本年度から、哲学部門は広島大学大学院文学研究科中国思想文化学:研究室が担当する。分類等については、ほぼ従来の方式を踏襲している。作成の基準はおよそ以下の通りである。
一、本目録の掲載は、主として会員からの手紙、メール等によるいわゆる「自己申告」を基本とし、担当者の調査によって補充している。その補充の方法は、主としてインターネット上で公開されている出版情報である。特に論文に関しては、国立国会図書館の蔵書検索(NDL-OPAC)を中心として各種学会誌・研究誌を調査しているが、各大学等の紀要類を精査するには及んでいない。遺漏の点は、どうかご連絡をいただきたい。
二、分類は単行本、論文、書評等を、「一、総記」から「十二、その他」まで、およそテーマにもとづいて分類し、収録してある。分類が困難な場合は、「総記」または「その他」に入れた。また研究回顧や書評は「その他」に、時代が複数にまたがるものは「総記」に分類している。復刻、再刊、再版本も入れた。
三、各分野の並べ方は、著者、編者、訳者等の氏名を、(とくに中国語読み、韓国・朝鮮語読みを求められた場合を除いて)五十音順に配列してある。
四、収録した刊行物は、二〇〇五年一月~二〇〇五年十二月の間に出されたものであるが、会員からの申し出のあった場合を中心にこの期間の前年のものを「十三、補遺」として付してある。
六、本目録は、時間的または人員的な制約によって、遺漏あるいは誤植等が少なからずあるかと思われる。お気づきの点や訂正等がある場合には、広島大学大学院文学研究科市來津由彦にご連絡いただければ幸いである。
補記 HP掲載にあたり、誤記等について一部訂正した。遺漏あるいは誤植がまだあるかと思われる。なお、特に論文の原タイトルは、掲載誌の方針等により新字体、正字体が混在しているが、目録原稿作成の時点での調整はしていない。
単 行 本
一、総 記
明木 茂夫主編 楽は楽なり 中国音楽論集(中京大学文化科学叢書6) 好文出版
秋月 観暎 中国近世道教の形成 浄明道の基礎的研究(創文社東洋学叢書) 創文社
浅野 裕一 古代中国の文明観(岩波新書) 岩波書店
吾妻 重二主編・黄 俊傑副主編 国際シンポジウム東アジア世界と儒教 東方書店
石塚晴通教授退職記念会編 日本学・敦煌学・漢文訓読の新展開 汲古書院
伊東 貴之 思想としての中国近世 東京大学出版会
井波 律子 奇人と異才の中国史 岩波書店
内田 智雄編・冨谷 至補 訳注中国歴代刑法志(補) 創文社
内田 智雄編・冨谷 至補 訳注続中国歴代刑法志(補) 創文社
衞藤 瀋吉 衞藤瀋吉著作集 別巻 総索引・総目次他 東方書店
愛宕 元・冨谷 至編 中国の歴史 上 古代―中世 昭和堂
愛宕 元・森田 憲司編 中国の歴史 下 近世―近現代 昭和堂
王 柯 多民族国家中国(岩波新書) 岩波書店
大林 太良・伊藤 清司・吉田 敦彦・松村 一男編 世界神話事典(角川選書) 角川書店
大形 徹・坂出 祥伸・頼富 本宏編 道教的密教的辟邪呪物の調査・研究 ビイング・ネット・プレス/星雲社
尾形 勇・鶴間 和幸・上田 信・葛 剣雄・王 勇・礪波 護 中国の歴史12 日本にとって中国とは何か 講談社
岡村 秀典 中国古代王権と祭祀 学生社
丘山 新・丘山 万里子 アジアの幸福論 春秋社
桂 小蘭 古代中国の犬文化 食用と祭祀を中心に 大阪大学出版会
桂 湖邨 漢籍解題 復刻版 明治書院
加藤 周一・一海 知義 漢字・漢語・漢詩 雑談・対談・歓談 かもがわ出版
金谷 治・湯浅 幸孫・日原 利国・加地 伸行訳 大学・中庸・孟子(世界古典文学全集18) 筑摩書房
狩野 直喜 御進講録 みすず書房
川勝 守・吉田 光男・浜口 允子 地域文化研究II 東アジア歴史像の構成(放送大学大学院文化科学研究科テキスト) NHK出版
川野 明正 中国の〈憑きもの〉華南地方の蠱毒と呪術的伝承 風響社
官 文娜 日中親族構造の比較研究 思文閣出版
韓 明謨・星 明訳 中国社会学史 行路社
木田 知生・壇上 寛編 中国人物列伝 第三講 歴史家と歴史書 第四講 日中交流史話 恒星出版
北原 淳編 東アジアの家族・地域・エスニシティ 基層と動態 東信堂
木村 得玄 黄檗宗の歴史・人物・文化 春秋社
阮 雲星 中国の宗族と政治文化 現代「義序」郷村の政治人類学的考察 創文社
小南 一郎編 中国文明の形成 朋友書店
坂出 祥伸 道教とはなにか(中公叢書) 中央公論新社
佐藤 賢一 そして数は遥かな海へ…東アジアの数理科学史 北樹出版
實吉 達郎・不二本 蒼生画 中国の鬼神 新紀元社
島田 虔次 中国思想史の研究改装版(東洋史研究叢刊59) 京都大学学術出版会
島尾 永康 中国化学史(普及版)(科学史ライブラリー) 朝倉書店
白川 静 新訂字訓 平凡社
白川 静 白川静著作集別巻 金文通釈5 平凡社
白川 静 白川静著作集別巻 金文通釈6 平凡社
白川 静 白川静著作集別巻 金文通釈7 平凡社
鈴木 利定 儒教哲学の研究 明治書院
諏訪 春雄 日本王権神話と中国南方神話(角川選書) 角川書店
関野 雄 中国考古論攷 同成社
武内 義雄 中国思想史(岩波全書セレクション) 岩波書店
立川 武蔵・頼富 本宏編 中国密教 新装版(シリーズ密教3) 春秋社
田部井 文雄編 漢文教育の諸相 研究と教育の視座から 大修館書店
鄭 高詠 中国の十二支動物誌 白帝社
邸 海濤・納村 公子訳 中国五千年 性の文化史 徳間書店
中野 美代子 中国の妖怪(岩波新書) 岩波書店
仁井田 陞 中国法制史 増訂版(岩波全書セレクション) 岩波書店
野間 文史 十三経注疏の研究 その語法と伝承の形 研文出版
長谷川 清・塚田 誠之編 中国の民族表象 南部諸地域の人類学・歴史学的研究 風響社
秦 兆雄 中国湖北農村の家族・宗族・婚姻 風響社
原 宗子 「農本」主義と「黄土」の発生(古代中国の開発と環境2) 研文出版
東野 治之・佐藤 信編 古代多胡碑と東アジア 山川出版社
日原 利国 春秋公羊伝の研究(創文社東洋学叢書) 創文社
福井文雅博士古稀・退職記念論集刊行会編 アジア文化の思想と儀礼 福井文雅博士古稀記念論集 春秋社
藤枝 晃編 高昌残影 出口常順蔵 トルファン出土仏典断片図録 法蔵館
藤田 勝久 中国古代国家と郡県社会(汲古叢書 62)汲古書院
藤善 眞澄 中国史逍遥 藤善眞澄先生古稀記念会
古原 宏伸 中国画巻の研究 中央公論美術出版
増井 経夫 中国的自由人の系譜(オンデマンド版)(朝日選書163) 朝日新聞社
町田 三郎 秦漢思想史の研究(創文社東洋学叢書) 創文社
松枝 到 アジアとはなにか 大修館書店
松田 壽男 東西文化の交流(講談社学術文庫) 講談社
麥谷 邦夫編 三教交渉論叢 京都大學人文科學研究所
村田 雄二郎・C.ラマール編 漢字圏の近代 ことばと国家 東京大学出版会
森 紀子 転換期における中国儒教運動 京都大学学術出版会
森 雅子 西王母の原像 比較神話学試論 慶應義塾大学出版会
山田 慶児 混沌の海へ 中国的思考の構造(オンデマンド版)(朝日選書207) 朝日新聞社
渡邊 卓 古代中国思想の研究〈孔子伝の形成〉と儒墨集団の思想と行動 創文社
ジョセフ.A.アドラー/伊吹 敦・尾形 幸子訳 中国の宗教(〈21世紀をひらく世界の宗教〉シリーズ) 春秋社
ダニエル・L・オーバーマイヤー・林原 文子監訳・伊藤 道治監修 中国民間仏教教派の研究 研文出版
ドロシー・コウ/小野 和子・小野 啓子訳 纏足の靴 小さな足の文化史 平凡社
ハンス・キュング,ジュリア・チン 森田 安一・藤井 潤・大川 裕子・楊 暁捷訳 中国宗教とキリスト教の対話(人間科学叢書39) 刀水書房
ポーラ・R・ハーツ/鈴木 博訳 道教 改訂新版(シリーズ世界の宗教) 青土社
マイケル・サリヴァン/中野 美代子・杉野目 康子訳 中国山水画の誕生 新装版 青土社
二、先 秦
浅野 裕一編 古代思想史と郭店楚簡 汲古書院
浅野 裕一編 竹簡が語る古代中国思想 上博楚簡研究(汲古選書42) 汲古書院
五十嵐 晃 論語の訳注と考究 明徳出版社
一海 知義 論語語論 藤原書店
池田 知久監修 郭店楚簡の研究(六) 大東文化大学郭店楚簡研究班
小川 環樹 老子(中公クラシックス) 中央公論新社
尾崎 秀樹 呉子(中公文庫BIBLIO) 中央公論新社
貝塚 茂樹編 春秋左氏伝(世界古典文学全集13) 筑摩書房
貝塚 茂樹編 諸子百家(世界古典文学全集19) 筑摩書房
岳 南・朱 建栄・加藤 優子訳 夏王朝は幻ではなかった 1200年溯った中国文明史の起源 柏書房
加地 伸行 すらすら読める論語 講談社
金谷 治 荘子第一冊(内篇)(ワイド版岩波文庫) 岩波書店
金谷 治 荘子第二冊(外篇)(ワイド版岩波文庫) 岩波書店
金谷 治 荘子第三冊(外篇・雑篇)(ワイド版岩波文庫) 岩波書店
金谷 治 荘子第四冊(雑篇)(ワイド版岩波文庫) 岩波書店
近藤 光男 戦国策(講談社学術文庫) 講談社
澤田 多喜男 『老子』考索(汲古選書43) 汲古書院
銭 寧・松岡 亮訳 聖人・孔子の生涯 東洋書院
曹 峰・李 承律 上海博物館蔵戦国楚竹書『昔者君老』『容成氏』(上)訳注 東京大学文学部東洋史学研究室
西川 靖二 韓非子(ビギナーズ・クラシックス 中国の古典) 角川書店
町田 三郎 呂氏春秋(講談社学術文庫) 講談社
宮本 一夫 中国の歴史01 神話から歴史へ 神話時代夏王朝 講談社
林 富士馬 六韜(中公文庫BIBLIO) 中央公論新社
平勢 隆郎 中国の歴史02 都市国家から中華へ 殷周春秋戦国 講談社
吉本 道雅 中国先秦史の研究(東洋史研究叢刊67) 京都大学学術出版会
三、秦・漢
市川 宏・杉本 達夫訳 史記 1 覇者の条件 徳間書店
江村 治樹 戦国秦漢時代の都市と国家 考古学と文献史学からのアプローチ 白帝社
小川環樹他訳 史記列伝(世界古典文学全集20) 筑摩書房
奥平 卓・久米 旺生訳 史記2 乱世の群像 徳間書店
金 文京 中国の歴史04 三国志の世界 後漢 三国時代 講談社
佐竹 靖彦 劉邦 中央公論新社
高橋 庸一郎 『史記』における中国古代王朝史の特質 付戦国中山王国小史 勉誠出版
福井 重雅 漢代儒教の史的研究 儒教の官学化をめぐる定説の再検討 汲古書院
丸山 松幸・守屋 洋訳 史記3 独裁の虚実 徳間書店
山田 勝美・田辺 淳編 論衡(新書漢文大系29) 明治書院
劉 煒編著・伊藤 晋太郎訳 図説中国文明史4 秦漢 雄偉なる文明 創元社
和田 武司・山谷 弘之訳 史記4 逆転の力学 徳間書店
渡邉 義浩編 兩漢の儒教と政治権力 汲古書院
四、魏・晋・南北朝
石松 日奈子 北魏佛教造像史の研究 ブリュッケ
今鷹 真・井波 律子訳 三国志I(世界古典文学全集24A) 筑摩書房
今鷹 真・小南 一郎・井波 律子訳 三国志Ⅱ(世界古典文学全集24B) 筑摩書房
小南 一郎訳 三国志Ⅲ(世界古典文学全集24C) 筑摩書房
竹田 晃 三国志・歴史をつくった男たち(漢字・漢文ブックス) 明治書院
野村 茂夫 千字文を読み解く 大修館書店
福永 光司 魏晋思想史研究 岩波書店
吉川 忠夫 後漢書9 列伝7(巻66~巻74) 岩波書店
吉川 忠夫 後漢書10 列伝8(巻75~巻80) 岩波書店
羅 宗真・中村 圭爾・宝山 留美子訳 古代江南の考古学 倭の五王時代の江南世界(白帝社アジア史選書) 白帝社
羅 宗真・住谷 孝之訳 図説中国文明史5 魏晋南北朝 融合する文明 創元社
渡邉 義浩主編 全譯後漢書第十四冊列伝(四) 汲古書院
五、隋・唐
大澤 正昭 唐宋時代の家族・婚姻・女性 婦は強く 明石書店
岸辺 成雄 唐代音楽の歴史的研究 楽制篇 上下(復刻版) 和泉書院
岸辺 成雄 唐代音楽の歴史的研究 楽理篇・楽書篇・楽器篇・楽人篇 和泉書院
氣賀澤 保規 中国の歴史06 絢爛たる世界帝国 隋唐時代 講談社
静 慈圓編 弘法大師空海と唐代密教 弘法大師入唐千二百年記念論文集 法蔵館
専修大学西北大学共同プロジェクト編 遣唐使の見た中国と日本 新発見「井真成墓誌」から何がわかるか(朝日選書) 朝日新聞社
大東文化大学東洋研究所 藝文類聚(巻十五)訓読付索引 大東文化大学東洋研究所
趙 聲良 敦煌壁画風景の研究(敦煌学叢書) 比較文化研究所
戸崎 哲彦 桂林唐代石刻の研究 白帝社
中村 裕一 唐令逸文の研究(汲古叢書56) 汲古書院
中村 裕一 大業雑記の研究(汲古叢書61) 汲古書院
松原 哲明 玄奘のシルクロード 心を求めて仏を求めず 講談社
早川 光三郎・三澤 勝己編 蒙求(新書漢文大系28) 明治書院
六、宋・金・元
池田 魯参 宝慶記 道元の入宋求法ノート 大東出版社
井上 徹・遠藤 隆俊編 宋―明宗族の研究 汲古書院
垣内 景子 「心」と「理」をめぐる朱熹思想構造の研究 汲古書院
小島 毅 中国の歴史07 中国思想と宗教の奔流 宋朝 講談社
小島 毅 義経の東アジア(智慧の海叢書) 勉誠出版
杉山 正明 中国の歴史08 疾駆する草原の征服者 遼 西夏 金 元 講談社
中嶋 敏編 宋会要輯稿 食貨索引 地名編 東洋文庫
野口 善敬 元代禅宗史研究 禅文化研究所
七、明・清
荒木 見悟 明代思想研究 明代における儒教と仏教の交流(東洋学叢書) 創文社
上田 信 中国の歴史09 海と帝国 明清時代 講談社
王 宝平 清代中日学術交流の研究(汲古叢書59) 汲古書院
岡田 武彦 岡田武彦全集5 王陽明大伝5 生涯と思想 明徳出版社
岡田 武彦 岡田武彦全集13 劉念台文集 明徳出版社
加藤 徹 西太后 大清帝国最後の光芒 中央公論新社
神田 信夫 清朝史論考 山川出版社
滝野 邦雄 李光地と徐乾學 康煕朝前期における党争(和歌山大学経済学部研究叢書20) 白桃書房
陳 継東 清末仏教の研究 楊文会を中心として 山喜房佛書林
中村 璋八 清朝本全訳菜根譚 東方書店
増井 経夫 『智嚢』中国人の知恵 朝日新聞社
松川 健二 王陽明のことば 斯文会
溝口 雄三 伝習録(中公クラシックス) 中央公論新社
R.F.ジョンストン・中山 理訳・渡部 昇一監修 完訳紫禁城の黄昏 上下 祥伝社
八、近現代
朝倉 美香 清末・民国期郷村における義務教育実施過程に関する研究 風間書房
阿部 洋監修・佐藤 尚子・蔭山 雅博 中国近現代教育文献資料集 日本図書センター
齋藤 希史 漢文脈の近代 清末=明治の文学圏 名古屋大学出版会
孫 歌 竹内好という問い 岩波書店
竹内 実 毛沢東(岩波新書) 岩波書店
李 暁東 近代中国の立憲構想 厳復・楊度・梁啓超と明治啓蒙思想 法政大学出版局
九、琉球・朝鮮
西里 喜行 清末中琉日関係史の研究(東洋史研究叢刊66) 京都大学学術出版会
三浦 國雄 風水・暦・陰陽師 中国文化の辺縁としての沖縄 榕樹書林
十、日 本
池田 温編 日本古代史を学ぶための漢文入門 吉川弘文館
伊藤 東涯・吉川 幸次郎校訂 制度通上・下 岩波書店
神道国際学会編 道教と日本文化 たちばな出版
林田 愼之助 広瀬淡窓(日本漢詩人選集15) 研文出版
水口 幹記 日本古代漢籍受容の史的研究 汲古書院
十一、書誌学
京都大学人文科学研究所附属漢字情報研究センター 漢籍目録カードのとりかた・京都大学人文科学研究所漢籍目録カード作成要領 朋友書店
山根 幸夫編 明代史研究文献目録 1993~20 汲古書院
米山 寅太郎 図説中国印刷史(汲古選書40) 汲古書院
