 思想の担い手としての「士」身分―特に先秦時代における― 関西大学中国文学会紀要25
佐藤 大志 展転の系譜 中国中世文学研究45・46
篠田 幸夫 『詩経』徳字考―国風・小雅を中心として― 二松学舎大学論集47
柴田知津子 『詩経』王風・采篇における「」の考察 応用言語学研究6(明海大学大学院応用言語学研究科紀要)
渋沢 尚 先秦楚国農業小考―兼ねて孫叔敖の水利事績を論ず― 福島大学教育学部論集・人文科学部門76
渋沢 尚 楚国農業における「火耕水耨」解釈について 言文51
高戸 聡 四方から五行へ 東北大学中国語学文学論集9
張 軼欧 卓文君の人物像の歴史的変遷 関西大学中国文学会紀要25
張延端・柴田知津子 『詩経』召南・何彼矣篇の研究 明海大学教養論文集 自然と文化16
塚本 信也 先秦期における「笑」の語用論 集刊東洋学92
中島 敏夫 歴史と神話への視座―疑古派禹天神論の検証からの再出発 中国2120(愛知大学現代中国学会)
福本 郁子 『詩経』に於ける境界神祭祀詩に就いて 二松学舎大学人文論叢72
藤原 尚 「天問」の視点 中国中世文学研究45・46
牧角(竹下)悦子 『詩経』の中のエロス―桃の夭夭たる― 二松学舎大学東洋学研究所集刊34
増田 知子 『史記』の学習―「管鮑の交り」― 中国学論集36(安田女子大学中国文学研究会)
益満 義裕 イヌから見た中国古代の社会と文化 東洋文化研究6(学習院大学東洋文化研究所)
宮本 勝 小説「孔子」を読んで―井上靖の『論語』の読み方― 旭川国文19(北海道教育大学旭川校国語国文学会)
矢田 尚子 楚辞「離騒」における「上下」と「探索」 集刊東洋学91
山邉 進 『論語』に於ける引『詩』に就いて 二松学舎大学論集47
李 育娟 藐姑射に住む上皇像の形成―『荘子』『逍遥遊』における尭帝伝承から― 和漢比較文学32
李 祥林 女神話と華夏劇曲 中国2121(愛知大学現代中国学会)
林 維民 詩経》服飾文化研究発凡 中国学研究論集13
林 維民 詩経》服飾文化研究発凡 中国学研究論集13
渡辺 英幸 晋文公の諸国遍歴説話とその背景 東洋学報85―4(東洋文庫和文紀要)
三、漢魏晋南北朝
相田 満 『東観漢記』再考―佚書を指標とする成立時期判定の可能性について― 東洋文化復刊92
相原健右・渋谷由紀・岡本秀夫 『白虎通』訳注・巻一 爵篇(三) 中国古典研究49(中国古典学会)
赤井 益久 川岸のながめ―川をめぐる城市と郊外(上)― 河川レビュー125(新公論社)
赤井 益久 不の舟―川をめぐる城市と郊外(中)― 河川レビュー126(新公論社)
赤井 益久 州の西澗―川をめぐる城市と郊外(下)― 河川レビュー127(新公論社)
赤井 益久 田を潤す川ー漢詩に見える処世観と川(上)― 河川レビュー128(新公論社)
秋山 愛 漢文入門教材の一提案―「桃花源記」を使って― 学芸国語国文学36(東京学芸大学国語国文学会)
阿部 兼也 漢書藝文志の「小説家」と漢代の「選挙」「太学」の創設 中国古典小説研究9(中国古典小説研究会
安藤 信広 陶淵明「雑詩十二首」考―死生の相克の視点から― 六朝学術学会報5
安藤 信広 北周趙王の文学と信の影響―聖武天皇宸翰『雑集』所収「周趙王集」に基づいて― 日本中国学会報56
安東 諒 『文心雕竜』雑説(六)(神思) 言語文化研究11(徳島大学総合科学部)
安東 諒 『文心雕竜』雑説(序志) 中国中世文学研究45・46
韋 海英 「二何」についての考察 福岡大学人文論叢36―2
石本 道明 江淹「遂古篇」と楚辞「天問」について―本文解読とその比較― 国学院大学紀要42
市川 桃子 「採蓮曲」の発展 明海大学外国語学部論集16
上田 武 陶淵明の「勧農」詩と農家思想 中国文化―研究と教育62
上田 武 謗書と曲筆―史記「五宗世家」をめぐって― 新しい漢字漢文教育39
上野 裕人 曹植の詩について―「棄婦篇」と「種篇」を中心として― 語文と教育18(鳴門教育大学国語教育学会)
上原 尉暢 『塩鉄論』試論 集刊東洋学92
内山 直樹 『史記』『漢書』の「書」「志」について―名称をめぐる瑣考― 中国文化―研究と教育62
大形 徹 『列仙伝』の仙人(一)―黄帝・関尹子・涓子 人文学論集22(大阪府立大学人文学会)
大上 正美 陶淵明を読むこと、研究すること 国学院中国学会報50(国学院大学中国学会)
太田 亨 日本禅林における杜詩受容について―中期禅林における杜甫画図賛詩に着目して― 中国中世文学研究45・47
太田 亨 日本中世禅林における陶淵明受容―初期の場合― 広島大学中国古典文学プロジェクト研究センター研究成果報告書Ⅱ中国古典文学研究3
大地 武雄 陶淵明の分身化 二松学舎大学東洋学研究所集刊34
門脇 広文 陶淵明「桃花源記」「外人」小考―内山論文「以後」の解釈とその問題点について― 六朝学術学会報5
小春 従《蘭亭序》的真偽論及六朝士族的避諱 中国言語文化研究4(仏教大学中国言語文化研究会)
魏正申著 上田武訳 日本の二十世紀における陶淵明研究論評 六朝学術学会報5
斌著大立智砂子訳 『世説新語』札記八則 六朝学術学会報5
久保 卓哉 陳後主の鉤韻と沈約の賦韻及び陳後主の逸詩「宣猷堂宴集五言」 中国中世文学研究45・46
小林 佳廸 「桃花源記」の具体化現象―桃源県における文化景観をめぐって 中国文化―研究と教育62
小松 英生 西晋謝尚伝―『晋書』謝尚伝訳注 中国中世文学研究45・46
小南 一郎 「盂蘭盆経」から「目連変文」へ―講経と語り物文藝との間―(下) 東方学報76(京都大学人文科学研究所紀要144)
佐伯 雅宣 梁代の「行旅詩」―風景描写を中心に― 中国中世文学研究45・46
佐伯雅宣・佐藤利行 劉孝綽詩訳注(3) 広島大学中国古典文学プロジェクト研究センター研究成果報告書Ⅱ中国古典文学研究2
佐竹 保子 総集『文選』のなかに見える別集の痕跡―奇妙な自称と「奏弾劉整」、および陸善経注本『文選』の価値について― 東北大学中国語学文学論集9
佐竹保子・釜谷武志・長谷部剛・林 香奈・佐藤大志 『宋書』楽志―訳注稿(二) 未名22(中文研究会)
佐藤 大志 展転の系譜 中国中世文学研究45・46
佐藤 大志 東晋文学研究ノート:長江中流域と北方民歌 広島大学中国古典文学プロジェクト研究センター研究成果報告書Ⅱ中国古典文学研究2
清水 凱夫 梁元帝蕭繹『金楼子』中の自序篇について―「不閑什一」「大寛小急」の解釈― 学林40(中国藝文研究会)
下定 雅弘 蘭亭序をどう読むか―その死生観をめぐって― 六朝学術学会報5
春秋繁露研究会(坂本頼之・岩野忠昭) 春秋繁露註釈稿 東洋大学中国哲学文学科紀要12(東洋大学文学部紀要57)
瑞慶山敦子 「明月」をめぐる月表現の変遷~「古詩十九首」からの系譜~ 琉球大学言語文化論叢創刊号
杉山 礼子 六朝志怪小説論―孝子説話に見られる〈孝〉の実態について― 東京女子大学日本文学100
先坊 幸子 六朝「占卜説話」 広島大学中国古典文学プロジェクト研究センター研究成果報告書Ⅱ中国古典文学研究2
先坊 幸子 六朝志怪説話の謎の部分 国語国文論集34(安田女子大学日本文学会)
捜神後記研究会 捜神後記訳注(一) 中国学論集36(安田女子大学中国文学研究会)
孫 久富 漢賦の「都城・宮殿賛美」と長歌の「国見・国褒め」の比較研究 相愛大学20(相愛大学研究論集編集委員会)
鷹橋 明久 阮籍と山濤 中国中世文学研究45・46
竹沢 英輝 劉の『文心雕竜』に於ける文筆の概念について 愛知論叢77(愛知大学大学院)
竹田 晃 六朝志怪研究とその周辺 中国―社会と文化19(中国社会文化学会)
橘 英範 六朝詩における竹(1)―「竹」字を用いた詩語― 広島大学中国古典文学プロジェクト研究センター研究成果報告書Ⅱ中国古典文学研究第2
橘 英範 斉梁の唱和集 中国中世文学研究45・46
田中 稔 史記「鴻門の会」再考 東洋文化復刊92
玉木 尚之 阮籍「楽論」を読む―その意図の成就をめぐって― 高知大学教育学部研究報告64
塚本 宏 康の思想について(1)―『世説新語』を中心に― 和洋国文研究39
土屋 聡 『世説』の編纂と劉宋貴族社会 中国文学論集33(九州大学中国文学会)
土屋 聡 鮑照の文学とその立場―行旅詩を中心に― 日本中国学会報56
道家 春代 曹操「遊仙詩」解釈試論 名古屋大学中国語学文学論集16
富永 一登 「孤」を用いた文学言語の展開―陶淵明に至るまで― 未名22(中文研究会)
富永 一登 『文選』李善注引陸機潘岳の詩文―李善注から見た文学言語の継承と創作― 中国中世文学研究45・46
富永 一登 魯迅輯『古小説鉤沈』校釈―『幽明録』(五)― 中国学研究論集13
富永 一登 魯迅輯『古小説鉤沈』校釈―『幽明録』(六)― 中国学研究論集14
鳥羽田重直 陶詩の声律―飲酒二十首― 和洋国文研究39
中野 清 「黒竜」から「烏竜」へ―六朝志怪の演変― 専修人文論集75(専修大学学会)
萩 信雄 北魏石門銘考 安田女子大学紀要32
長谷川滋成 斯波六郎『陶淵明詩訳注』の訓読小考 中国中世文学研究45・46
長谷部 剛 杜甫「兵車行」と古楽府 日本中国学会報57
樋口 泰裕 「詠宝剣詩」の作者をめぐる問題・氏『先秦漢魏晋南北朝詩』補正一則 中国文化―研究と教育62
福井 佳夫 「嘲」のジャンルについて―遊戯文学論(七)― 中京国文学23
福井 佳夫 信の「灯賦」について―遊戯文学論(十)― 中国中世文学研究45・46
福井 佳夫 六朝修辞主義文学の遊戯性をめぐって(下)―遊戯文学論(九)― 中京大学文学部紀要39―1
傅 剛 宮体詩与《玉台新詠》研究史的検討 学林40(中国藝文研究会)
傅 剛 『玉台新詠』の編纂について 中国―社会と文化19(中国社会文化学会)
古川 徹 王羲之の書換字に関する一考察 愛知論叢77(愛知大学大学院)
増子 和男 六朝志怪「宋定伯」小考―その用語を中心として― 中国文学研究29(早稲田大学中国文学会)
宮内 克浩 崔「外戚箴」小考 国学院雑誌105―2(国学院大学)
宮内 克浩 伝崔「竇大将軍鼎銘」小考 国学院中国学会報50(国学院大学中国学会)
森田 浩一 雑詩について―『文選』を中心に― 多文化社会研究2(甲南女子大学文学部多文化共生学科)
森野 繁夫 謝霊運の詩語(一) 安田女子大学紀要32
森野 繁夫 謝霊運の詩と陶淵明 中国学論集36(安田女子大学中国文学研究会)
森野 繁夫 謝霊運の山水描写と「自然の理」 中国中世文学研究45・46
森野 繁夫 信「擬詠懐詩」(三) 中国学論集36(安田女子大学中国文学研究会)
森野 繁夫 信の詩(十三) 中国学研究論集13
森野 繁夫 信の詩(十四) 中国学研究論集14
森野 繁夫 六朝詩における「露」の表現 安田女子大学大学院文学研究科紀要9
森野 繁夫 六朝の文人たち 南斉・謝 国語国文論集34(安田女子大学日本文学会)
森野 繁夫 信「詠画屏風詩」 広島大学中国古典文学プロジェクト研究センター研究成果報告書Ⅱ中国古典文学研究2
矢田 博士 傅咸の「七経詩」について 中国詩文論叢23
柳川 順子 「古詩」誕生の場 中国中世文学研究45・46
柳川 順子 後漢前半期の文学的一側面―班固の傅毅に対する対抗意識を通して― 中国文学論集33(九州大学中国文学会)
山口 為広 「詩」と「楽府」と 国学院中国学会報50(国学院大学中国学会)
山崎 誠 謝霊運筆儒説攷 国文学研究資料館紀要30
山田 英雄 陶淵明研究論文目録稿(中国、2000―2002) 中京大学教養論叢45―2
山田英雄・鍾優民編 「陶淵明研究資料索引」補遺―論文部分(1980―1999) 中京大学教養論叢44―4
山本 敏雄 王昭君説話と琵琶 愛知教育大学研究報告53(人文・社会科学編)
吉田 文子 民間楽府における表現形式とその機能について―頂真格を中心に― お茶の水女子大学中国文学会報23
吉原 英夫 高祖本紀を読む 札幌国語教育研究9(北海道教育大学札幌校国語科教育学研究室)
李 祥林 女神話と華夏劇曲 中国2122(愛知大学現代中国学会)
若林 建志 樹木信仰と怪異―『捜神記』の世界 東洋大学紀要言語と文化4
四、隋唐五代
会沢 卓司 唐彦謙と『鹿門集』 琉球大学言語文化論叢創刊号
相田 満 幼学書のひろがり台湾故宮博物院蔵平安期古鈔本『蒙求』の意義と特質 アジア遊学70
赤井 益久 川岸のながめ―川をめぐる城市と郊外(上)― 河川レビュー125(新公論社)
赤井 益久 不の舟―川をめぐる城市と郊外(中)― 河川レビュー126(新公論社)
赤井 益久 州の西澗―川をめぐる城市と郊外(下)― 河川レビュー127(新公論社)
赤井 益久 田を潤す川―漢詩に見える処世観と川(上)― 河川レビュー128(新公論社)
赤井 益久 松原朗著『中国離別詩の成立 東方277(東方書店)
赤井 益久 中唐という時代の文学 創文469
秋谷 幸治 白居易の詩観の二つの変化―江州左遷期の詩作の変化をもたらしたもの― 中唐文学会報11
浅川 貴之 「旅夜書懐」詩考―頷聯の解釈をめぐって― 日本文学会誌16
荒見 泰史 敦煌文献に見られる「目連変文」の新資料―北京8719号文書について― 東方宗教103(日本道教学会)
池田 智恵 研究ノート「李公佐研究―先行研究整理を中心に」 中国古籍文化研究2
石村 貴博 唐代弔文小考―陳子昴と張説を軸として― 国学院中国学会報50(国学院大学中国学会)
今原 和正 黄河のイメージ―王之渙「登鸛鵲楼」と「涼州詞」をめぐって 藝文研究87(慶応義塾大学藝文学会)
岩田 和子 劉言史と芸能 中国古籍文化研究2
植木 久行 (新刊紹介)高樹重俊著『張説』 漢文教室190(大修館書店)