十二、その他
中薗 英助 鳥居龍蔵伝(岩波現代文庫) 岩波書店
十三、補遺
中嶋 隆藏 雲笈七籤の基礎的研究 研文出版
福田 哲之 説文以前小学書の研究(東洋学叢書) 創文社
余 項科 中国文明と近代的秩序形成 儒学的公共性の考察 朋友書店
吉永 慎二郎 戰國思想史研究 儒家と墨家の思想史的交渉 朋友書店
論 文
一、総 記
相原 茂 ことばから見る日中異文化―文化の違いによる摩擦の考察 アジア遊学72
浅野 春二 黄籙斎における道士と斎主―『无上黄籙大斎立成儀』を例として 『アジア文化の思想と儀礼』
吾妻 重二 木主について─朱子学まで 『アジア文化の思想と儀礼』
荒野 泰典・金 文京・増尾 伸一郎他 座談会 東アジア―漢文文化圏を読み直す 文学6-6
伊東 貴之 醒めて見る夢―中国古代に現れた夢の言説 文学6-1
伊東 貴之 欲望・合意・共生―中国近世思想の文脈から― 『人文知の可能性―日本学術会議哲学系公開シンポジウム提題レジュメ集』
伊藤美重子 類書について お茶の水女子大学中国文学会報24
井上 徹 中国の城郭都市の特性 アジア遊学78
上野 洋子 『夢占逸旨』にみる陳士元の夢の思想―「眞人不夢」をめぐって 東方宗教105
宇佐美文理 中国藝術理論史序説 (特集始源の思索) 哲学研究580
氏岡 眞士 東方朔から孫悟空へ 中國文學報70
栄 新江・西村 陽子訳 漢代から唐代における東西交渉史―新旧史料の概観 中国・社会と文化20
王 珊 文化の視点から中日関係の変容と未来を考える (特集日中相互認識のずれ) アジア遊学72
北川 秀樹 中国陜西省の森林と水 (特集黄河は流れず―アジアの水問題) アジア遊学74
金 浩星 禅宗で大悲呪を読誦する理由 禪學研究83
楠山 春樹 漢語としての藝術 國學院雜誌106-11
嚴 善昭 求子之道と占星術 『三教交渉論叢』
小林 春樹 中国史上における「面縛」の機能と性格、およびそれらの変遷について 東洋研究156
小峯 和明 東アジアの仏伝をたどる―比較説話学の起点 文学6-6
崔 世廣 中国における日本文化研究―兩国文化の相互関係からの考察 (特集日中相互認識のずれ) アジア遊学72
謝 茘 中国社会の霊魂観の表象に見られるパラドックス アジア・アフリカ言語文化研究69
仙石 知子 旧中国の女性の名―排行による呼称と親族称謂語から 中国・社会と文化20
竹村 信治 “東アジア漢文文化圏”構想への瀬踏み 文学6-6
立石 廣男 『爾雅疏』における『説文解字』―中国の学の根底を求めて 國學院雜誌106-11
田中 文雄 占いと信仰―『占察経』の「木輪相」について 國學院雜誌106-11
種村 和史 イナゴはどうして嫉妬しないのか?―詩経解釈学史点描 慶應義塾大学日吉紀要言語・文化・コミュニケーション35
中村 春作 「訓読」再考―近世思想史の課題として 文学6-6
二階堂善弘 華光と関帝 『アジア文化の思想と儀礼』
林 文孝 「〔ガク=學+攴〕學半」の解釈をめぐって 山口大学哲学研究12
藤田 高夫 日中文化交渉史研究の将来―日中学術交流史と比較中国学 関西大学東西学術研究所紀要38
藤田 勝久 中国出土資料と古代社会 『資料学の方法を探る』4
前田 專學 東洋の叡智 二松学舎大学人文論叢75
村松 弘一 黄河の断流―黄河変遷史からの視点 (特集黄河は流れず―アジアの水問題) アジア遊学74
楊 棟梁 中日関係における歴史認識問題の位置 ― (国際日本学研究という方法論) アジア遊学72
劉 正愛 満族の家族と祖先祭祀 (特集アジアの家社会) アジア遊学74
渡邉 義浩 日本における「儒教の国教化」をめぐる研究について 『兩漢の儒教と政治権力』
渡邉 義浩 ヨーロッパの哲学者から見た儒教 『兩漢の儒教と政治権力』
二、先 秦
浅井 茂紀 孔子の倫理哲学論(1) 道徳論を中心として 千葉商大紀要43
浅野 裕一 戦国楚簡と古代中国思想史の再検討 『古代思想史と郭店楚簡』
浅野 裕一 郭店楚簡『緇衣』の思想史的意義 『古代思想史と郭店楚簡』
浅野 裕一 『窮達以時』の「天人の分」について 『古代思想史と郭店楚簡』
浅野 裕一 『唐虞之道』の著作意図―禅譲と血縁相続をめぐって 『古代思想史と郭店楚簡』
浅野 裕一 『五行篇』の成立事情―郭店写本と馬王堆写本の比較 『古代思想史と郭店楚簡』
浅野 裕一 『春秋』の成立時期―平勢説の再検討 『古代思想史と郭店楚簡』
浅野 裕一 『太一生水』と『老子』の道 『古代思想史と郭店楚簡』
浅野 裕一 『容成氏』における禅譲と放伐 『竹簡が語る古代中国思想』
浅野 裕一 『魯邦大旱』における「名」 『竹簡が語る古代中国思想』
浅野 裕一 『魯邦大旱』における刑徳論 『竹簡が語る古代中国思想』
浅野 裕一 『恆先』の道家的特色 『竹簡が語る古代中国思想』
浅野 裕一 上博楚簡『恆先』の道家的特色 長江流域文化研究所年報3
阿部 幸信 燧人考 九州大学東洋史論集33
石合 香 鄒衍学術考―律暦思想からのアプローチ 『アジア文化の思想と儀礼』
石川三佐男 『岩窟蔵鏡』所収「漁畋文規矩鏡」新考 『アジア文化の思想と儀礼』
一色 英樹 羊舌肸春秋に習ふ―賢者叔向の淵源 國學院雜誌106-11
井上 了 いわゆる〈『左伝』の微言構造〉について 種智院大学研究紀要6
大櫛 敦弘 「機密」のゆくえ 『資料学の方法を探る』4
大野 圭介 蒼梧考 中国文学報68
大野 圭介 『穆天子伝』研究序説 桃の会論集3
大野 裕司 『周易』蒙卦新解―上海博物館藏戰國楚竹書『周易』尨卦に見る犬の民俗 中国哲学33
大野 裕司 睡虎地秦簡『日書』における神靈と時の禁忌 中国出土資料研究9
岡村 秀典 周代の身分制 『中国文明の形成』
小寺 敦 『詩』の成立と伝播に関する一考察―共同祭祀の場との関係を中心に 史学雑誌114
小崎 智則 『韓非子』の「忠」について 名古屋大學中國哲學論集4
落合 淳思 殷代の支配構造 中国古代史論叢續集
貝塚 典子 防風氏と禹―「防風氏後至、禹殺而戮之」小考 國學院雜誌106-11
加地 伸行 『論語』を訳して (言葉の力―生かそう日本語の底力) 文芸春秋83-4
小南 一郎 西周王朝の成周経営 『中国文明の形成』
工藤 元男 望山楚簡「卜筮祭祷簡」の基礎的研究 『アジア文化の思想と儀礼』
工藤 元男 平夜君成楚簡「卜筮祭祷簡」初探―戦国楚の祭祀儀礼 長江流域文化研究所年報3
近藤 浩之 上海博物館藏戰國楚竹書『周易』の「首符」「尾符」 中国哲学33
近藤 聖史 成周の庶殷について―賜與形式金文の分析を中心として 立命館文學589
近藤 聖史 北窯出土銘文所見の西周氏族について 学林41
澤田多喜男 老子―人物と書籍 名古屋大學中國哲學論集4
澁澤 尚 列子華胥考―古漢語における異類同名について 学林41
進藤 英幸 西周青銅器銘文考釈の問題―新出土応侯見工鐘を中心に 東洋文化(無窮會)95
末次 信行 殷墟花園荘出土亀甲の貢納記事について 郵政考古紀要36
菅本 大二 中国古代における法概念の形成―比較法概念形成史 中国研究集刊39
菅本 大二 『尊徳義』における理想的統治 『古代思想史と郭店楚簡』
曹 峰 「自生」から「自為」へ─『恒先』政治哲学研究 中国出土資料研究9
高木 智見 古代中国における身体と自己 大航海53
竹田 健二 郭店楚簡『性自命出』と上博楚簡『性情論』との関係 『古代思想史と郭店楚簡』
竹田 健二 郭店楚簡『性自命出』・上博楚簡『性情論』の性説 『古代思想史と郭店楚簡』
竹田 健二 戦国楚簡研究と漢文教育 新しい漢字漢文教育41
竹田 健二 『容成氏』における身体障害者 『竹簡が語る古代中国思想』
竹田 健二 『恆先』における気の思想 『竹簡が語る古代中国思想』
竹田 健二 郭店楚簡『性自命出』・上博楚簡『性情論』の性説 国語教育論叢14
辰巳 正明 中国の古代歌謡―その淫風的性格について 国学院大学紀要43
舘野 正美 Time and Tao 道: Chuang-tzu’s 荘子 Tao from a Viewpoint of Time 研究紀要 (日本大学文理学部人文科学研究所)70
谷口 洋 『左伝』『孟子』にみる文献と語り―引用を手がかりとして 『中国文明の形成』
谷口 満 戦国楚文化の淵源―楚文化・巴文化同源説 長江流域文化研究所年報3
谷中 信一 上博簡『魯邦大旱』の思想とその成立─「刑徳」説を中心に 中国出土資料研究9
寺西 光輝 無の心身論―老子における体験世界について(2) 名古屋大學中國哲學論集4
永井 弥人 前漢武帝期に於ける泰山の明堂祭祀 『アジア文化の思想と儀礼』
中島 敏夫 歴史と神話への視座―疑古派禹天神論の検証からの再出発(下の3) 中国21・21
中嶋 隆藏 『上海博物館蔵戦国楚竹書(三)』所収「亙先」小考 集刊東洋学94
塚越 千史 「欲」・「愛」・「詩」・「書」・「文」・「〔口(上)+文(下)〕」字考―上海博物館蔵戦国楚簡を中心に お茶の水女子大学中国文学会報24
橋本 昭典 感情概念の誕生と言語化―中国古代の「情」の地平 奈良教育大学国文28
橋本 昭典 『荘子』の斉物思想―体験の言語化という布教行為 『マンダラの諸相と文化』
橋元 純也 『墨子』論説類諸篇の成り立ち 東洋古典學研究20
花房 卓爾 春秋時代の中原諸国における亡命の受諾 哲学57
原 孝治 墨子尚同篇補正(2) 大東文化大学漢学会誌44
福田 哲之 『語叢』(一・二・三)の文献的性格 『古代思想史と郭店楚簡』
福田 哲之 『語叢三』の再検討―竹簡の分類と排列 『古代思想史と郭店楚簡』
福田 哲之 戦国簡牘文字における二様式 『古代思想史と郭店楚簡』
福田 哲之 楚墓出土簡牘文字における位相 『古代思想史と郭店楚簡』
福田 哲之 『子羔』の内容と構成 『竹簡が語る古代中国思想』
福田 哲之 『中弓』における説話の変容 『竹簡が語る古代中国思想』
福田 哲之 出土文献研究における字体分析の意義―郭店楚簡『語叢三』を中心として 国語教育論叢14
福田 哲之 『史籀篇』研究の新展開―出土文字資料と小学書研究 創文478
福本 郁子 『詩經』境界神祭祀詩に於ける採草の興詞に就いて 二松学舎大学論集48
平勢 隆郎 戦国時代における天下の中の地域的特徴―文字と書物内容の視点から 長江流域文化研究所年報3
平林 緑萌 墨子節話諸篇考 立命館文學589
間瀬 収芳 鈴を通して礼楽文化の形成過程を探る 『中国文明の形成』
松井 嘉徳 記憶される西周史―來盤銘の解讀 東洋史研究64
松川 健二 『論語』知者楽水章について 國學院雜誌106-11
松田 稔 『山海経』の怪異 (特集アジアの怪) (中国編) アジア遊学71
松田 稔 『山海経』における表現の考察 東洋文化(無窮會)95
村上 陽子 出土資料からみた漢代の食生活 中国出土資料研究9
村田 進 厳遵撰『老子指帰』の真偽について 学林42
森 和 子弾庫楚帛書の資料的性格について―占書と暦 長江流域文化研究所年報3
山田 崇仁 『禮記』中庸篇の成書時期について―N-gramモデルを利用した分析 中国古代史論叢續集
山根 泰志 左氏述作―年代記 立命館文學591
山邊 進 『孟子』に於ける引『詩』に就いて 二松学舎大学論集48
山邊 進 『孟子』「詩亡然後春秋作」の解釈に就いて 『アジア文化の思想と儀礼』
湯浅 邦弘 上博楚簡『彭祖』における「長生」の思想 中国研究集刊37
湯浅 邦弘 『六徳』の全体構造と著作意図 『古代思想史と郭店楚簡』
湯浅 邦弘 『魯穆公問子思』における「忠臣」の思想 『古代思想史と郭店楚簡』
湯浅 邦弘 『従政』と儒家の「従政」 『竹簡が語る古代中国思想』
湯浅 邦弘 『従政』の竹簡連接と分節 『竹簡が語る古代中国思想』
吉永 慎二郎 春秋經及び春秋左氏傳における「天王」について 秋田大学教育文化学部研究紀要人文科学・社会科学60
吉永 慎二郎 中国文明における帝と天の観念の展開―その思想史的考察 『秋田中国学会50周年記念論集』
吉本 道雅 窮達以時考 中国古代史論叢續集
李 承律 郭店楚簡『性自命出』の性情説と「礼楽」 『兩漢の儒教と政治権力』
里耶秦簡講読会 里耶秦簡研究ノート 中国出土資料研究9
三、秦・漢
相原 健右 『春秋繁露』偽書説に関する一考察 後漢経学研究会論集2
浅野 裕一 黄帝書『十六経』の宇宙生成論 中国研究集刊39
阿部 幸信 対匈奴関係からみた漢朝支配体制の推移と確立 (古代史部会 古代王権の構造と支配秩序(2)) 歴史学研究807
池澤 優 「孝」の文化的意義 『兩漢の儒教と政治権力』
石合 香 律暦からみた五徳終始説の眞相―「黄帝以來三千六百二十九歳」の解明 東洋の思想と宗教22
池田 秀三 高誘覺書 東方学110
伊藤 浩志 王符『潛夫論』における君臣関係の構造 哲学57
稲葉 一郎 「過秦論」と『太史公書』 日本秦漢史学会会報6
井ノ口 哲也 王充と経学 後漢経学研究会論集2
井ノ口 哲也 王充の「自然」観 東京学芸大学紀要第2部門人文科学56
内山 俊彦 鄭玄における歴史意識の問題 中国・社会と文化20
大川 俊隆 秦漢における穀物換算率について 大阪産業大学論集人文科学編116
王 明珂・本間 寛之訳 中国漢代の羌(1) 生態学的辺境と民族的境界 長江流域文化研究所年報3
郭 斉勇・谷津 康介訳 出土簡帛と経学 関西大学中国文学会紀要26
嘉瀬 達男 諸子としての『史記』―『漢書』成立までの『史記』評價と撰續牀況の検討 立命館文學590
金子 典正 後漢時代中原地域に於ける仏教信仰成立の一様相 美術史研究43
小林 岳 調査記 司馬遷祠墓訪問記 長江流域文化研究所年報3
草野 友子 新出土資料関係文献提要(6) 中国研究集刊37
黒田 秀教 新出土資料関係文献提要(5) 中国研究集刊37
近藤 則之 蘇輿「春秋繁露考証」訳注稿 佐賀大学文化教育学部研究論文集 10-1
工藤 卓司 『賈誼新書』における「術」の位置―「耀蝉の術」を中心として 東洋古典學研究19
坂出 祥伸 馬王堆漢墓出土「五十二病方」における呪術的治療の一側面―「禹歩」「唾」「噴」による治療の意味 東方宗教106
坂本 具償・財木 美樹 『春秋繁露』訳注稿 爵國・身之養重於義・對膠西王越大夫不得爲仁・觀徳・諸侯篇 高松工業高等専門学校研究紀要40
佐川 繭子 光武帝による火徳堯後の漢再興について 後漢経学研究会論集2
佐野 光一 睡虎地奏簡の文字形體(2)「法律答問」を中心として 若木書法4
佐野 誠子 民間祀廟記録の形成 『中国文明の形成』
澤田 多喜男 黄老攷 東洋古典學研究20
澤田 多喜男 『荀子』『孟子』『左氏傳』所見『詩』『書』攷―經學前史(2) 東洋古典學研究19
柴田 浩明 何休の質文説と『春秋』解釈 哲学57
渋谷 由紀 郭店楚簡《五行》と『孟子』に見られる「道」の思想について 後漢経学研究会論集2
清水 浩子 緯書思想と礼楽 『アジア文化の思想と儀礼』
高村 武幸 漢代官吏任用における財産資格の再検討 史林88
鷹取 祐司 漢代の死刑奏請制度 史林88
竹田 健二 『曹沫之陳』における竹簡の綴合と契口 東洋古典學研究19
谷口 匡 史記滑稽考 京都教育大学国文学会誌32
谷口 洋 「悲劇の星雲」との格鬪―文學としての『史記』研究序説 中國文學報70
仲山 茂 銀雀山漢簡『守法守令等十三篇』訳註(3) 名古屋大学東洋史研究報告29