植木 久行 唐都長安の春夏秋冬―四季折々の行事と風物を歌う― アジア遊学60
牛見 真博 白居易「長恨歌」の自己評価について 中国言語文化研究4(仏教大学中国言語文化研究会)
薄井 俊二 徐霊府撰「天台山記」の研究(その三)―基礎研究、並びに国立国会図書館蔵本の翻刻と校勘・訳注一 埼玉大学紀要教育学部53―1(人文・社会科学)
薄井 信治 杜甫「九日藍田崔氏莊」について 中国中世文学研究45・46
内田 誠一 「川集」に関する二三の問題(上)―裴迪同詠はなぜ稚拙か― 中国詩文論叢23
王 涵 「以文為戯」続論―義訓及文体 藝文研究87(慶応義塾大学藝文学会)
大木 康 中国小説に見る譜系 アジア遊学67
太田 次男 白氏新楽府序について―旧鈔本・刊本の本文よりみて― 白居易研究年報5
大山 岩根 李商隠「行次西郊作一百韻」詩について 東北大学中国語学文学論集9
岡崎 由美 唐代後期の文人と芸能》はじめに 中国古籍文化研究2
岡田 充博 「板橋三娘子」考(一)(二)補訂 東洋古典学研究18(広島大学東洋古典学研究会)
尾崎 裕 唐代伝奇の語りに関する物語的考察 学林39(中国藝文研究会)
加古理一郎 李商隠「無題」詩の「青鳥」について 横浜市立大学論叢56
加藤 国安孟浩然と天台山―霊山での至高経験― 東洋古典学研究18(広島大学東洋古典学研究会)
加藤 国安李白の天台山・天姥山の詩―自由な魂のありかを求めて(二) 愛媛大学教育学部紀要第Ⅱ部 人文・社会科学36―2
門脇 広文 上海辞書出版社 唐詩鑑賞辞典》訳注稿(11) 大東文化大学紀要42
神鷹 徳治 「捕蛇者説」の「疑」字についての一解釈 漢文教育29(広島漢文教育学会)
川合 康三 人生識字憂患始―中国読書人の憂愁― 中国文学報67(京都大学文学部中国語学中国文学研究室)
川口 喜治 高適「自淇渉黄河途中作十三首」について―「淇上の高適」補稿― 山口県立大学国際文化学部紀要10
川 浩二 変文の描写文体―『降魔変文』の外貌描写を中心に 中国古籍文化研究2
北野 元美 蘇舜欽詩論―その個性に対する一考察― 中唐文学会報11
許 曼麗 端午風物詩語小考 藝文研究87(慶応義塾大学藝文学会)
金 秀雄 王勃の神仙詩 関西大学中国文学会紀要25
久保 卓哉 詠陳後主における李白詩「金陵歌送別范宣」の位置 東方学107
久保 卓哉 陳後主の文学に対する評価―唐・朱敬則「陳後主論」、呂温「人文化成論」から『漢魏六朝一百三家集』、『采菽堂古詩選』まで― 福山大学人間文化学部紀要4
黒田真美子 柳宗元の擬人法 法政大学文学部紀要49
呉 志良 中世日本文学における中国故事受容の研究―鴻門の会説話について― 中京大学文学部文学部紀要39―1
黄 白居易的「贈内詩」 神奈川大学大学院言語と文化論集11
小酒井淑恵 李白「対雪酔後贈王歴陽」の解釈について―「卻月楼」の所在と壺公謫天故事との関わりを通して 名古屋大学中国語学文学論集16
後藤 秋正 「帰葬詩」に関する覚書(二)―杜甫の詩を中心として― 北海道教育大学紀要人文科学・社会科学編54―2
後藤 秋正 「帰葬詩」に関する覚書(三)―劉長卿・王建・陳羽・劉言史の詩― 北海道教育大学紀要人文科学・社会科学編55―1
小林 佳廸 「桃花源記」の具体化現象―桃源県における文化景観をめぐって 中国文化―研究と教育62
小南 一郎 「盂蘭盆経」から「目連変文」へ―講経と語り物文藝との間―(下) 東方学報76(京都大学人文科学研究所紀要144)
小山 美樹 『宣室志』「楊叟」と『西遊記』 中国古籍文化研究2
紺野 達也 (書評)楊文生(編著)『王維詩集箋注』 中唐文学会報11
紺野 達也 王維の網川諸詠における田園の風景 早稲田大学大学院文学研究科紀要50
斎藤 茂 (書評)王小盾『従敦煌学到域外漢文学』 中唐文学会報11
佐藤 大志 展転の系譜 中国中世文学研究45・46
沢崎 久和 「招客」の詩―白居易詩の表現― 白居易研究年報5
重松 詠子 杜甫の詩における楊貴妃像 中国文学論集33(九州大学中国文学会)
渋谷誉一郎 敦煌変文所見目連説話と『仏説目連救母経』について―そのモチーフとディテールを中心として 藝文研究87(慶応義塾大学藝文学会)
謝 思 白氏文集校注(三篇) 白居易研究年報5
岑参詩研究会 岑参詩訳注(三十一) 中国学論集36(安田女子大学中国文学研究会)
陣内 孝文 裴迪生年考 中国文学論集33(九州大学中国文学会)
角谷 聡 「三国志物語」における赤壁の戦いと甘露寺説話 中国中世文学研究45・46
満江 李商隠のアルバ 杏林大学外国語学部紀要16
満江 李商隠と妓女 藝文研究87(岡 晴夫教授退任記念論文集)
曹 元春 芭蕉と杜牧 総合文化研究所紀要11(共立女子大学総合文化研究所)
述燮 『冥報記』の応報について―後半― 愛知淑徳大学文学論集5―文化創造学部篇―
高西 成介 唐代小説に見られる致富譚について 中国中世文学研究45・46
高橋朱子・石村貴博 『辯易九六論』訳注 中唐文学会報11
高橋 未来 杜牧の辺塞を詠じる詩について―その作品集の編纂、及び「河湟」の詠法を手がかりに― 日本中国学会報56
高 倩藝 王維の詩における歯音の効果 中唐文学会報11
竹内 真彦 諸亮と籌筆駅―英雄伝説とその舞台― 日本中国学会報56
橘 英範 胸前の雪―白詩における女性美表現管窺― 白居易研究年報5
橘 英範 劉白聯句訳注稿(三) 岡山大学文学部紀要41
谷口 高志 唐詩の音楽描写―その類型と白居易「琵琶行」― 日本中国学会報56
中国文学研究会 唐詩の学習―絶句について(一) 中国学論集36(安田女子大学中国文学研究会)
陳 白居易と廬山仏教―江州左遷時代における東・西二林寺詩を中心に― 九州中国学会報42
辻 リン 唐代後半における「文人」と芸能娯楽―蜀を中心として 中国古籍文化研究2
土屋 昌明 宮中の道教と妓女と詩人 アジア遊学60
土屋 昌明 都市空間と道観と別荘 アジア遊学60
戸崎 哲彦 唐・元の詩文の拾遺と復元 桂林石刻による『全唐文』・『全唐詩』の補正および明・張鳴鳳『桂勝』について 島大言語文化17(島根大学法文学部紀要言語文化学科編)
戸崎 哲彦 李陽冰事跡考(下) 唐代文人・李陽冰とその周辺 島大言語文化16(島根大学法文学部紀要言語文化学科編)
戸高留美子 「三都賦」小考―都城賦制作意義の変容とその背景について― お茶の水女子大学中国文学会報23
中尾 一成 陳子昴 垂拱二年出征考(四) 千里山文学論集71(関西大学大学院文学研究科)
中尾 一成 陳子昴 垂拱二年出征考(五) 千里山文学論集72(関西大学大学院文学研究科)
中尾健一等 杜甫献賦考 九州中国学会報42
中木 愛 唐詩における「枕」の語の使用―白詩における「枕」表現の特徴を探る手がかりとして― 中国中世文学研究45・46
中木 愛 白詩における生理的感覚に基づく充足感の詠出―「伸びをする」「頭を掻く」表現を中心に― 白居易研究年報5
二宮 俊博 津阪東陽『杜律詳解』訳注稿(5) 椙山女学園大学文化情報学部紀要4
二宮美那子 李徳裕と平泉莊 中国文学報67(京都大学文学部中国語学中国文学研究室)
野間 文史 読五経正義札記(九)―足利学校遺蹟図書館蔵『附釈音春秋左伝注疏』について 東洋古典学研究18(広島大学東洋古典学研究会)
馬 暁地 王建『宮詞』解読―唐代宮中乗馬小考― 東北大学中国語学文学論集9
長谷部 剛 杜甫「兵車行」と古楽府 日本中国学会報56
馬場 英雄 劉禹錫「問大鈞賦」の成立年の問題とその意味について 国学院中国学会報50(国学院大学中国学会)
伴 俊典 『酉陽雑俎』所載の仏教記事と僧による芸能の記録 中国古籍文化研究2
藤井良雄・陳 孫次舟「『長恨歌』と『長恨歌伝』とを読み解く」訳注 福岡教育大学紀要53
藤川 絵里 隋唐もの歴史小説の一考察 和漢語文研究2
古川 末喜 秦州期・杜甫の隠遁計画と農業への関心 中唐文学会報11
増子 和男 唐代伝奇『無双伝』に関する一考察―仮死薬を中心として(下)― 中国詩文論叢23
間嶋 潤一 鄭玄の「の三体」の解釈(下)―『周礼』「春官・籥」注と『毛子』「風・七月」箋― 香川大学国文研究29
増子 和男 唐代伝奇「無双伝」に関する一考察―仮死薬を中心として(中)― 中国詩文論叢22(中国詩文研究会)
松原 朗 蜀中後期の杜甫―節度参謀辞職の前後を中心として― 中国詩文論叢23
松原 朗 長安の杜甫 アジア遊学60
松村 昂 祝允明と李白・杜甫 東方学107
丸山 茂 「妾換馬」考 白居易研究年報5
丸山 茂 白氏交友録―元・劉禹錫―(中) 研究紀要67(日本大学文理学部人文科学研究所)
溝部 良恵 牛粛『紀聞』について―「呉保安」を中心に― 中唐文学会報11
三田 明弘 故宮博物院蔵『冥報記』について アジア遊学69
宮下 聖俊 殷の生涯と『河岳英霊集』版本考―李珍華・傅「殷生平及『河岳英霊集』版本考」訳注― 大東文化大学中国学論集21
最上 英明 マーラーの《大地の歌》―唐詩からの変遷―(第4~6楽章) 香川大学経済論叢76―4
山本 昭 柳宗元「吏商」を読む 中国中世文学研究45・46
李浩著石村貴博訳 長安の別荘と詩歌活動 アジア遊学60
李 祥林 女神話と華夏劇曲 中国21 23(愛知大学現代中国学会)
柳宗元読詩会 訳注:柳詩読詩会―永州と柳州の狭間― 中唐文学会報11
渡辺志津夫 韓門形成期における韓愈の文学活動について 中国中世文学研究45・46
渡辺志津夫 韓愈年譜考―四門博士就任時期の考察を通して― 中国学研究論集13
渡辺志津夫 韓愈の古文運動実践に関する一考察―「画記」を題材に― 中国学研究論集14
渡辺 英喜 杜牧「山行」詩小考―その解釈をめぐって― 日本文学会誌16
五、宋
吾妻 重二 朱熹の中央権力批判―王淮・留正・趙汝愚および慶元党禁をめぐって― 関西大学中国文学会紀要25
韋 海英 謝逸生涯についての考察 福岡大学人文論叢36―1
池沢 滋子 蘇軾と「棋」 藝文研究87(慶応義塾大学藝文学会)
池田 智幸 宋代「六州歌頭」考(下) 学林39(中国藝文研究会)
井沢 耕一 王安石『詩義』に関する一考察―朱熹の『詩』解釈との関わりにおいて― 詩経研究29(日本詩経学会)
井沢 耕一 王安石学派の興隆と衰退―蔡卞と秦檜― 日本中国学会報56
井沢 耕一 王安石と欧陽脩 関西大学中国文学会紀要25
石塚 敬大 三蘇『南行集』巻名考 国学院中国学会報50(国学院大学中国学会)
市来津由彦 朱熹における「士」意識と「学」 東洋古典学研究18(広島大学東洋古典学研究会)
市来津由彦 朱熹における「士」意識と「学」 東洋古典学研究18(広島大学東洋古典学研究会)
稲垣 裕史 汪元量の「湖洲歌」九十八首について 中国文学報67(京都大学文学部中国語学中国文学研究室)
岩田 和子 『古今小説』研究―「川」のもつ「境界」としての力― 東京女子大学日本文学100
王 瑞来 『鶴林玉露』著者羅大経に関する再考 東洋文化研究6(学習院大学東洋文化研究所)
大木 康 中国小説に見る譜系 アジア遊学67
筧 久美子 陸游と「錯、錯、錯」をめぐって 中国2120(愛知大学現代中国学会)
川合 康三 人生識字憂患始―中国読書人の憂愁― 中国文学報68(京都大学文学部中国語学中国文学研究室)
河内 春人 『新唐書』日本伝の成立 東洋学報86―2(東洋文庫和文紀要)
児玉 憲明 陳暘『楽書』研究(二)―「子語魯大師楽」章を中心に― 新潟大学言語文化研究10
胡伝志著 高橋幸吉訳 南宋から金へ使いした文人たち―その創作活動と内容について― 橄欖12(宋代詩文研究会)
小林 佳廸 「桃花源記」の具体化現象―桃源県における文化景観をめぐって 中国文化―研究と教育62
佐藤 友香 『林泉高致』に見える制作態度 東洋大学中国哲学文学科紀要12(東洋大学文学部紀要57)
朱東潤著三野豊浩訳 陸游の詩におけるロマン主義的要素 言語と文化10(愛知大学語学教育研究室)
周裕著 三野豊浩訳 宋代六言絶句考―難によって巧を示す― 橄欖12(宋代詩文研究会)
朱 剛 天は思うところがあり蘇轍を一人この世に残した―蘇轍晩年の事跡考辨 未名22(中文研究会)
朱剛著種村和史訳 蘇轍晩年の詩について―瓢 吾 何をか憂へん、詩を作りて、中腸 熱す― 橄欖12(宋代詩文研究会)
白 小薇 李詞研究―情感描写を中心として― 二松学舎大学人文論叢72
末葭 敏久 蘇軾「和陶詩」訳注―「和陶飲酒二十首」(三)― 中国学研究論集13
角谷 聡 「三国志物語」における赤壁の戦いと甘露寺説話 中国中世文学研究45・46
宋代詩文研究会編 銭鍾書『宋詩選注』訳注⑫ 橄欖12(宋代詩文研究会)
副島 一郎 宋初の古文と士風-張詠を中心として- 橄欖12(宋代詩文研究会)
太平広記研究会 『太平広記』訳注(四)一巻三百八十八「悟前生」(二) 中国学研究論集13
太平広記研究会 『太平広記』訳注(五)―巻一百九十一「驍勇」(一)― 中国学研究論集14
高芝 麻子 黄庭堅「六月十七日昼寝」成立年代に関する一考察 東方学107
種村 和史 『詩本義」に見られる欧陽脩の比喩説―伝箋正義との比較という視座で 藝文研究87(慶応義塾大学藝文学会)
種村 和史 詩の構造的理解と「詩人の視点」―王安石『詩経新義』の解釈理念と方法 橄欖12(宋代詩文研究会)
趙斉平著三野豊浩訳 細雨驢に騎りて剣門に入る 陸游の「剣門の道中 微雨に遇う」詩について 言語と文化11(愛知大学語学教育研究室)
張健著会谷佳光訳 魏慶之と『詩人玉屑』 橄欖12(宋代詩文研究会)
陳 平 南宋詩人楊万里と陸游・范成大の交流 京都産業大学論集人文科学系列32
豊福 健二 欧陽脩・司馬光・劉の詩話書 中国中世文学研究45・46