新田 幸治 「季布欒布列傳」管説 東洋文化(無窮會)95
野村 純代・ 野村 英登・岩野 忠昭 春秋繁露註釋稿(29) 東洋大学中国哲学文学科紀要13
濱川 榮 五行志と溝洫志―『漢書』の河災記述に関する一試論 東方学110
林 克 『脈法』文字攷 大東文化大学漢学会誌44
東川 祥丈 東漢律学考 『中国文明の形成』(朋友書店)
福田 哲之 阜陽漢墓出土木牘章題考―一号・二号木牘を中心として 中国研究集刊37
福田 哲之 阜陽漢墓一号木牘章題と定州漢墓竹簡『儒家者言』―『新序』『説苑』『孔子家語』との関係 中国研究集刊39
古橋 紀宏 後漢・魏・晋時代における堯舜禅譲に関する経書解釈について 後漢経学研究会論集2
保科 季子 受命の書―漢受命伝説の形成 史林88
堀池 信夫 前漢における孝の転回と国家 『兩漢の儒教と政治権力』
間嶋 潤一 周公と王莽―王莽期における周公居摂践祚の解釈 中国文化63
松田 稔 『論衡』と『山海経』―「鬼門・神茶・鬱壘」の記述を中心として 國學院雜誌106-11
矢田 尚子 『淮南子』に見える天界遊行表現について―原道篇・覽冥篇を中心に 中国文学研究31
矢羽野 隆男 『潜夫論』卜列篇訳注稿 四天王寺国際仏教大学紀要40
山花 哉夫 後漢明章期の頌漢論―王充の場合 東方学110
遊佐 昇 嚴君平の伝説と信仰 明海大学外国語学部論集17
好並 隆司 伝国璽再考 史学研究249
米田 健志 前漢後期における中朝と尚書―皇帝の日常政務との關連か 東洋史研究64
早稲田大学簡帛研究会 訳注張家山第二四七号漢墓竹簡訳注(3)二年律令訳注(3)秩律訳注(1) 長江流域文化研究所年報3
渡部 東一郎 荀悦の性説について 集刊東洋学93
渡邉 義浩 後漢儒教の固有性 『兩漢の儒教と政治権力』
四、魏・晋・南北朝
吾妻 重二・井上 克人・丹治 昭義 『大乗起信論義記』研究(5) 関西大学東西学術研究所紀要38
岩本 篤志 敦煌・吐魯番発見「晉史」写本残巻考 西北出土文献研究2
岩本 憲司 春秋經傳集解譯稿續篇(8)襄公26年 中国研究集刊37
岩本 憲司 春秋經傳集解譯稿續篇(9)襄公27年~28年 中国研究集刊39
大形 徹 祀られる仙人―「列仙図」をめぐって 『アジア文化の思想と儀礼』
大形 徹・佐藤 大志・佐竹 保子他 訳注『宋書』楽志一訳注稿(3) 未名23
大橋 由治 干寶の天觀と『搜神記』の編纂 東方宗教106
垣内 智之 『五老寶經』小考 『三教交渉論叢』
梶山 智史 崔鴻『十六国春秋』の成立について
神塚 淑子 六朝靈寶經に見える葛仙公 『三教交渉論叢』
金子 修一 即位儀礼から見た皇帝権力 唐代史研究8
龜田 勝見 『劉子』と劉晝 『三教交渉論叢』
川口 勝康 『後漢書』倭伝ノート―范曄の「史料と考証」 人文学報357
木島 史雄 「正始石経」蹉跌の構造―遡源から注釈へ 『中国文明の形成』
北島 大悟 謝靈運にみる道教的思惟の受容 日本中国学会報57
金 圓忠 『寶藏論』典據考 禪學研究83
熊谷 滋三 『魏書』と『北史』の爾朱榮伝について 史滴27
小林 聡 泰始礼制から天監礼制へ 唐代史研究8
小林 聡 梁の武帝による礼制改革の特質―天監年間における国家祭祀の改革を中心に 集刊東洋学93
小林 正美 道教の斎法儀礼の原型の形成―指教齋法の成立と構造 『アジア文化の思想と儀礼』
三枝 秀子 譯註・翻譯 陶淵明の哲學的思考について―袁行霈著《陶淵明研究》第一章譯注稿 大東文化大學中國學論集22
佐川 英治 東魏北齊革命と『魏書』の編纂 東洋史研究64
佐川 英治 北魏の平城 アジア遊学78
佐川 英治 北魏洛陽の形成と空間配置 東洋史論叢特集号(大阪市大)
佐藤 賢 「配衣」の語義 集刊東洋学93
佐野 誠子 道佛宗教者の出生の不思議 『三教交渉論叢』
澤 章敏 張脩と五斗米道 『アジア文化の思想と儀礼』
關 清孝 郭璞の注釋學―『爾雅注』の方法 東方学109
關 清孝 詠郭璞墓詩小考 大東文化大学漢学会誌44
三國時代出土文字資料の研究班 江陵張家山漢墓出土「二年律令」譯注稿(その2) 東方学報77
高橋 均 王弼「論語釈疑」考 大妻女子大学紀要文系37
武田 浩學 北本『涅槃經』前分十卷の思想―經文の付加と改變の意圖 東洋の思想と宗教22
田中 靖彦 『漢晉春秋』に見る三國正統觀の展開 東方学110
田中 文雄 道教法服考 『アジア文化の思想と儀礼』
都築 晶子 六朝後半期における科戒の成立 『三教交渉論叢』
中村 圭爾 建康、その伝統と革新 アジア遊学78
中村 圭爾 建康における伝統と革新 東洋史論叢特集号(大阪市大)
西川 靖二 王弼の『易』解釈における「卦主」について(続) 竜谷紀要26-2
馬場 英雄 嵆康の所謂政治的思考と自己統合について 國學院雜誌106-11
船山 徹 聖者觀の二系統 『三教交渉論叢』
麥谷 邦夫 『道教義樞』と南北朝隋初唐期の道教教理學 『三教交渉論叢』
村松 哲文 光背に表現される化仏に関する試論 『アジア文化の思想と儀礼』
室山留美子 中国墓葬文献目録(三国兩晉南朝篇) 東洋史論叢14(大阪市大)
山田 利明 「三百六十契令」考 『アジア文化の思想と儀礼』
山田 俊 六朝から唐の道教文獻に見られる夷狄と外道 『三教交渉論叢』
遊佐 昇 嚴君平信仰の伝播と広がり 『アジア文化の思想と儀礼』
吉津 宜英 慧遠の大乗義章における起信論思想―論文改変の事実をめぐって 『アジア文化の思想と儀礼』
吉村 誠 曇無讖の菩薩戒―『菩薩地持経』の受戒作法を中心に 『アジア文化の思想と儀礼』
渡辺 章悟 仏典はどのように漢訳されたのか―笈多訳『金剛能断般若波羅蜜経』を巡って 東洋学論叢30
渡邉 義浩 井田の系譜―占田・課田制の思想史的背景について 中国研究集刊37
渡邉 義浩 杜預の春秋長暦について 東洋研究155
渡邉 義浩 西晉における國子學の設立 東洋研究159
渡邉 義浩 杜預の左傳癖と西晉の正統性 六朝学術学会報6
渡邉 義浩 杜預の諒闇制と皇位繼承問題 大東文化大学漢学会誌44
早稲田大学長江流域文化研究所 訳注『後漢書』南蛮西南夷列伝訳注(3) 長江流域文化研究所年報3
五、隋・唐
赤木 崇敏 歸義軍初期敦煌の僧俗間の序列 東方学110
池平 紀子 『究竟大悲經』における衆生觀と太極 『三教交渉論叢』
磯部ひろみ 隋唐代における仏教の中国化の諸相 お茶の水史学49
伊吹 敦 『續高僧傳』に見る達摩系習禪者の諸相―道宣の認識の變化が意味するもの 東洋学論叢30
伊吹 敦 神会から馬祖へ―要説・中国禅思想史(5) 禅文化196
伊吹 敦 馬祖禅の成立と宗密の批判 要説・中国禅思想史(6) 禅文化197
伊吹 敦 馬祖禅成立の史的意義―要説・中国禅思想史(7) 禅文化198
伊吹 敦 初期の禅宗における経典注釈―『金剛蔵菩薩注』に関する研究の整理 『アジア文化の思想と儀礼』
石見 清裕 唐代凶礼の構造―『大唐開元礼』官僚喪葬儀礼を中心に 『アジア文化の思想と儀礼』
岩崎日出男 杜鴻漸撰述『金剛智三蔵和尚記』の逸文について 『アジア文化の思想と儀礼』
岩本 篤志 唐朝の医事政策と『新修本草』―李盛鐸将来本序例を手がかりとして 史学雑誌114
薄井 俊二 「天台山記」本文研究(前編) 科学研究費補助金研究成果報告書 国立国会図書館蔵「天台山記」の総合的研究
王 維坤 唐代乾陵陵寢制度的初歩探討 東方学報77
岡本洋之介 出處の意識について―權徳輿の場合 中国言語文化研究5
金岡 秀郎 『大唐西域記』の伝えるインド密教の萌芽 國學院雜誌106-11
河上麻由子 隋唐仏教の系譜 東アジアと日本2
気賀澤保規 静琬と房山雷音洞石經 明大アジア史論集10
古勝 隆一 韓愈の排佛論と師道論 『三教交渉論叢』
小林 正美 金籙齋法に基づく道教造像の形成と展開―四川省綿陽・安岳・大足の摩崖道教造像を中心に 東洋の思想と宗教22
小南 一郎 敦煌の孝子傳 『三教交渉論叢』
坂内 榮夫 『眞龍虎九仙經』の内丹思想 『三教交渉論叢』
砂山 稔 『九幽經』小攷―初唐における道教の代表的地獄經典 東方宗教105
砂山 稔 太清・太一と桃源・王母―杜甫と道教に関する俯瞰 『アジア文化の思想と儀礼』
妹尾 達彦 長安の憂愁―九世紀の転換 アジア遊学78
孫 路易 成玄英の「道」の再考 『三教交渉論叢』
橘川 智昭 唐初期唯識思想における<大乗>の把捉―種性説との関わりから 東洋文化研究7
高野 淳一 煩悩を如何に捉えるか―吉蔵と天台三大部の煩悩観・智慧観 集刊東洋学93
高橋 佳典 国忌法会を通じて見た唐代の仏教政策 『アジア文化の思想と儀礼』
田中 和夫 『毛詩正義』小雅「常棣」篇譯注稿 人文社会科学論叢14
田中 靖彦 唐代における三国正統論と『史通』―曹魏描写に込められた劉知幾の唐朝観 中国・社会と文化20
田中 良昭 敦煌の禪宗燈史―その出現の意義 東洋の思想と宗教22
谷口 匡 韓愈「鰐魚文」の位置 中国文化63
千田たくま 偽経『禅門経』の研究 禪學研究83
張 廣達 唐代漢譯摩尼教殘卷―心王、相、三常、四處・種子等語詞試釋 東方学報77
趙 景達 天道教の正統運動―異端と民衆の排除 歴史学研究808
程 正 俄藏敦煌文獻中に発見された禪籍について 禪學研究83
中鉢 雅量 北宗「五方便」と神會「五更轉」―唐代前期禪宗の民衆教化 東方宗教106
成瀬 隆純 善導二人説の再検証 『アジア文化の思想と儀礼』
野間 文史 五經正義讀解通論(1) 東洋古典學研究20
林 鳴宇 焼身供養略攷 (特集:古代東アジアの仏教) 東洋文化研究7
平井 宥慶 道氤の思想的位相 『アジア文化の思想と儀礼』
深澤 一幸 李商隱を茅山に導きし者 『三教交渉論叢』
藤井 京美 唐代士人の儒佛論に關する一孝察 『三教交渉論叢』
堀池 信夫 岱輿の真一について 國學院雜誌106-11
堀池 信夫 『玄珠録』の思想 『アジア文化の思想と儀礼』
馬淵 昌也 清涼澄観の安国批判をめぐって―初発心成仏と一生有望 (特集:古代東アジアの仏教) 東洋文化研究7
丸橋 充拓 唐宋變革期の軍禮と秩序 東洋史研究64
麥谷 邦夫 唐代封禅議小考 『中国文明の形成』
山崎 藍 六朝、唐代の厠観について―正と負の厠神 中国・社会と文化20
山下 將司 隋・唐初の河西ソグド人軍團―天理圖書館藏『文館詞林』「安修仁墓碑銘」殘卷をめぐって 東方学110
横倉 佳男 唐代の隷書(1)碑 若木書法4
吉村 誠 基の三転法輪説の解釈について 印度学仏教学研究53-2
吉村 誠 玄奘の弥勒信仰について 日本仏教学会年報70
吉村 誠 唯識学派の三転法輪説について 駒澤大学仏教学部論集36
礼記注疏研究班 礼記注疏檀弓篇訳注(十八) 中国学志20
六、宋・金・元
秋岡 英行 内丹劇初探 『三教交渉論叢』
吾妻 重二 近世儒教の祭祀儀礼と木主・位牌─朱熹『家礼』の一展開 『国際シンポジウム 東アジア世界と儒教』
吾妻 重二 近世宗族研究における問題点─祠堂・始祖祭祀・大家族主義 『宋─明宗族の研究』
吾妻 重二 宋代の景霊宮について─道教祭祀と儒教祭祀の交差 『斎醮の研究』(科研成果報告書)
飯山 知保 科挙・学校政策の変遷からみた金代士人層 史学雑誌114
石井 修道 大洪守遂の『仏祖三経註』の成立をめぐって 『アジア文化の思想と儀礼』
石田 憲司 元・明時代の全真教と正一教―「明代道教史上の全真と正一」の再考として 『アジア文化の思想と儀礼』
石野 幹昌 『五燈會元』訳註(2) 名古屋大學中國哲學論集4
市來 津由彦 朱熹『朱文公文集』跋文訳注稿(1) 東洋古典學研究20
宇佐美 文理 蘇東坡の信仰 『三教交渉論叢』
牛尾 弘孝 朱熹思想における心の工夫と豁然貫通―未発・已発説を理解するために 九州中国学会報43
大澤 顯浩 啓蒙と挙業のあいだ―伝統中国における知識の階層性 東洋文化研究7
小川 隆 禅の書物 禅の言葉 『碧巌録』雑考(11) 趙州万法帰一(2) 禅文化196
小川 隆 禅の書物 禅の言葉 『碧巌録』雑考(12) 趙州万法帰一(3) 禅文化197
小川 隆 禅の書物 禅の言葉 『碧巌録』雑考(13) 天平和尚兩錯(1) 禅文化198
恩田 裕正訳 『朱子語類』巻九十三訳注(6) 汲古47
恩田 裕正訳 『朱子語類』巻九十三訳注(7) 汲古48
何 俊・鈴木 弘一郎訳 宋元儒学の再構築と清初の思想史の歴史観―『宋元学案』全氏補本を中心とした考察 中国・社会と文化20
垣内 景子 『朱子語類』訳注(6)巻一一四・29条~45条 訓門人 明治大学教養論集390
甘 懷眞・奥村 佳代子訳 東アジア世界の冊封体制と儒教 『国際シンポジウム 東アジア世界と儒教』
木下 鉄矢 「事」「物」「事物」「事事物物」―朱熹の「致知在格物」解釈を理解するために 東洋古典學研究20
木下 鉄矢 「朱子学の位置」連載を終えるにあたり 東洋古典學研究19
木下 鐵矢 「命」と「令」―朱熹の「天命之謂性」解釋 東洋史研究64
金 文京 南宋における儒佛道三教合一思想と出版 『三教交渉論叢』
久保田 和男 北宋徽宗時代と首都開封 東洋史研究63
栗田 陽介 王安石の「超然」について 國學院雜誌106-11
元代の社會と文化研究班 『事林廣記』學校類(2)家禮類(1)譯注 東方学報77
小島 毅 二つの心―朱熹の批判、朱熹への批判 日本中国学会報57
呉 松弟・山崎 覚士訳 南宋における移民と臨安文化の変遷 東洋史論叢特集号(大阪市大)
呉 展良・佐藤 実訳 朱子の認識觀および認知方式の基本性質 『国際シンポジウム 東アジア世界と儒教』
小林 義廣 蔡襄の諭告文 名古屋大学東洋史研究報告29
近藤 正則 「包摂」の思想―程伊川哲学の特質 (特集中国学の現在) 國學院雜誌106
齋木 哲郎 蘇洵と『春秋』―史論の『春秋』化 鳴門教育大学研究紀要20
佐野 公治 禅におけることばの活用―禅録を読む 名古屋大學中國哲學論集4
椎名 宏雄 元代洞門の公案集『通玄青州二百問』 宗学研究47
塩 卓悟 宋代都市の食文化―兩宋交替期における北食・南食の展開 アジア遊学78
小路口 総 『朱子語類』巻一二四「陸氏」篇訳注(1) 東洋大学中国哲学文学科紀要13
高津 孝 科挙制度と中国文化 東洋文化研究(学習院大)7
土肥 克己 宋元時代の建陽と廬陵における分集本出版 東方学109
中尾 彌繼 陳與義の南渡 中国言語文化研究5
中島 楽章 宋元明移行期論をめぐって 中国・社会と文化20
名畑 嘉則 程頤『易傳』に見る「公」の思想 中国哲学33
二階堂 善弘 張虚靖と地祇鄷都法 關西大學文學論集54-3
野沢 佳美 元末明初における大蔵経印造と経鋪 立正史学98
西口 智也 郝敬の詩経観―「志・辞・声」論をめぐって 『アジア文化の思想と儀礼』
沼尻 俊裕 『韓文考異』における朱熹の校勘方法 大東文化大学漢学会誌44
平田 茂樹 政治史料から読み解く宋代の都市空間 アジア遊学78
舩田 善之 元代の命令文書の開讀について 東洋史研究63
本田 精一 前近代の技術の宣伝・解説書―中国『天工開物』と欧州『西洋事物起原』 アジア遊学78
松本 武晃 胡安國の『春秋』の筆法に關する解釋について―弑逆事件を中心に 東方学109
三浦 國雄 『玉樞經』の形成と傳播 東方宗教105
水越 知 元代の祠廟祭祀と地域社會―三皇廟と賜額賜號 東方宗教106