中原 健二 陳の詞について 文学部論集89(仏教大学文学部)
西岡 淳 接伴使 楊万里の旅と詩―『朝天続集』の世界 未名22(中文研究会)
西岡 淳 楊万里『朝天続集』札記(続) 南山大学日本文化学科論集4
西上 勝 蘇洵晩学 山形大学紀要15―3(人文科学)
萩原 正樹 森川竹の詞論研究について 学林39(中国藝文研究会)
白 小薇 李詞研究―情感描写を中心として― 二松学舎大学人文論叢72
福田知可志 『夷堅志』の夢解き説話について―『太平広記』との比較より見る― 集刊東洋学91
村越貴代美 南宋の詞学と琴 慶応義塾大学日吉紀要人文科学19
森 博行 司馬光・邵雍交友録(中) 大谷女子大国文34
森 博行 邵雍の詩に現れた白居易(前)―受容と批判― 大谷女子大学紀要38
湯浅 陽子 梅尭臣の絵画鑑賞 人文論叢21(三重大学人文学部文化学科研究紀要)
李 祥林 女神話と華夏劇曲 中国21 24(愛知大学現代中国学会)
六、金・元・明
赤松紀彦・井上泰山・金文京・小松謙・佐藤晴彦・高橋繁樹・高橋文治・竹内誠・土屋育子・松浦恒雄 元刊雑劇の研究(一)「尉遅恭三奪槊」全訳校注 京都府立大学学術報告56(人文・社会)
合山 究 明清時代の女性文芸における男性志向につちえ―「巾幗の気」の除去と「鬚眉の気」の獲得― 九州中国学会報42
荒木 猛 北京大学図書館蔵馬氏不登大雅文庫旧抄戯曲「金瓶梅」についての一所見 文学部論集89(仏教大学文学部)
荒木 典子 『金瓶梅詞話』の向について 中国語学研究開篇23
飯山 知保 金初華北における科挙と士人層 中国―社会と文化19(中国社会文化学会)
いしゐのぞむ 曇陽子と牡丹亭―老年の人、この曲のために惆悵す 中国21 20(愛知大学現代中国学会)
伊藤晋太郎 関羽と貂 日本中国学会報56
伊藤 徳子 『九籥集』について―新資料を使用した版本及び作者についての再検討 中国古典小説研究9(中国古典小説研究会)
井波 律子 三国志世界の末裔たち 図書662(岩波書店)
岩田 和子 『古今小説』研究―「川」のもつ「境界」としての力― 東京女子大学日本文学100
氏岡 真士 『水滸伝』と余象斗 人文科学論集文化コミュニケーション学科編〉38(信州大学人文学部)
大木 康 中国小説に見る譜系 アジア遊学67
大塚 秀高 『古今小説』の版本について 資料『古今小説』眉批対応一覧表 中国古典小説研究9(中国古典小説研究会
尾崎 勤 「怪奇鳥獣図巻」と中国日用類書 汲古45
加藤聡・小林春代・高橋文治・谷口高志・冨永鉄平・西尾俊・藤原祐子 成化本『白兎記』訳注稿 中国研究集刊35(大阪大学中国学会)
要木 純一 楊維『古楽府』における女性像について 島大言語文化16(島根大学法文学部紀要言語文化学科編)
川島 優子 『金塀梅』の構想―『水滸伝』からの誕生― 日本中国学会報56
川島 優子 潘金連論―歪みゆく性に見る内なる叫び― 中国中世文学研究45・46
金 文京 元曲中の張古について 藝文研究87(慶応義塾大学藝文学会)
金 文京 元曲の女性像 中国21 20(愛知大学現代中国学会)
久保田美年子 巴金《随想録》による怒りの足跡―文化大革命が中国文壇に及ぼした影響― 二松学舎大学東洋学研究所集刊34
文柱 『三国演義』における待遇表現についての研究(一) 久留米大学大学院比較文化研究論集15
文柱 『三国演義』における待遇表現についての研究(三)―尊敬・謙譲を表す動詞とその一類― 久留米大学大学院比較文化研究論集16
小塚 由博 余懐家族考―余賓碩と余蘭碩を中心に― 大東文化大学中国学論集21
胡伝志著 高橋幸吉訳 南宋から金へ使いした文人たち―その創作活動と内容について― 橄欖13(宋代詩文研究会)
小西みどり 孫悟空呼称とテクニカルタームの分布からみる『西遊記』の編纂過程 和漢語文研究2
小林 佳廸 「桃花源記」の具体化現象―桃源県における文化景観をめぐって 中国文化―研究と教育62
小山 美樹 『宣室志』「楊叟」と『西遊記』 中国古籍文化研究2
斉籐 正高 東西均開章訳稿 言語と文化11(愛知大学語学教育研究室)
佐藤 義寛 『列仙全伝』研究(四)―伝記資料所在索引 文藝論叢63(大谷大学文藝学会)
幣旗佐江子 『剪灯新話」にみる新語 久留米大学大学院比較文化研究論集16
幣旗佐江子 『剪灯新話』と『奇異雑談集』の間5 久留米大学大学院比較文化研究論集15
章 剣 明代中晩期の文人「伝奇」―『獅吼記』を中心に― 中国学研究論集14
高橋 稔 「わけ知り立て」と『五代史平話』―「語り物」研究のために 中国古典小説研究9(中国古典小説研究会)
高橋 忠彦 明代前期の茶書に就きて(下)―顧元慶の『茶譜』 東京学芸大学紀要第2部門人文科学55
田口 一郎 マッテオ・リッチの記憶術 『西国記法』訳注 人文科学研究115(新潟大学人文学部)
田中 智行 『金瓶梅』の快楽観―詞話本・崇禎本の各導入部の比較から― 東京大学中国語中国文学研究室紀要7
谷口 義介 蛇捕り名人の戴先生―白蛇伝成立の一こま― 学林40(中国藝文研究会)
趙 賢姫 韓国と日本における古典小説の比較研究―『二十四考』・『剪灯新話』の影響― 専修人文論集75(専修大学学会)
趙 素文 明雑劇《魚児仏》之編訂及刊刻始末考 中国学研究論集14
陳正宏著 後藤裕也訳 詩画合璧と近世中国士紳の社交方式 関西大学中国文学会紀要25
鶴成 久章 明代の受験事情―『端厳公年譜』を読む― 福岡教育大学紀要53
鄭 利華 明代中期の文学における復古思想の成立とその特徴 中国古籍文化研究2
戸崎 哲彦 唐・元の詩文の拾遺と復元 桂林石刻による『全唐文』・『全唐詩』の補正および明・張鳴鳳『桂勝』について 島大言語文化17(島根大学法文学部紀要言語文化学科編)
冨永 鉄平 『西遊記』の叙述法について 待兼山論叢38(大阪大学大学院文学研究科)
中里見 敬 「内面」を創出する―文体論的アプローチ― 日本中国学会報56
寧 宗一 明代小説審美意識的演変 北九州市立大学外国語学部紀要111
波多野太郎 雑劇解詁 中国語学研究開篇23
林 雅清 『水滸伝』百二十回本挿入部分と馮夢竜の関係―量詞「籌」を端緒として 中国語研究46(白帝社)
表野 和江 宰相の受験参考書―李廷機と拳業書出版 藝文研究87(慶応義塾大学藝文学会)
福永 美佳 元雑劇における侍女の恋―『詐子調風月』を題材として 中国古典小説研究9(中国古典小説研究会)
舟部 淑子 元代散曲と険韻としての「車遮韻」 中国文化―研究と教育62
松永 恵子 王鐸の書論と臨書にみる古典主義と浪漫主義の乖離 九州中国学会報42
松村 昂 祀子、怪を語る―『語怪』から『罪知録』へ― 日本中国学会報56
松村 昂 祝允明と李白・杜甫 東方学107
丸山 浩明 出版文化から見た中国明清小説の特徴 史学研究244(広島史学研究会)
源川 彦峰 鄭板橋の芸術―題画詩に込められた哲学― 二松学舎大学論集47
宮 紀子 「『混一疆理歴代国都之図』への道」拾遺 京都大学21世紀COEプログラム『15・16・17世紀成立の絵図・地図と世界観NEWS LETTER』9
宮 紀子 『竜虎山志』からみたモンゴル命令文の世界 正一教教団研究序説 東洋史研究63―2
宮 紀子 モンゴルが遺した『翻訳』言語 旧本『老乞大』の発見によせて (下)」 内陸アジア言語の研究19
宮 紀子 花関索と楊文広 汲古46
宮 紀子 混一疆理歴代国都之図』への道―14世紀四明地方の『知』の行方― 絵図・地図からみた世界像(京都大学文学研究科)
宮 紀子 釈清濬二則 京都大学21世紀COEプログラム『15・16・17世紀成立の絵図・地図と世界観NEWS LETTER』8
森中 美樹 『石頭記』と『紅楼夢』をつないだ「黛玉葬花」 中国学研究論集14
楊 春宇 「多大点孩子看提留吊了似的頂」などからの分析について―『醒世姻縁伝』に関する語彙研究の考察と管見 中国語研究46(白帝社)
李 祥林 女神話と華夏劇曲 中国21 25(愛知大学現代中国学会)
劉 敬林 金瓶梅詞話》張眼露晴及其相関詞語弁釈 中国語研究46(白帝社)
七、清
合山 究 明清時代の女性文芸における男性志向につちえ―「巾幗の気」の除去と「鬚眉の気」の獲得― 九州中国学会報42
合山 究 弐臣の節烈観と節婦烈女の伝記にあらわれた男性批判 比較社会文化10(九州大学大学院比較社会文化学府紀要)
有木 大輔 清初における『唐詩選』注本の刊行―呉呉山注『唐詩選』について― 中国文学論集33(九州大学中国文学会)
井沢耕一・橋本昭典 周予同注 皮錫瑞『経学歴史』全訳(十九) 千里山文学論集72(関西大学大学院文学研究科)
石 汝傑 『綴白裘』里的「拉、米」以及相関結構 言語科学39(九州大学大学院言語文化研究院言語研究会)
石井 望 訓読『觀光日本』―漢文で読む吉利支丹列伝 長崎総合科学大学紀要44―2
市瀬 信子 康煕朝『御選唐詩』と翰林院の詩人達 中国中世文学研究45・46
市瀬 信子 盧見曽年譜 福山大学人間文化学部紀要4
榎本 照雄 女奴」物語2完―漢訳検討篇 清末小説27(清末小説研究会)
榎本 照雄 中国におけるコナン・ドイル(4) 清末小説27(清末小説研究会)
袁 進 論《花月痕》及其影響 清末小説27(清末小説研究会)
遠藤 昌行 石如詩二首を読む―その推敲の変遷と文学について― 大東書道研究12
王 燕 一篇関於李伯元的佚文 清末小説27(清末小説研究会)
王 学鈞 呉人与談善吾佚文拾 清末小説から75(清末小説研究会)
王 学鈞 清末小説拾 清末小説から72(清末小説研究会)
王 学鈞 李伯元与病紅山人樹松 清末小説から73(清末小説研究会)
王 毓 士銓の戯曲制作と文字獄 日本中国学会報56
王 標 湖楼詩会考―袁枚晩年の文化的パフォーマンス― 人文論叢32(大阪市立大学大学院文学研究科)
大島 吉郎 動詞重畳型に関する通時的研究(六)儒林外史》を中心に 大東文化大学紀要42
大谷 敏夫 清末経世学と経世思想―幕末から明治にかけての日本の学術変遷と比較して― アジア文化学科年報7(追手門学院大学文学部アジア文化学科)
岡田 充博 『聊斎異』「孫心振」本事小考 横浜国大国語研究22
小川 恒男 3年ごとの豊湖―黄遵憲「遊豊湖」「庚午六月重到豊湖誌感」 広島大学中国古典文学プロジェクト研究センター研究成果報告書Ⅱ中国古典文学研究2
小川 恒夫 黄遵憲「遊豊湖」について 中国中世文学研究45・46
華 才子・佳人・変―『換身栄』『繁華夢』と清代戯曲におけるジェンダーの再認識 中国21 20(愛知大学現代中国学会)
筧久美子監修 黄遵憲「日本雑事詩」訳注稿(十) 未名22(中文研究会)
菅野 智明 梁啓超の北碑論 書学書道史研究14
胡 全章 海上名妓四大金剛奇書》作者抽糸主人考 清末小説27(清末小説研究会)
胡 全章 禽海石》晩清言情小説中的奇葩 清末小説から75(清末小説研究会)
高 玉海 写于晩清的両篇小説理論文章 清末小説から74(清末小説研究会)
郷田かおる 乾隆帝と三希堂法帖 国語国文論集34(安田女子大学日本文学会)
顧 春芳 女仙外史》和《緑野仙踪》中的剣 人文学論集22(大阪府立大学人文学会)
顧 春芳 試論『絵芳録』 言語と文化3(大阪府立大学総合科学部言語センター論文集)
顧 春芳 海上尖天影 大阪府立大学紀要52(人文・社会科学)
小林 佳廸 「桃花源記」の具体化現象―桃源県における文化景観をめぐって 中国文化―研究と教育62
斉籐 正高 東西均開章訳稿 言語と文化11(愛知大学語学教育研究室)
佐藤 亙 散木年譜 中国言語文化研究4(仏教大学中国言語文化研究会)
沢本 郁馬 『図画日報』影印版のこと2 清末小説から74(清末小説研究会)
下見 隆雄 藍鼎元『女学』の研究(六) 東洋古典学研究17(広島大学東洋古典学研究会)
下見 隆雄 藍鼎元『女学』の研究(七) 東洋古典学研究18(広島大学東洋古典学研究会)
朱 松齢 鉄雲違印拾遺 清末小説から73(清末小説研究会)
朱 松齢 劉鶚家蔵《周氏遺書》転始末 清末小説から74(清末小説研究会)
蕭 燕婉 駱綺蘭の『聴秋軒閨中同人集』および『聴秋軒贈言』について 中国文学論集33(九州大学中国文学会)
鈴木 敏雄 王夫之の「感遇」詩および「擬阮歩兵詠懐」詩について 中国中世文学研究45・46
鈴木 秀光 清末就地正法考 東洋文化研究所紀要145(東京大学東洋文化研究所)
竹之内美樹香 『紅楼夢』薛宝釵の人文像における牡丹花の投影―白牡丹との関連を中心として― 九州中国学会報42
竹村 則行 訳注:『長生殿』訳注(十) 中国文学論集33(九州大学中国文学会)
玉置 充子 清末侠義小説『七剣十三侠』について 中国古典小説研究9(中国古典小説研究会
田村 容子 清末民初の上海における坤劇―『申報』劇評に見る変遷 中国21 20(愛知大学現代中国学会)
樽本 照雄 「童話」の漢訳アラビアンナイト 清末小説から72(清末小説研究会)
樽本 照雄 「李伯元と劉鉄雲の盗用事件」の謎を解く 清末小説から75(清末小説研究会)
樽本 照雄 『唐蔵書目録』について 清末小説から74(清末小説研究会)
樽本 照雄 贋作漢訳ホームズ2 清末小説から73(清末小説研究会)
樽本 照雄 漢訳アラビアン・ナイト(10) 清末小説から75(清末小説研究会)
樽本 照雄 漢訳アラビアン・ナイト(8) 清末小説から73(清末小説研究会)
樽本 照雄 漢訳アラビアン・ナイト(9) 清末小説から74(清末小説研究会)
張 英 華英初階》和 華英進階》何時出版? 清末小説から74(清末小説研究会)
張 人鳳 関於湯宝栄(頤瑣)的幾件史料 清末小説から72(清末小説研究会)