水野 実 王守仁と歌唱(歌詩) 『アジア文化の思想と儀礼』
宮 紀子 徽州文書新探―『新安忠烈廟神紀實』より 東方学報77
宮 紀子 徽州文書にのこる衍聖公の命令書 史林88
山田 無文 碧巌録提唱(6)第十一則 黄檗噇酒糟漢 禅文化196
山田 無文 碧巌録提唱(7)第十二則 洞山麻三斤 禅文化197
山田 無文 碧巌録提唱(8)第十九則 倶胝只竪一指 禅文化198
山寺 三知 朱熹「琴律説」における調弦法について 國學院雜誌106-11
横手 裕 道教における「本然の性」と「氣質の性」 『三教交渉論叢』
Peter K. Bol ・ 鈴木 弘一郎訳 地域史と後期帝政国家について―金華の場合 中国・社会と文化20
七、明・清
荒木 見悟 明末における永明延寿の影像 東洋古典學研究19
荒木龍太郎 耿天台の思想―親民の官は天下万世公共の身 活水論文集現代日本文化学科編48
石田 志穂 修煉される性 日本中国学会報57
石野 一晴 明代萬暦年間における普陀山の復興―中國巡禮史研究序説 東洋史研究64
井上 進 明代中期の出版と学術風気 名古屋大学東洋史研究報告29
稲畑 耕一郎 朱天目『憐心集』について 中国古籍文化研究3
稲畑 耕一郎 章学誠の史学原理 関西学院史学32
臼井 佐知子 明代徽州における族譜の編纂 『宋―明宗族の研究』
海野 一隆 世界民族図譜としての明代日用類書 汲古47
江尻 徹誠 陳啓源『毛詩稽古編』における詩序論について 日本中国学会報57
王 標 正当性はいかに造られたか 都市文化研究(大阪市大)5
大橋 由美 読段注 助辞ノート(1) 二松学舎大学論集48
岡崎 由美 弾詞『倭袍伝』の流通について 中国古籍文化研究3
小川 陽一 日用類書と明清文学―『風月機関』をめぐって 汲古47
奥崎 裕司 思想史上決定的意義のある明末 明清史研究2
片野 英一 東洋の学藝 十九世紀入華欧米人による『三字経』英訳について―Morrison・Bridgman・Giles・Eitelの「序文」に着目して 東洋文化94
藏中 進 『箋注和名類聚抄』と清朝学術(その2)王念孫『広雅疏証』をめぐって 東洋研究157
川勝 賢亮 明代江南士大夫仏教学流行と大蔵経開版 鴨台史学5
金 文京 『事林広記』の編者、陳元靚について 汲古47
合山 究 「情」の思想―明清文人の世界観 『アジア文化の思想と儀礼』
黒岩 高 清代中国社会に占める回儒の位置 中国・社会と文化20
佐藤 慎一 中国に宋近世説は存在したか?―清未知識人の宋代イメージ 中国・社会と文化20
佐藤 実 『天方性理』における聖人概念について 中国・社会と文化20
柴田 篤 『畸人十篇』研究序説 哲学年報65
下見 隆雄 藍鼎元『女學』の研究(8) 東洋古典學研究20
徐 氷 清末の中国教科書に見る日本人像 中国21・22
小路口 聡 良知心学の血脈―陸九淵・王陽明・王龍溪 陽明学17
辛 炫承 劉宗周の「修己」意識と社会秩序觀 中国哲学研究21
新宮 学 陳建『皇明資治通鑑』の禁書とその続編出版(一) 歴史・地理・人類学論集(山形大)6
陶 徳民 鄭孝胥與水野梅曉的交往及其思想初探―以霞山文庫所藏《使日雜詩》卷軸為線索 関西大学中国文学会紀要26
鈴木 眞 旗王家の繼承と新設―雍正朝の兩紅旗を例に 東方学109
關 清孝 譯註・翻譯 黄侃「爾雅略説」訓注(2) 大東文化大學中國學論集22
滝野 邦雄 清代八股文における八股(提股・出題・中股・後股)と收股について(1) 和歌山大学経済理論326
滝野 邦雄 清代八股文における八股(提股・出題・中股・後股)と收股について(2) 和歌山大学経済理論327
滝野 邦雄 清代八股文における八股(提股・出題・中股・後股)と收股について(3) 和歌山大学経済理論328
滝野 邦雄 清代八股文における八股(提股・出題・中股・後股)と收股について(4) 和歌山大学経済理論329
竹之内 美樹香 『紅楼夢』と五行思想―薛宝釵・林黛玉の人物像における「金」・「木」について 九州中国学会報43
谷井 俊仁 一心一徳考―清朝における政治的正當性の論理 東洋史研究63
谷井 俊仁 清乾隆朝にみる出版の権威性 人文論叢(三重大学)22
玉木 尚之 曹宗璠「駁声無哀楽論」を読む―「声無哀楽論」をめぐって(1) 東洋古典學研究20
田村 將 孔廣森『公羊通義』における經權説 中国哲学33
張 壽安:水上雅晴・田村將訳 「親親・尊尊」二系竝列の情理構造(上) 中国哲学33
陳 小法 策彦周良と明代道教 アジア遊学73
鶴成 久章 以て六尺の孤を託すべし―建文元年京闈と方孝孺 東洋古典學研究20
鶴成 久章 明代の『登科録』について 紀要(福岡教育大)54-1
鄭 吉雄・橋本昭典訳 戴震の共同体意識について 『国際シンポジウム 東アジア世界と儒教』
黨 武彦 方観承とその時代―乾隆期における一知識人官僚の生涯 東洋文化研究7
中 純夫 火葬をめぐる若干の問題について 『宋―明宗族の研究』
中嶋 隆藏 嘉興大藏經刻印の初期事情 日本中国学会報57
永冨 青地 最古の王守仁の伝記『王陽明先生図譜』について 『アジア文化の思想と儀礼』
永冨青地・水野実 『陽明兵筴』の基礎的研究(5) 人文社会科学研究45
中林 史朗 讀書會報告 『陔餘叢考』訓譯(卷六) 大東文化大学漢学会誌44
中村 聡 『天道溯原』訳註稿(2) 東洋大学中国哲学文学科紀要13
中村 喬 元から清初への食譜に於ける二つの系統(上) 立命館文學590
中村 喬 元から清初への食譜に於ける二つの系統(下) 立命館文學591
野間 文史 閻若璩『尚書古文疏證』演習(1) 東洋古典學研究19
野間 文史 閻若璩『尚書古文疏證』演習(2) 東洋古典學研究20
花登 正宏 明代における非坊刻本小学書の刊行について 中国語学文学論集(東北大)9
濱 久雄 明代における何楷の易学とその影響 東洋文化(無窮會)95
林 義強 「万国」と「新」の意味を問いかける―清末国学におけるエスペラント(万国新語)論 東洋文化研究所紀要147
間野 英二 十五・十六世紀、中央アジアにおける君臣儀禮(1)會見の儀禮 東方学109
三浦 秀一 明善・觀我・野同―明末における桐城方氏の家學とその繼承 東洋史研究64
三浦 國雄 『萬寶全書』諸夷門小論―明人の外國觀 大東文化大学漢学会誌44
水上 雅晴 清代知識人の游幕と科擧に關する初歩的考察 中国哲学33
水上 雅晴・金原 泰介 顧炎武『日知録』科擧編斠議(5)經義論策 中国哲学33
水上 雅晴・和田 敬典 趙翼『廿二史箚記』譯注―小引・卷一(上) 中国哲学33
水野実・永冨青地 現代語訳『陽明先生遺言録』(3) 防衛大学校紀要人文科学分冊90
森 由利亜 清朝全真教の伝戒と呂祖扶乩信仰―天仙戒現行本の成立をめぐって 『アジア文化の思想と儀礼』
范 金民・稲田 清一訳 明代の政治変遷下における南京経済 アジア遊学78
本多 道隆 明末話頭攷―紫柏真可にみる看話禅受容のありかた 東洋古典學研究19
本多 道隆 紫柏眞可の覺範慧洪顯彰とその周邊 日本中国学会報57
山本 進 清代東銭考 史学雑誌114
余 新忠・石野 一晴訳 清末における「衞生」概念の展開 東洋史研究64
吉尾 寛 中国・王朝国家の都市防衛のかたち―明朝最末期の北直隷、京師 アジア遊学78
余 英時・井澤 耕一訳 政治環境からみた朱子学と陽明学 『国際シンポジウム 東アジア世界と儒教』
劉 玉才・児島 弘一郎訳 16世紀から18世紀の中国における商人の活動と社会文化の変遷―江南地域を中心に 中国古籍文化研究3
Jerome Bourgon・寺田 浩明訳 アンシビルな対話―清代では法と慣習とがシビルローの中に融合しなかった件について 中国・社会と文化20
エスポジト・モニカ 清代道教と密教 『三教交渉論叢』
八、近現代
吾妻 重二 民国時期的“哲学”与“玄学”─以熊十力為中心 『第七届当代新儒家国際学術会議論文集』第一冊(武漢大学)
池田 智恵 「老北平」をめぐる旅―『北平歴史地図』について 中国古籍文化研究3
井澤 耕一・橋本 昭典訳 周予同注皮錫瑞『経学歴史』全訳(20)十 経学復盛時代(その4) 千里山文学論集73
井澤 耕一・橋本 昭典訳 周予同注皮錫瑞『経学歴史』全訳(21)十 経学復盛時代(その5) 千里山文学論集74
石川 洋 平等と嫉妬心 中国哲学研究21
稲畑 耕一郎 陳夢家の彷徨―キリスト者としての自覚のなかで 中国文学研究31
袁 丁・村田 省一訳 近現代の広東僑批業と香港―1940-50年代の広府華僑の僑匯業を中心に 孫文研究37
王 汎森・氷野 善寛訳 歴史と社会―中国近代史学の回顧 関西大学中国文学会紀要26
緒形 康 『思想課題としてのアジア』を読む 中国・社会と文化20
小野寺 史郎 民国初年の革命記念日―国慶日の成立をめぐって 中国・社会と文化20
加藤 祐三 近代国際政治と中華思想 中国・社会と文化20
川崎 ミチコ 『玉歴鈔伝』について(其の1) 東洋大学中国哲学文学科紀要13
川尻 文彦 梁啓超と「アメリカ」―1904年の「新大陸遊記」をめぐって 中国研究集刊37
北澤 紘一 康有為の華夷觀 日本中国学会報57
金 俊 康有為の人種觀 現代中国研究16
久保 純太郎・蒋 海波 荘政「孫文の諸名に関する論考」補遺 孫文研究38
厳 安生 近代中国知識人の三波にわたる来日・留学体験について 立命館文學590
小林 武 章炳麟の哲学思想と明治の厭世観―中江兆民訳『道徳大原論』を中心に 中国・社会と文化20
近藤 治 章炳麟の龍樹菩薩生滅年考について 鷹陵史学31
須藤 瑞代 梁啓超と「宝貝」思順―父・娘と女性論 中国・社会と文化20
関 浩志 英雄の形象化とその変容―新中国成立前後の劉胡蘭像を中心に 中国・社会と文化20
孫 江 「洋教」という他者―19世紀後半におけるキリスト教と中国社会 歴史学研究808
孫 宏雲・村上 衛訳 孫文「五権憲法」思想の変遷 孫文研究37
竹内 弘行 康有為『大同書草稿』訳注(5) 名古屋大學中國哲學論集4
武上 真理子 孫文とT.R.ジャーニガン―知的連鎖の発端と展開 孫文研究38
武上 真理子 孫文と南方熊楠―越境する知の対話 孫文研究38
竹本 規人 胡適の中国哲学史・思想史構造とその困難 中国哲学研究21
武永 尚子 張承志が求めたもの 二松学舎大学東アジア学術総合研究所集刊35
張 明輝 魏源の老子論及び老子思想と儒釈思想の異同 陽明学17
陳 雲 戦後日本の高度経済成長は社会思潮をどう変えたか―併せてその中日関係に対する影響について 中国21・22
陳 弱水・小野 泰教訳 「中華思想共有圏」についてのいくつかの見方 中国・社会と文化20
陳 昭瑛・山田 明広訳 連横『台湾通史』における「民俗」概念 『国際シンポジウム 東アジア世界と儒教』
手代木 有児 洋務世代知識人における西洋体験と文明観の転換(1) 商学論集(福島大学経済学会)74・2
戸井 久 「探檢」から「理想」へ―留學後期魯迅の科學思想 東方学109
野田 善弘 民国時期の東南大学について(下) 東洋古典學研究19
野田 善弘 中国の心理学について(2) 銭穆『現代中国学術論衡』訳注稿 新居浜工業高等専門学校紀要41
野間 信幸 『フォルモサ』創刊までの張文環 東洋大学中国哲学文学科紀要13
狹間 直樹 譚嗣同『仁學』の刊行と梁啓超 東方学110
狹間 直樹 劉學詢と孫文の関係についての一解釈 孫文研究38
樋口 勝 相対主義と絶対主義の相克―馮契と牧口常三郎の応戦 創大中国論集8
古田 博司 東アジアの近代の超克 中国・社会と文化20
丸山 宏 台南道教の醮事文検 『アジア文化の思想と儀礼』
水上 雅晴 『全上古三代秦漢三國六朝文』の編纂について 日本中国学会報57
山口 榮 胡適の『墨經新話』 藝林54-1
山田 明廣 道教の功徳儀禮の科儀について 『三教交渉論叢』
湯本 国穂 梁漱溟の思想と学校経営 法学論集(千葉大)20-3
吉澤 誠一郎 近代天津における廟会の変遷―媽祖信仰と皇会 アジア遊学78
吉澤 誠一郎 第1回「山口一郎記念賞」受賞講演 孫中山における民族主義と世界主義 孫文研究38
羅 崗・石井 剛訳 「近代化」への期待か、それとも「近代性」の憂いか?―「ウェーバーの翻訳」から見る1990年代以降の「西学想像」(上) 中国・社会と文化20
李 燕 現代中国の「陶行知研究」 創大中国論集8
ヴィーレン・ムーティ・小野寺 史郎 章大炎の初期思想 中国哲学研究21
九、琉球・朝鮮
大島 晃 朝鮮版晉州嘉靖刊本系統『北渓先生性理字義』五種対校略考 漢文學解釋與研究8
大谷 光男 朝鮮王朝時代の郷暦の暦注について―『朝鮮王朝実録』世祖3年・成宗6年記載 東洋文化(無窮會)95
川原 秀城 朝鮮18世紀後半期の「小学」教科書―裴相説の『書計瑣録』と朱子学の初等教育観 数理解析研究所講究録444
北澤 紘一 康有爲の華夷觀 日本中国学会報57
金 榮濟 近十年間の韓国における宋史研究動向 中国・社会と文化20
金 天鶴 義相系の華厳学における一乗義の特質 (特集:古代東アジアの仏教) 東洋文化研究7
崔 在穆 安淳煥の鹿洞書院と「朝鮮儒教會」を通じてみた一九三〇年代韓国の儒教復興運動 『国際シンポジウム 東アジア世界と儒教』
辛 賢 韓国における近十年間の兩漢研究 『兩漢の儒教と政治権力』
丁 永根・佐藤 厚訳 新羅唯識学の宗教的志向 (特集:古代東アジアの仏教) 東洋文化研究7
中 純夫 朝鮮陽明学研究史に関する覚え書き 京都府立大学学術報告人文・社会57
中 純夫 白下尹淳緒論―初期江華学派の研究 青丘学術論集25
野崎 充彦 文化と朝鮮の「発見」 文学6-6
山内 弘一 朝鮮儒教と書院(其之三) 漢文學解釋與研究8
楊 曉文 豐子愷と厨川白村 日本中国学会報57
李 明輝・井澤 耕一訳 李退渓と王陽明 『国際シンポジウム 東アジア世界と儒教』
渡辺 美季 清に対する琉日関係の隠蔽と漂着問題 史学雑誌114
十、日 本
足立原 貫 異なるものが異なったまま共存するために―中国における「日本研究」を研究するに当たって アジア遊学72
阿部 光麿 伊藤仁斎の修養論にみる二つの側面 早稲田大学大学院文学研究科紀要50
有馬 卓也 岡本韋庵関係資料(1) 徳島大学国語国文学18
有馬 卓也 岡本韋庵『大日本中興先覚志』訳註(その1) 言語文化研究12
飯塚 修三 岩橋善兵衛の「平天儀」・「平天儀図解」と中井履軒の「天図」・「天体図解」 懐徳73
飯塚 修三 和蘭全躯内外分合図と越俎弄筆 懐徳74
池澤 一郎 岡本綺堂の漢詩と俳句 國學院雜誌106-11
泉 敬史 春桃原をめぐる考察 アジア遊学73
井上 了 荻生徂徠『度量衡考』に対する中井履軒『雕題』について 懐徳堂センター報2005
井上 了 中井履軒の『春秋』観 懐徳73
井上 了 中井履軒『越俎戴筆』に見える門脈とゲール管について 懐徳74
岩井 茂樹 明のまなざしと東アジア 明代中国の礼制覇権主義と東アジアの秩序 東洋文化85
内山 知也 講演 蒲生重章の漢文小説 斯文113
内山 知也 斯文会所蔵書画軸解説(その14) 斯文113
宇野 精一 随想 孔子祭に関すること、戦後直後の斯文會 斯文113
臼田 真佐子 狩谷棭斎『説文検字篇』所載の字書 お茶の水女子大学中国文学会報24
大久保 良峻 台密諸流の形成 『アジア文化の思想と儀礼』