中里見 敬 「内面」を創出する―文体論的アプローチ― 日本中国学会報56
中里見 敬 「呉人『恨海』における内面引用の形式」 言語科学39(九州大学大学院言語文化研究院言語研究会)
橋本昭典・井沢耕一 周予同注 皮錫瑞『経学歴史』全訳(十九) 千里山文学論集73(関西大学大学院文学研究科)
馬場 昭佳 清代における『水滸伝』七十回本と征四寇故事について 東京大学中国語中国文学研究室紀要7
範 伯群 黒幕征答・黒幕小説・掲黒運動 清末小説27(清末小説研究会)
伴 俊典 『子不語』の遊戯性について―「随園戯編」の自署と袁枚の編集意図を中心に― 二松18
平野 和彦 白蕉的印壇交流―関于白蕉詩稿的自用印― 山梨県立女子短期大学紀要37
広瀬 玲子 王国維における歴史性―連続としての歴史/断絶としての歴史 人文科学年報34(専修大学人文科学研究所)
武 禧 清末小説的時限 清末小説から72(清末小説研究会)
武 禧 晩清小説的分期 清末小説から73(清末小説研究会)
武 禧 晩清小説分類 清末小説から74(清末小説研究会)
武 禧 対晩清小説作家的探討 清末小説から75(清末小説研究会)
福本雅一監修・尤研究会訳注 尤『擬明史楽府』訳注(三) 中国詩文論叢23
藤田 尚代 『続紅楼夢』考―その「先行作品」との関係及び作風について― 仏教大学大学院紀要32
夫馬 進 「烈婦」曹氏と黄宗羲 女性史学14
松永 恵子 王鐸の書論と臨書にみる古典主義と浪漫主義の乖離 九州中国学会報42
松村 昂 祀子、怪を語る―『語怪』から『罪知録』へ― 日本中国学会報56
丸山 浩明 出版文化から見た中国明清小説の特徴 史学研究245(広島史学研究会)
箕田 知子 怪奇小説にみる中国の死生観 帝京国文学11(帝京大学国語国文学会)
森中 美樹 『還魂記』との比較より見た『紅楼夢』の梅花の役割 中国中世文学研究45・46
八木 章好 石痴の話―『聊斎志異』「石清虚」賞析 藝文研究87(慶応義塾大学藝文学会)
八木 章好 蜂妖考 『聊斎志異』異類譚札記(二)」 藝文研究86
吉原 英夫 王国維「太史公年考」訓注 札幌国語教育研究9(北海道教育大学札幌校国語科教育学研究室)
李 祥林 女神話と華夏劇曲 中国21 26(愛知大学現代中国学会)
劉 徳隆 失業秀才鍾駿文詩文鈔 清末小説27(清末小説研究会)
劉 徳隆 商務印書館《英文漢詁・叙》訳文 清末小説から74(清末小説研究会)
八、近、現代
Kou-chingTu アメリカにおける華文文学 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
VivianChin 中国系アメリカ人とディアスポラ文学―散りゆく葉と飛び散る種 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
赤松美和子 李昂『自伝の小説』における語り お茶の水女子大学中国文学会報23
賈 笑寒 郭沫若「湘累」と精神病理学 野草73(中国文芸研究会)
阿部 兼也 施霖氏(魯迅の仙台時代の同宿者)のその後 東洋大学中国哲学文学科紀要12(東洋大学文学部紀要57)
荒井 茂夫 華文文学研究のパラダイム―中華的共感世界の歴史的二元性― 人文論叢21(三重大学人文学部文化学科研究紀要)
有沢 晶子 中国伝統演劇における型の認識過程とその展開 文学論藻78(東洋大学文学部紀要57・日本文学文化篇)
飯塚 容 「日本における近年の中国同時代文学紹介」 『文化アイデンティティの行方』(彩流社)
飯塚 容 中国演劇―2003 SARS前、SARS後 THEATREYEAR-BOOK2004TheatreAbroad(諸外国の演劇事情)(国際演劇協会)
飯塚 容 中国話劇の来日公演から 東方279
飯塚 容 動向―文学 中国研究所編『中国年鑑2004』(創土社)
飯塚 容 文明戯『ナポレオン』の周辺 中央大学文学部紀要199
池上 貞子 平路における創作の時空―『行道天涯』のことなど 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
池田 知恵 老舎『離婚』と一九三〇年代武侠小説ブーム 早稲田大学大学院文学研究科紀要50
板谷 俊生 中国の演劇―京劇と話劇 北九州市立大学外国語学部紀要109
板谷 俊生 話劇『新居』について 北九州市立大学外国語学部紀要110
岩佐 昌 香港の詩人王良和について―ザボン連作と彼の詩壇的地位 言語文化論究19(九州大学言語文化研究院)
岩佐 昌 香港現代詩の一面―王良和とそのザボン連作について― 山田敬三編『境外の文化―環太平洋圏の華人文学』汲古書院
岩佐 昌 香港当代文学の概略―劉登翰『香港文学史』をめぐって 山田敬三編『境外の文化―環太平洋圏の華人文学』汲古書院
岩佐 昌 什麼是文革時期文学―一種辞書性質的定義 蘭・BLUE 13
岩佐 昌 初期郭沫若詩「晴朝」の風景 郭沫若研究会報4(日本郭沫若研究会)
岩佐昌・溝口吉郎 王家平「紅衛兵新聞とその詩歌の輪郭」(共訳) 言語科学39(九州大学言語文化研究院言語研究会)
岩佐 昌 香港の詩人王良和について 言語文化研究19(九州大学大学院言語文化研究院)
岩佐 昌 紅衛兵新聞とその詩歌の輪郭王家平著 言語科学39(九州大学大学院言語文化研究院言語研究会)
上原かおり 中国文学あれこれ68 中国SF界の星・劉慈欣 季刊中国79(季刊中国刊行委員会)
小崎 太一 福岡と中国現代文学 熊本学園大学文学・言語論集20・21
小崎 太一 論「涙浪滔滔」郭沫若早期文学中的「水」意象解析 九州中国学会報42
甲斐 勝二 ベトナムの華語教科書を巡って 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
筧 久美子 陸游と「錯、錯、錯」をめぐって 中国21 20(愛知大学現代中国学会)
蔭山 達弥 新世紀の中国文学(その現状と課題) 京都外国語大学研究論叢63
樫尾 季美 一九五〇年代通俗文芸の興亡―趙樹理『三里湾』の出版を中心に― 東京大学中国語中国文学研究室紀要7
賀 照田 常規研究与想像力的獲得―以朱光潜研究、写作道路為参照的討論 日本中国当代文学研究会会報18(駒沢大学外国語部釜屋研究室)
加藤三由紀 中国文学あれこれ67 新彊殖民の物語『白豆』 季刊中国78(季刊中国刊行委員会)
神山 志郎 中国戯曲音韻―京劇音韻探求― 中国語学研究開篇23
河尻 和也 『十八春』の成立に関する考察 名古屋大学中国語学文学論集16
岸 陽子 もうひとつの『白蘭の歌』梅娘論のうち 植民地文化研究3
木村 知実 民国初の教育会議と教育宗旨―蔡元培の美育提唱から魯迅による実践へ― 関西大学中国文学会紀要25
虞 萍 冰心の「両個家庭」 女性と教育の視点から 名古屋大学中国語学文学論集16
桑島 道夫 『上海ベイビー』私論 アジア遊学62(勉誠出版)
桑島 道夫 上海 モダンがポストモダンをはらむ場所 アジア遊学62(勉誠出版)
桑島道夫・辻原登・張競〔鼎談〕 「上海モダン」をめぐって アジア遊学62(勉誠出版)
景 慧 魯迅『故郷』の物語論的研究について 野草73(中国文芸研究会)
弘田 恭子 『駱駝祥子』と老舎の女性観 未名22(中文研究会)
合山 究 林語堂の西洋文明批判とその今日的意義―”BetweenTearsandLaughter” 境外の文化-環太平洋圏の華人文学
後藤 岩奈 葉紹鈞『倪煥之』について 新潟大学言語文化研究10
後藤 延子 蔡元培と宗教―弟三章『群学説』―厳復訳『天演論』との出会い(三) 人文科学論集
人間情報学科編〉38(信州大学人文学部)
小山 三郎 魯迅と梁実秋―彼らの論争から見る中国現代文学潮流 杏林大学外国語学部紀要16
斎藤 道彦 書評 最近の日本における蒋介石関係の書籍3点 季刊中国77(季刊中国刊行委員会)
沢井 律之 (書評)葉石濤著『台湾文学史綱』及びその史観について 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
沢井 律之 鍾鉄民の思想と文学序論―鍾理和文学の継承者としての視点から 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
塩旗伸一郎 滅びゆくもの、残るもの―賈平凹の近作に見る創作志向 日本中国当代文学研究会会報18(駒沢大学外国語部釜屋研究室)
島田 順子 聶華苓と「国際創作プログラム」(IWP) 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
下出 宣子 賈樟柯の世界―中国のインディペンデント映画 日本中国当代文学研究会会報18(駒沢大学外国語部釜屋研究室)
下村作次郎 台湾文学研究の手引き 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
謝 建明 芸術的に世界を把握する―張文環と彼の作品「夜猿」― 東瀛探求12(中国社会科学研究会)
章 中日近代文学観について 東瀛探求12(中国社会科学研究会)
白井 重範 茅盾『動揺』の裏側 国学院雑誌105―4(国学院大学)
白井 澄世 一九二〇年代における瞿秋白の「市」観について―ゴーリキーとの関係を中心に― 東京大学中国語中国文学研究室紀要7
白水 紀子 中国における〈近代家族〉の形成―女性の国民化と二重役割の歴史 横浜国立大学教育人間科学部紀要第Ⅱ類6
白水 紀子 中国のセクシュアル・マイノリティー 東アジア比較文化研究3
新谷 秀明 曾について―ある華人作家とその越境 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
杉野 元子 南京中日文化協会と張資平 藝文研究87(慶応義塾大学藝文学会)
杉村安幾子 一九四〇年代における銭鍾書―文人・知識人諷刺のゆくえ 言語文化論叢8(金沢大学外国語教育研究センター)
鈴木 陽子 1987年の記憶―台湾人作家成英『公主徹夜未眠』 人文学報352(東京都立大学人文学部)
関根 謙 抗日戦争初期における重慶の新聞雑誌事情と小説「南京」 藝文研究87(慶応義塾大学藝文学会)
瀬戸 宏 『劇場』とその周辺―台湾における『ゴトーを待ちながら』初演を巡って 境外の文化-環太平洋圏の華人文学
高橋 俊 穆時英における戦うということの意味―革命・国家・共同体― 高知大国文35(高知大学国語国文学会)
武 継平 『女神』に見られる伝統詩形の伝承と乖離 言語科学39(九州大学大学院言語文化研究院言語研究会)
武 継平 郭沫若の『女神』創作期の逸詩文 言語文化論究19(九州大学大学院言語文化研究院
田仲 一成 目連戯に見る農村演劇の女性像 中国21 20(愛知大学現代中国学会)
田村 容子 清末民初の上海における坤劇―『申報』劇評に見る変遷 中国21 20(愛知大学現代中国学会)
趙 暉 謝氷瑩と中国文学研究会―竹内好、武田泰淳との交誼を中心に― 人文学報352(東京都立大学人文学部)
張 欣 梅娘小説の世界 東洋文化研究所紀要145(東京大学東洋文化研究所)
張 翌 世界華文文学地域別・ジャンル別作家作品目録(初稿) 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
張 翌 日本華人作家・蒋濮 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
陳 朝輝 魯迅と上田進―魯迅の日本プロレタリア文学受容に関する一考察― 東方学107
陳 生醍 白先勇『子』覚書 紀要文学科93(中央大学文学部)
沈 衛威 文学における古典主義の復活―一九二八~一九三七年の中央大学に見る― 中国近現代文化研究7
辻田 正雄 老舎『茶館』札記 文学部論集89(仏教大学文学部)
土屋美津江 沈従文作品における軍人―『会明』から『辺城』へ― お茶の水女子大学中国文学会報23
捷 一九二〇年代中国におけるダゴール受容と聞一多の格律詩―「人格」・鄭振鐸・徐志摩・「黒屋」を媒介とした一試論― 東京大学中国語中国文学研究室紀要7
董 上徳 試論顧頡剛先生的「故事流変」研究 文学研究第101(九州大学大学院人文科学研究院)
董 上徳 梅妃形象的深層意義―楊貴妃文学史上的一個重要箇案 中国文学論集33(九州大学中国文学会)
陶 徳民 張謇与内藤湖南及西村天囚―内藤文庫所収未刊書信考証(一)― 関西大学中国文学会紀要25
徳間 佳信 隠れたもう一つの戦争―金甌「一条魚的戦争(一匹の魚の戦争)を読む 日本中国当代文学研究会会報18(駒沢大学外国語部釜屋研究室)
富永 一登 魯迅輯『古小説鉤沈』校釈―『幽明録』(六)― 中国学研究論集14
永井 英美 魯迅「幸福な家庭」と『婦女雑誌』文芸欄及び読者 野草73(中国文芸研究会)
中井 政喜 茅盾(沈雁冰)と『西洋文学通論』について 平井勝利教授退官記念 中国学・日本語学論文集(白帝社)
中里見 敬 呉人『恨海』における内面引用の形式 言語科学39(九州大学大学院言語文化研究院言語研究会)
中里見 敬 「内面」を創出する―文体論的アプローチ― 日本中国学会報56
中野 知洋 南京・杭州をめぐる沈従文の軌跡―『小説月刊』と『西湖文苑』― 野草73(中国文芸研究会)
中村 俊也 巴金の作品世界『秋』について 筑波大学地域研究23(筑波大学大学院地域研究研究科)
中山 文 泣く男―中国話劇へのジェンダー論的一考察 中国21 20(愛知大学現代中国学会)
成実 朋子 中華人民共和国建国前夜の少年雑誌―『開明少年』と葉聖陶― 学大国文47(大阪教育大学国語教育講座・日本アジア言語文化講座)
西野由希子書き換えられる記憶 也斯「島和大陸」考 茨城大学人文科学紀要人文科学論集41
寧 宗一 中国小説芸術技巧的成熟与小説評点的発展 北九州市立大学外国語学部紀要109
野原 敏江 名前によって開かれていくテキスト―陳染「私人生活」に登場する固有名 人文学報352(東京都立大学人文学部)
野間 信幸 張文環作品に表れたる漢文教養 東洋大学中国哲学文学科紀要12(東洋大学文学部紀要57)
萩野 修二 謝冰心の作家魂―一片の氷心― 日本中国学会報56
間 ふさ子 新劇台湾第一人―張維賢の演劇活動 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
間 ふさ子 戦後初期台湾における多言語演劇の試み―実験小劇団と陳大禹 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
橋本昭典・井沢耕一 周予同注 皮錫瑞『経学歴史』全訳(十九) 千里山文学論集72(関西大学大学院文学研究科)
針谷 壮一 老舎の小説に見られる前置詞対の用法 国学院雑誌105―10(国学院大学)
福家 道信 中国文学あれこれ66沈従文の故郷 季刊中国77(季刊中国刊行委員会)
福原みつ希 劉心武の長編小説『鐘鼓楼』―劉心武の路喜純の属性とその可能性 名古屋大学中国語学文学論集16
藤井 省三 中国文学者という「しびれた触手」 図書660(岩波書店)
藤井 省三 日本における香港文学研究および一九九七年版『香港短編小説選』全五巻の意義 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
船引 一乗 胡適の提唱した「整理国故」運動の二つの側面 中国言語文化研究4(仏教大学中国言語文化研究会)
細井 尚子 越劇と宝塚歌劇 中国21 20(愛知大学現代中国学会)
堀田 洋子 蕭紅の「散文」について 杏林大学外国語学部紀要16
桝谷 鋭 マレーシア、シンガポールの華語系華人文学について 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
松浦 恒雄 弦読詩札記 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
松岡 純子 許地山における「異域」と南洋行―華僑・華人の移住と定住の中で 境外の文化-環太平洋圏の華人文学
松岡 純子 近代アジアの文学における女性像―シンガポール華文文学の場合― 長崎県立大学論集38―1(長崎県立大学学術研究会)
松岡 純子 張金燕とその初期作品について―『悲其遇』『泥河哀籟』を中心として 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
松永 正義 華文文学と本土化 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
三木 直大 林享泰における現代性と郷土性 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
三木 直大 路上のトスカ―李魁賢詩の都市イメージ 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
三須 祐介 中国文学あれこれ65 「現代劇」としての滬劇の起源 季刊中国76(季刊中国刊行委員会)
森岡 優紀 蘇童の中篇小説「井中男孩」について 日本中国当代文学研究会会報18(駒沢大学外国語部釜屋研究室)
安本 実 路遥の初期文芸活動―延川時代を中心に― 姫路独協大学外国語学部紀要17
山口 守 呉蜀流と国語問題 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
山田 敬三 (書評)岡崎郁子『黄霊芝物語』 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
山田 敬三 (書評)尾崎秀樹『旧植民地文学の研究』―中訳本への解題 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
山田 敬三 序 境外の文学 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
山田 敬三 陳舜臣―その人と作品 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
山田 敬三 南洋華人の語り部―黄東平の文学 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
山田 敬三 跋―共同研究の経過 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
楊 暁文 タイ華人文学における「中国コンプレックス」―夢莉と司馬攻の作品を中心に 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
楊 暁文 在米華文作家厳歌苓の文学 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
楊 暁文 シンガポール華人詩人・王潤華―そのアイデンティティーの確立をめぐって 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
横打 理奈 胡適の『詩経』解釈にみる文学観 東洋大学中国哲学文学科紀要12(東洋大学文学部紀要57)
横地 剛 范泉の台湾認識―四十年代後期における台湾の文学状況 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
吉田 隆英 封印された記憶―独逸語専修学校と魯迅― 東北大学中国語学文学論集9
吉原 英夫 中学校国語教科書における魯迅 札幌国語教育研究9(北海道教育大学札幌校国語科教育学研究室)
吉原 英夫 王国維「太史公行年考」訓注 札幌国語教育研究8(北海道教育大学札幌校国語科教育学研究室)
李 瑾 周作人と「貞操論」 中京学院大学研究紀要11―2(通巻20)
李 祥林 女神話と華夏劇曲 中国21 27(愛知大学現代中国学会)
劉登翰著秋吉収訳 香港文学の文化地位―香港文学の本土性、中国性そして世界性に関して 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
梁 有紀 マレーシア華人作家、戴小華の文学世界と三つの空間 境外の文化―環太平洋圏の華人文学
渡辺 晴夫 文学史における孫犁評価の変遷―趙樹理と対比して― 国学院大学紀要42
九、民間文学・習俗
稲畑耕一郎 「採茶山歌」初探―その流伝と分布について 中国古籍文化研究2
金丸 良子 年画研究》福建・彰州の年画 中国古籍文化研究2
繁原 央 中国の小鳥前生譚(三)―追加資料②― 常葉学園短期大学紀要35
永井 崇弘 『北平風俗類徴』とその索引 福井大学教育地域科学部紀要第Ⅰ部 人文科学(国語学・国文学・中国学編)55
原田 信 「採茶山歌」全国分布一覧表 中国古籍文化研究2
広田 律子 中国の善鬼―江南の仮面劇から― アジア遊学59
舟部 淑子 『俗文学叢刊』収録図書について(1)―第1輯「戯劇類・総類」― 文学部紀要18―1(文教大学文学部)
松岡 正子 武強年画と洪洞移民 中国古籍文化研究2
森岡 文泉 中国の言語と文化(3)―結婚習俗について― 国語国文論集34(安田女子大学日本文学会)
十、日本漢文学
東 英寿 『漢学紀源』の編纂過程について―佐藤一斎が見た『漢学紀源』 鹿大史学51(鹿大史学会)
石川 秀巳 魔星の行方―『忠臣水滸伝』の長編構想― 国際文化研究科論集12(東北大学大学院国際文化研究科)
妹尾 昌典 『中華若木詩抄』の若干の問題について 成城国文学20
岩本 真理 唐話辞書収録語彙の一側面―『唐話纂要』と『南山俗語考』の見出し語の比較を通じて― 大阪市立大学大学院文学研究科紀要 人文研究55―4
植木 久行 『和漢朗詠集』所収唐詩注釈増訂(十五) 中国詩文論叢23
内山 知也 蒲生重章の生涯と漢文小説 付年譜 斯文112
宇都宮睦男 『江談抄』の漢語 福山大学人間文化学部紀要4
江口 尚純 斎藤芝山『復古毛詩序録』考略 中国古典研究49(中国古典学会)
江口 尚純 増島蘭園『詩序質朱』について 詩経研究29(日本詩経学会)
恵阪友紀子 『和漢朗詠集』の雁―三一七番 韋承慶の詩をめぐって― 和漢比較文学32
王 京 五山文学における酔杜甫像―題酔杜甫図詩をめぐって― 九州中国学会報42
大島 晃 林羅山の『大学諺解』について―その述作の方法と姿勢 漢文学 解釈与研究7
太田 亨 日本禅林における杜詩受容について―中期禅林における杜甫画図賛詩に着目して― 中国中世文学研究45・46
太田 亨 日本中世禅林における陶淵明受容―初期の場合― 広島大学中国古典文学プロジェクト研究センター研究成果報告書Ⅱ中国古典文学研究2
小野 泰央 三体詩抄の〈底意〉と〈穿鑿〉 和漢比較文学33
狩野 充徳 太宰春台『倭読要領』の「発音法」と『文選音決』の音注 中国中世文学研究45・46
狩野充徳・池淵質美 星野良悦「身幹儀説序」(上)―広島大学所蔵「身幹儀(星野木骨)」に因んで― 中国学研究論集14
黄 東遠 山口素堂の漢詩文―言語遊技性に注目して― 和漢比較文学33
胡 志昂 『李百詠』序説―その性格・評価と受容をめぐって― 和漢比較文学32
佐藤 信一 菅原道真漢詩文集成稿―『和漢朗詠集』― 国文白百合35(白百合女子大学国語国文学会)
繁原 央 稲川村から大工町へ―丁丑・戊寅の山梨稲川詩 国文瀬名25
白石 真子 太宰春台の「読詩」の要領―『論語古訓外伝』を通して見る『詩』と孔子 漢文学 解釈与研究7
新谷 雅樹 遊仙枕上ノ一夢ナルカナ―柏木如亭の『吉原詞』について 藝文研究87(慶応義塾大学藝文学会)
竹村 則行 筑紫に移り住んだ楊貴妃―『本朝水滸伝』の楊貴妃故事について― 文学研究101(九州大学大学院人文科学研究院)
田尻祐一郎 荻生徂徠『論語弁書』をめぐって 東洋古典学研究18(広島大学東洋古典学研究会)
土屋 昌明 平田篤胤の幽冥観と道教・神仙思想 人文科学年報34(専修大学人文科学研究所)
寺門日出男 中井履軒撰『漢書雕題』について 中国文化―研究と教育62
長尾 直茂 江戸時代の漢詩文に見る羽扇綸巾の諸孔明像―『三国志演義』との関連において 漢文学 解釈与研究7
中谷 征充 空海と馬の「離合詩」―空海漢詩文研究序説― 密教文化211
名和 敏光 翻刻『史記雕題』(五) 山梨県立女子短期大学紀要37
二宮 俊博 津阪東陽『杜律詳解』訳注稿(6) 椙山女学園大学文化情報学部紀要5
二宮 俊博 『逍遥遺稿』札記―張滋補遺― 椙山女学園大学研究論集35(人文科学編)
萩原 正樹 森川竹の詞論研究について 学林39(中国藝文研究会)
長谷川滋成 斯波六郎『陶淵明詩訳注』の訓読小考 中国中世文学研究45・47
長谷川潤治 井上円了の原風景を読む―稿本『詩冊』を中心に― 東洋大学中国哲学文学科紀要12(東洋大学文学部紀要57)
日野 俊彦 森春濤「十一月十六日挙児」詩考 二松18
平井 徹 『史記』と日本人―その研究に生涯を捧げた学者たち 公評2004年11月号(公評社)
藤井 省三 二〇世紀日本における現代中国文学の受容 未名22(中文研究会)
帆刈喜久男 小田穀山について 斯文112
松崎 治之『貧女の吟』考―諷諭詩をめぐって― 筑紫女学園短期大学紀要39
村山 吉広 岡 千仞撰文「白山高橋先生寿蔵之碑」 斯文112
村山 吉広 亀田綾瀬撰文「禹像碑陰記」 斯文112
村山 吉広 亀田綾瀬の生涯と学術 斯文112
村山 吉広 「久米邦武撰吉田東伍墓表」解題・訳注 中国古典研究49(中国古典学会)
頼 多万 頼山陽「父を詠ふ詩」 国語国文論集34(安田女子大学日本文学会)
頼 多万 頼山陽の「子を詠ふ詩」―聿庵を中心に― 安田女子大学大学院文学研究科紀要9
十一、比較文学
池平 紀子 (新刊紹介)岸田知子著『空海と中国文化』 漢文教室190(大修館書店)
伊沢 美緒 『竹取物語』「竜の頸の珠」難題奇譚の方法―『史記』摂取の実相とその改変― 愛知淑徳大学論集―文学部・文学研究篇―29
石井 公成 漢詩から和歌へ(一)―良岑安世・僧正遍照・素性法師― 駒沢短期大学仏教科 仏教論集10
岩井 宏子 島田忠臣の納涼詩における白詩受容―「夏日納涼」を中心に― 白居易研究年報5
于 永梅 平安時代の漢詩文における「猿声」「鹿鳴」の受容 待兼山論叢38(大阪大学大学院文学研究科)
于 耀明 中国における石川啄木文学 周作人の啄木文学の紹介を中心に 国文学解釈と鑑賞2
王 岩 蕪村と王昌齢―「日を帯て芙蓉かたぶく恨かな」考 和漢比較文学33
尾崎 勇 『支那革命外史』と『愚管抄』―霊告と成立過程との接点― 熊本学園大学文学・言語論集 20・21
川合 康三 建安の文学と平成の文学(講演録) 青山語文34
北山 円生 『古今集』の歳除歌と『白氏文集』 白居易研究年報5
桑島 道夫 上海モダンがポストモダンをはらむ場所 アジア遊学62(勉誠出版)
桑島道夫・辻原登・張競〔鼎談〕 「上海モダン」をめぐって アジア遊学62(勉誠出版)
高 兵兵 菅原道真の比喩表現と和歌―日中詩歌比較の視点から― 和漢比較文学32
蔡 毅 長崎清客と江戸漢詩―新発見の江芸閣・沈萍香書簡をめぐって― 東方学108
坂本 俊造 坂本天山の生涯と業績 斯文112
章 中日近代文学観について 東瀛探求13(中国社会科学研究会)