奥村 佳代子 江戸時代における唐話資料と「白話風」小説―『訳家必備』、『忠臣蔵演義』と『海外奇談』 関西大学中国文学会紀要26
大谷 光男 貞享暦法の具注暦(陰陽書)について 東洋研究155
王 勇 中国の鍾馗と日本の鍾馗―画像イメージの比較を中心に アジア遊学73
王 麗萍 入宋僧成尋と道教 アジア遊学73
大木 康 江戸と明の小説と図像をめぐって 東洋文化85
大島 晃 羅山長子林叔勝(先学の風景―人と墓) 漢文學解釋與研究8
大谷 雅夫 講演 伊藤仁斎の詩歌と学問 ビブリア天理図書館報124
加藤 陽介・高橋 智 永青文庫所蔵林羅山自筆訓読『史記』とその周辺―『史記』訓読研究の新出資料 汲古47
菊地 誠一 進鴻溪の思想と詩風―『鴻溪遺稿』の詩文を中心として 陽明学17
金 天鶴 平安時代の私記『華嚴宗立教義』の研究 東方学109
黄 昭淵 徳川日本と朝鮮における道教の受容―『為善陰隲』の受容をめぐって アジア遊学73
黒田 秀教 懷德堂学派葬祭説の来源―『葬祭私説』主面書式を手掛かりにて 待兼山論叢39
江 静・呉 玲 『喫茶養生記』に見られる道教文化の影響に関する試論 アジア遊学73
黄 俊傑・中尾 一成訳 荻生徂徠の『論語』解釈における三つの軸―政治学としての経書解釈学の特色 『国際シンポジウム 東アジア世界と儒教』
河野 貴美子 善珠撰述仏典注釈書における老荘関係書の引用 アジア遊学73
合山 林太郎 野口寧斎の前半期―明治期における漢詩と小説 東洋文化(無窮會)95
後藤 昭雄 平安朝漢文学における神仙思想の受容 アジア遊学73
小曽戸 洋 講演 恩賜神農像と矢数道明先生 斯文113
小林日出夫 二松学舎困窮期の那智佐典先生 (那智惇斎特集) 陽明学17
子安 宣邦 近代日本の国家形成と儒教 『国際シンポジウム 東アジア世界と儒教』
近藤 正則 『言志四録』の「識量」 東洋文化 (無窮會)95
近藤 正則 佐藤一斎「言志四録」の養生説 岐阜女子大学地域文化研究22
近藤 正則 佐藤一斎の教育・風土論 岐阜女子大学紀要34
蔡 振豊・城山 陽宣訳 伊藤仁齋と荻生徂徠の『中庸』注解―その思想史的意義 『国際シンポジウム 東アジア世界と儒教』
坂口 筑毋 明治漢詩文と翻訳文学の「近代性」―重野桜西の場合 東洋文化(無窮會)95
佐野 大介 孝子義兵衛関連文献と懐徳堂との間 附翻刻 懐徳堂センター報2005
坂田 進一 柴野栗山琴系図(1) 斯文113
坂出 祥伸 京都の寺社と道教―八坂庚申堂・大将軍八神社・大日本大道教 大法輪72
坂出 祥伸 道教と日本の宗教文化 (特集 論点 日本宗教秘史) 歴史読本51-5
清水 裕子 物観本明律の底本問題に関する一試論 東洋文化85
菅沼 晃 私の研究と東洋大学 東洋学論叢30
鈴木 望 甫庵本『信長記』に引用されたる足利義昭の漢詩―その偽作説について 東洋文化(無窮會)95
瀧瀬 尚純 荷澤神会と大珠慧海 禪學研究83
竹田 健二 第二次北山文庫「懐徳堂年譜」について 懐徳堂センター報2005
武田 時昌 近代の前史としての江戸 江戸初期和算書の情報源―八算見一の珠算算法をめぐって 東洋文化85
竹村 牧男 道元における禅的実存の理路 東洋学論叢30
田戸 大智 濟暹における密教行位説 東洋の思想と宗教22
立石 展大 日中「猿の生き肝」の比較研究 國學院雜誌106-11
塚越 義幸 『俳諧類船集』と中国古典―『古文真宝』を中心に 國學院雜誌106-11
土田 健次郎 浅見絅斉の伊藤仁斎批判―『語孟字義弁批』を中心に 『アジア文化の思想と儀礼』
土田 健次郎 日本における宋明思想研究の動向 日本思想史学37
土田 健次郎 朱子学の正統論・道統論の日本への展開 『国際シンポジウム 東アジア世界と儒教』
土田 健次郎 仁斎先生の漢文修行 新しい漢字漢文教育40
土屋 洋 清末の修身教科書と日本 史林88
陶 徳民 鄭孝胥與水野梅曉的交往及其思想初探―以霞山文庫所藏《使日雜詩》卷軸為線索 関西大学中国文学会紀要26
陶 徳民 教育宗教衝突論争の背景に対する再考―井上哲次郎の『敬宇文集』批評を手がかりに 『国際シンポジウム 東アジア世界と儒教』
陶 徳民 黒船のもたらした広東人旋風―羅森の実像と虚像 神戸大学現代経営学シリーズ1
東儀 俊美 宮中祭祀と雅楽―鎮魂祭を中心に アジア遊学73
長尾 直茂 諸葛孔明批判論とその本邦における受容をめぐる一考察 斯文113
名和 敏光 翻刻『史記雕題』(6) 山梨県立女子短期大学紀要38
二松学舎大学宋明資料輪読会 顧憲成『小心斎箚記』巻一訳注(4) 陽明学17
巴 新生・上田 武訳 西周の”徳”と孔子の”仁”―中国伝統文化における汎血縁意識の特徴初探 東洋文化研究7
濱 久雄 那智惇斎の学問と思想 (那智惇斎特集) 陽明学17
平勢 隆郎 江戸のまなざしと中国古代 江戸と中国古代を考える 東洋文化85
平沢 卓也 山王の受戒―中古天台における神祇觀の一斑 東洋の思想と宗教22
藤居 岳人 中井履軒『論語逢原』に見える聖人観 懐徳堂センター報2005
藤居 岳人 中井履軒の性論と気稟論と―『論語逢原』を中心に 懐徳73
藤居 岳人 中井履軒の性善説―『論語逢原』に見える「習」「蔽」の語を中心に 懐徳74
藤田 琢司 『元亨釈書』訳注(1) 南天竺菩提達磨伝 禅文化196
藤田 琢司 『元亨釈書』訳注(2) 元興寺道昭伝 禅文化197
藤田 琢司 『元亨釈書』訳注(3) 北天竺善無畏伝 禅文化198
前川 正名 西村天囚の楚辞学 國學院雜誌106-11
増尾 伸一郎 津田左右吉「天皇考」とその改稿 『アジア文化の思想と儀礼』
水上 雅晴 近藤重藏と清朝乾嘉期の校讐學 北海道大学文学研究科紀要117
三田村 圭子 道教経典における図像解釈の可能性―道教美術・神道美術との関連に注目して 『アジア文化の思想と儀礼』
三橋 正 密教儀禮から神道論へ 東洋の思想と宗教22
南谷 美保 雅楽と神仙思想との結びつき―琴という楽器をめぐって アジア遊学73
村山 吉廣 講演 古賀茶溪―最後の儒者 斯文113
村山 吉廣・上木 みつ 安積艮齋撰文「大屋士由墓碑」、「小鹿野碑」解題並びに訳註〔含 採択記〕 斯文113
矢崎 浩之 和田宗允小論―林門と神道 東洋の思想と宗教22
柳澤 正志 實導仁空の淨土教學―特に天台教學との關わりを中心に 東洋の思想と宗教22
矢羽野 隆男・湯城 吉信・井上 了他 中井履軒『昔の旅』翻刻訳注および解説 懐徳堂センター報2005
湯城 吉信 中井履軒の宇宙觀 日本中国学会報57
湯城 吉信 中井履軒『華胥囈語』翻刻・解説 懐徳堂センター報2005
湯川 敬弘 西周の思索における哲學的理と宋學の理 漢文學解釋與研究8
横須賀 司久 那智佐典先生に就いて (那智惇斎特集) 陽明学17
吉田 公平 二松学舎の陽明学―山田方谷・三島毅・三島復・山田凖 陽明学17
吉田 公平 二松学舎の陽明学―山田方谷・三島毅・三島復・山田凖 陽明学17
吉田 公平 東正堂の藤樹後学資料の書写 井上円了センター年報14
吉田 公平・森 博 村上作夫の『東遊日記』について 東洋古典學研究19
吉田 公平 夏目漱石と心学―『門』に登場する『菜根譚』を手がかりに 東洋古典學研究20
吉原 浩人 大江匡房『忙校不如閑詩序』訳註 アジア遊学73
吉原 浩人 熒惑星の歌―『聖徳太子伝暦』九歳条をめぐる言説の背景と展開 『アジア文化の思想と儀礼』
米山 俊直 えびす信仰と道教 アジア遊学73
十一、書誌学
井上 了 懐徳堂文庫資料解題(19) 懐徳堂センター報2005
井上 了 龍野文庫蔵懐徳堂関係文献簡介(二) 共同研究報告書『懐徳堂文庫の研究2005』
海野 一隆 利瑪竇『坤輿万国全図』の諸版 東洋学報87-1
尾崎 正治 思渓版蔵経に見える欠筆と刻工―六十華厳を中心にして 『アジア文化の思想と儀礼』
小林 正美 文獻目録道教關係著書論文目録(2004(平成16)年) 東方宗教106
紺野 達也 明活字本『欧陽文忠公帰田録』について 中国古籍文化研究3
坂出 祥伸 中国日用類書解題の再補遺―大谷大学所蔵「明代日用類書」三種など 汲古47
佐野 大介 『蒙養篇』諸本間の異同について 附校合記 懐徳73
篠原 豊和・冨増 健太郎 禅学関係雑誌論文目録(2000年) 禪學研究83
曾 貽芬・崔 文印・山口 謠司他訳 『中國文獻學史述要』『永樂大典』について 大東文化大学漢学会誌44
高橋 智 中国古籍流動史の確立を目指して 中国古籍文化研究3
高橋 智・筒井 利子 天文版論語 天文2年跋刊 阿佐井野版 初印 Medianet12
高橋 智 故宮博物院と国家図書館(台北) ― (東アジアの資料学) 文学6-6
高橋 均 鎌倉時代写「論語集解」断簡について(下) 中国文化63
舘野 正美 中神琴溪引史書考―その医学思想についての文献学的概観 中国語中国文化3
成瀬 哲生 抽禁処分と『虞初新志』―異本新考 新しい漢字漢文教育40
細谷 良夫 『平定三逆方略』の編纂と『平定三逆方略』稿本 アジア流域文化論研究1
三澤 勝己 準漢籍という用語について 國學院雜誌106-11
山口 謠司 紹介 本邦漢籍目録圖録及び解題編書目 附本邦漢籍目録書目補遺並びに追加 中國文學報70
山口 謠司 大東文化大學圖書館所藏漢籍分類目録(易部)附國書易類分類目録 大東文化大学漢学会誌44
山口 謡司 『秘府略』紙背の『尚書』について 東洋文化(無窮會)95
湯城 吉信 大阪府立中之島図書館所蔵懐徳堂関係資料目録 中国研究集刊37
劉 玉才・稲畑 耕一郎訳 早稲田大学図書館所蔵の『後村居士集』の版本について 中国古籍文化研究3
若槻 俊秀・尾崎 正治 漢籍善本紹介―大谷大学図書館博物館(3) 新しい漢字漢文教育40
渡部 れい子 明銅活字本『曹子建集』十巻について 中国古籍文化研究3
懐徳堂関係研究文献提要(22) 懐徳73
十二、その他
荒牧 典俊 追悼 長尾雅人先生への弔辭 東方学110
安 大玉 東アジア学のもう一つの模索―韓国における中国学研究の歴史と風土 (特集シノロジー古典中国学の現在) 中国21・23
池田 温 追悼 ミシェル=スワミエ教授 東方学109
池田 知久・谷中 信一 第三囘中國出土資料國際會議參加報告 東方学109
池田 知久 蘭陵 荀子墓探訪記 大東文化大学漢学会誌44
石川 三佐男 書評・家井眞著『詩経の原義的研究』 二松学舎大学人文論叢75
石田 秀實 書評・新刊紹介 舘野正美『吉益東洞『古書醫言』の研究』 東方宗教105
伊藤 一彦 戦後日本における中国イメージの変遷 中国21・22
伊東 貴之 「歴史」と相渉る、開かれた主体形成の倫理へ―孫歌『アジアを語ることのジレンマ-知の共同空間を求めて』を読む 政治思想学会会報18
井上 了 先秦思想曁出土文献国際青年学者学術研討会」に参加して 中国研究集刊39
岩崎 日出男 紀州の漢学 新しい漢字漢文教育41
岩月 純一 近代ベトナムにおける「国語」と「漢字」の関係 『国際シンポジウム 東アジア世界と儒教』
岩間 一弘 書評・坂元ひろ子『中国民族主義の神話―人種・身体・ジェンダー』 歴史学研究803
宇佐美 文理 インターネット (特集シノロジー古典中国学の現在) 中国21・23
岡部 達味・厳 安生・劉 傑他 座談 相互イメージのなかの日中関係 中国21・22
大形 徹 書評・新刊紹介 山里純一『呪符の文化史』習俗に見る沖縄の精神文化 東方宗教105
大川 俊隆 書評・資料の限界性に立ち向かう方法論―福田哲之著『説文以前小学書の研究』 創文479
大川 俊隆・張替 俊夫・田村 誠 『算数書』研究会訪中報告記 大阪産業大学論集人文科学編115
大沼 宜規 明治前期における歴史考証とその淵源―「経済有用」の系譜 季刊日本思想史67
小川 陽一 Book Review 沖縄の生活文化―古文書と実地調査から―三浦國雄著『風水・暦・陰陽師―中国文化の辺縁としての沖縄』 東方293
桂 紹隆 追悼 世界を驅けめぐった佛教學者、長尾雅人先生の思い出 東方学110
狩野 直禎 追悼文 村上嘉實先生を偲ぶ 東方宗教105
亀田 勝見 中国古典学とコンピュータ―WindowsXPマシンにおける身近な活用事例 (特集シノロジー古典中国学の現在) 中国21・23
川原 秀城 Book Review 刺激に溢れる主気的論文集―坂出祥伸先生退休記念論集刊行会編『中国思想における身体・自然・信仰―坂出祥伸先生退休記念論集』 東方294
菊地 章太 Book Review 老荘こそが諸悪の根源―Jean-Francois Billeter『Lecons sur Tchouang-tseu』ビユテ著『荘子講義』 東方298
菊地 章太 書評・新刊紹介:ビユテ著『莊子講義』 東方宗教106
木島 史雄 天南地北 中国古典学と聖書解釈学―齟齬と不合理の恩沢について 中国21・23
岸本 美緒 世界史Q&A 明清時代に中国に流入した銀の量と、それが結局どこにいったのかを教えてください 歴史と地理584
金 文京 書評・新刊紹介:野口鐵郎・田中文雄編『道教の神々と祭り』 東方宗教106
金 鳳珍 書評・岡本隆司『属国と自主のあいだ―近代清韓関係と東アジアの命運』 歴史学研究808
工藤 元男 Book Review 民俗学と中国古代史研究―桐本東太著『中国古代の民俗と文化』 東方287
工藤 元男 書評・正史刑法志と出土資料のあいだ―内田智雄編『訳注 中国歴代刑法志』・『訳注 続中国歴代刑法志』の復刊によせて 創文479
窪 徳忠・池田 温・赤池 憲昭他 座談會 學問の思い出―窪徳忠博士を圍んで〔含 窪徳忠博士略歴,著述目録〕 東方学110
小坂 眞二 六壬式占の十二籌法と陰陽道(1)神祟の指方の諸社の占定占を巡って 東洋研究159
小坂 眞二 六壬式占の伏吟課・反吟課と陰陽道 東洋研究155
昆野 伸幸 平泉史学と人類学 季刊日本思想史67
齋藤 道子 書評・桐本東太『中国古代の民俗と文化』 歴史学研究802
酒井 忠夫 「中国日用類書集成(汲古書院出版)」の完結に当って 汲古47
佐藤 将之・佐野 大介・井上 了他 座談会 日本の中国思想研究者が国際舞台に出るために―「出土資料と先秦思想」青年学者国際シンポジウムに参加して 中国研究集刊39
佐藤 将之 中国思想研究分野における若手研究者国際化への戦略と方法―「出土資料と先秦思想」青年学者国際シンポジウムを企画運営して 中国研究集刊39
佐藤 将之・橋本 秀美・陳 捷他 座談 彼の国の中国学、この国の学者たち (特集シノロジー古典中国学の現在) 中国21・23
佐藤 実 史料紹介・中国のイスラーム漢籍について―劉智の著作を中心に 歴史と地理581
澤田 多喜男 Book Review 儒教官学化をめぐる論争に対する創見―福井重雄著『漢代儒教の史的研究―儒教の官学化をめぐる定説の再検討』 東方294
柴田 昇 書評・血族と歴史の原像―高木智見著『先秦の社会と思想―中国文化の核心』を読む 名古屋大学東洋史研究報告29
島薗 進 第十九囘國際宗教學宗教史會議世界大會を振り返って(内外東方學界消息(109)) 東方学110
下定 雅弘 Book Review 沈約評価に投じられた貴重な一石―稀代麻也子著『『宋書』のなかの沈約―生きるということ 東方289