曹 元春 芭蕉と杜牧 総合文化研究所紀要10(共立女子大学総合文化研究所)
立石 展大 日中「小鳥前生譚」の比較研究 口承文芸研究27
趙 賢姫 韓国と日本における古典小説の比較研究―『二十四考』・『剪灯新話』の影響― 専修人文論集75(専修大学学会)
塚越 義幸 『おくのほそ道鈔』と漢詩文(四)―その引用と解釈をめぐって― 野州国文学73(国学院大学栃木短期大学国文学会)
陶 徳民 張謇与内藤湖南及西村天囚―内藤文庫所収未刊書信考証(一)― 関西大学中国文学会紀要25
西村亜希子 『日本霊異記』と『冥報記』の冥界 成城国文学20
平井 徹 日中両国における『三国志演義』の受容―「歇後語」と「川柳」を手がかりとして― 比較文学研究年報41(盛岡大学)
細井 尚子 越劇と宝塚歌劇 中国21 20(愛知大学現代中国学会)
堀 誠 秋扇雑考補―日本と中国― 中国詩文論叢23
任 秀彬 満州・万宝山事件(一九三一年)と中国、日本、韓国文学―李輝英・伊藤永之介・李泰俊・張赫宙― 東京大学中国語中国文学研究室紀要7
三多田文恵 謡曲『三笑』の成立とその背景 安田女子大学大学院文学研究科紀要9
宮本 勝 小説「孔子」を読んで―井上靖の『論語』の読み方― 旭川国文19(北海道教育大学旭川校国語国文学会)
最上 英明 マーラーの《大地の歌》―唐詩からの変遷(第4~6楽章) 香川大学経済論争1
柳川 順子 『大江千里集』句題校勘記 広島女子大学国際文化学部紀要12
李 寧 モダニズム文学の実験作―老舎と漱石の初期作品を比較して― 待兼山論叢38(大阪大学大学院文学研究科)
十二、書誌
相田 満 『東観漢記』再考―佚書を指標とする成立時期判定の可能性について― 東洋文化復刊92
相田 満 幼学書のひろがり台湾故宮博物院蔵平安期古鈔本『蒙求』の意義と特質 アジア遊学69
安 平秋 古典文献研究の分野における二つの機構 中国古籍文化研究2
海野 洋平 唐順之と書傭・胡貿―明代嘉靖年間の書籍編纂事業に於ける傭書の役割― 汲古45
遠藤 寛一 長恨歌の研究(一〇)―『歳時広記』に見える「長恨歌伝」(下)― 江戸川短期大学紀要19
大塚 秀高 『古今小説』の版本について 資料『古今小説』眉批対応一覧表 中国古典小説研究10(中国古典小説研究会)
大塚 秀高 大連図書館「大谷本」稗史小説について 資料「大谷本」対象一覧表 中国古典小説研究9(中国古典小説研究会)
会谷 佳光 『永楽大典』本「四庫闕書」初探 橄欖12(宋代詩文研究会)
神鷹 徳治 狩野山雪の用いた「長恨歌」のテキストについて 中国中世文学研究45・46
川田 健 内閣文庫蔵九部経解及び山草堂集について 中国古典研究49(中国古典学会)
末葭 敏久 覆宋刻『東坡先生和陶淵明詩』について 中国中世文学研究45・46
住吉 朋彦 『韻府群玉』版本考(五) 斯道文庫論集39
須山 哲治 斯道文庫所蔵明刻本『史記題評』書入れ『史記正義』佚文の研究(中) 斯道文庫論集39
高橋 良政 和刻本「韓詩外伝」の書誌的考察―勝村本におついて― 斯文112
土屋 彰男 中国国家図書館蔵『韋蘇州集』善本について 早稲田大学大学院文学研究科紀要50
土屋 育子 元雑劇テキストの明代以降における継承について 日本中国学会報56
土屋 育子 弋陽腔系散齣集の書誌について 汲古46
戸崎 哲彦 唐・元の詩文の拾遺と復元 桂林石刻による『全唐文』・『全唐詩』の補正および明・張鳴鳳『桂勝』について 島大言語文化17(島根大学法文学部紀要言語文化学科編)
丸山 浩明 出版文化から見た中国明清小説の特徴 史学研究246(広島史学研究会)
三田 明弘 故宮博物院蔵『冥報記』について アジア遊学70
山城 喜憲 『老子斎口義』伝本攷略 斯道文庫論集39
芳村 弘道 朝鮮本『夾注名賢十抄詩』の基礎的考察 学林39(中国藝文研究会)
劉 穎 『智嚢』流布管見―書誌的事項を中心に― 安田女子大学大学院文学研究科紀要9
十三、前集の訂正
三四九頁中段
(誤)松永嘉孝
(正)永末嘉孝
コメント
はじめに
われわれの調査した限りでは、二〇〇四年(平成十六年)の一年間に出版され公表された中国文学に関係する著書はほぼ一八〇点、論文は七五〇点ほどになる。これらの中には複数の分類にわたるものもあり、それは各分類に重複して載せてある。したがって、ここにあげた点数は延数であり、実際はこれよりいくらか少ない。昨年とほぼ同数である。
さて、これらの著書、論文を、「分類」別に見てみた場合、その数における特徴は、「⑧近現代」の著作論文が比較的に多いということである。著書においては、それぞれの分類に一〇点~二〇点の著書が出版されている。これらの分類間にあまり大きな違いはない。それに対して、「⑧近現代」には五五冊もの著書が出版されている。
また、論文は、「⑧近現代」に一五五本書かれている。例年、他の時代に比べて数の多い「③漢魏晋南北朝」には一〇〇本、「④隋唐五代」には一二〇本以上ある。それは他の時代のほぼ二倍にあたる。しかし、「⑧近現代」のものはそれよりも多い。この十数年、近現代文学の研究が盛んに行なわれてきていることは、もとより歓迎すべきものである。
このようにな傾向をもたらしたものとしてさまざまなものが考えられる。だが、その主たる要因として次のことが挙げられるのではないかと思う。一つは、大学での中国語の授業の充実と留学の容易さであろう。もう一つは、中学・高校での「漢文」の授業の減少である。この点については昨年度の赤井益久氏も指摘しているところであるが、少し角度を変えて述べてみたい。
ここ二十~三十年ほどの大学での中国語教育の充実には目をみはるものがある。また、一九八〇年頃から始まった中国への留学は、一九九〇年代になってますます容易になり、今では、いつの時代のどのような分野を研究するにしても、一度は中国に留学することが当然のこととなっている。そこで身につけてくるのは、当然のことながら、中国語を運用し、読解する力である。そしてそのようにして身につけられた中国語力を直接発揮することができるのは、まずは現代中国語で書かれた文学作品の研究ということになろう。
一方、中学・高校での「漢文」の授業の減少は、従来、一般的であった「漢文」から中国の古典へというあり方をすでに過去のものにしてしまっている。「漢文」教育で知られる大学の中国学関係の学科に自ら志望し入学した学生でも、その大多数は中学・高校でほとんど、あるいは全く「漢文」を勉強していない。そのような学生が最初に直接的に、また本格的に「中国」に出会うのは、大学で学習する「中国語」ということになる。
どのような切っ掛けで中国の文学に興味を抱くことになったのかについては別にして、もし、最初に本格的に出会うのが大学での「中国語」であるとすれば、その関心の向かうところが近現代の文学であるのは自然なことである。奇異とするほどのことはない。そのようにして中国の文学に興味をもった者には、従来のように「漢文」を通して興味を持った者に比べ、劣っているとは言わないまでも、いささか不足する所があると考えるのが、われわれの年代の一般的傾向であるように思う。中学・高校においてほとんど中国の古典に触れていないからである。しかし、私は次のような優れた点があると考える。
①「漢文訓読法」対「中国語直読法」という不毛な対立に囚われていない。
②当初より「外国文学」として中国の文学を捉えている。
③西洋の現代文学の研究で考えられた「研究方法」に自覚的である。
一九九七年に松浦友久氏は「「訓読古典学」と「音読古典学」―その意義と相補性について―」(『新しい漢文教育』第二十五号、全国漢文教育学会)という文章を書いた。青木正児が「漢文直読の勧め」を書いて、明治以降、最初に「訓読」に反対したのが一九二一年であり、松浦氏の提案はそれから七十六年も経っている。さらに、青木正児のあと倉石武四郎が「漢文訓読塩鮭論」を展開したのが一九四一年で、それからでもすでに五十六年の年月が流れている。にもかかわらず、一九九七年の時点でなおも「漢文訓読法」か、「中国語直読法」かということを問題にしなければならなかったのである。現在から十年も前のことではない。いかに、この問題が根の深いものであったかを物語っている。
さすがに、現在においては、「漢文訓読法」でなければ、日本人だけではなく、中国人も中国の古典は理解できない、などという倒錯した主張をなす者はいなくなった。今から考えてみれば「漢文訓読法」派は単に現代中国語ができなかっただけのことではなかったか、そのようにさえ思えてくる。
松浦氏は、「漢文訓読法」派と「中国語直読法」派との論争に対して一種の現実的な折衷案を提案した。それは、学部の段階では「漢文訓読」を中心にして、「中国語音読」を補助的に用い、大学院においてはその逆にする、というものである。その主張はその当時においては基本的に正しかったと思う。「漢文」がまだ中学・高校で教えられていたからである。しかし、現在では大学での「漢文」の学習は、中国語の学習と同様、一から始めなければならない。状況はすでに変わってしまっている。
このような状況にあって、大学での中国語の授業を通して初めて中国の文学に興味を持った者、特に近現代文学を専門に研究している若手の研究者には先に述べたような「論争」はすでに意味をなさないものとなっているはずである。現在、古典であっても、訓読するのではなく、直読することはすでに当然のこととなっている。これは、まちがいなく、彼らの優れた点である。これが、第一のメリットである。
五十代以上の研究者にとっては、中国の文学は、まずは「日本文学」の一部であった。もちろん、中学・高校の「漢文」の授業で習う作品が中国の思想家や文人詩人によって書かれたものであることを知らなかったわけではない。だが、それはまずは日本の「古典」として学ぶものであった。あるいは、そのことさえ意識に上らなかった。
そしてそのことによって、中国の古典をあたかも日本の古典の一部であるかのように考えがちであった。改めて言うまでもなくそれは「錯覚」である。専門的に研究するようになって、それまでに抱いていた「錯覚」を正常な状態に戻すために、また、そのような「錯覚」が二度と起らないようにするために決して少なくはない労力を費やして意識的に訓練しなければならなかった。
しかし、大学での中国語の授業を通して初めて中国の文学に興味を持った者にとって、中国語は当然のことながら「外国語」であり、そのような言葉で書かれた作品は、イギリス文学やフランス文学と同様、「外国文学」である。そこから出発すれば、いま述べたような努力は要らない。これが二つめのメリットである。
いわゆる「漢文」を通すことなく中国の文学に興味を持ち研究者になった者の優れている点の三つめは、西洋で考えられてきた「文学研究の方法」に対する違和感のないことである。なかでも近現代文学の専門家はことにそうである。西洋で研究されてきた「文学研究の方法」は、西洋近代の文学作品を研究するために探求されてきたものである。もちろん中国の文学を研究するために考えられたものではない。しかし、近代化以降の中国文学の作品を研究する際にその「方法」は十分に活用され得るものである。
今日、日本の近現代文学を研究する際に西洋の「文学研究の方法」を用いても、そこに大きな違和感はない。それと同じように、中国の近現代の文学にそれを用いてもおそらくほとんど違和感はないであろう。違和感がないだけでなく、時代の趨勢としてもそのような「方法」に自覚的でなければならないのではないか。その結果、現在、「ジェンダー批評」「受容理論」「ポストコロニアル批評」「精神分析批評」「ナラトロジー」などの理論を用いてすぐれた研究がなされており、多くの見るべき成果をあげている。
ただ古典研究という立場から言えば、現在の状況に問題がないわけではない。中学・高校において「古典」の授業が少なくなったことによって、大学生全般にいわゆる「古典離れ」という現象が起こりつつあるのは周知の事実である。中国文学の研究においても、近現代文学への関心を招いた二つの理由、すなわち大学での中国語の授業の充実と留学の容易さ、および中学・高校での「漢文」の授業の減少が、「古典離れ」を惹き起こしつつあることは確かである。そしてそれは、第一に文言文で書かれた古典の軽視、第二に古典研究で蓄積された「方法」に対する配慮の不足として現れている。
あくまで私自身が関係している範囲のことでしかないが、近現代文学を学習・研究している学生や院生のなかに、古典に対して全く興味を示さない者が無視できない割合でいるし、その割合は年々増えているように感じる。一方、古典を学習・研究しようとする者に、現代の中国の社会や文学に興味を示さない者はほとんどいない。現代の中国社会で使用されている中国語を通ってきているゆえに、それは当然のことなのであろう。
次に、古典研究で蓄積された「方法」に対する配慮の無さについてであるが、それは容易に見過ごすことはできない。なぜなら、近現代の中国の文学が完全に古典から切れているわけではないからである。どのような文化圏のものであろうとも、伝統の継承とそこからの逸脱なしに、いかなる文学も成り立つことはできない。にもかかわらず、近現代文学を勉強している学生・院生の多くは古典に対してほとんど興味を示さない。このような事態は、近現代文学研究と古典文学研究との間に断絶をもたらしかねない。
最初に述べたように、いずれにしろ、現代文学についての論文が増えていることは、まずは慶賀すべきことである。ただ、従来は古典を研究する者は現代文学に興味を示さないということが多かった。現在はむしろ現代文学を研究する者が古典に興味を示さないという傾向にあるようである。今後、大学での中国語教育が現在より廃れることはないであろうし、中国に留学することもますます容易になるであろう。そのような状況から判断すれば、以前のような「漢文訓読法」派と「中国語直読法」派による不毛な論争も二度と起こることはあるまい。もしそうであるとすれば、もう一度、中学・高校において、「漢文」の授業が復活することを期待したい。それは、古典研究という立場からそのように希望するだけではない。近現代文学の研究の現状を是正するためにも、プラスになると考えるからである。
さて、昨年一年間の文学関係の著書や論文のリストをながめ、あるいは著書、論文そのものを読んでみて、そこから得られた学界の大まかな動きをここに報告したい。
二〇〇四年(平成十六年)の一年間に出版された著書、公表された論文を鳥瞰してみると、次のような特徴を挙げることができる。
①「文学研究」の意味を問う漢魏晋南北朝文学の研究
②宋代の翻訳の出版とその継続
③近現代文学の目を見張る成果
④台湾文学研究の隆盛
また、これらの中で著書に限って、その著書としての性質をみてみると、次のような特徴を見出すことができる。
テーマ設定型論文集の刊行
近現代文学についての個人の論文集の刊行
中堅研究者の学位論文の刊行
物故した大家の研究書の刊行
これより以降、これらの点について順次述べていきたい。
一、文学史的分類からみた特徴
二〇〇四年(平成十六年)の一年間に出版された著書、公表された論文の全体的な特徴について順次述べていきたい。
①「文学研究」の意味を問う漢魏晋南北朝文学の研究
今年度の文学部門の一つの特徴として、第三分類の漢魏晋南北朝文学の分野において、それぞれ独自の特徴を有する重要な三冊の著書が出版されたことが挙げられる。斯波六郎『六朝文学への思索』創文社、加藤国安『越境する信―その軌跡と詩的表象』研文出版、稀代麻也子『『宋書』のなかの沈約―生きるということ―』汲古書院である。斯波氏の書は物故した大家の論文集として、加藤氏の書は中堅研究者の長年にわたる研究の成果として、また稀代氏の書は研究者としての自立を示すものとして捉えることができる。
斯波六郎氏の『六朝文学への思索』は最後に採りあげることとし、ここではまず、加藤国安氏の『越境する信―その軌跡と詩的表象』について述べたい。
この書は、加藤氏が京都大学に提出した学位請求論文「信論―時代・人・作品考」を基にしたものである。その副題が示しているように、信の生きた「時代」と信という「人」、そしてその「作品」について総合的に論じたものである。これらの点についてのこれまでの常識や通説を洗い直し、それらを有機的に関連づけ、新たな信像を描き出している。
一九八〇年以来、二十年以上にわたる、氏の年齢で言えば三十前から五十過ぎにいたるまでの粘り強い苦闘の末にまとめ上げた氏の力量には敬服せざるを得ない。また、氏の提示した新たな信像・信文学論は、まちがいなく二〇〇四年の最高の成果の一つである。これからの信研究はこの書との格闘なしにはありえないであろう。それにしても、引用詩に附けられた訳詩は美しい。このことは、加藤氏が力量ある研究者であるだけでなく、すぐれた「詩人」でもあることを示している。
さて、この書を読んでいて考えさせられたことがある。それは、文学研究の「方法」とは何か、ということである。ある詩人文人の文学作品を研究しようとするとき、その研究方法、研究態度には様々なものがあろう。たとえば、最近出版された『批評理論入門』(広野由美子著・中公新書)には、文学研究の方法には、まず「内在的アプローチ」と「外在的アプローチ」があるとし、それぞれに十数種の「方法」が簡潔に紹介されている。もちろんこの書は西洋の、近代の、しかも小説を例にとって解説したものであり、それをそのまま中国の、伝統文学の、しかも詩や散文を研究するときに適用することはできない。しかし、これらの方法は、自覚的であるかどうかは別にして、中国文学の研究にすでに用いられている。そして多くの見過ごすことのできない成果をあげてきた。
加藤氏はさまざまな「内在的方法」と「外在的方法」を駆使して信の作品を捉えている。氏の描き出す「信像」は見事に一つの像を結んでいる。しかし、それはある意味で、加藤氏のごとき才能の持ち主にしか成し得ないもののようにさえ思えてくるのである。そして、この二つの「方法」で導かれたものを統合し、全体として新たな詩人像を描き出すのは、結局のところ、研究者と詩人の「真剣勝負」をおいて他にはないのか、と思わずそのように思ってしまうのだ。「方法」を超えた「何か」があるように思えてしまうのである。
しかし、文学の研究が一つの科学的研究であるとすれば、それは誰に対しても開かれたものでなくてはならない。「真剣勝負」とか、「方法」を超えた「何か」という言い方で済ましておくことはできない。その「何か」はさらに追求されなければならないし、その「方法」はもっと徹底して探求されなければならない。念のために言い添えるが、それはもちろん加藤氏の罪ではない。その書を読むわれわれの側の問題である。
それに関連して言えば、「文学研究」の最高のものは、「文学研究」そのものが「文学」的営為であるような「研究」である、というような言い方がなされることもある。しかし、このようなレトリカルな物言いはいったい何を意味しているのであろうか。また、そのような「研究」とは実際には一体どのようなものであるのか、それは「科学」的研究とどのように関係しているのか、さらに、そのような「研究」は本当にあり得るのか。
「文学研究」は、いわゆる「人文科学」の一分野である。だが、「自然科学」や「社会科学」のような「科学」的研究であり得るのか。「科学」的研究であり得るのなら、もっと明確に「方法」が確立されていなければならないのではないのか。「方法」への意識をもっと強く持つべきではないのか。そして、その問題意識の先に生じてくるのは「文学研究」とはそもそも何であるかという問いである。
加藤氏の著作の他にも、「文学研究」について考えさせられた書がある。稀代麻也子氏の『『宋書』のなかの沈約―生きるということ―』である。
この書は青山大学大学院に提出した学位請求論文「沈約論―『宋書』の文学的考察を中心として」をもとにして公刊したものである。学位論文の審査にあたった大上正美氏の表現(序)を借りるなら、この書は「沈約の『宋書』を単なる歴史書にとどまらない文学作品として読むという切り口で」「文学研究の立場から、その全体像・統一像に向けて果敢に試みた」ものである。また、下定雅弘氏が言うように、この書にはたしかに「新しい沈約像が提示され」(「沈約評価に投じられた貴重な一石」『東方』二八九号)ている。沈約と自己との真剣な対話を、何度も何度も繰り返した末に描かれた「新しい沈約像」である。そして、そこに至るまでの稀代氏の真摯な追究の姿勢には誰もが心を動かされることであろう。
ところで、この書全体を通して問い続けられているのは、何か。それは「文学とは何か」「文学研究とは何か」ということである。歴史書である『宋書』を「文学作品」として読み、それを「文学研究の立場から」研究する、そのような立場そのものが、このような「問い」をもたらしていることは言うまでもない。序論二の「本論の立場―新しい接近方法の模索」は、観念的でいささか息苦しいが、「文学の価値をアプリオリなものとして疑わない」者、あるいは「研究のための研究ばかり」(川合康三氏)を行なっている者に、たしかに、あなたにとっての「文学とは何か」「文学研究とは何か」という刃を突きつけている。
さらには、文学テキストとされるものは勿論であるが、あるテキストを「文学作品」として読むということの実態は何なのか、また、それを「文学研究の立場から」研究するというときの「方法」には一体どのようなものがあるのか、そしてそのようなことにもっと自覚的である必要があるのではないのか、氏のこの著書は逆説的にそのような問いを発しているように思える。
②宋代文学の翻訳の出版とその継続
宋代の文学の研究は、近年、盛んに行われるようになった。以前は漢魏晋南北朝や隋唐五代の研究に比べて必ずしも盛んではなかった。また、その基礎となる訳注や翻訳は前の時代の研究に比べ、現在でも十分であるとは言えない。そのようななかにあって、二〇〇四年には、詩、詞、小説のそれぞれの分野で注目すべき翻訳・訳注が出版された。
『宋詩選注』は、宋代詩文研究会の機関誌『橄欖』に掲載された成果をもとにして書き改められたものである。すでに二十年におよぶ読書会の成果がこのような形で出版されたことはまことに慶ぶべきことである。そして、その訳注の施し方は、従来の類書にはない工夫がなされており、今後、中国の古典詩に訳注を施す際に、一つの模範となりうるものである。
『詞源』は最も重要な詞論書のひとつであり、『宋代の詞論張炎『詞源』』は、その訳注である。綿密なテキストクリティクを行ない、それをもとにして中国の各種文学論を参考にしながら、詳細な訳注を施し、巻末には引用表、諸本異同表、引用詞索引、語彙索引などを附している。学問的水準が高く、かつ懇切で丁寧な仕事であり、今後の詞論の研究に資するところが大きい。それだけでなく、『宋詩選注』の訳注と同様に、今後の訳注書の手本となるものである。
いまひとつは、『太平広記』の三種の訳注で、木村秀海監修・堤保仁編『訳注太平広記鬼部三』(やまと崑崙企画)、塩卓悟・河村晃太郎編『訳注太平広記婦人部』(汲古書院)、今場正美、尾崎裕『『太平広記』夢部訳注稿』(中国芸文研究会)である。
『太平広記』は六朝唐宋時代の説話や小説を研究するには欠かせない資料であることは改めて言うまでもない。上の三種の訳注はそれぞれ異なった人、ないしはグループがそれぞれ独自に行なっているようであるが、その地道な努力の成果がこのような形で出版されることにエールを送り、五百巻のすべてが一刻も早く翻訳されることを期待したい。
③近現代文学の目を見張る成果
近現代文学については、近年、多くの成果を見るにいたっている。二〇〇四年にもいくつかの注目すべき成果があった。丸山昇氏の『魯迅・文学・歴史』汲古書院、徳田武『近世近代小説と中国白話文学』汲古書院、徳田武『近世日中文人交流史の研究』研文出版、岸陽子『中国知識人の百年―文学の視座から』早稲田大学出版、阪口直樹『中国現代文学の系譜―革命と通俗をめぐって―』東方書店などである。これらの書については「個人の論文集」のところで述べることとしたい。
ここでは、その他にも、杉本達夫『日中戦期 老舎と文芸界統一戦線 大後方の政治の渦の中の非政治』東方書店、岩佐昌『文革期の文学』花書院、岩佐昌『文革期文学雑誌目録(1)』花書院、斎藤敏康『現代中国文学研究三十年の軌跡』東方書店などの注目すべき書が出版されたことを述べるにとどめておきたい。
④台湾文学研究の隆盛
近現代文学に属するもので特に注意しなければならないのは、台湾の文学に関するもの、ことにその翻訳である。草風館の『台湾原住民文学選』の全五巻のシリーズ、国書刊行会の『シリーズ台湾現代詩』、『新しい台湾の文学』のシリーズがそれである。
『台湾原住民文学選』では、二〇〇二年に第一冊『名前を返せ:モーナノン・トパス・タナピマ集』(下村作次郎編訳・解説)が、二〇〇三年に第二冊『故郷に生きる リカラッ・アウー・シャマン・ラポガン集』(魚住悦子編訳・解説、下村作次郎他編)が出されたのに引きつづいて、二〇〇四年には、中村ふじゑ他訳・下村作次郎、孫大川等編『台湾原住民文学選3 永遠の山地 ワリス・ノカン集』、柳本通彦他編訳・解説『台湾原住民文学選4 海よ山よ 十一民族作品集』が出版された。
また、『シリーズ台湾現代詩』では、二〇〇二年にシリーズの第Ⅰ巻『李魁賢・李敏勇・路寒袖』が出されたのに引きつづいて第Ⅱ巻『陳義芝・焦桐・許悔之』、第Ⅲ巻『(楊牧・余光中・鄭愁予・白萩)』(林水福・是永駿編・松浦恒雄、上田哲二、島田順子訳)が出版された。
さらに『新しい台湾の文学』は、一九九九年の第一冊『迷いの園』(李昂著、藤井省三監修、桜庭ゆみ子訳)が刊行されて以来、昨年までにすでに六冊が刊行されていたが、それに引きつづいて二〇〇四年には『自伝の小説』(李昂著、藤井省三訳)が刊行された。
台湾文学の翻訳や研究については、塚本照和氏、下村作次郎氏らによって設立された「台湾文学研究会」の果した役割は、はかりしれない。その主要なメンバーのひとりである中島利郎氏の『日本統治期台湾文学研究序説』(緑蔭書房)は、「台湾文学研究にとっては空前絶後ともいえる画期的な学界であった」一九九四年の「日拠時期台湾文学国際学術会議」(於台湾・清華大学)以降の論考をまとめたものである。
この台湾文学の研究については、そのさらなる広がりと、深まりを期待したい。
二、著書の性質からみた特徴
これまでは、歴史的な「分類」にそって二〇〇四年の学界の特徴について述べてきたが、これからは、別の面から見てみたい。それは次の四つの面である。
テーマ設定型論文集の刊行
近現代文学についての個人の論文集の刊行
中堅研究者の学位論文の刊行
物故した大家の研究書の刊行
これより以降、これらの点について述べていきたい。
テーマ設定型論文集の刊行
「テーマ設定型論文集」とは、何らかのテーマを設定し、それに基づいて複数の研究者がそれぞれの角度から論文を提出し、トータルとしてそのテーマについての問題点についてさまざまな側面から論ずるというものである。
ここでまず採りあげたいのは、すでに述べた台湾文学とも関連する『境外の文化―環太平洋圏の華人文学』(汲古書院)である。これは、「科学研究補助金(基盤研究」の交付を受け、山田敬三氏が中心になって行った共同研究「環太平洋の華文文学に関する基礎的研究」の成果に基づいたものである。