蒋 海波・中村 元哉 学界消息「紀念中国同盟会成立100周年曁孫中山先生逝世80周年国際学術討論会」(南京)参加記 孫文研究38
末永 高康 出土文物とシノロジー―思想史研究の現場から (特集シノロジー古典中国学の現在) 中国21・23
砂山 稔 海外學界動向 IAHR世界大會道教パネル報告 東方宗教106
砂山 幸雄 書評・近藤邦康著『毛沢東―実践と思想』 中国21・23
高井 潔司 中国メディアの中の日本のイメージ 中国21・22
高津 孝 米国の中国出版文化史研究 中国・社会と文化20
高橋 文治 書評・森田憲司著『元代知識人と地域社會』 東洋史研究63
高橋 智 Book Review 版本学の粋、そして古籍流動史へ―陳先行編『伯克莱加州大学東亜図書館中文古籍善本書志』 東方297
高綱 博文 Book Review 日本側の史料を発掘した宋教仁研究―片倉芳和著『宋教仁研究―清末民初の政治と思想』 東方292
陳 力 〈中国印刷史〉の研究について―米山寅太郎「図説中国印刷史」発刊に際して 汲古47
寺前 直人 書評・前川和也・岡村秀典編『国家形成の比較研究』 史林88
堤 保仁 追悼文 思い出すことども―村上嘉實先生追悼 東方宗教105
陶 徳民 従衛三畏档案看一八五八年中美之間的基督教弛禁交渉 或問9
冨谷 至 書評・福井重雅著『漢代儒教の史的研究―儒教の官學化をめぐる定説の再檢討』 東洋史研究64
豊岡 康史 新刊紹介 西里喜行著『清末中琉日関係史の研究』(東洋史研究叢刊66) 史学雑誌114
中島 隆博 壁を通り抜けること―ドゥルーズと中国 超域文化科学紀要10
中島 隆博 ハーヴァード・イェンチン研究所―沿革と現状 (内外東方學界消息(109)) 東方学110
中嶋 幹起 第一囘國際滿洲ツングース言語文化學術會議及び第二囘國際ツングース言語文化學術會議 東方学109
中野目 徹 同時代史としての近代―三宅雪嶺『同時代史』の世界を読む 季刊日本思想史67
中前 正志 蝉丸仙人説の開花―『本朝列仙傳』贅注 東方宗教106
中村 士 狩野亨吉の天文暦学書蒐集と天文学者平山信との親交 東洋研究155
成家 徹郎 国際会議レポート殷商文明国際会議2004(上)商代史における洹北商城の位置付け 東方288
成家 徹郎 国際会議レポート殷商文明国際会議2004(下)夏商周年代確定プロジェクトと甲骨学者の「貢献」 東方289
二階堂善弘 中国のインターネット事情―現状と課題 情報の科学と技術55-1
西脇 常記 ドイツ中国学 (特集シノロジー古典中国学の現在) 中国21・23
野間 文史 日本―(概説/入門書/研究概要の刊行) (特集シノロジー古典中国学の現在) 中国21・23
濱 久雄 山田方谷の藩政改革とその思想的背景 東洋研究159
橋本 秀美 中国「学」の伝統 (特集シノロジー古典中国学の現在) 中国21・23
橋本 秀美 中国―(概説/入門書/研究概要の刊行) (特集シノロジー古典中国学の現在) 中国21・23
早川 万年 津田左右吉の「史料批判」について 季刊日本思想史67
林田 明大 講演 陽明学に学ぶ『小信を重んじる』生き方 二松学舎大学東アジア学術総合研究所集刊35
林田 剛 探訪 熊本の漢学 新しい漢字漢文教育40
平勢 隆郎 Book Review 世紀の著作『新探 中国文明の起源』を読む―蘇秉琦著/張名聲訳『新探 中国文明の起源』 東方298
福井 文雅 最終講義・出遇いこそ、すべて 東洋の思想と宗教22
帆刈 浩之 書評・余新忠著『清代江南的瘟疫與社會―一項醫療社會史的研究』 東洋史研究64
堀池 信夫 書評・「開かれた朱子学」の世界―吾妻重二著『朱子学の新研究』を読む 創文475
堀池 信夫 書評・新刊紹介 理性を越えて―石田秀實『氣のコスモロジー』をめぐって 東方宗教105
前山 加奈子 読書案内:近代中国女性史への案内書 歴史と地理586
牧野 元紀 ベトナムにおける「シノロジー」の現在―漢字の復権? (特集シノロジー古典中国学の現在) 中国21・23
間嶋 潤一 追悼文 今井宇三郎先生を偲ぶ 東方宗教106
松田 孝一 書評 杉山正明著『モンゴル帝國と大元ウルス』 東洋史研究63
松本 浩一 書評・新刊紹介:大形徹・坂出祥伸・頼富本宏編『道教的密教的辟邪呪物の調査・研究』 東方宗教106
真辺 将之 近代啓蒙主義的歴史観と歴史的個体性―西村茂樹の歴史認識 季刊日本思想史67
水野 正好 Book Review 今なお息づく東アジア世界の「呪的環境」を再発見―大形徹・坂出祥伸・頼富本宏編『道教的密教的辟邪呪物の調査・研究 東方295
麥谷 邦夫・小南 一郎 海外學界動向 京都大學人文科學研究所創立七十五周年記念 中國宗教文獻研究國際シンポジウム 東方宗教106
村上 信明 Book Review 中国における文書史料学の集大成―裴燕生・何庄・李祚明・楊若荷編著『歴史文書』 東方287
村田 忠禧 中国学術情報データベース(CNKI)を使ってみて 東方289
森 由利亞 海外學界動向 「全眞道傳承與開創國際學術檢討會」参加記 東方宗教105
森 由利亞 文化に育まれる知―福井文雅教授の御退職に寄せて 東洋の思想と宗教22
溝口 雄三・孫 歌・小島 毅 人と学問 溝口雄三氏を囲む鼎談 開かれた東アジア研究に向けて―文脈と主体 中国・社会と文化20
守岡 知彦 漢字処理 (特集シノロジー古典中国学の現在) 中国21・23
山口 輝臣 大正時代の「新しい歴史学」―日本文化史という企て、和辻哲郎と竹岡勝也を中心に 季刊日本思想史67
山下 克明 陰陽道の宗教的特質 東洋研究159
山田 俊 書評・中嶋隆藏著『雲笈七籤の基礎的研究』 集刊東洋学93
山田 利明 書評・野口鐵郎・田中文雄編『道教の神々と祭り』 學鐙102-2
吉田 公平 漢字文化圏に於けるエゴイズムの問題 倫理学年報54
吉田 隆英 書評・新刊紹介 可兒弘明『民衆道教の周邊』 東方宗教105
吉原 浩人 海外學界動向 「道教と日本文化」國際シンポジウム報告 東方宗教105
李 承律 史料紹介・古代人が書いた中国古代王朝史―楚簡研究のすすめ 歴史と地理584
劉 建輝 日本で作られた中国人の「自画像」 中国21・22
若松 大祐 中国学在台湾―本国研究あるいは外国研究? (特集シノロジー古典中国学の現在) 中国21・23
渡辺 浩平 「歴史」「民族」に立ちすくむ企業 中国21・22
渡邉 義浩 情報の海へ―CNKIカードの利用 東方294
渡邉 義浩 二千年の定説を覆す―福井文雅著『漢代儒教の史的研究』 兩漢の儒教と政治権力』
Viviane Alleton フランスにおける中国学研究 (特集シノロジー古典中国学の現在) 中国21・23
福井文雅教授 主要著作目録 東洋の思想と宗教22
福井文雅教授略歴 東洋の思想と宗教22
山根幸夫先生追悼文集 汲古48
十三、補 遺
間嶋 潤一 鄭玄の「豳の三体」の解釈(下)―『周礼』「春官・籥章」注と『毛詩』「豳風・七月」箋 香川大学国文研究29
コメント
はじめに
学界展望「哲学」の研究動向の年度(一月~一二月)報告が復活して五年目となり、本年から二年間、担当校三代目を指命された。初代と二代目はこの企画の立ち上げということでもあり、たいへんなご負担であったと思うが、今後、組織が動ける機関は持ち回りでどこも担当の可能性があるという意味で、あまり緊張せずに任を務めることとしたい。
さて、目録には単行本約百八十点(再刊書も一部含む)、論文約七百五十点があがった。純粋の「哲学」部門に加えて、研究者の日本国内の所属でいえば「史学」「宗教学」など、関連する分野のものをも多く採録する。どこまで採るかの加減が難しく、大いに悩んだことをまず告白する。以下、「(中国)哲学」の立場から単行本を中心として二〇〇五年度の動向をみていくが、単行本も、一般書、教科書的なものから研究書まで多様である。ここでは、一部に概説書的なものも含むが、もとより学術動向の報告なので研究書を中心にとりあげる。論文と単行本とでいえば、萌芽的研究は論文にあらわれるが、狭い意味での専門分野以外のものについては論文傾向といったことは語りにくく、課題を特に投げかけると思われるもの以外は論究を控え、あとは目録をご覧いただくこととしたい。報告コメントはいわば付録で、展望の基本は目録にあり、以下は、担当者の興味の向くままにこの膨大多様な研究のほんの一角にふれただけのものであることをお断りしておく。
その単行本の研究傾向を、以下、報告したいが、単行本目録をみると、顕著な成果が出ている分野として、研究の方法からみて、①出土資料を用いた古代思想の研究、②主として現地調査による新資料に基づく宗教、民間信仰、習俗研究、③日本留学あるいは日本在住の中国人研究者による思想文化に関わる近代中日交渉の研究などが目につく。古代と近代、そして現地調査による研究が活発なところに、日本の中国学(哲学部門)が置かれている、国際化の日常化という研究環境の現在的問題が反映している。
その国際化という現在的状況を象徴する座談会記録(と関連記事)が、学術研究誌に年末(二〇〇五年)に三件立て続けに載り、研究ということにとって喚起される課題がそこにあるように思われたので、少しく長くなるが、はじめにふれておきたい。
その一は、大阪大学中国哲学研究室編の『中国研究集刊』第三九号の、佐藤将之他「座談会 日本の中国思想研究者が国際舞台に出るために」である。同誌掲載の関連論文の佐藤将之「中国思想研究分野における若手研究者国際化への戦略と方法」も参照のこと。座談会は、台湾大学哲学系に所属される佐藤氏が台湾でコーディネィトした「出土資料と先秦思想研究」青年国際学術シンポジウムに参加した日本の若手研究者の体験反省の討論会、佐藤論文は、シンポジウム企画を今後に生かすためのマニュアル的な報告である。両記事を併せて佐藤氏は、日本の中国思想史研究が国外で顧られていないという危機意識を持ち、国際的な発表の場で共通語としての中国語で研究を発信していく必要性を訴える。
その二は、愛知大学現代中国学会の『中国21』第二三号、特集「シノロジー(古典中国学)の現在」の座談会「彼の国の中国学、この国の学者たち」である。木島史雄氏が司会をし、日本の国文学資料館の陳捷氏、武蔵野大学の陳継東氏ら、中国で学び始め日本で研究・教育に携わる中国人研究者と、台湾大学の右記佐藤氏、北京大学歴史系の橋本秀美氏ら、日本で研究を始めて台湾と中国で研究・教育に携わる日本人研究者という、中国古典学分野ながら日本と中国の各母語社会ではない国の機関に所属して活動する研究者が日中双方の研究の特質をクロスして語り合うという企画であり、またライデン大学で学位を取得されたという佐藤氏がヨーロッパの中国学事情をも語り、刺激的な対談となっている。なお、同誌この号特集の他の記事も、各国の中国学事情が分担執筆されていて参考になる。
インターネットと電子メールの使用により地球の時間空間の隔たりや国境と分野の壁がなくなってきて、日本一国「中国学」といった世界に閉じこもることはもはやできなくなっている。その中で両誌の対談は、中国あるいは欧米の中国文化研究に対する日本の中国学の特質と役割を問い直すことにわれわれをいざなう。中国の中国学は、日本で言えば日本学、極端な言葉では「国学」にもあたる自(国)文化研究であり、研究志願者が絶えることはなかろう。欧州や米国の中国学は、世界で影響力を増大させていく中国のその文化的根源について、他(国)文化(異文化)研究の視線から関心をはらい続けるであろう。これらに対し日本の研究はどういう立場にあり、次世代の人は何に惹かれてこの分野に参与するのか。このように問うときに、古典的ながらあらためて問題になるのが、特に中国文言文(漢文)資料の解読に日本の中国学(特にわが哲学部門)がいわゆる漢文訓読という技法を伝統的に使用してきたことである。中国語の運用能力習得が研究の当然の出発点である中国文学・語学分野からすれば、この漢文訓読法は、資料解読にあたり中国語による解読から切り離すのか併用するのかという問題としてさしあたり立ち現れる(昨年度の門脇廣文氏「学界展望(文学)」参照)。しかし思想史、思想文化学の、特に古典学分野では、伝統的に訓読法を文言文資料解読の柱としてきており、右記の国際化の中でこのことをどう位置づけるのかが、より強く問われる。
この問いを深める論議として読むことができそうなのが、座談会記録のその三、『文学』11・12月号の特集「東アジア―漢字文化圏を読み直す」の、荒野泰典、金文京、増尾伸一郎、小峯和明各氏による特集タイトル同名の座談会である。その中で金文京氏が興味深い発言をしている。すなわち金氏は、漢字を使用する「漢文文化圏」として東アジア文化圏を括ることを提唱し、ここには共通書写言語としての文言文だけではなく、各国語の言語構造の相違から生ずる変体漢文も視野に入れ、さらに中国語を各国語の語順や特徴に合わせて自動的に翻訳する技法を広義の「訓読」とみる。そして、「(そうした意味の―市來)訓読を通してだんだん周辺の民族が、中国語と自国語との違いに自覚的になり、そこから変体漢文的なもの、自国語の語順で書いてしまうような漢文、そしてさらに自国の文字を使って書くこと、漢字を直接的にしろ間接的にしろ利用して自国語を表記するということが生まれてくるわけです。これは中国の周辺諸地域で普遍的に起きた現象です。正規の漢文だけに限ってしまうと、そういう多様な世界が見失われてしまう」と語る。
よく言われるように、日本語、特にその漢語語彙は、いわゆる漢文訓読の歴史と一体的に展開してきた側面を持つ。金氏の言い方は、根幹となる中国文言文も中国に限られない広がりある中国文化の一部であり、かつその「訓読」を日本のみの伝統として中心化するのではなく、東アジアの広がりを持って捉えていくのに必要かつ穏当な視点として、十分に共感できる。この広がりの視点から中国文言文を解読する日本の中国学を、欧米の中国学の存在も視野に入れつつ考えると、それは、日本における他文化研究でもありつつ、広い意味で自文化研究でもあるという二重性を帯びているという特質が浮かびあがる。その二重性を生み出しているのが、日本語訓読法による中国文言文解読技法であるといえよう。
ここでは詳しい説明は不可能だが、すなわち、日本語訓読法では、ⅰ文言文中国語の原文に対し語順変換をし、ⅱ古文日本語に固着するにあたって原文漢語の多くを漢字として保存する。もとよりこれは、日中の言語構造の相違に由来する問題への対応から生じていることである。語順変換において中国語としての単語の文法的働きを日本語文法に対応させ、漢字保存において中間段階の翻訳訳語として原字のままで日本語読者間で訳語を共有する。後者は、漢語が歴代、日本語語彙に大量に入る基礎を為し、語彙内容面で中国語と分離し難い日本語の歴史を作り出した。またこのⅰⅱの作業を逆にたどることにより、書写レベルで文言中国語の再構成が可能になり、文言文を使用する中国・朝鮮社会の文化人との双方向コミュニケーションが、制限つきながら歴代作り出された。音韻、音感に関する諸問題が欠落しがちなので部分的ということにとどまるが、文言文中国語の、かつ書写による応答という限りにおいては、訓読法は、受信にも発信にも有効な言語交通手段として機能した。結果的に、欧米語文化からすれば、漢語とその漢字による記述において日本語は中国文化と切り離せない様態にあるとみえ、また中国語に対する日本語側からすれば、中国文化の理解を日本語内部から深めることが可能という感覚を主観的には持つことになり、しかしそれとともに日本語世界にとって中国語世界との相違が厳然としてあるのはやはり否定し難い。かくて日本の中国学は中国文化に対し、よかれ悪しかれ自他の二重のまなざしを持つことになったといえまいか。
漢文訓読法を資料解読技法の問題としてみる場合、先述のように中国語直読法(直読かつ中国語講釈により理解する方法)と切り離すか併用するかという次元で議論がおこる。だが、中国語直読だけを基本とすると、右の歴史的経緯の中にある自文化・他文化研究の問題が、日本語と中国語との対抗枠の中で、自・他の二者択一的問題に変換されて後退してしまいがちになる。しかし自己のことは内からはよくわかるが客観化して見ることは難しく、他方、他者のことはその外貌は見やすいがその内部はわかりにくい。国際化の日常化の中では、日本からの研究として世界にいま何を語れるかが問われている。自・他の両方にまたがる視線を持つことが、研究の深化には必要であろう。他者である中国文化の表象であることを自己のものと錯覚し誤解に陥りやすいことを自戒して臨めば、訓読法は、自己の内部に他者を探る方法ともなり、またそこからの理解が欧米と中国の中国学の橋渡しの働きをするのではないか。
以上は、日本語使用者にとっての研究の視座と研究言語の関わりという問題になろうが、こう考えると、あらま欲しきを言えば、資料を中国語で読み講釈できる力と、訓読法で理解する力、および中国語で理解した内容を欧米語、例えば英語で講釈できる技量という三者を身につけ、それぞれの特質や干渉を踏まえつつ適宜併用することが最善である。力量的にその全きの併用が難しい様態にあるにしても(本展望子もそうである)、しかし次善の考えとしては、自身の技量は理想に対しては限定された一部であると自省し、自身の現在に閉じてしまわないように務めることが肝要であろう。こうした中では、(日本語母語者でなくても)日本語使用者にとっての訓読法は、文言文資料解読において、研究が自文化研究と他文化研究の対抗択一的問題に陥るときにあるいは生じかねない齟齬を橋渡しする媒介となるのではなかろうか。
一、総記
さて、研究の方法からみて、出土文物による古代思想研究と現地調査による研究、及び日本在住中国人研究者の中日思想文化交渉研究という三つの分野で成果があがっていることを「はじめに」で述べたが、それ以外にも重要と思われる他の単行本も多々あるので、以下、工夫に欠ける話ではあるが、研究対象のほぼ古いものから時代を下る方向で論及していくこととする。
まずは、特定の時代に限られない、「総記」にあたる論集について三点ふれたい。
福井文雅博士古希・退職記念論集刊行会編『福井文雅博士古希記念論集 アジア文化の思想と儀礼』は、斯界分野の盛期のフランスシノロジーをパリで学ばれ、世界的に活躍されてきた福井文雅氏の古希と早稲田大学退休とを記念して編まれた本文九百五十頁にもなる、氏の影響を受けた四十八名の執筆者による論集である。「儒教と先秦思想」(十三編)、「道教と神仙思想」(十五編)「仏教と日本思想」(二十編)の三部から成り、儒道仏三教にわたって論文が並ぶ。巻末に付録として載せる森由利亜「文化に育まれる知―福井文雅教授の御退職に寄せて」(『東洋の思想と宗教』第二二号より転載)で森氏は、福井氏の研究方法を、「儀礼的(社会的―森氏)、比較文化論的な位相から、観念の位置づけを論じ、さらにその関係を歴史的な位相のなかで検討する」と端的に述べるが、本書は祭祀や身体的振る舞いや儀礼の問題となんらかの関わりを持つ論考を多く収載し、福井氏の研究のこの幅の広さがあらわれている。
その二は、ほぼ古代が対象と言ってよいが、小南一郎編『中国文明の形成』である。本書は、京都大学人文科学研究所の小南一郎氏を班長とする「中国文明の形成研究班」が、いわゆる「釈古」の方法によって大きな成果をかつてあげた王国維『觀堂集林』の会読を通して得られた研究成果の報告である。「序言」他計十編の論文から成る。文献資料と出土資料との関係がこの分野では問題となるが、収載論文を踏まえ小南氏が、「文献をあつかう人々は文献内部の検討に終始し、考古資料をあつかった論文はもっばら考古学的な方法によって分析を進めており、二重証拠の方法を積極的に用いようとする論文は、ごく少数に過ぎない」と説きつつも、「釈古の方法が古代史研究に不可欠なものであることは十分に認識しているが、文献資料は文献として、出土遺物は考古学的な資料として、それぞれの領域で厳密な検討を加える必要がある。釈古の方法は、そうした検討を十分に加えた上で、採用すべきだというのが、我々の研究班の、ひとまずの結論」(序言)と結ぶ慎重な言葉に、本研究班の立場が表わされている。 その三は、麥谷邦夫編『三教交渉論叢』である。本書は、京都大学人文科学研究所における共同研究「三教交渉の研究」の研究成果の報告書である。共同研究で得られた茅山の道教の諸側面、及び関連する三教の交渉に関する認識を踏まえた二十二編の力作論文を収載する。ただ本書は、関連機関への寄贈によって配布されているようであり、読者の目に触れにくいので、あるいは市販ルートに載る刊行形態であればありがたかったかと思う。
二、先秦~隋唐
以下、研究対象の時代ごとにみていく。まず先秦時代については、右の考古資料中の文献資料ともいうべき郭店楚簡・上海博物館蔵戦国楚簡を中心とする出土資料の研究が、本年度も進展している。狭義の専家ならずとも、動向に注目している諸賢も多いであろう。
この郭店楚簡と上海博物館楚簡の研究については、池田知久氏を中心として発足した中国出土資料学会、浅野裕一氏を中心とした戦国楚簡研究会の二つの研究会によって解析が進められてきた。このうち、中国出土資料学会が先に立ち上がったため、一昨年の二〇〇三年度展望で報告があったように、成果の第一段階のまとまりの研究書が出た。本年もこの中国出土資料学会関係の研究者の成果が、研究誌として中国出土資料学会『中国出土資料研究 第9号』、池田知久監修『郭店楚簡の研究(六)』(大東文化大学郭店楚簡研究班)が、また訳注として曹峰、李承律/上海博楚簡研究会編『上海博物館蔵戦国楚竹書『昔者君老』『容成氏』(上)訳注』(出土文献と秦楚文化 第二号)が出ている。
これに対し本年度は、戦国楚簡研究会のこれまでの活動が、浅野裕一編『竹簡が語る古代中国思想―上博楚簡研究―』、浅野裕一編『古代思想史と郭店楚簡』としてまとめられて刊行され、現段階の成果の概略がうかがえるようになった。前者は、浅野裕一氏「まえがき」に続き、四名の研究者による十編の論文を載せる。後者は、やはり浅野氏の「序文」に続き、五名の研究者による十六編の論文を収載する。執筆者として、前年末に『説文以前小学書の研究』を上梓し、また文字を書くという立場からの古文字学に造詣が深い福田哲之氏が加わっており、文字の分析に強いことが、この研究会の特色である。
一連の研究は、もとより出土資料研究であるから、考古学的研究から見たその文物の埋蔵年代の確認を研究の出発点とし、文献の解読結果を従来の思想史研究の成果とすりあわせつつ、その位置づけを考察することになる。上海博物館蔵楚簡については、その測定の年代が前に公表されていたのに対し、郭店楚簡は科学的測定の数値が発表されておらず、一つの問題であった。この問題に関する新しい情報と思われる記述が、この『古代思想史と郭店楚簡』の「あとがき」(湯浅邦弘)にみえる。すなわち、研究会が郭店楚墓と荊門博物館に調査に行った際に、郭店一号楚墓の「棺木」の炭素同位素分析による測定値が博物館に掲示されていて、基準年から換算すると前三九〇年±一七〇年とのことで、従来考えられていたよりも遡る数値が出ている。素人考えでは竹簡そのものの測定であればと思うが、今後の研究の基準に関わることでもあり、識者による測定報告の翻訳などによって根拠が共有されることを望みたい。
この出土文献研究は、まず竹簡上の文字自体の解析からはじまり、文字の釈文の上で、甲骨文・金文学および関連する清朝考証学の知識により、出土全文献を念頭に置きつつ、文字の仮借使用をじっくり検討することが求められ、手間がまことにかかることが門外漢には想像できる。また、本分野の研究は、戦国時代の思想史を大幅に書き換えることになる可能性を含むが、上海博物館蔵楚簡の全容はまだ公開されきっておらず、論議はまだ初期段階というものであろう。この二つのゆえに、検討には大胆さとともに慎重さを求めたい。加えて、経書の由来が思ったよりも遡りそうだとすると、そこから見える後世の漢代思想の相貌も変わってくる。これは中国思想文化史の理解全体に関わる課題でもある。漢以降の後代へ向けての識者の今後の論議にも期待したい。
経書問題ではないが、郭店楚簡の発見がその漢代思想研究の再考につながることを示す碩学の研究書が公刊されている。澤田多喜男『『老子』考索』である。現在の『老子』は、前漢のごく初期までは「老子」とは呼ばれておらず、それが『淮南子』以降、「老子」の名がつくようになる。本書は、馬王堆帛書本『老子』を検討対象資料の基礎に据えつつ、書物名称「老子」をめぐる漢初の状況を探ることを軸とし、郭店楚簡本、馬王堆帛書本、王弼本の相互関係や距離を緻密にはかる。郭店楚簡本の登場により、馬王堆帛書本の位置が客観化、相対化したことが本書を生み出すきっかけとなったといえる。
さて、漢代はその後の清朝まで続く王朝(その主観に即せば「皇朝」)統治体制に関わる中国の思想と知の枠組が形成される時代だが、このことに関わる儒教のいわゆる国教化という、古くて新しい問題に関する重要な研究書が、本年は二点刊行された。
福井重雅『漢代儒教の史的研究―儒教の官学化をめぐる定説の再検討―』は、福井氏が、前漢武帝の建元五年、董仲舒の対策により太学に五経博士が設置され儒教が国教化されたとする定説は、実は儒家思想の盛行を承けた後漢の班固『漢書』によって後から想像して付け加えられた伝承であるとする画期的論文、「儒教成立史上の二三の問題―五経博士の設置と董仲舒の事跡に関する疑義―」(史学雑誌七六―一)を発表して以後、四十年に垂んとする間に、氏の見解を補強した多くの論文を集大成したもの。本書に詳述された、「儒教の官学化・国教化」「五経博士の制度と五経の用語」「董仲舒の対策の実態と年次」「班固の思想と『漢書』の成立」等の諸問題は、兩漢思想研究を深化させる上で、いまなおきわめて重要なテーマである。
渡邉義浩編『両漢の儒教と政治権力』は、その福井氏の新著刊行に連動するものである。本書は、第五〇回国際東方学者会議(東京会議)のシンポジウム「兩漢の儒教と政治権力」の報告論文五編(附コメント)と、「兩漢の儒教と政治権力」をめぐる研究の現在を示す「合評会 福井重雅『漢代儒教の史的研究』」および世界の研究動向四編という二部構成から成る。特に注目すべきは「合評会」であり、編者渡邉氏の報告「二千年の定説を覆す」とともに、福井氏自身も登場する「討論」である。哲学・思想分野と歴史分野の研究者間の交流と議論の場の必要性を改めて考えさせられる。
次に、魏晋から隋唐の思想研究に関する重厚な研究書二点の刊行を喜びたい。
福永光司『魏晋思想史研究』は、先年物故された老荘思想、道教研究の大家の、魏晋老荘思想研究に関わる論集である。何晏と郭象、東晋時代の老荘と仏教、阮籍・嵆康・陶淵明という三部立てで十二編の論文を収載する。原載誌からこれら諸論文を集めるのはもはや手間がかかるものであり、それが一堂に会した姿は重厚でかつ重宝する。研究の前提は本書諸論文初出時に比べて相当に刷新されているともいえるが、本書は、これから魏晋思想分野を研究する者にとっての出発点となり、研究の古典として読み返される高い価値あるものといえよう。
野間文史『十三経注疏の研究―その語法と伝承の形―』の基礎となるのは、十三経のあの膨大な注疏の読破から得られたデータである。本書は、①五経正義解読の難所と五経正義の語彙語法の検討という、注疏を読むに当たっての実用書という側面、②北京大学出版社および台湾新文豊出版公司から刊行された三種の標点本十三経注疏の底本、校定、文字の誤刻、句読等の問題の検討など、標点本に対する重大な注意喚起という側面、③春秋正義の版本や劉文淇の左伝学といった個別のテーマ研究という面といった多様な側面を持つ。特に①は、六朝から唐初の語法と議論の型を緻密に読み解き、訓読にとっての難読部分を用例をもって検討し見通しをつけたもので、門外漢にも有用である。また②は幸いに中訳されて中国側の目にふれたとのことだが、今後、標点本使用に当たり必読文献として読まれよう。
三、六朝~近代の道教、民間信仰研究
近二十年の日本の中国学(哲学)研究で面貌を一新した分野といえば、道教研究の分野であることは言うを俟たない。日中間の往復が(日本側からは)ほとんど自由に開けたことにより、中国各地の遺跡や今に生きる信仰実態の調査が可能になったことと、及び日本現代社会から見た場合の未知の俗信的なものに対する関心とがこの進展を支える。台湾地域も含めて現地でその宗教活動に接するなかで、研究の根拠となる資料のあり方が刷新されつつあるようである。調査の中で修行にも接し、それは一面では内丹研究の深化となってあらわれているが、本年は、生きた宗教活動の儀礼的な側面や宗教的習俗の調査の蓄積が、書物になって多く刊行されている。現代の道教の実態研究も含めて、以下、ふれたい。
まずは、高度な話題を組み込みながらわかりやすく説かれた概説書として、坂出祥伸『道教とはなにか』が刊行された。本書は、全体として、天地万物の生成のもととしての「気」に根拠を置き、呪術を核とし、不老長寿、福禄寿を求め、その延長に不死を救いとする宗教として、道教を紹介する。この二十年の日中交流と調査を体現し、資料として馬王堆帛画の導引体操、漢から唐代の墓や遺跡から出土した呪言、呪符関連の文物などを用いつつ、既存文献資料と組み合わせて語る点が新鮮である。中国現代の気功事情にもふれる。
この坂出氏も加わり共同研究として右の出土資料や呪符資料の調査をまとめたものとして、大形徹・坂出祥伸・頼富本宏編『道教的密教的辟邪呪物の調査・研究』が刊行されている。同名の科研費研究による研究成果を「主として道教の呪符に絞って刊行」(序文)したものとのことである。中国東南部から、シンガポールに至る東南アジア各地の、日本風に言えばお宮で呪符を収集し、また道教形成以前の後漢から教団道教の活動たけなわの唐に至る出土資料や道蔵の中の呪符を収載、解説し、さらに歴代および各地の各種呪符の意味、意義を考察する。習俗的信仰が生きる姿を活写する資料として貴重である。
こうした呪符のようなものも科研費研究の対象となるのかと思う学会員諸賢もおられようが、さらに民間習俗に深入りした研究が、科研費の研究成果公開促進費を受けて刊行されている。川野明正『中国の〈憑きもの〉―華南地方の蠱毒と呪術的伝承―』である。本書は、川野氏の学位論文(中国文学分野)を改稿、補足したものであり、「あとがき」でその著作企図を氏は、「蠱毒をはじめとする中国南部の様々な霊物の信仰伝承を『呪術的霊物』の概念により展望し、総合的な研究視座を与えるべ」く書いたと語る。主として雲南省の各民族に伝承されている呪術的霊物信仰を現地調査し、併せて筆記小説、地方志、民国以降の民俗誌などの文献資料をつきあわせて、呪術的霊物信仰の様態を多角的な視点から記述する。タイトルの印象とは異なり、丁寧に作られた研究と覚えた。