第一部「華人文学の世界」、第二部「境外の華人文学―台湾・香港篇」、第三部「華人文学研究の歴史と現状」の三部からなる。第一部はさらにアメリカ篇・東南アジア篇・日本篇の三篇からなり、それぞれに六篇・九篇・二篇の論文が掲載され、第二部には十一篇の論文と三篇の書評からなり、第三部には、五篇の論文が載せられている。
このような環太平洋における「華文」「華人」による文学の研究は、先の台湾文学研究を太平洋を巡る地域にまで拡大したものである。台湾文学研究の本格的研究の開始から二十年以上遅れ、二十一世紀になってやっと始ったばかりであるが、今後の発展が大いに期待される分野である。この分野の研究はある面では先の『批評理論入門』において「外在的アプローチ」として紹介されている「ポストコロニアル批評」という側面をもっている。
次に述べておきたいのは、「ジェンダー批評」という方法に基づいた研究による二つの成果である。一つは、関西中国女性史研究会編『ジェンダーからみた中国の家と女』(東方書店)であり、もう一つは愛知大学現代中国学会編『中国21Vol.20特集:中国演劇におけるジェンダー』(風媒社)である。なお、「ジェンダー批評」はもちろん『批評理論入門』において「外在的アプローチ」の一つとして紹介されている方法である。
前者は南北朝時代から一九七〇年代までを対象としている。中国の女性にとって、「家」とは何だったのかという統一テーマについて、十六人の研究者が、医学、教育、政治、文学、演劇などさまざまな分野から論じた論文集となっている。
後者は、主として近現代の「演劇」に描かれた「女性」を「ジェンダー理論」で捉えようとしたものである。ただ、それだけでなく、作品が作られた当時の思考において「ジェンダー(性別)」を捉えようともしており、西洋で考えられた理論が中国の古典演劇(文学)を「解剖」する上でいかに有効であるかを示すものとなっている。また、「ジェンダー理論」によってあぶり出された「女性像」は、同時に「男性像」をも浮かびあがらせることになる。いくつかの論考はそのことを示している。言われてみれば当然ことであるが、やはり興味深い。
もう一つは、『中国における形と心』汲古書院で、平成十五年十一月に開催された大東文化大学創立八〇周年記念学術シンポジウムでの研究報告を収録したものである。
「中国学」とは、本来、西洋近代の思想の考え方によって細分化されたものではなかった。もっと総合的なものであった。このシンポジウムはそのような総合学としての「中国学」の復活を念頭に置いてなされたものである。したがって、この書には、中国文化のさまざまな分野、すなわち哲学思想・文学・言語・政治・経済・書道芸術などの分野についての論考が収められている。時代も先秦から現代にまで及んでおり、それらの諸分野の特定の現象を、その「形式」と「内面」という切り口から考察し、中国文化を総合的に理解する方法を示している。
近現代文学についての個人の論文集の刊行
個人の論文集の刊行においても、近現代文学の研究が質量の両面において注目に値する。
まず、徳田武氏に『近世近代小説と中国白話文学』(汲古書院)、『近世日中文人交流史の研究』(研文出版)がある。前者は、日本の「読本」と中国の小説との関係について論じたもので、氏の『日本近代小説と中国小説』『江戸漢学の世界』以降に書かれた近世小説と近代小説に関する論考二十三篇を集めたものである。題名には「白話小説」とあるが「文言」の小説も含まれているし、「戯曲」も扱われている。また、後者は、近世三百年を通じての日中の文人たちの交流について書かれた十一篇の論考を集めたものである。
岸陽子氏の『中国知識人の百年―文学の視座から』(早稲田大学出版)は、歴史に翻弄され、時代と格闘し続けた中国の知識人の百年を、それぞれの「文学」を通してたどったものである。近代を代表する王国維、魯迅に始まり、日本支配下に生きた女性作家、文化大革命後の張承志・陳建功、そして現代文学まで、それぞれの作品を取り上げ、時代と格闘する作家の姿勢を浮き彫りにしている。労作と言うことができよう。
阪口直樹氏は昨年八月に享年六十一で逝去された。『中国現代文学の系譜―革命と通俗をめぐって―』(東方書店)はその半年前に出版されている。この書は、氏が三十年間にわたって発表してきた現代文学に関する論文をまとめたものである。氏によれば、「「革命」と「通俗」という中国近代を貫いた二つのキーワードの関係を見直すなかから、「現代文学史」の実相を浮かび上がらそうとした点」がこの書の「核心」ということである。民国期における「文芸大化」「大の文学」「通俗文芸論」、人民共和国建国以後の「蕭也牧批判」「胡風事件」「青年作家育成政策」「新民歌運動」「『劉志丹』問題」などを分析し、さらには八〇年代以降の文学状況を自ら調査し、二〇世紀の中国の文学の歴史を概観している。
丸山昇氏の『魯迅・文学・歴史』(汲古書院)は、これまでの単行本に入っていなかった氏の文章を一冊にまとめたものである。第Ⅰ部魯迅散論、第Ⅱ部中華人民共和国と知識人、第Ⅲ部回顧と感想の三部からなる。第Ⅰ部には様々な面から魯迅について論じた十篇の文章が収められており、第Ⅱ部は中華人民共和国建国後における知識人をめぐる問題について述べた文章、六篇からなる。第Ⅲ部は中国の現代文学の研究や「文学史」、師への回顧や感想を述べた文章を集めており、「A歴史をふり返る―若い世代のと外国の研究者のために」「B出発点をふり返る」「C師を想う」と題された三つの部分に分けられている。
中堅研究者の学位論文の刊行
近年、四十代後半から五十代の中堅の研究者が、二十年~三十年にわたって研究し、発表し続けてきた成果をまとめ、それをもって学位を取得し、著書として刊行することが盛んに行なわれている。二〇〇四年にもそのようにして出版された書が各分野、各時代にある。いずれも長年の辛抱強い研究に基づいた力作、労作であり、注目に値する。
最初に採りあげた加藤国安氏の『越境する信―その軌跡と詩的表象』も、すでに述べたように、そのような書である。その他に家井真氏、赤井益久氏、村越貴代美氏、阿部泰記氏、兪慰慈氏、河内利治氏などの著作が挙げられる。
家井真氏の『『詩経』の原義的研究』(研文出版)は、二松学舎大学に提出した学位請求論文「「詩経」諸篇に関する新研究」を基にしたものである。「「雅・頌」に就いて」「「興詞」に就いて」「「詩経」諸篇の諸問題に就いて」「結論」の四部で構成されている。『詩経』の詩は、本来、宗教歌であり、宗教儀礼・祭礼に使用されたものであったという観点から『詩経』の詩の本来の意味について論じている。
赤井益久氏の『中唐詩壇の研究』(創文社)は、国学院大学に提出した学位請求論文「中唐詩壇の研究」を基にしたものである。中国文学史上において中唐時代は、中世から近世への転換期である。この時期、文学に対する意識や価値観が大きく変わった。この書は、そのような中唐時代の中国文学史上における位置と意味について考察した文学史的研究である。氏は、「文学の規範性」「文学の担い手」「文学における影響関係」の三点を「研究視座」として設定し、文学のさまざまな姿を通してそのことについて検討している。
村越貴代美氏の『北宋末の詞と雅楽』(慶応義塾大学出版社)は、お茶の水大学に提出した学位請求論文「北宋末の詞と雅楽―周邦彦と大府」を基にしたものである。氏は、「詞」を宋代の「音楽」「礼制」「宗教」などの社会との関わりにおいて捉えなおした。「詞」は音楽をともなった韻文である。宋代に盛んに行われたが、その創作や改編が朝廷の音楽署である大府で行われていた。その理由を、「詞」の発展に寄与し大府長官を務めた周邦彦の事績の研究を中心にして論じている。
阿部泰記氏の『包公伝説の形成と展開』(汲古書院)は、九州大学に提出した学位請求文「包拯伝説の形成と展開」を基にしたものである。包拯は実在の人物で、北宋の仁宗の側近であった。民間では「包公」と呼ばれ、その裁判の説話を「包公説話」と言った。この書は、歴史上に実在した「包拯」に対して、民は如何にして文学の中で特異な形象を創造したのか、また、小説・演劇を通じて全国各地に「包公説話」がどのように伝播し、信仰対象に発展していったのか、その様子について考察している。
兪慰慈氏の『五山文学の研究』(汲古書院)は、九州大学に提出した学位請求論文「五山文学における日本漢詩の比較文学的研究―日本漢詩史における五山漢詩を中心に―」を基にしたものである。「五山文学」は、鎌倉時代末期から室町時代までの鎌倉五山と京都五山の禅僧たちによってなされた漢文学を言う。氏は、研究対象を五山の詩僧たちの作成した「漢詩」に限定し、当時の日本における「五山文学」の実態、およびその文学的本質、文学史的特徴を明らかにしている。その際、中国における禅宗の発展と関係づけている。
河内利治氏の『書法美学の研究』(汲古書院)は、日本では未開拓の学問分野である「書法美学」における研究書である。書道芸術の美を論評するための「術語(テクニカルターム)」である「骨」「遒媚」「筋」「力」「気」などの概念について検討している。六朝時代から清朝末期にいたるまでの書論を丹念に分析検討し、それらの術語の体系化を目指した書である。この書が行なった分析は、同様に六朝時代から盛んになった文学についての論評に用いられた「術語」の分析検討にも応用することができる。また、当時同じ術語が、書法だけでなく、文学論、画論、楽論などにも共通に用いられていることを考えれば、この書は、より広く「中国美学」全体へと発展する可能性を持っていると言うことができる。氏は、大東文化大学にこの書をもって学位を請求し、学位を授与された。
物故した大家の研究書の刊行
最後に、二〇〇四年に出版された重要な著書として、物故した二人の大家の書を採りあげたい。松浦友久氏と斯波六郎氏の書である。
二〇〇二年に急逝された松浦氏の書は「松浦友久著作」全四巻(研文出版)である。第Ⅰ巻『中国詩文の言語学―対句・声調・教学』はすでに二〇〇三年に出版され、それについては前年の学界展望で報告されている。二〇〇四年には、第Ⅱ巻『陶淵明・白居易論―抒情と説理』、第Ⅲ巻『日本上代漢詩文論考』が出版された。そして現在(二〇〇五年七月)、すでに第Ⅳ巻『中国古典詩学への道』が出版されており、これで全巻が完結した。
さて、第Ⅱ巻『陶淵明・白居易論―抒情と説理』であるが、副題に「抒情と説理」とあるように「抒情性と韻律性を様式的基本条件とする詩歌において、「理を説く」という一見矛盾する叙述がなぜ存在し、そしていかなる役割を担うのか―」(解題)について論ずる論考を集めたものである。「本書は詩学全体に関わる普遍的・原理的な問題として、中国古典詩を特徴づける説理的表現の意義と機能について考察したものであり、それは同時に陶淵明、白居易という思索型詩人の詩想の本質に迫る、出色の作者論・作品論ともなっている。著者の長年にわたる陶詩・白詩研究の成果を示すものである。」(同じく解題)
第Ⅲ巻『日本上代漢詩文論考』に収められた数多くの論考で論じられているのは、中国古典詩文と密接な関連をもつ日本上代の漢詩文についてである。さまざまな視点から総合的に分析考察し、その特質についての本質的な指摘を行なっている。第Ⅲ巻の論考のほとんどが、氏が二十代前半から三十代にかけて執筆されたものであるが、そのすぐれた方法論と本質的な指摘は、現在でも看過できない学問的価値を有している。日本上代の漢詩文や、日中両国の古典文学に関心をもつ者にとって必読の文献である。
斯波六郎氏が亡くなられたのは一九五九年のことである。氏の著書として現在も手に入るものとしては、『文選索引』を除けば、『文選李善注所引尚書攷証』(一九八二年・汲古書院)『陶淵明詩訳注』(一九五一年・東門書房、一九八一年・北九州中国書店)『中国文学における孤独感』(一九五八年・岩波書店、一九九〇年・岩波書店[岩波文庫])があるだけであった。氏の研究の主要な部分、すなわち「札記」や論文などを読むには雑誌に載せられたものをコピーするしかなかった。なお、氏の著書には『文選諸本の研究』(一九五七年・斯波博士退官記念事業会)もあるが、これも今ではほとんど手に入れることはできない。このたびの『六朝文学への思索』にも収められていない。再版を期待したい。
さて、『六朝文学への思索』は、没後四十五年にしてやっと出版された待望久しい「遺稿集」で、氏の「研究の全体像を提示する」ものである。
しかし、この書の価値はそれだけではない。最初に問題とした「文学の研究とは何か」、その「方法」とは何か、という問いを別の面から発している。氏の研究の中心に位置するのは『文選』と『文心雕竜』についての「札記」であるが、それは文学研究の一つの「方法」、それも徹頭徹尾「ことば」に即した「方法」の具体的な姿である。その意味で、あらためて研究方法・研究態度の有り様に反省を迫るものとなっている。興膳宏前理事長のこの書に対する書評の締めくくりの言葉がそのことを直截に述べている。ここにその文章を引用して二〇〇四年の学界展望の締めくくりとしたい。
中国の古典を理解するために、索引はまことに貴重な工具書だったが、現在のようにパソコンによるデーターベースの利用が誰にでも可能になると、ことばの検索のためには、その索引さえもがすでに時代遅れのような感じになってきた。「四庫全書」に収録される浩瀚な典籍の中から、必要な語句の使用例を一瞬のうちに呼び出すことができるなどとは、かつて夢想だにしなかったことである。この利便性にケチをつけるつもりはないが、そうした最先端の利器を駆使して書かれた近ごろの論文が、筆者が前人未発の見と自負する割には脆弱で、読書力の不備を露呈していることが意外に多い。現代の研究者に、『六朝文学への思索』を熟読するように勧めたい。そして、読書とはいかにして習練すべきものかを熟考してほしい。(「斯波六郎氏の著作」『創文』四七五号二〇〇五年五月)
(門脇広文)