話を道教研究に戻そう。前年末に刊行されたものだが、台湾の道教儀礼の調査にもとづき、調査と文献解読とを両立させつつ、道教儀礼の歴史的位相を解明しようとする手法の道教研究として、丸山宏『道教儀礼文書の歴史的研究』があるが、本年はさらに、現代の台湾地域における道教の実態状況の調査をまとめた上で考察を加えた研究として、浅野春二『台湾における道教儀礼の研究』(笠間書院)が刊行されている。本書も、学位論文を改訂したものとのことである。「道士と道士団」「台湾南部における斎醮儀礼の種類と程序」「中国宗教文化における道教儀礼の位置」の三部から成る。
国際化の中で、今後、こうした調査に基づく研究がさらに盛んになろうが、生きている宗教や信仰習俗に関する現地調査は、単に現地に行ってやみくもに見学を願い出ても核心はつかまえられず、また相手にもされないことが予想される。その一方、外国人である故に研究の俎上に載せ得る問題もあろう。宗教信仰というものに対する敬虔な心と、その宗教儀礼に対する実践的知識をきちんと持ち、信頼を得る手続きを踏んで成果をあげていただきたく思う。
なお、既存文献の解読からもたらされた道教研究の成果として、目録「補遺」の中嶋隆藏『雲笈七籤の基礎的研究』(二〇〇四年)にふれておきたい。『雲笈七籤』は、北宋の張君房が一〇一九年に真宗の命により宮中図書の道教書籍四千五百六十巻を整理してその精要を採ったもの。本書は、道仏儒の思想がまさしく交錯する北宋初に成った、時代を象徴するこの一書を、そのテキスト問題からはじめ、この書物が引用する典籍とその思想を解析し、関連する六朝末から唐末五代期の道教思想の諸問題を論じて、多角的な視点から検討する。三教の相互交渉が前提となる宋代以降の思想史を考察する前提認識を形成するのに寄与するものとなろう。
四、宋元~近代
漢以降、知の枠組は王朝統治の政治体制と一体で展開する。その知の担い手の中心は、制度的中間知識人層ともいうべき士大夫官僚であり、儒教が彼らの知の柱となる。その士大夫官僚層は、宋以降、科挙によって再生産されるようになる。思想文化も、そうした知の担い手の社会的あり方に沿って再編される。北宋半ばからは、右の『雲笈七籤』に象徴される三教交渉の基礎を儒教が引き受けようとし、心性の課題を仏教、道教、老荘思想から吸収するようになった。こうした動きは清までの数百年の射程を持つ思想史の基本問題であるため、例年、収穫がみられるが、本年も以下のような成果があった。
小島毅『中国の歴史07 中国思想と宗教の奔流 宋朝』は、「中国の歴史」シリーズの一冊だが、他の巻は史学分野の専家が執筆者なのに対し、本書は思想史分野の専家の執筆である。タイトルの意味は小島氏によると、「唐代に発展の基礎をきずいた禅の思想が花開くのは宋代であり、またその影響を少なからずこうむって、道教の内丹思想や儒教の心性論が展開していくのである。それは宋代陶磁がもつあの宗教的な雰囲気、高尚な精神性にも通じている。まさしく、宋代とは思想と宗教の奔流の時代であった」(はじめに)ということであり、右の三教相関の構図のもとに、近年の史学、思想学、文学研究の成果を非常に幅広く吸収して成った、宋という社会を複合的多角的に解説する概説である。
吾妻重二主編、黄俊傑副主編『国際シンポジウム 東アジア世界と儒教』は、二〇〇四年に、主として国立台湾大学の研究者と協力して関西大学で開かれた同名の国際シンポジウムの発表論文及び講演稿等十五編を収録する。シンポジウムの企画について、本書刊行の前文として編者吾妻氏は、「東アジアという地域はかつてどのような文化を持っていたのかを、政治イデオロギーや狭隘なナショナリズムの磁場から離れて再検討したいと考えたのである。実際のところ、儒教を抜きにして中国・韓国・ベトナム・日本の過去を語りうるはずがなく、そして私たちの過去を知ることはまた、現在をより良く知ることにもつながるはずである」と語る。本展望子にとっては、「中国と韓国、ベトナム」の部の諸論考が、冒頭に述べた他文化・自文化研究と言語の関わりという観点から興味深かった。
なお、関連して、村田雄二郎、C・ラマール編『漢字圏の近代―ことばと国家―』も、文学部門の書ということになろうが、研究の視座と言葉の関係を考えるのに示唆的である。さらに、他文化・自文化研究と言語の関わりに関連して欧米の視座からの研究の論述を一つ紹介しておくと、論文だが、浙江金華地域で南宋末以降に士大夫層が地域意識を持つようになったことと、そこに絡む諸要素を、士大夫の社会的心性(メンタリティー)の相で詳細に分析した、ピーター・K・ボル「地域史と後期帝政国家について―金華の場合―」(鈴木弘一郎訳、『中国・社会と文化』第二〇号)がある。日本の分野区分では中国史学と思想史学分野の両方を覆う問題設定で分野区分に収まりにくいアプローチであることと、中国に対する他者といえる米国からの研究の深度の一端がうかがえるという点で興味深い論であった。
話を戻し、いわゆる宋明の儒教を取り扱う専著研究書をみると、伊東貴之『思想としての中国近世』と垣内景子『「心」と「理」をめぐる朱熹思想構造の研究』の収穫があった。
垣内氏の『「心」と「理」をめぐる朱熹思想構造の研究』は、氏の学位請求論文に加筆したもの。垣内氏は、「『心』という極めて実感的・主観的な要素や『工夫』という極めて現実的・実践的な行為をも含むあらゆる人間の営為を支える『理』という概念の外延の広さ」を「朱子学の『おもしろさ』」と語り(序)、「心」の「工夫」の問題を中心として、いわゆる「敬」「格物窮理」といったいくつかの基本概念を、「朱熹自身の論理を再構成することを通し」て「再定義」しようとする(序)。本展望子は、重要資料である『朱子語類』の記述のあり方を問題とし、語録形式ゆえにそこに必然的に存する曖昧さを吟味して、なにがどこまでわかるかと嘆息する補論、「『朱子語類』の記録をめぐる一考察―『語類』の言葉は誰の言葉か―」に、氏が右の目的で資料に対峙する姿勢の真摯さを覚えた。
伊東氏『思想としての中国近世』は、明清交代期と清初の儒教言説を、広く唐宋変革を経た宋代以降の思想文化の流れの展開として位置づけるべく、既発表論文を六章に再編して成った論集。研究そのものの核心は、明清交代期の儒教の諸要素を吟味する第四章「〈秩序〉化の位相」と、清初の呂留良の思想とその波紋を吟味する第五章「近世儒教の政治論」にある。しかし本書の特色は、「中国近世」という思想史の文脈にその明清交代期の思想を位置づける手際のよさに見出せる。旧来、宋からの下向的展開として明清を捉える視角と、近代から上向的に明清を位置づける視角とが必ずしも整合的ではなかった。これに対し溝口雄三『中国前近代思想の屈折と展開』(一九八一年)が、社会史的視点を導入しつつこれを一貫させる視座を提起した。伊東氏はその視座を批判的に吸収しつつ、近二十年の宋~清の儒教思想研究の成果を貪欲に消化する。その結果、本書は、中国学外部者も含めてこの分野に関心を抱く者の導きの糸となる良き研究解説の書ともなった。
元時代の思想文化研究としては、野口善敬『元代禅宗史研究』が刊行されている。本書は、いままで研究対象としてあまり取りあげられてこなかった元代の禅宗に関する本格的研究である。野口氏は、荒木見悟氏の薫陶を受け、陽明学をはじめとする明清の士大夫思想にも通暁する。そこからすると三教相関という思想史的観点から論を立てることもできようが、氏によれば、「元代禅門に関する纏まった教学史すら存在しない」(あとがき)ために、あえて禅宗に限ったとのことである。「元代仏教の概観」「元代江南における臨済禅の展開」「元代仏教の諸相」「禅浄双修の問題―元から明へ」から成る。「元代仏教関係繋年資料」等の三点の「付録」は、思想史研究にもきわめて有用である。
明清時代は近代の前に位置し、以上までの時代の中国の思想文化の知の枠組は、近代を前にして転換を余儀なくされる。と同時に、前代の遺産をまったく投げ捨てるということはありえず、一見脱皮するかのようながら、そこにやはり連続する線を引きずらざるを得ない。森紀子『転換期における中国儒教運動』は、まさにこうした領域を課題とする研究である。本書は「明末の世相と儒教の変容」「中国の近代化と儒教運動」の二部から成り、「明末および清末民初という中国伝統社会の二大転換期に焦点を当て」、「この両時期を重層的にとらえた際に通底する儒教思想の要素の抽出を試み、その分析から儒教思想の本質にも再吟味を加えよう」とする(序)。本書で「儒教運動」と言うのは、例えば陽明学とか中体西用論とかといった、思想史で従来中心的に語られてきた動きを指すものではなく、そうした表層の潮流の深層にある、近代に迫られて儒教自身が脱皮蘇生しようとするしぶとい姿を言うようであり、著者のその射程は、現今の中国社会にも及ぶ。
五、近代の日中思想文化交渉
次に、日本留学あるいは日本在住の中国人研究者による、思想文化に関わる日中交渉の研究に実りがあったことを喜びたい。八〇年代以降、日本人の中国留学が可能になるとともに、中国側からの日本留学も可能となり、その象徴として、北京の日本学研究中心のような機関も稼働しはじめた。この日本学研究中心で学術研究に向かった初期の修了生に続いて、次の世代の諸氏の成果がまとまりはじめ、本年はそのうちの二点が刊行されている。
王宝平『清代中日学術交流の研究』は、日本で一九九二年以降に発表した論考をまとめ日本で取得した学位論文に増補、訂正を加えたもの。第一部「人による学術交流」の序章に加え十章、第二部「書物による学術交流」の序章に加え五章の二部から成る。第一部は主として、明治前期の来日清国人と明治人との文化交流と中国側の日本研究を実証的に論じ、第二部は主として、元・胡文煥『助語辞』の日本移入とその影響、中国の日本研究としての『吾妻鏡』研究を論じ、全体として清代中国の日本文化観や同時代の日本の中国文人観がうかがえて興味深い。
李暁東『近代中国の立憲構想 厳復・楊度・梁啓超と明治啓蒙思想』は、やはり日本で発表した論考をまとめ日本で取得した学位論文を加筆・修正、補筆して成ったもので、厳復、楊度、梁啓超の立憲政治観を考察し、その構想の特徴を浮き彫りにするために、やや先行する明治日本の加藤弘之、福沢諭吉ら啓蒙思想家たちとの比較を試み、対象として取りあげた厳、楊、梁ら三名が、民国初期に「西洋」と「伝統」の緊張の下で保守化することの中に、立憲への思索の深化が実はあるという意義を見出す。
この王氏、李氏のような研究は、中日それぞれの資料の博捜と両言語による解読が必要であり、またそのことで中日の両方の文化を客観視する目をも持つことになる。また、日本学中心の関係者ではないが、魯迅が語る「掙扎zhegzha」という語に、日本語の「抵抗」に近似しかつ心の内へも向かう特殊な観念を竹内好が見出したことを抽出して、竹内の精神の広がりを論じるという、孫歌『竹内好という問い』という書も、本稿冒頭で述べた研究の視座と研究言語の関わりで言えば、自文化・他文化研究の交錯という同様の課題を提起するものとして読むことができる。日中両社会の文化に関わるこうした視座、あるいは研究対象が中国のみであっても日本語を修得し日本の中国学の方法を身につけた方々は、自身の内なる中国文化を外からみる視線を獲得することにもなる。そうした研究の輩出は、日本の中国学にとってのみならず、中国の中国学にとっても貴重なことであろう。
なお、近代の日中の社会、文化交渉と言えば、その両国の間にある琉球の位置の意義も重要である。史学分野の書だが、西里喜行『清末中琉日関係史の研究』という非常なる大著が刊行され、アヘン戦争以後の中日関係の中での清国にとっての琉球問題について追究している。また本会員の著としては、三浦國雄『風水・暦・陰陽師―中国文化の辺縁としての沖縄―』が、近代以前の中国の日常生活面の文化が渡来して独自に蓄積して今に伝える宝庫としての沖縄を論じている。
六、その他
以上、古代から時代を下りつつ、研究書を中心に二〇〇五年刊行の単行本をうかがった。ここで、以上に論究できなかった単行本のいくつかの動向について簡略にふれよう。
その一は、工具書や研究案内の書である。米山寅太郎『図説中国印刷史』は、静嘉堂文庫長の米山氏が、長年にわたるその書誌学研究の蘊蓄を傾けて、静嘉堂をはじめ主として日本に所蔵されている善本古籍の写真を図版としつつ概説した中国印刷出版史。版本の問題に関心が向かうときに常に繙くものとして、座右に備えたい書である。また訓読技法の継承に対する危機感は日本史研究分野に切実な問題としてあらわれているようであり、池田温編『日本古代史を学ぶための漢文入門』が、研究案内の書として刊行されている。
その二は、特殊な分野の書物である。岸辺成雄『唐代音楽の歴史的研究 楽理篇・楽書篇・楽器篇・楽人篇』をはじめ、その他は一々ここで書名はあげないが、数学史、化学史、音楽史、絵画史などの特殊な諸分野に関して研究書、概説書がいくつか刊行されている。思想文化を歴史的に考えるときにあるいは知識が必要となることもあるので、注意を喚起しておきたい。
その三は、翻訳・訳注および研究書の再刊についてである。「中公クラシックス」のように、かつて公表された翻訳・訳注が版型を替えて補訂されて刊行されるもののほか、本年は、筑摩書房の世界古典文学全集シリーズで中国古典に関するものが多く再刊され、また創文社東洋学叢書シリーズも再版が多く出されている。新たに手元に置きたい方のために、ここにやはり注意を喚起しておく。
その他、関連する学会、研究会の活動、また学会誌、研究誌の動向などについて論究すべきことも多いのではあるが、前年、一昨年の本展望欄でもかなり紹介されているので本年は控えることとし、これらについては次年度にあらためて課題としたい。
最後に、出版目録に基づく報告でなくて恐縮だが、重大な問題を一つ指摘しておきたい。日本学術振興会科学研究費の「中国哲学」分野枠についてである。二〇〇五年の時点で、定員が二百十名の日本学術会議で中国学関係者は史学も含めてわずか三名とのことだが、科研費の審査の仕組みも変化しつつあり、応募総数が少なければ分野枠は閉鎖となりかねない。それに関連することだが、個人研究の中心となる「基盤(C)一般」の「中国哲学」の応募件数が二〇〇五年は三十件にも満たなかったとのことである。「奨励研究」や「(A)」「(B)」で応募している可能性もあり、複数の代表者となるのは不可なので、「中国哲学」分野の応募総数はもう少し多いはずである。継続者も応募不可であり、この応募者と応募不可者を併せると、この倍数程度は科研費に本年関わっているはずであるが、しかし応募資格を有する者はさらにかなりはいるかと思われる。本展望子の所属機関では、応募しないとその理由を部局長が強く問い質すことになっているが、単にそうした各機関内の問題としてではなく、斯界の若手研究者や大学院生に対する本学会員の務めとして、応募資格がある者はみな応募するという努力が、いま必要なのではあるまいか。
単行本を中心に全体を見渡そうとしたが、ふれられなかったものも多く、ふれたものも著者に即して理解したというまでにはとうてい至っていない。どのように記述したら「展望」といえるのか、もう少し工夫が必要のようであり、ご海容をお願いする次第である。
(市來津由彦)